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夜道の防犯 ②対策
2022/05/12
夜道は痴漢・つきまとい・連れ去り・暴行・ひったくり・路上強盗等の危険度が増します。
前記事【夜道の防犯 ①危険な場所】で身近な場所・よく利用する道で危険を想定できる要注意の場所を挙げましたが、「家に帰って鍵をかけるまで」常に用心することが大事、前記事に挙げた場所は輪をかけて警戒すべき場所です。
では日頃からどんな対策があるでしょうか。
『暗くなったら出歩かない』
ひとりの時はひとけのない時間帯・場所は出歩かない、これが一番です。相手が複数人の場合、ひとりでなくても狙われる可能性はあります。特にカップルだと余計に狙われる要因になることも。
また明らかに酔っている様子だと、狙われやすい獲物と判断されるでしょう。
性別では女性が全年代で狙われやすいですが、中高年では男性も主に金銭目的で狙われやすくなります。
しかしこれでは生活が成り立ちませんので、夜間は日頃から用心して出歩くしかありません。
■場所ごとの用心
①家の付近にいる人間がこちらを気にしていないか・ついてこないか確認してから家へ入る。
②門扉や玄関、集合住宅のエントランス扉・居室扉の鍵を開けるのは、背後左右に誰かひそんでいないか・後について入ってこないか確認してから。入ったら必ず施錠。
→鍵開け中の無防備を襲われる危険、押し入られる危険有り
一軒家は門扉が施錠されていても、乗り越えて玄関付近の死角や植木の影で待ち伏せしやすい。

死角が多く、外部からは見え難い
特に集合住宅は住人同士であっても自分の鍵でエントランスを開けて入るのが防犯の鉄則。
→参考【我が家の防犯・集合住宅編】
③エレベーターはできるだけひとりで乗る。
帽子等で顔がカメラに映り難くしている人物が乗ろうとしたら譲って自分は乗らない。途中階で乗ってきても降りる。

④夜間はできるだけ階段を使わない。
※集合住宅・テナントビル・屋外含む。

階段は使用者にも周囲からも死角が多、足場的にも逃げ難い。
⑤高架下・高架沿い・地下通路・公園内や公園側道・堤防沿い等、前記事②~⑨に挙げた場所はできる限り避ける。
⑥車・自転車の乗り降り前は駐車場・駐輪場(特に駐車中の車の中や影)やその周囲に不審そうな人がいないか確認してから。
車は乗ったら即施錠する。
⑦電車やバスでジロジロ見られていないか、一緒に降りて後ろをついてくる人がいないか?
もしいたら(できるなら人がいる場所・明るい場所で)追い抜かせる。
■夜道の歩き方
①できるだけ人通りの多い、明るい道を選ぶ。
②いざという時に助けを求められる場所を把握しておく。
→交番、コンビニ等の夜間営業している店等
※24時間営業以外は営業時間を把握する
③ながらスマホをしない・イヤフォンをしない。
→操作や通話中、音楽を視聴中は無防備で狙われやすい。
④速足で歩く。
⑤周囲の視線や気配、後ろをついてくる気配がないか周囲に意識を配る。
⑥カーブミラーで死角を確認する。
曲がり角で待ち伏せていないか、背後をつけてくる不審者はいないか確認に活用。

⑦片手にスマホを持ち、いざという時にすぐ110番できるようにする。
⑧バッグはできるだけ体の前、または道路と反対側へ。
⑨もしついてきているかな?と思ったら、距離が離れている内に振り返る。
ついてきているなら振り返ってけん制しつつ、できるだけ早めに人がいる場所・明るい場所で追い抜かせる。
※相手の目的が悪戯や性的暴行なら怯えた様子を見せると喜ぶ=行動がエスカレートする危険があるので、振り返る際は毅然と。但し未遂の段階で攻撃的な態度で怒らせない。因縁をつける理由を与えない。
※振り返る目的は相手に気づいていること、警戒心のある相手だと思わせることです。
⑩遅くなると分かっている時は、ブランド物のバッグ等持たない、走れる服装・靴にする。
→逃げ難い格好は狙われやすい。
→ブランド物のバッグはひったくりの目印になりやすい。

ヒールを駅でスニーカー等に履き替える方もいるそうです。
またドレスコードとしていかにも狙われやすい装いが必要な場合、遅くなったらタクシーを使う、迎えに来てもらうと安心です。
■それでも襲われたら
相手が複数の場合、囲まれない内に・刺激しないようさり気なく、助けを求められる場所へ逃げ込みましょう。タクシーに乗って逃げるのが一番です。
相手が攻撃的な様子を見せている場合、コンビニ等へ逃げ込んでも店員さん1人では太刀打ちできません。そういった相手の動向・状況によっては即、警察へ通報、可能なら警察署へ逃げ込みましょう。
相手がひとりだとしても、振り返る・相手に追い抜かせて先を行かせるという行為をしたのに諦めない場合、その場で物色して選んだのではなく、何か理由や執着、個人的な感情等る、すぐ警察へ通報または逃げ込みましょう。
警察は事件にならないと動かないという面はありますが、警察へ相談して履歴を残しておくことは、本当に襲われた際、僅かでも警察が迅速に動く上で大切です。パトロールを増やしてくれる可能性もあります。
更には相手の危険度に合わせて自己防衛レベルを上げねばなりません。それこそ夜道はひとりで歩かない、警察やプロ、周囲の助けを借りる、自宅のセキュリティを見直し・強化する、または物理的に相手が把握できない場所へ逃げる等。
※但し自宅のセキュリティを強化しても道具を用いて力ずくで侵入しようと思えばできなくはない為、手段を選ばない相手、危険度の高い相手の場合は通用しない可能性有り
上手くやり過ごせた、撃退できた、逃げられた、としても、相手が逆恨みしたり、狙う理由が行きずりではなかった可能性もあります。逃げたとみせかけてまた後をつけ、家の場所を知られてしまうかもしれません。その日の帰宅及び暫くは特に後をつけられていないか充分に注意しましょう。

夜道の防犯 ①危険な場所
2022/04/21
夜に遭った怖い体験談を紹介しましたので、今回は夜の防犯対策です。
※参考【いつもの道にひそむ危険】
昼間は至って平穏だけれど夜になると危険そうな場所・なぜ危険なのか、身近な所から洗い出しをしましょう。例えば【家の周囲】【通勤通学路】【よく行く場所】【駅・バス亭周辺】【駐車・駐輪場付近】など。
①家の前・玄関・階段・エレベーター
子供の頃「おうちに帰るまでが遠足です」と決まり文句がありましたが、「中に入って鍵をかけるまで」気を緩めないことが大人になっても重要です。
獲物を確実に狙えるのは、「必ず現れる場所」=自宅であり、一番気が緩むのも自宅です。
家に誰もおらず門扉を開けて敷地内に入ると、塀や生垣で外からは死角になります。玄関前で鍵を取り出す中、鍵を開けるという半ば無意識にできるルーティン中は背後・左右へ無警戒になりがちです。

集合住宅やテナントビル等で階段やエレベーターを使用する際も要注意です。監視カメラ付きエレベーターでも顔を隠すことはできますし、途中で乗り込んでくる、到着フロアで待ち伏せている場合もあります。
階段は死角も多く、監視カメラは全部の階を網羅できないので、設置されていても出入口です。

②駅や高速道路の高架下・高架沿い

高架下は死角になり、不審者が待ち伏せしたり引きずりこみやすく、電車や車の騒音で何かあっても気づかれにくい場所です。
また高架下が駐輪場や駐車場になっている所はフェンス等で遮られて見通しが悪く、狙われやすい場所です。

高架沿いは片側が高架で塞がれるので、逃げ場もひとけ・ひとめも少なくなりがちです。同僚Aも高架沿いの道で襲われました。
③無人駅・バス亭

全日無人駅・夜間無人駅でも諸手続きは便利になりましたが、友人Bのように電車が走り去った無人のホームに無人の改札、駅周辺にひとけのある場所も無く助けを求める当てがない!という事態もありえます。
タクシー乗り場があっても時間帯によってはタクシーがいない可能性も。

④地下通路

駅の地下ホームや線路の地下通路をひとりで通るリスクは説明不要ですね。
⑤駐車場・駐輪場
徒歩が一番狙われやすいとはいえ、車に乗る時・降りた時・場合によっては車中も狙われます。車を利用時は徒歩の時より警戒心が薄れる傾向にあります。しかも車の乗降時が一番無防備であり、停車中の車は足かせになる場合もあり、車中は身動きが取れず逃げ場のない、しようと思えば荒っぽく侵入できる密室です。
※参考【車に乗ったら施錠してますか?】
特にひとけのない駐車場(公園、道の駅、パーキングエリア、高架下、地下・屋内・屋上等)は要注意です。誰もいないと思っても、駐車した車の影や車内にひそんでいる場合があります。
徒歩で駐車場・駐輪場の前を通りすがる際も気をつけましょう。住宅街にある契約駐車場等でも隣家の建物、ブロック塀や生垣で遮られ、通行人には駐車場敷地内に不審者が待ち伏せていても見えません。

通行人には不審者が隠れていても直前まで見えない。
このようにどうしても死角が多くなる駐車場・駐輪場は待ち伏せされやすい・引きずり込まれやすい・引きずり込まれた後も周囲に気づかれにくい場所です。
また駐車場・駐輪場の形状によりますが、出口が一か所の行き止まりだと追い詰められてしまうことも。
⑥空地・公園・林やしげみ・池・川・堤防、神社・学校・グランド等
上記どれも側を通る際にリスクがある場所です。夜間に敷地内へ入るのは、通り抜ければ近道だとしても更にリスクがあります。

