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「2022年10月」のアーカイブ
バリアフリーにする鍵
日本で建築物におけるバリアフリー法が施行されたのは2006年。現・高齢世代が家を建てた頃にはまだあまり考えられていなかったでしょう。
既にバリアフリー対策済みのお宅やリフォームする予定のお宅もあれば、逆にリフォームのタイミングが合わなかった、リフォーム時にバリアフリーが難しくて断念等…状況は様々かと思います。
しかし外へ出るのが億劫で家の中で過ごしてばかり、外の人間との関係が希薄になった、自分でできることが減ってしまった、では精神衛生上も体にもよくありません。
できるだけ快適な暮らしの為、鍵屋にできることは現状のお宅で不便さの軽減や外出のしやすさをUPすること、になります。
■来客時の立ち上がる苦労を軽減
「ヘルパーさんが来てくれた時、立ち上がって玄関まで歩くのがツライ」
「ベッドから寝たまま鍵を開けたい」
ヘルパーさんのサポートを受けたいのに受ける為に痛む腰や足に無理を強いていませんか?
そんな時はリモコン錠!玄関ドアの鍵をピッとリモコン操作ひとつで開けて、ヘルパーさんには自ら入室してもらえば体に負担をかけずに済みます。
【注意】必ず相手を確認して開けてください
別室のベッドや椅子にいながらリモコンで簡単に玄関を開錠できるのは便利ですが、必ず訪問者の確認が取れてから開けてください。
ヘルパーさんや家族、友人で来る日時が分かっていても、事前に相手と取り決めをして必ず到着時に扉の前でスマホへ連絡する等の本人確認を取ってから開けましょう。
「インターフォンが鳴ったからヘルパーさんだと思って開けた」「そろそろ到着時間だから開けておく」は絶対にしてはいけません。
たまたま訪問予定者と近い時間帯に訪ねてきたセールスマンで、居座られたり言葉巧みに押し売りしてくるかもしれません。
もっと怖いのは、侵入盗や押し入り強盗です。
侵入盗・押し入り強盗はその家を下見しています。習慣や行動パターン(誰がいつやってくる、いつ不在になる、ひとりの時間帯はいつか、何時就寝か、在宅時は門扉の鍵を閉めない等)を確認してから巧く侵入する手段を取ります。
ヘルパーさんだと思って待っていたら押し入り強盗だった!は大変危険!!です。
もうひとつ、侵入盗の下見以外でも実は「あ、この家この時間無締りだ」とバレていますよ!
実際に私は午前中のある時間にカチリ!と鳴って鍵を開けておく家を知っています。このように一瞬の動作であっても様々な業者や通行人、近隣住民、集合住宅なら外注の掃除係等、気づかれることは充分あり得ることで、習慣にするほど知る人はどんどん増え、その習慣を悪用されないとも限りません。
本当に信用できる相手・必要に応じて限定した相手以外をリモコンキーで開錠して迎え入れない、そもそもリモコンキーで開錠できることを知られない方が安心です。
犯罪をする相手はオレオレ詐欺と同じでこちらの信頼や隙を突くあの手この手を使いますから。
という注意事項のもと、各リモコンキーをご紹介 ↓
【住宅用キーレスエントリー easy lock イージーロック】
今のシリンダーをそのまま使いたい、新しく穴を開ける工事はしたくない、カードやスマホ等で設定や操作を面倒にしたくない、そんなニーズにHonda Lock社のリモコン錠イージーロックはピッタリ!オートロック機能も付いて締め忘れ無し、元の鍵でも開けられます。
※作業事例【リモコンで開け閉めしたい easy lock イージーロック】
※現行の錠前やドアの種類によっては設置できない場合があります。
※電池錠ですので電池交換が必要です。
「イージーロックが付けられない場合はどうすれば?」となりますよね。その場合は他のリモコン錠をご提案。
【インターロック】
認知症対策でも紹介したINAHO社のキーレスキー電池錠インターロックには、リモコン対応版もあります。
こちらも現行錠前をそのまま使えます。スマホやカードの非接触キーにオートロック等機能満載。
※作業事例【楽々キーからインターロックへ交換】
※現行の錠前やドアの種類によっては設置できない場合があります。
※電池錠ですので電池交換が必要です。
【NOAKEL(ノアケル)】
サムターン無しのリモコン錠ノアケル、オートロック機能も付いています。扉上部に設置できるタイプなので、扉の形状が合えば引き戸にも設置可能。
車椅子等の場合も考えて引き戸を選ぶ方もいると聞きますので、バリアフリー設計の玄関にリモコン操作可能な錠前でバリアフリーな出入口の完成です。
※賃貸等で工事不可(穴開け等)の場合、賃貸用ブラケットが扉厚に合う扉なら設置が可能です。
※上部に設置するので高い位置での電池交換作業が必要。
【電動サムターンロック Kaba drive】
セキュリティの高性能なKABA社の非接触電気錠・リモコン対応版。現行シリンダーをそのまま使うこともできますが、オートロック機能による締め出しや緊急時に備え、KABAシリンダーに交換すれば鍵での開錠ができます。
※作業事例【電池錠 Kaba drive(カバドライブ) 設置 取付け】
事例は事務所ですが電池錠が分かりやすい事例です。
※シリンダー交換付きで設置する場合、専用エスカッションを使えば穴開け無しで賃貸も可能です。
※現行の錠前やドアの種類によっては設置できない場合があります。
※電池錠ですので電池交換が必要です。
■掃き出し窓から出入りしたい
「車椅子で出入りしやすい掃き出し窓を、ひとりの時も座ったまま簡単に施錠開錠できるようにリモコンがいい」
掃き出し窓にスロープを設置して車椅子での出入りを可能にすると便利だったりしますよね。しかし通常の掃き出し窓用錠前だと、外からのみの施錠になります。
そこでリモコン錠を設置すれば内からも外からも施錠開錠可能になります。しかもオートロック機能付き。これで完全バリアフリーの出入口が完成ですね。
※サッシの形状やサッシ回りの状