助けてくれるひとがいない
公園の外に通行人がいても見えない



無人になりやすいエリアは広ければ広いほど、リスクが増します。また監視カメラが無い・あるいは少ないことが分かりやすい場所は危険です。
写真では雑草が刈られ、定期的に整備されているエリアだと分かりますが、暖かい季節になればあっという間にしげって死角も増えます。
例えば昼間は新居ばかりで綺麗な新興住宅エリア。宅地開発されたばかりで空地が続く区画を通らないと新築の建つ区画へたどり着けない、自宅の周囲に家が建っていない、なんてことがあります。
どんどん家が建てば、通行も夜間の在宅も心強い。ひとけ・ひとめは普段意識する以上に防犯上のポイントで、地域で自衛・防犯意識を持つことで安全レベルを上げられます。
⑦工事現場
常時存在する公園等の⑥と異なり、工事現場は期間限定である時突然現れます。


がっちりフェンスで侵入できないようにしてあっても、搬入口はチェーンだけの場合もあり、引きずり込まれればフェンスや防音シート・機材等が死角になってしまいます。また、片側を塞がれるので逃げ場もひとけも減ります。
夜の工事現場を見ると「ひとつ屋根の下」の小梅を思い出してしまいます。ドラマとはいえ工事現場のあのシーンは痛ましい。
⑧空き物件

集合住宅は写真のように侵入禁止のフェンスで管理され、監視カメラは動作したままの場合もあります。しかし通行の際はフェンスが片側を塞ぎ、ひとけ・ひとめが途絶えやすい区画となりえます。
また、一軒家は建物入口は封鎖できますが敷地全体となると難しい場合もありますし、盗まれたバイクが空き物件の集合住宅の敷地に隠して停めてあったことがあり、管理会社の目の届かないところで出入りできるようにされている場合もあります。
⑨擁壁・階段・フェンス沿いの道

擁壁や階段、フェンス沿いの道は死角を作るだけでなく、逃げ道を減らします。この道のようにガードレールもあるとなおさらです。
⑩その他「ひとめ・ひとけが途絶えやすい」「死角」「身を隠せる」「見えにくい・聞こえにくい」「暗い」「追い詰めやすい」など、犯人が狙いやすい場所
①~⑨に挙げた以外でもリスクはあります。曲がり角・へこんだ場所・出っ張った場所の裏、シェードのある場所、行き止まり、人がいないことが明らかな建物・その影、公衆トイレ(屋外屋内共)、路駐の車(車内に人がいる/車の物陰に隠れている)、大きな看板やオブジェ、自動販売機等、木立、音をかき消す噴水など。
ひったくりは近いエリアで頻発することもある犯罪です。
各警察のサイトや情報提供サービス(愛知の場合はアイチポリスやパトネットあいち等)があり、事件の頻発具合や発生した町名まで知ることができることもありますので、用心するのに役立ちます。
※過去記事参考【防犯は地域の犯罪情報を知るところから】
危険が想定される場所の洗い出し、なぜ危険なのか警戒ポイントが掴めたら、次は対策です。
いつもの道にひそむ危険
2022/04/07
通勤・通学、お買い物、お散歩などで日々繰り返し通る見慣れた道、自分の町。酔っ払って記憶がないのに無事に帰宅できてしまうくらい身体が覚えている道。
しかし今日はそんな飽きるほど歩き、これからも歩かねばならない道や場所で実際に起きたお話を3つ。
■昼と夜では別の顔
私がまだ会社員だった頃。いつもギリギリ出勤の私と違って余裕をもって出勤する同僚Aさん(女性)が昼前に出勤してびっくり、さらに顔を見てびっくり。彼女の顔半分はガーゼに覆われ、包帯を巻いており、隙間から見える目の周囲は色が変わって痛々しい。
隣りの部署だったので本人から話しを聞くまで事情を知りませんでしたが、昨夜残業して帰宅途中にひったくりに遭ったとのことでした。
それほど遅い時間帯ではなかったものの帰宅ラッシュは過ぎていたせいか閑静な街の駅、高架下沿いの道を歩いていたのはAさんただひとり。
背後から2人乗りの原付バイクがやってきてAさんを硬い何かで殴りつけ、バッグを引っ張りました。彼女はバッグを抱えたまま転倒し、ひったくり犯が更に上から攻撃してバッグを奪おうとしたまさにその時、車がクラクションを鳴らしながらやってきたお陰で犯人達は逃走。Aさんはそのまま車の男性に助けられたとのこと。
男性が通りかからなければ、あるいは無視して通り過ぎていたら、Aさんは第二撃を受けて更に酷い怪我を負い、バッグも奪われていたでしょう。
現場は私も知っている駅ですが、高架下沿いの歩道はレンガ調で花壇と並木があって景観良く整備され、大きめの公園があってのどかです。

実際の場所は左側の空き地と家の区画は公園
しかし夜はどうでしょうか。
豊かな緑は見通しを悪くしたり影を増やして暗い部分を作りますし、憩いの公園はひとけ・ひとめの無い空白エリアとなります。
同じ場所を撮影して昼夜を比べてみます。左に公園、右手前に駐車場、奥に学校のある通りです。
撮影時、公園はにぎやかで通りも通行人が多く、人が写らないよう撮るのに苦労したほど。


しかし夜になると、公園と駐車場・学校という無人の空白エリアが広がっており、通行する用事のある人も途絶えやすい条件が重なります。こういった場所は用心が必要です。
写真は公園の街灯を利用して撮影していますが、写真奥・公園の街灯が届かない校舎沿いの通りや、校舎と駐車場の間の通りは更に暗くなります。
まん防解除後の20時少し過ぎた頃でしたが、通行人は犬のお散歩でおひとりだけ。
ちなみにここの公園は街灯が大きくて敷地に対して数も多く、煌々としていました。左側にも短い間隔で低めの位置に街灯があり、防犯対策の意識が伺えます。
住宅街では家人が在宅中でも外の物音には気づきにくいのに、誰もいない空間や建物が続くエリアはそれこそ通行人以外の目撃者・救援者がいない為、ひとりでいると狙われる危険があるということです。
特に原付バイクによるひったくりは不審がられることなくヘルメットで顔を隠すことができるので、後はナンバーを折り曲げてしまえば済む為、街灯があって明るめな道でも安心はできません。
とても身近な住宅街にはのどかゆえの、繁華街とはまた別の危険な面があるのです。
■降りた先は無人駅
私の友人B(女性)は独り暮らし。とにかくお酒が大好き!お酒が強いBはその夜も仕事帰りに終電間際まで飲んで電車に飛び乗りました。地元の駅に着いた時、降りたのは2人。Bと男性です。
その男性が話しかけてきました。道を尋ねる感じから入って結局は家を尋ねられ、断ってもしつこい。べったりくっついてきて、しまいには手首を掴まれ、怖くて酔いが覚めたそうです。しかし電車も行ってしまって改札は無人!周囲にコンビニ等もありません。

このまま振り払って改札を出ても、深夜寝静まった家々ばかりの夜道。後を着けられて家がバレるのも怖い。取り敢えず「迎えが来る」と嘘をついたものの、「迎えが来るまで一緒にいる」と粘られ、どうにか振り払ってトイレへ避難。
しかしトイレは一度入れば行き止まりです。深夜に連絡して駆けつけられる知人は・・・男性が一番安心ですが彼氏とは別れてしまった!(苦笑)ので、やむなく迷惑をかける覚悟でグループLINEへSOSメッセージを送信!
グループの中で夜更かしなのはBと私だけです。なのにスマホを放置しがちな私が気づいたのは受信から約10分後。すぐ気づいたのは普段は早寝の友人C。既にCが駆けつけることになっていたので、万が一のことを考え、Bは外の気配を警戒しつつ私とLINEでやり取り。もし男性が中まで入ってくる気配があったら即通報のかまえです。
結局BはCの車で無事帰宅できました。しかし、トイレまで侵入されていたらと想像すると怖いですよね。そしてグループの誰からも応答がなかったとしたら・・・
「無人駅なんてあまり無いのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、繁華街の駅まで10分弱の所でも無人駅はあります。
さらに昼間は有人でも夜間の決まった時刻を過ぎると無人になる駅があります。たまたま帰りが遅くなった時に初めてそのことに気づく場合も。
■助けを求めて交番へ!でも無人!!
これは家族が体験したことです。夜、徒歩で帰宅中に見知らぬ男性に追いかけられ、ダッシュで近くの交番へ駆け込んだものの、誰もおらず(この場合、内線をかけると巡回中の警察官または警察署から動ける警察官が来る)内線をかける間もなく男性に追いつかれて更にダッシュ!して逃げねばならなかったということがありました。

この件以降、私は通りすがりに交番を確認するようになったのですが、住宅街の交番は巡回等で忙しい?警察官不足?なのか、巡回や出動中でも必ず1名駐在しているとは限らない模様。
上飯田店のはす向かいにある交番のように、よほどのことがない限り誰かいる交番もあります。ここはよく立番している姿も見かけるので、やはり安心感が違う。
駅前や繁華街の交番も大抵誰かいます。但し対応すべきトラブルの件数は多く、いつも忙しそうです。
いざという時の為に行動範囲内の最寄り交番について、把握しておいた方がよいでしょう。
それぞれの交番の体制があり、タイミングによっては不在があり得ます。常に警察官がひとりでもいてくれた方が安心ですが出動もあるし町の防犯上、巡回も求められます。大抵誰かいる交番でも大きな事件が起これば総出で不在にもなることもあり得ます。
「交番に駆け込めば助かる」「日頃から街を回って守ってくれている」2つのニーズに応えねばならない警察は大変です。すべてをカバーはしきれないでしょう。
今は殆どの方がスマホを持ち、塾や部活で帰りが遅くなる子供にスマホを持たせる家庭も多いので、位置情報さえONにして110番にかければ警察は所在を把握してかけつけてくれます。
それでも念の為、交番の場所とその交番がどんな体制なのか確認+αで離れていても警察署の場所をしっかり把握しておいた方が良いと思います。スマホの充電が切れた、スマホの入ったバッグを奪われた等、通報できない事態もありえます。

危険はとても身近に、普段通る道、最寄り駅や家の近くであなたをつけ狙っています。日頃から身を守る為の防犯意識を持ち、身近な場所から防犯対策の目を向けましょう。
車に乗ったら施錠していますか?
2022/03/17
車に乗ったら施錠していますか?→「走り始めたら勝手にロックがかかるよね」
自動車が走り出すと自動でドアがロックされる、車速連動ドアロック機能。降車の際も車から離れるだけで自動施錠する機能もあります。
あちこちでオートロック機能が増えた昨今。勝手に施錠されることに私達は慣れちゃいましたよね。
しかし!できれば!車に乗ったら即・自分でロックする習慣をつけて頂きたいと存じます。
ということで、私の友人に起きた出来事を紹介します。
■安心感が仇に
それは数年前の夜。友人A(女性)から電話がかかってきて、かなり怯えていました。
Aは車通勤。仕事を終え、コンビニに寄ったそうです。夜といってもそれほど遅い時刻ではなく、コンビニには他に人もいました。
夜のコンビニって煌々として人の気配もあるし、安心感がありますよね。彼女もそうだったのかも。

Aが買い物を済ませて車に乗り込むと、突然助手席に見知らぬ年配の男性が乗り込んできたそうです。
車ってドアを閉めれば外界と遮断されますし、居住性があるので自分の空間という安心感がありませんか?そこに他人がずかずか入ってくるとは普通思いません。
想定外のことにギョッとした彼女に対し、男性は腕を掴みました。
ナイフ等で脅されたら言いなりになるしかない状況です。相手が素手だったのでまだ運が良かった。
男性の要求は行きたい所があるから乗せてとのこと。しかし行き先はごちゃごちゃ不明瞭。Aは表面上冷静を装って男性に車から降りるよう説得を試みました。
その間、当然ながら外からの助けはありません。
なぜか?他のお客さんが他人に無関心で冷淡、というわけではないでしょう。ガラス張りであっても、外から見て分からないのです。車内で何が起きているのか。彼女が怯え、大ピンチ!なことが。
車の前を通り過ぎた人がガラス越しに彼女の表情を見て、やや不審に思ったとしても「彼氏または親と揉めているのかも?」事情が判明しないのに、常識のある人・プライバシーを尊重する人は他人の車に近づいたり覗き込んだりはしません。
「キャーッ、助けて!!」と悲鳴を上げれば、もしかしたら気づく方がいたかもしれませんが、Aは怖くて自分と相手を落ち着かせ、語尾を震わせないよう低く抑えた声しか出なかったそうです。
男性はかなり粘ったものの説得に応じたのか諦めたのか、それ以上何もせず車から降りたそうです。
強引なヒッチハイク?しかし男性の要求通りに車を走らせたら最後、車内は完全な密室です。コンビニの前だから暴行や窃盗目的の言動を見せなかっただけ、かもしれません。
Aは運が良かった。そして隙があった。『コンビニの敷地内だという安心感』『車内という閉鎖空間への安心感』それとは真逆の『車はガラス張りだからひと目があるという安心感』
確かに相手は狙い澄まして絶妙なタイミングで車に近づきドアを開けたのかもしれません。それでも素早く乗り込んで即ドアをロック、という行動はしなかった。
車内の狭さもあって、まず荷物を助手席や後部座席へ置こうとする方が大半ではないでしょうか。私もそうです。もっと呑気だと姿勢を直したりシートベルトをする等の発車準備が整ってからロックする方もいるのでは?私のことですけど。
場所的にシートベルトのついでにロックしちゃうんですよね。彼女の件があって私も改めました。が、最近また忘れがち…車に乗り込んだら即ロック!!

■車のドアを開ける・乗り込んでくる事案
駐車場及び車道で停車中の車に見知らぬ人物がドアを開ける・乗り込んでくる事案は意外とあります。
①助手席に乗り込んでくる
②後部座席に乗り込んでくる
③ドアを開けようとする、内側からのロックを阻止する
④ドアや窓を叩いて開けるよう強要する
⑤複数人で車を囲み、乗せるよう要求
⑥運転席に乗り込んでくる
助手席も怖いですが、後部座席は背後を取られる恐怖にホラー的恐怖も加味されて本当に心臓に悪い。
乗り込んでこなくてもドアを開けられてしまえばもうロックできません。
ドアを開けようとして施錠済だった為、しつこくガチャガチャされるのも怖い。
これらの行為はヒッチハイク、悪戯・嫌がらせ、暴行や窃盗目的等が考えられます。悪戯や嫌がらせといった事件にまで至らない事案はニュースにならない為、周知され難いかもしれません。
ひとりだと助手席にバッグや荷物を置くことが多いと思います。ふらっと車両の横を通るフリで近づいてドアを開け、バッグをひったくることも可能です。バッグを取り戻そうにもこちらは運転席にいて手を伸ばすくらいしかできないし、急いで車から降りている間に相手は走り去っています。
乗り込まれても乗り込まれなくても、こちらは心理的に運転席から降りる・車から離れることに抵抗があります。物理的にも一度乗ってしまえば身動きが不自由で、車を利用している時を狙われるのは意外と対応が制限されてしまいます。
⑤⑥は暴行や窃盗が目的の可能性が高く手口も乱暴になる傾向があり、大変危険です。よくタクシーが狙われますが、乗用車も充分に注意すべきです。ひとけも車通りもない暗い道で前後挟まれたりかぶせられたりした事件は過去にも発生しています。
■そもそも車内は安全か?
ロックさえすれば、車内は安全なのでしょうか?
乗車中に狙われた事件を見ると、むしろ車内で身を守ることは難しい気がします。
ガラスは割ろうと思えば割られますし、狭い車内では抵抗もほぼできず、逃げ場はありません。完全な走行中以外、車は車内は安全とは言えません。走行中さえ、車で幅寄せされたり、前を遮られて停車を強いられれば終わりでしょう。
「マッドマックスみたいな世界に住んでないから心配しすぎでは?」
まぁ、確かにそうですが、車両が狙われる事件がまったくないわけではありません。乗車中を狙ってくる相手の危険度、手口や目的が暴力的にになりやすい点が心配なのです。
最低限の防御であるドアロックをおろそかにしてはいけないということ。むしろそれしか自動車には防御すべき機能が無いということです。
■車中泊のリスク
ひとけのない公園や道の駅の駐車場、がらんとしている方が落ち着きますか?それとも誰かがいた方が安心ですか?

誰もいない場所でひとりはリスクが高まります。勿論、近くにやってきた誰かが犯人の可能性もありますので、他の自動車がいれば安全とはいきません。
深夜だからといって、ひとけというか車っけ?がまったく無いサービスエリアなんて少ないと思いますが、そんなサービスエリアでも覗きや暴行事件があったりします。ついでにキャンプブームですがテント泊でもリスクはあります。
ソロキャンや女性だけのキャンプ・車中泊は狙われやすいですが、男性も一緒だからといって安心とは限りません。逆にカップルが狙われることも。
上記の通り車中は身動きが制限されますし、テントも外から攻撃する側の方が優位です。
女性の方が腕力差や性的暴行や嫌がらせ目的で狙われる率が残念ながら多いことは事実です。しかし男性が性的被害に遭うことはありますし、金銭目的や嫌がらせが目的である可能性もある為、性別に関係なく用心するに越したことはありません。
鍵が回らない
2022/03/03
相談・対応依頼として非常に多い『鍵が回らない(かからない・開かない)』『鍵が回りにくい(かかりにくい・開けにくい)』のトラブルシューティングです。
■鍵が回らない!!
【状態】→【考えられる原因】
①鍵を挿しても今まで回っていた方に回らない
→錠の内部が壊れた、扉と錠にズレが生じて嚙み合わなくなった
②鍵が奥まで挿さらない
→錠の内部が壊れた、鍵穴から異物を詰め込まれた
③挿し込んだ鍵が折れて詰まった
→経年劣化、錠の不具合による鍵への負荷

摩耗して噛み合わない、中で部品が折れた等で回らなくなる
【対応】
①無理やり鍵を回さない、鍵以外の物を挿し込まない。
錠の中で部品が壊れて引っかかっていたり何か詰まっていた場合、鍵が抜けなくなったり、状態が悪化して鍵屋さんの専用治具でも開けられず破錠するしかなくなり、破錠費+交換費で費用がかさみます。
【作業事例:鍵穴の中で鍵が折れた・折れ鍵取り出し・復元鍵で解錠】
②鍵屋さんへ連絡し、問い合わせ・見積もりをして信頼できると判断した鍵屋さんに対応を依頼しましょう。今年も鍵業者が業務停止命令を受ける等、ニュースになっています。
※【高額請求鍵屋のトラブル】 参考までにコチラの記事に業界側の目線で鍵屋の選び方①~③をリンクしています。
■錠・鍵が壊れる兆候
【状態】
①施錠・解錠の際、回りにくい・固い
②施錠・解錠の際、回るけれど途中で引っかかる
③鍵が曲がったり、よじれてきた、鍵が摩耗してきた
④鍵の溝に汚れが付着、ディンプルキーの穴に汚れが溜まっている
⑤錠・鍵を使用して10年近く経つ
⑥扉を押し上げながらでないと回らない
「最近、鍵を回す時に回りにくい・固い・回す途中で引っかかる…等」手応えが以前と違ってくるのが一番最初に感じる前兆です。しかし何となく、じわじわとした変化だと不便になるまで気づかない場合も。
すぐには気づかない変化の繰り返しや、状態が悪くなった錠に対して力で鍵を回し続けると、鍵が曲がったりよじれてきます。場合によっては折れてしまうことも。

右端は折れて錠の中に詰まっていた部分を取り出した物
長く多く使用すれば、鍵も鍵穴の中も摩耗します。また埃や塵が溜まります(特に野外の鍵穴)ので、摩耗や汚れで動作が悪くなっていきます。
鍵穴を覗いて分かるものではありませんが、刻み鍵の溝が汚れていたり、ディンプルキーの穴に汚れが溜まるのは、錠の中に汚れが蓄積されている合図です。

付着して黒くなっています。
右上の黒い粉は穴から少し取り除いてみた汚れ。
汚れが溜まり過ぎた鍵から合鍵を作ると誤差が生じて
開かない鍵になる場合あり

ディンプル穴のすり鉢状の底が見える
鍵を回す時に固くて(重くて)回りにくい、扉を押し上げたりする動作を加えながらでないと鍵が回らないといった状態は、鍵だけではなく扉自体にも不具合が発生している可能性があります。
※注意
錠・鍵の調子が悪くなってきた時、絶対にしてはいけないことがあります。
『食用油や一般的な潤滑油を絶対に使用しないこと!!!!』
鍵穴に使う油と一般的な金属部品の動作を滑らかにする為の油は違います。
一般的な潤滑油や身近にある食用油等を使うと、一時的に滑らかになったような気がしても不具合を悪化させ、余計に錠前の寿命を短くします。
理由=食用油や普通の潤滑油はヌルヌルした油膜によって部品を潤滑させます。しかしこれを鍵穴に注すと錠の中に溜まっている埃等の汚れを含んでベトつきます。時間経過と共に酸化した油は粘度が増すので、精密な設定がされているピンに詰まってしまいます。※上のGIF動画参照
年末の大掃除で一番しんどい換気扇やコンロの油汚れを想像してみてください。鍵穴の中があんなふうになってしまいます。

【対応】
①錠・鍵の不調に気づいたら、できるだけ鍵が曲がったりよじれる前に鍵穴専用の潤滑剤を注しましょう。
鍵穴専用の潤滑剤は食用油や普通の潤滑油と違い、サラサラでベトつきません。サラサラなので鍵穴に注すと、中に溜まった埃等の汚れと共に流れ出てくるので拭き取りましょう。鍵穴の掃除にもなります。

②錠の調子が悪くなった際、合鍵(複製)があるなら純正キーが折れたり曲がったりする前にできるだけ良い状態を保って保管し、合鍵を使った方が安全です。
※注意
合鍵はあくまで複製で、純正キーと同等ではありません。純正キーを無くしたり折った場合、賃貸住宅では退去時の問題が起こりえますし、車両等は交換が必要になった場合かなり高額な場合があります。
あまりにも曲がったり摩耗状態が悪い鍵や折れた鍵は合鍵作成マシンにセットできず、普通の合鍵より高額になります。
万が一鍵穴に挿した状態で折れて詰まった場合、状態や鍵の種類によっては錠前をまるごと交換になってしまいます。
③潤滑剤で効果がなかった場合、明らかに潤滑切れ以外の不具合(動きや軋み)を感じた場合、使用年数が長い場合は、トラブルが起きる前に鍵屋さんへ連絡し、問い合わせ・見積もりをして信頼できると判断した鍵屋さんに対応を依頼しましょう。
※注意
錠・鍵をギリギリまで我慢して使って壊れるタイミングが悪いと、締め出されたり閉じ込められる可能性があります。
直るまで不便なだけならまだしも、鍵が使えないと侵入盗による被害や危険なめに遭うことも考えられるので、早めをおススメします。
■不具合が起きる原因
【錠や鍵の経年劣化】
錠や鍵、扉の各部品は経年劣化します。頻度や使い方等で違いはありますが、玄関等の外扉の錠は耐久年数10年が目安です。室内扉や間仕切り戸等は外扉より短くなります。
施錠と解錠を繰り返す度に錠の中のピンと鍵が擦れ合って少しずつ摩耗し、コンマ数㎜の精度を要求される鍵がかみ合わなくなったり、錠の中の部品が緩んだりします。微細な塵や埃が溜まって動きにくくなることも。
長持ちさせるコツとしては、『鍵を真っすぐに挿し込み、奥までしっかり入ったことを確認して回す』、『乱暴な抜き挿しをしない』、『抜き挿しや施錠解錠に違和感を感じたら、早めにメンテナンス(鍵専用の潤滑剤)』です。
【扉部分の経年劣化】
『鍵の状態が悪いまま無理に扉を開け閉めすることで扉の部品にも不具合が起こる』または『扉の状態が悪いまま無理に施錠解錠することで錠にも不具合が起こる』場合があります。
玄関や部屋の扉の場合、ドアノブやレバーが回りにくい、サムラッチが固い、扉を押し上げないときちんと閉まらない等があれば扉のどこか(蝶番や戸車、ドアクローザー部分等)の不具合が考えられなす。
「古い日本家屋(引き戸や引き違い戸)で部品が無さそう(ホームセンターでも無かった)だから」「輸入住宅で部品が以下同文」「室内扉まで鍵屋さんではやってくれないだろう」等々、ご心配の方が不具合を我慢して使ってみえることがありますが、不具合による負荷で連鎖して修理・交換の必要箇所が増えて費用がかさんでしまう前に一度お問い合わせください。
あるいは今まで我慢して鍵と扉ともに不具合が出ている場合、鍵と扉両方の状況をお伝えください。
【作業事例:装飾錠(サムラッチ錠)開け閉めしにくい 鍵が固い】
■買ったばかりなのに
錠の耐久年数目安は10年と書きましたが、買ったばかりなのに、あるいは買った時から調子が悪いという事例が最近散見されます。
作業事例【ハンドルロック・ステアリングロック・鍵があるのに開かない】
錠・鍵は精密に製造されなければいけませんが、一部に当たり外れがあります。
購入検討時に生産元も確認した方が安心ですが選択肢がない場合、購入したら使用前に何度か施錠解錠の動作確認をして、回りにくい、引っかかる等があれば返品交換した方がよいでしょう。
愛車・愛機が盗まれてしまったら
2022/02/22
これまで自動車・バイクの防犯対策についてまとめてきましたが、どれだけ防犯対策をしても盗まれることがあります。
盗まれたと気づいた時、ショックで頭が真っ白、怒りで目の前が真っ赤になってしまうのではないでしょうか。
そんな状態でも迅速に対処できるよう日頃から備えておきましょう。
盗まれた自動車やバイクが解体されてしまえば発見はほぼ不可能。時間との勝負になります。

■備えておくべきこと
【自動車・バイクの情報管理】
①車検証のコピー保管
②損害保険証書のコピー保管
③自動車・バイクの写真撮影・画像保存
③車体カラー、タイプ、カスタムパーツ名・型式等(純正品・社外品含)
④走行距離の把握
⑤カーナビ機種・製造番号
⑥ETC車載器番号・ETCカード番号
⑦駐車場の住所 ※契約駐車場等を利用の場合
運転時の車検証携帯は義務です。大抵の方は車内保管していると思います。損害保険証書も同じく車内保管でしょう。
しかしこれらの書類は盗難に遭った際に必要になりますので、手元にコピーを保管しておきます。
車検査証には車体カラーの記載はありません。捜索時に必要な情報である、メーカーのカラー名、カスタムパーツやペイント・ステッカーについてすぐ伝えられるようにしておく。またはパンフレットや画像を保管しておきましょう。
※撮影時はできるだけ自宅・会社等個人情報につながる場所以外で、人間が映らないように(ガラス面やミラー含む)しましょう。
盗難状況として走行距離も必要情報になりますので、定期的に確認しておきましょう。
カスタムパーツ・カーナビ・ETC車載器も売買されますので、機種・型式・製造番号等を把握しておくと役立ちます。
ETCカードは挿しっぱなしにしないことが日頃の予防だと【愛車を守るには・対策編Ⅰ】で紹介しました。ETCカードごと盗まれなければ 被害に遭ってからでもETC車載器の製造番号は照会可能ですが、何事か起きる前にチェックしておくのが安心です。

盗難被害場所が自宅駐車場なら住所は簡単ですが、契約駐車場の場合は住所まで覚えていない方が多いのではないでしょうか。いざという時にすぐ伝えられるようにしておきましょう。
【警察署・交番の把握】
自動車・バイクの盗難は自宅駐車場(近隣契約駐車場含む)が最も多い状況なので、盗難場所を駐車場と想定して管轄の警察署・交番の場所を把握しておきましょう。
※交番によっては不在が多くて用件は署への内線をかけねばならない所がありますので、警察署へ行った方が早い場合もあります。
■盗難にあったらすべきこと
【警察へ盗難被害届を出す】
一分一秒でも早く盗難被害届を出しましょう!!迅速に手続きする為に備えておいた情報管理が役立ちます。
①盗難に遭った管轄の警察署または交番へ届け出
自宅や契約駐車場であれば把握済みでしょうが、出先であれば盗難に遭った現場住所の確認と、管轄の警察署を調べましょう。土地勘が無く調べる手段がなければ110番ですが、緊急性・事故・事件性のあるもの、とされています。自動車盗難は事件性のあるものですが、届け出はどのみち出向かねばなりません。
②届け出に必要な物・情報
身分証明書、印鑑。車検証に記載の自動車登録番号または車体番号(ナンバープレート表記部分)、車台番号、年式、型式等。外装としてカラー、カスタムパーツ・ペイントやステッカー等の特徴(パンフレットや画像があると分かりやすい)、走行距離、被害に遭った住所・日時(時間は推定)。本体(自動車・バイク)と一緒に盗まれた物の情報(カーナビ機種・製造番号、ETC車載器番号・ETCカード番号、オーディオ関係、貴金属、荷物等)。

※届け出の必要性
犯行を目撃して通報ならば警察も緊急出動できますが、事後の捜査は盗難被害届を出さなければ動けません。
「届け出したって手続きに時間かかるだけで、警察はあまり動いてくれない」という意見も見られますが、盗難に遭った自動車やバイクの捜査は時間が経てば経つほど難しいものです。
犯人が夜中に盗んで逃げてから朝になって持ち主が気づくまでの数時間、それだけで犯人は大きなアドバンテージを稼いでいます。
逃げる犯人が人身・物損等の事故を起こした場合、盗難被害届が出ていないと、事故を起こしたのは持ち主の自分ではないという証明が必要ですし、所有者としての責任を負わねばならない可能性があります。また、犯人が最初から犯罪に利用する為に盗む場合もあり得ます。
寝ている間に盗まれた挙げ句、勝手に事故を起こされて乗り捨てられた自動車の所有者が、自分のアリバイや盗まれたことを証明できるでしょうか?身内のアリバイ証言は信憑性を疑われますし、1人暮らしなら尚更です。防犯カメラに自分ではないと明らかに分かる犯人が乗って逃げる姿が映っていない限り難しい。しかし犯人も防犯カメラの存在は承知しているので顔が映る格好では現れません。
被害者なのに更に無用なトラブルに巻き込まれないよう、一分一秒でも早く必ず届け出ましょう。
また、盗難保険や車両保険(盗難被害も補償している場合)の申請、運輸局への届け出には、盗難届の受理番号が必要です。
【クレジットカード会社や保険会社へ連絡】
ETCカード(クレジット機能付きも有り)やクレジットカードも一緒に盗まれた場合、カード会社へ連絡して利用停止手続きを行いましょう。
【保険会社へ連絡】
盗難被害補償付き車両保険、盗難保険(バイクの場合、車両本体及びパーツ単体への加入が可能)に加入している場合、保険会社へ連絡します。その際、盗難被害届の受理番号が必要になります。
保険適用には実態調査に約1~2ヶ月かかる模様。すぐにお金は下りません。また最終的に保険適用となった場合、運輸局へ車両所有者移転・登録抹消届等の手続きが必要になります。保険会社によって多少違うでしょうし、手続きにも手間や時間がかかりますので、早めに連絡して手順や必要なこと、必要な書類等を先に確認・相談しておくといいでしょう。
【運輸局で一時抹消登録を行う】
盗難に遭った車両は一時抹消(廃車)登録という「ある事由によって、長期間車を使わない期間が発生する」手続きを行います。これにより該当車両は公道を走れば違法となり、自動車税の納付義務を止められます。
盗難被害届の受理番号、所有者の印鑑証明、車検証のコピーを持って管轄の運輸局で手続きを行います。
手続きが済むと、登録識別情報等通知書が発行されます。
■捜索
警察の仕事は犯罪捜査です。手がかりとなる盗難車両の捜索は捜査の一環ですから、発見されることもあります。
しかし愛車・愛機を取り戻せるか否かは、1~2日の短い期間の捜索が勝負の分かれ道。待ってばかりはいられない!となれば、自分で捜索するしかありません。
自身で愛車・愛機の捜索をする!ならば、身の安全を第一に心掛けましょう。
身の安全とは、盗難グループと車両を発見した際、自分で取り返そうとするのではなく、警察へ通報することです。
盗難手口の記事でも書きましたが、車両窃盗犯は複数犯且つ荒っぽいことが多く、危険です。
盗難被害届の受理番号がこの時に活きて、警察も迅速に駆けつけてくれるでしょう。
では個人が短期間でどうやって捜索すればいいのでしょう?
【GPS追跡機能が活躍】
盗まれた時の対策編で紹介した万が一の時の車両位置監視追跡システムがここで役立ちます。
(【愛車を守るには 対策編Ⅱ】を参照)
車両位置がすぐ分かれば盗難被害届と一緒に警察へ情報提供してるでしょうが、セキュリティ会社に加入していれば、専門の担当者が対応してくれるサービスもあります。(※会社ごとサービス内容は異なりますので要確認)
但しGPSも万能ではありません。電波の届きにくい場所では位置情報を見失ったり誤差が生じます。窃盗グループは一度車両を隠す(足取りを消す為)ので、保管場所や解体するガレージ等が電波の届きにくい場所の可能性もありえます。
【意外と近くにある可能性】
GPSを設置していない場合、自分の足で探すしかありません。
車両を無事発見した際の情報の中に、「意外と近場にあった!」というのがあります。
原付によくある乗り回す為の窃盗でも近所の空き地、集合住宅や公園の管理されていない駐車場に停めてあったところを発見という話はよく聞きます。
売買目的の窃盗においても一旦持ち主の駐車場から移動させ、監視カメラやNシステム除けの為に別の場所に駐車して足取りを隠すことがあります。
監視カメラのない場所を普段から把握している一般人はあまりいないで大変ですが、カメラから一旦隠れて駐車できる場所、簡単な作業くらいならできそうな場所をしらみつぶしに探していくと発見できる場合も。
【SNS等の活用】
近所をしらみつぶしに…と言っても、個人では限界がありますし、時間との戦いです。発見場所が隣市だったという話も聞くので近場の定義も難しく、足(車両)を失ったオーナーが探せる範囲は限られます。
被害場所と窃盗グループの拠点で違いも出てきます。更に予想より遠い場所まで移動していることも充分ありえます。効率よく進めていきたいですよね。
そこで多少の個人情報を公開する覚悟があるならば、SNSを活用するのも手です。
SNSで愛車の情報を公開し、目撃者を募ります。ここで撮影しておいた愛車・愛機の画像が活きます。
※UPする画像は自宅・会社等の個人情報につながる場所以外で、人物を映さず(ガラス面やミラーにも要注意)撮影した写真を利用しましょう。
※そういった写真がない場合、位置情報を削除したり見せたくない所や人物にはモザイクをかけます。
但しSNSは拡散され、より多くの方の目に留まらなければ効果が出にくい点があります。自動車やバイクに詳しくない人は盗難情報自体は知っていても、該当車両を見かけたのに気づけないことも。
なのでより多くの目に触れる工夫は必要です。

複数のSNSで呼びかける。知り合いは勿論、専門アカウントやサイトの協力を得る…等。専門アカウントやサイトの選別は管理元がしっかりしていることを必ず確認する必要があります。
皆の協力がバトンみたいにつながって無事発見!愛車を取り戻した!という成功例は感動します。しかし善意の閲覧者ばかりとは限りませんので活用は自己判断で自己防衛を忘れず、トラブルがあった際は自己責任となる覚悟は必要です。
■保険活用の注意点
バイクは特に・・・と思い、既にバイクの前記事【愛機を守ろう!対策編】の最後でも書きましたが、盗難保険の活用における注意点があります。
特に注意③は防犯上、大切なことです。
※注意点①
盗難被害届の受理番号が必要。
※注意点②『適用条件・対象は必ず確認』
バイクの場合、適用条件に窃盗被害時の防犯対策状況について適用条件が決められていることがあります。
例えばハンドルロックは意味がないと思ってしていなかった場合、日本のメーカー品は法律でハンドルロック機能が付いている為、使用していないと保険適用外でお金が下りないということも。
他にもツーロック等の対策をしていたのに盗まれた、という前提が必要になることがあります。
自動車の場合、車両保険に盗難被害が対象かどうか確認しましょう。
どちらも実態調査の結果をもとに、定められた期間盗難車両が発見されない場合に支払われます。
車両保険によっては戻ってきた場合も故障個所が保険適用されることも。
※注意点③『窃盗犯も心待ちにしている!』
愛車・愛機を盗まれた場合、必要に迫られ、次の自動車・バイクを保険金を充てて購入する方が多いでしょう。
窃盗犯も貴方の新車購入を心待ちにしています!!
下見係が集めた情報は業界のデータベースにインプットされていると思ってください。窃盗事件のあった地区として警察の警戒が緩んだ頃、持ち主が気を抜いた頃に再び狙われる可能性があります。
同じ人が空き巣・自動車・バイク窃盗被害に遭いやすいのは、一度狙われると同じグループは勿論他のグループにも狙われやすくなるからです。福井で4度も侵入盗に遭っている被害者のニュースも有り。
ほとぼりが冷めた頃合いを見計らって、下見係が新しい自動車・バイクをチェックしに来ます。その時、以前のまま防犯対策が工夫されていないとなると、一度成功した手口でまたイケる!格好の獲物として映ることでしょう。
そうして悲劇は繰り返されるのです。
バイク(愛機)を守ろう!対策編
2022/02/09
車種・排気量に関わらず防犯対策をした方がよいバイクの対策編です。必要(盗まれやすいバイク・環境下の駐輪)に応じてセキュリティ度を高めるに越したことはありません。
■防犯対策の考え方
市販対策品でどんな対策をどれだけ講じたとしても、実際は盗もうと思えば盗めます。
では無駄なのか、と言えばそれは違います。防犯対策とは日頃から『窃盗犯に狙われる確率を下げること』です。
①窃盗犯の目に無防備な姿で触れることをできるだけ避ける
②日頃から隙なく防犯対策を施す
③窃盗犯の嫌がる防犯対策を施す
前回の記事【バイクを守ろう!】で窃盗犯の手口について触れましたが、窃盗犯はひとめにつくことを嫌い、時間を気にします(できるだけ素早く盗んで解体、証拠を隠滅することで捕まりにくくなる為)。
防犯対策は対策しているぞ!と誇示することで「これは盗むのが面倒だな」と思わせ、下見の段階で候補から除外されることが重要です。

また下見の兆候(チラシを貼られたり、下見係らしき人がうろついている)を感じたら暫くは要警戒です。
防犯対策を増やす、見回りをする、駐輪時間を変える、別の場所に駐輪する等、こちらが警戒していることをアピールするのも手です。
※以前の記事【泥棒の真の姿】の中で泥棒かも!?と疑うべき人や下見係の格好について触れています。
それでは防犯対策について、問題点や注意点を加えてまとめてみます。
■シャッター付き施錠可能なガレージ
下見の段階で目につき難い、解錠・破錠して侵入する手間とリスクがある点から、屋外駐輪よりシャッター付き施錠可能なガレージ内の駐輪が安全です。

とはいえ、一度侵入すれば中で何をしているか見つかり難い為、防犯性の高いガレージであることが大事です。
監視カメラやセンサーライト等の設置は抑止力になりますが、一番はしっかりとセキュリティの高い鍵で施錠できること。
※車庫が足場になる家は以前【被害に遭いやすい家】に書きましたが、侵入盗に狙われやすいので充分ご注意を。自宅のセキュリティ強化をおススメします。
※問題点
しかし、すべての家がシャッター付きガレージを設置できるわけではありません。狭い日本では防犯上理想の駐車場を確保するには土地とお金がかかります。
そこで登場するのがレンタルコンテナでしょう。

バイク専用コンテナを提供している所があります。
自動車の場合、屋内契約駐車場は少なく屋外契約駐車場が最も盗難被害の高いことを考えると、バイクコンテナは選択肢のひとつに入れてもよいと思います。
※注意点①
各会社でセキュリティやサービスが違いますので確認を。入出管理、二重鍵、敷地及びコンテナ内に防犯カメラ、セコムと契約、警備員の定期巡回等。セキュリティサービスの確認も大切ですが、コンテナにセキュリティ度の高いディンプルキーを付けているかも確認しましょう。
逆にセキュリティはコンテナの鍵だけ、誰でも敷地へ侵入可能な所も多く、防犯カメラは抑止力はありますが、通報システムやかけつける係員がいなければほぼ無意味です。
※注意点②
何が入っている不明の通常コンテナより、バイク専用コンテナは何が格納されているか明確な為、狙われるリスクがあります。バイク自体の防犯対策はしっかりしましょう。
家から離れた場所に置くのが心配であれば、自宅駐輪場で可能なセキュリティ強化をすることになります。
■車用ロック
バイクの場合、駐輪場が施錠付き屋内でも屋外でもツーロック(バイク本体の施錠+α)を推奨します。
また日本製に限りますがハンドルロック(各メーカーの取説参照)を習慣づけましょう。
ハンドルロックとバイク本体の施錠、そして+αとなるのが車用ロックです。

※注意点
車用ロックは様々な製品が販売されていますが大切なことは、【セキュリティの高い鍵】【強度のある材質・頑丈な形状】であること。
ロック品を突破しようと目論む窃盗犯はボルトクリッパー(ボルトカッター)や電動工具を準備してやってきます。どんなに強度のある材質の製品でも電動工具を使えば破壊・切断できます。防犯グッズはそれらの行為にどれくらい耐えられるか、にかかってきます
鍵業界でも防犯対策シリンダーの評価は解錠の難易度だけでなく、破壊行為に何分耐えられるかで判定されます。犯人にとって1分でも早くセキュリティ解除することが重要だからです。
だからこそ防犯対策品はより頑丈でより太い・分厚い等の切断・破壊しにくい物、 材質は切断・穴あけ防止の強化合金や特殊加工品を選びましょう。
そして鍵屋としては錠の部分も頑丈な材質でシリンダー性能のできるだけ高い物をオススメします。窃盗犯は専門家と同じ知識や経験があり、ロック品本体と鍵を確認して素早く破壊・切断できる方を攻撃します。
ロック品にはダイヤルタイプや鍵タイプがあります。もし鍵タイプだった場合、鍵の種類(一般的な刻み鍵/ディンプルキー/エースキーと呼ばれる管キー等あり)はディンプルキーをおススメします。
鍵屋的には刻みとエースキーのピッキングに時間はかかりません。

丸や楕円の穴、溝に穴があるタイプ、ウェーブ状に彫られている物等
【種類と使い方】
車用ロックの種類は U字ロック、チェーンロック、ワイヤーロック、ディスクロック、ブレーキロック等・・・色々ありますが、使い方で2つに分けます。
①地球ロック/アースロック(その場所に固定された物とバイクを繋ぐ)に使える物
②単体のロック(バイクの一部をロック)
バイク本体の施錠に+αの防犯対策としては、①の地球ロックが基本と考えます。
チェーンロック等でバイクの車輪だけロックした状態は非常に盗まれやすく、その場所に固定された物(車輪留めアーチ・柱・ガードレール等)とバイクをつなぐことが大切です。

その上で②を付け加えれば防犯レベルを上げられます。
窃盗犯の気持ちになれば、パターンの違う複数のセキュリティの方が「盗むのが面倒」です。
また、車用ロックは出先(休日のツーリング等のみか、通勤でも利用なのかでセキュリティへの考えは違ってきます)での駐輪環境や駐輪時間も考慮して選ぶ必要があります。
※問題点①
地球ロックはロック品を突破しなくても移送が容易なバイクのデメリットを補いますが、バイクは解体しやすい為、パーツだけ盗む、あるいはつながれているタイヤを外して本体を持ち去る窃盗犯もいます。
※問題点②
駐輪場にバイクとつなぐ柱や車輪留めアーチがない!
→埋め込み型のアンカーロックやアンカープレートもあります。ただしコンクリート等への埋め込み作業が必要。
→アンカーを埋め込めない駐輪場の方は、プレートに前輪を乗せて繋ぐだけでも重量で運びにくくなる物、重石と繋ぐ商品等もある模様。
※問題点③
地球ロックと単体ロックの2種類を施すことで防犯レベルを上げられますが、窃盗犯が面倒だからと回避するということは、日常使いをする持ち主はもっと面倒です。
色々購入したものの、急いでいて忘れる、途中で使用しなくなる、では意味がありません。継続できるかどうかが重要です。お客様から、たった一度何もしないで駐輪して帰ってきたらバイクが消えていた!という体験談を聞いたこともあります。
バイクの場合、愛する物を守る為の防犯対策はとっても面倒臭いことこそが大切なのです。
■後付け盗難防止装置
最近はイモビライザー(始動停止機能)付きバイクもありますが、自動車に比べれば普及していません。
その為、後付けで盗難防止装置を付ける場合、メーカー純正ではありません。
信用のおけるきちんとしたメーカーの実績のある製品を選び、信用のおける専門店に取り付けてもらうことが大切です。
メーカーごと、Verごと、機能は様々です。
※注意点
IDが一致しない場合エンジンの始動を停止する機能と、+して警報装置付きもあります。きちんと設置できないと、『イモビライザーがしっかり機能せずバイクを守れない』『警報装置の誤作動が多くて近所から苦情』などが起こりえます。
※問題点
イモビライザーも万能ではありません。イモビカッターという装置もありますし、バイクはエンジンが動かなくても移送が容易です。また警報に物怖じしない窃盗犯が増えています。
■盗難保険
愛着のあるバイクそのものを守ることにはなりませんが、少しでも財産を守るという意味で盗難保険に入るという手段があります。
保険内容や条件も様々ですが、カスタムが人気のバイクならではでパーツだけ加入可能な保険もあります。
※注意点①
『適用条件を必ず確認して守る』
適用条件に窃盗被害時の防犯対策状況について適用条件が決められていることがあります。
例えばハンドルロックは意味がないと思ってしていなかった場合、日本のメーカー品は法律でハンドルロック機能が付いている為、使用していないと保険適用外でお金が下りないということも。
他にもツーロック等の対策をしていたのに盗まれた、という前提が必要になることがあります。
※注意点②
『窃盗犯も心待ちにしている!』
盗まれた愛機との再会を諦めた後、必要に迫られ、あるいはまた大好きなバイクを買って喪失感を埋めるしかない、と購入を検討します。
保険に入っている方はそれを元手にまた周囲から羨望の目を向けられるバイクを買っちゃいますよね。窃盗犯もソレを心待ちにしています!!
下見係が集めた情報は業界のデータベースにインプットされていると思ってください。窃盗事件のあった地区として警察の警戒が緩んだ頃、持ち主が気を抜いた頃に再び狙われる可能性があります。
同じ人が空き巣・自動車・バイク窃盗被害に遭いやすいのは、一度狙われると同じグループは勿論他のグループにも狙われやすくなるからです。
ほとぼりが冷めた頃合いを見計らって、下見係が新しいバイクをチェックしに来ます。その時、以前のまま防犯対策が工夫されていないとなると、一度成功した手口でまたイケる!垂涎の品として映ることでしょう。
次回は、バイク・自動車の盗難対策をしていたけれどそれでも盗まれてしまった時に何をすべきか、についてまとめます。
バイク(愛機)を守ろう!
2022/01/26
自動車の盗難について連載しましたが、実はバイクの盗難件数は自動車より一桁多いんです!!

バイク乗りの方って愛着やこだわりを持って乗っていらっしゃる方が多いイメージ。原付なら通勤通学・仕事にと日常使いの比率が自動車以上に多いのではないでしょうか。
そんな愛機が盗まれたら、とんでもなくショック!即日大ピンチ!そんな大切な足が盗まれるリスクが自動車以上ですから、是非とも対策をオススメします。
■バイク盗難状況
コロナで在宅が増えた関係か、自動車もバイクも盗難件数が激減しています。しかしコロナ禍以前から長い年月、バイクの盗難件数は自動車より一桁多いのが現状です。
【件数から見る変化】
これまで原付・小型バイクの盗難が多かったのが、ここ最近は中型・大型バイクの盗難が増えつつあります。
『東京卍リベンジャーズ』を見ると、「やっぱバイク格好イイ!ゼファーいいよね!!」とかなりますよね。もしやその影響があったり??…するかどうかは不明ですが。
これまでのバイク盗難は盗んだバイクで走り出しちゃう尾崎系(若い人には分からない?)と、自動車と同じく売買の為です。
この売買の状況が変わってきたことが原因にあるのでしょう。各バイクメーカーがOEMや現地向けに法人として盗難バイクの取引先だった各国へ進出しています。盗難バイクの中心だった原付・小型バイクがお手頃価格になって供給が満たされやすくなると、盗難品は市場価値が下がります。そうなってくると次は中型・大型バイクが目をつけられます。
また、ネットで誰でも国内外問わず売買が手軽にできるようになったからだとも考えられます。
【盗まれやすいバイク】
①狙われやすい車種
ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ・・・日本の各メーカー、外国メーカーならハーレー等、各社それぞれが誇る人気バイクが数多盗まれています。
各メーカーごとに盗まれやすいランキングをまとめたサイトがありますので検索してみてください。
現行の人気車種は勿論、古いバイクでもリスクがあります。むしろ高くなる場合も。カワサキではゼファーもランクイン(2021/12にもゼファー盗難がニュースになってました)しているように製造中止になった車種、各メーカーの人気上位車種・型式は垂涎の品なのです。
しかしランクインしていないから大丈夫、なわけではありません。バイクは外に置いてあって運びやすい=盗みやすい財産です。
②無締り・無対策
カギを抜き忘れた・・・は盗んでくださいと言っているようなもの。人気車種ではなかったとしても無施錠というだけで途端にターゲットナンバー1へ躍り出てしまいます。
被害データによると家や自動車同様、バイクもこのウッカリが意外と多いのが実情です。バイクの特徴として、停めてからヘルメットやグローブを脱ぐ等することが多い為、抜き忘れが生じるのかもしれません。
更にバイクの場合はイグニッションキーのロックだけで防犯対策をまったくしていないと、車種に関係なくリスクは高まります。
③パーツ
実はパーツだけ取り外して盗む手口も多いとのこと。カスタマイズしている場合は特に要注意。
④盗まれやすい駐輪環境
自野外野外駐車場が最も盗まれる場所です。
門扉やアコーディオンフェンスで仕切ることができても、窃盗犯にとっては対した障害になりません。
「敷地内だから大丈夫だろう」と何もしないで玄関先や庭へ停めておけば、窃盗犯の目に美味しい獲物として映ってしまいます。

特に自転車エリアは危険。
侵入さえすれば壁に隠れながら作業できます。
駐輪時間帯が決まっている、長時間・長期間の駐輪であるほどリスクは増加します。
犯行の大半は夜間に行われますが、持ち主及び近隣で不在宅の多い時間帯や期間も要注意です。
路上駐輪や外部の駐輪場においても、放置時間が長いほどリスクは増します。
監視カメラがなかったりひとめにつきにくい、管理されていない駐車場や土地勘があって停めやすい駐輪場以外の場所は、幅を取らないバイクゆえに停めやすく「ちょっとの間だから・・・」と思われるかもしれませんが、盗む側もそれを承知して狙ってきます。
※盗まれやすい状況については、自動車記事と重複する部分もあるのでご参照ください。
盗まれやすい環境とは、窃盗犯が『ひとめにつくことを避ける』『短時間で盗める』ことができるかどうかに関わっています。
■バイク盗難の手口
【下見】
窃盗犯の殆どが下見をします。候補のバイクに目をつけると、周囲の環境・防犯対策状況・持ち主の行動パターン等を調べます。
窃盗犯にとって、『ひとめを避ける』『持ち主が気づくまでに時間がかかる』ことが重要だからです。
できるだけ容易に盗める物が選ばれますが、バイクの場合はこれぞ!という車種なら手間を惜しまない場合もあるでしょう。
買取業者等のチラシが貼られていたら、すぐ剥がしましょう。窃盗団の下見担当がチラシを貼って持ち主がバイクに近づく頻度を確認している可能性が高いです。
チラシを貼られたら暫くは要警戒です。防犯対策を増やす、見回りをする、駐輪時間を変える、別の場所に駐輪する等、こちらが警戒していることをアピールするのも手です。
【破錠・セキュリティ解除】
下見の結果、ターゲットを決めると窃盗犯は下見の情報をもとに決行日時を決め、車用ロック(ワイヤーロック・チェーンロック・U字ロック・ディスクロック・ブレーキロック・ハンドルロック等)やイモビライザー・警報装置等に対処する準備をしてやってきます。
車用ロック等を破錠、チェーンやワイヤー等を切断する工具持参でやって来る相手です。門扉やアコーディオンフェンスは無いよりマシ程度だと思った方が良いです。
※門扉やアコーディオンフェンスの錠は簡単に解錠や破錠できる物が多いです。
同様にイモビカッター等を持参の可能性もあり、イモビライザーが無効化されることも。
警報装置で窃盗犯が逃げてくれればいいのですが、わざわざ下見をしてひとめ・人通りが少ない時間帯を選んで決行する場合、簡単に逃げることは少ないと思われます。
深夜、眠っている時に外の音で目覚める人もいれば、まったく目覚めない人もいます。目覚めてもわざわざ外に出てくる人は少ないでしょう。
持ち主が気づいた場合も、大抵は複数犯ですので武器になる工具を持った相手と遭遇することは非常に危険
です。
【パーツを取り外す】
バイクのパーツは外しやすく、特にカスタムパーツは高価で人気がある為、パーツだけがターゲットになることも。
また、パーツが外しやすいということは、ワイヤーやチェーンで柱やガードレール等につないでおいても、つないだタイヤを外して本体を盗んでいくことがあります。
【積載】
バイクは移送が容易で軽トラでも可能な為、破錠やセキュリティ解除をせずにそのまま載せて運んでしまうことも。
自動車窃盗のレッカーという手口同様、業者っぽい格好をしていれば目撃者がいたとしても故障車両か何かだと思って気に留めない可能性もあります。
■盗難されたバイクのその後
盗難された自動車が戻ってくる確率は2割強と低い確率です。バイクはそれより更に低いと言われます。
売買目的の場合、盗まれたバイクは自動車同様に解体されて部品として売られることが多いそうです。
自動車より運搬や解体をスピーディに行える点が、戻ってくる率を下げているのでしょう。
部品と化した愛機を、または他のバイクに組み込まれた愛機の一部を「これは自分のだ!」と発見して取り戻すことは至難の業です。
その為、窃盗犯にとって持ち主が盗難に気づくのが遅いほど安全になります。
しかし!身内でもお客様でもいらっしゃいましたが、運よく発見されることもあります。
体験談では近所で発見されている傾向にあります。
『空地や公園等の管理されていない駐車場などで解体しているところを発見し、即通報!』
また、『(前記と同じような場所で)隠すように停めてあった』『集合住宅の駐輪場で自転車にまぎれて見知らぬバイクが停められており、気になった人が管理会社へ連絡したが住人の物ではなく盗難車だと発覚』これらは後で解体するつもりか、乗り回すつもりの窃盗だったのでしょう。

比較的きれいな状態の場合も。
愛機を雨ざらしで放置されたり、無残にもバラバラにされたり・・・想像するだに悲しく悔しいですよね。
次回は対策編です。
愛車を守るには 対策編Ⅱ
2022/01/11
対策紹介の続きです。鍵屋には畑違いの製品もありますので、詳細は実績があって信用のできる専門店の詳しい担当者へ質問相談お願いします。
■スマートキー保護
【電波遮断ポーチ】
スマートキーが常に発している電波を遮断する素材のポーチ。外出先・自宅でも有効。
クレジットカード等の貴重品を全部まとめて管理する場合は、スキミングも対策されている製品を選びましょう。
【金属製ケース】
ブリキ製の缶等に収納して蓋を閉めれば電波を遮断できます。外出先には不向きなので自宅用になります。

収納缶を乗っ取られても、車は乗っ取られてはいけません
【節電モード】
車種・年式によってはスマートキーに節電モード機能があります。節電モード時は電波を発しません。
乗車時は節電モードを解除します。
機能の有無と操作方法はメーカーごとご確認を。
※注意点①
現行主流のキャンインベーダーは勿論、他の手口からは守ることができません。
※注意点②
ポーチや蓋を完全に閉じなければ遮断できません。隙間に注意。
※注意点③
電波を受信する車体側は守られていませんので、対策していると分かる視覚的抑止効果が無く、下見の段階で選ばれるリスクがあります。
■後付け盗難防止装置
※注意点①
後付け盗難防止装置は自動車メーカーの純正ではありません。
信用のおけるきちんとしたメーカーの実績のある製品を選び、信用のおける専門店に取り付けてもらうことが重要です。
メーカーによって呼び方(製品名)が違いますので、ざっくり機能でまとめます。
【盗難防止装置(始動停止タイプ)】
IDが一致しない場合、シフトチェンジやエンジンを停止する機能。+αでリレーアタックやコードグラバー対策、キャンインベーダー対策機能付き等が販売されています。
専用のデジタル認証機能や、持ち主の本体キー以外との通信を車両側でシャットアウトする機能等によって対策を行っている模様。
現行手口に対応したVerを選べば、当面(これを解除する手口や新しい手口が出てくるまで)は効果を見込めるでしょう。
【警報装置】
警報装置のセンサーにも種類があります。
①チルトセンサー
車体の各部位を監視し、振動、傾斜(ジャッキアップ)等の異常を感知すると大音量の警報音を鳴らし、ひとめにつきたくない犯人を威嚇する。
②フィールドセンサー
レーダーで自動車周囲を監視し、誰か近づくと警報音を鳴らして威嚇。
契約駐車場など他人の出入りがある駐車場には不向き。
③音感センサー
振動として検知できない自動車から発せられる音で解錠行為を感知し、警報音を鳴らして威嚇。
※注意点①
感知範囲や感知機能が正確で誤作動の少ない製品を選ばないと、自身の心臓にも悪く近所迷惑になります。
※注意点②
電池タイプは電池切れに要注意。
※注意③
これらの商品は周囲へ犯行を知らせて犯人に諦めさせる為の物です。犯人が音に驚いて逃げる、あるいは周囲の視線を集めることができれば逃げるでしょう。しかし盗難発生時間帯は深夜が圧倒的に多く、ひとめを集めるのは難しいでしょう。
持ち主が駆けつけて犯人が逃げればよいですが、空き巣や忍び込みの記事にも書きましたが犯人との遭遇は襲われる危険があります。先に通報しても警察が駆けつけるまで時間がかかりますし、特に自動車窃盗は複数犯であることが多いので危険度は高まります。
■車両位置監視・追跡システム
盗まれない為の対策ではありませんが、盗まれてしまった後に取り戻せる確率を上げる対策として、GPSで車両位置を監視・追跡するシステムがあります。
メーカーと種類によりますが、スマートフォンやパソコンから車両位置の確認や追跡ができて、車両異常をメールで通知してくれる機能がある場合も。
またセキュリティ会社から同サービスも提供されており、緊急出動隊員が駆けつける等の対処も行ってくれる模様。
※注意点①
GPS取付け位置が重要。
抑止効果を狙って目立たせる他の対策品と違い、気づかれないように設置する必要がある為、実績と信頼のある専門店で取付けた方がよいでしょう。
※注意点②
GPS電波が届きにくい場所だと位置情報が得られなかったり、誤差が生じる。
※注意点③
車両位置が分かっても個人で取り返すのは難しく危険も伴う為、警察へ車両位置の情報を提供して捜査してもらう、またはセキュリティ会社に任せることになります。
自動車は外に置いておくしかない財産になります。また車内の荷物、お金やETCカード、カーナビ、ETC車載器、オーディオ、アルミホイール、エアロパーツ等も車上荒らし(車上狙い)に盗まれる危険があります。
実際に私の知り合いは営業車にPCを置き忘れて駐車した小一時間の間に車上荒らしに遭いました。

狙われないよう日頃の予防(前記事参照)を心がけ、狙われやすい環境・車種等不安要素があるならば必要と判断した対策で守りましょう。
愛車を守るには 対策編Ⅰ
2021/12/23
前回の記事でまとめた通り、車種に関係なく盗みやすい状態にした自動車は盗まれますので、全車種で必要な予防から、車種や利用状況・駐車環境によって必要と思われた際の対策をご紹介+注意点をまとめます。
■日頃の予防
①一瞬でも無締りにしない、絶対に施錠する
②窓もすべてしっかり閉める
③鍵をひとめにつく場所に置いたり所持せず、しっかり管理する
④できるだけ長時間・長期間放置しない
⑤張り紙やチラシがあったらすぐに剥がす
⑥荷物や鞄類を載せっぱなしにしない
⑦ETCカードを挿しっぱなしにしない
⑧管理された駐車場以外に駐車しない
日頃の予防で「盗みやすい自動車」と思わせない、興味を持たせないことが肝心です。
次からは物理的な防犯対策です。盗まれやすい車種・利用状況・駐車環境、周囲で多発していて不安等、状況やご都合に合わせて、対策しましょう。
■シャッター施錠付きガレージ
すべての盗難手口に有効。
前記事の盗難発生場所データでも自宅敷地内・屋外駐車では37%、

施錠できる屋内駐車場では5%と圧倒的に少なく、窃盗犯はできる限り屋内へ侵入するリスクと手間を避けています。

とはいえ、一度侵入すれば中で何をしているか見つかり難い為、防犯性の高いガレージであることが大事です。
監視カメラやセンサーライト等の設置は抑止力になりますが、一番はしっかりと施錠できること。
但し車庫が足場になる家は以前「被害に遭いやすい家」に書きましたが、侵入盗に狙われやすいので充分ご注意を。自宅のセキュリティ強化をおススメします。
※問題点①
自動車を守れるのはあくまで自宅駐車場のみ。
「外出先でも対策したい」「通勤先駐車場で長時間停める」等の場合は、別の対策も追加しましょう。
※問題点②
すべての家がシャッター付きガレージを設置できるわけではない。費用もかかる。
狭い日本では防犯上理想の駐車場を確保するには土地とお金がかかります。特に複数台所有していると、近くの契約駐車場を借りる場合もあります。ちなみに契約駐車場(屋外)が最も多い盗難発生場所です。契約駐車場(屋内)は少ない為、近場にないことも。
シャッター付きガレージへ施錠して駐車できない場合、別の対策を講じることで防犯性を高め、狙われる率をできるだけ下げましょう。
■車用ロック
【ハンドルロック/ステアリングロック】
ハンドル操作できないように固定するアイテム。
写真のような4点留めタイプで正しい設置の仕方をすれば一定の効果が見込めます。覗けば外からでも見える為、「防犯対策をしている自動車」としての抑止力も期待できます。

※注意点
ハンドルの細い部分に設置すると、ハンドルを簡単に切断して取り外せてしまいます。同じくハンドルロック自体も細い物・頑丈な材質ではない物は容易に切断できます。
【タイヤロック/ホイールロック】+【ロックナット】
タイヤに取り付けて自走を防ぐアイテム。外からひとめで対策しています!と見せつけることで抑止力にもなります。
大切なのはロック自体の頑丈さ。さらにはナットも合わせて守ること。タイヤ交換に手慣れている人なら簡単に外してしまえるからです。

頑丈なタイヤロックと合わせて、ロックナットという専用工具でしか外せないセキュリティ部品に交換することで対策できます。
タイヤと一緒にナットもガードしてくれるタイヤロックもあるようですが、材質や強度は要確認。
※注意点①
前々回の記事でレッカーという大技の窃盗手口を紹介しましたが、前輪駆動か後輪駆動かでロックすべきタイヤが変わると思います。四駆は・・・前後どっちもした方が安全でしょうか。
道路に牽引跡を残す為のでっぱりがあるタイヤロックも有り。但し 落ち着いて破壊できる近場まで移動しただけならその先は分かりません。
※注意点②
他のロック製品と同じく細い物や材質が頑丈でない物は容易に切断されてしまう。
【ペダルロック】
ブレーキペダルまたはアクセルペダルを固定して踏めなくするアイテム。
外から見え難いと、まず自動車自体を解錠されてしまう危険があり、単体より他の抑止効果のある対策との併用がよいと思います。
※注意点
他のロック製品と同じく細い物や材質が頑丈でない物は容易に切断されてしまう。
※車用ロックの問題点①
ハンドルロック又はタイヤロックをしていたのに盗まれた!という事件が愛知県内でも発生しております。
突破されてしまった主な理由としては、
①材質や施錠部分、形状が破壊・外しやすい対策品だった。
②正しい(効果的な)設置方法ではなかった。
③車高のある自動車や馬力のある自動車だとタイヤロックによってはつけたまま走行できてしまう模様。その音や痕跡をいとわない犯人(落ち着いて破壊できる近場までの移動、または車載トラックに乗せるまで)だったのでしょう。また、馬力のある自動車でタイヤロックをつけたまま走行してタイヤロックの方が外れてしまう事象も。
何度も書きますが、切断・穴あけ防止の強化合金等を使用した頑丈な材質の物を選ばないと、いくら厚みや太さがあっても切断・突破されやすいということ。
前提としてどんな材質の製品でも電動工具を使えば破壊・切断できます。鍵業界でも防犯対策シリンダーの評価は解錠の難易度だけでなく、破壊行為に何分耐えられるかで判定されます。犯人にとって1分でも早くセキュリティ解除することが重要だからです。
だからこそ防犯対策品はより頑丈でより太い・分厚い等の切断・破壊しにくい物を選びましょう。そして鍵屋としては錠の部分も頑丈な材質でシリンダー性能のできるだけ高い物をオススメします。
ロック品を突破しようとする犯人が電動工具を持っていないわけがないので、幅広のロック部分を切断するより小さな錠部分を壊す方が早いと判断する錠では意味がないということです。
これらの商品についている錠はダイヤルタイプか鍵タイプです。もし鍵タイプだった場合、鍵の種類(一般的な刻み鍵/ディンプルキー/エースキーと呼ばれる管キー等あり)はディンプルキーをおススメします。
鍵屋的には刻みとエースキーのピッキングに時間はかかりません。
防犯商品は全般的に、急いでいる窃盗犯に「手間がかかって面倒だ」と自分の自動車を選ばせない抑止力です。

※車用ロックの問題点②
窃盗犯に「手間がかかって面倒」と思わせるくらいですから、日頃乗る持ち主にとっても面倒です、とっても。
購入したものの、急いでいて忘れる、途中で設置しなくなる、では意味がありません。時間に余裕がない方には不向き、とも言えます。
「鍵を持たない犯人にはこれ以上の面倒臭さを味わわせてやれるんだ」くらいに思って継続し、愛車を守りましょう。
製品の材質やシリンダー性能には現行のハイクラス品以上の物は存在しませんし、犯人がどの手口・どんな装備を持って来るか分からない以上、更にセキュリティを高めたい場合はひとつの対策だけでなく複数にするとよいと思います。※継続できるか自身と相談の上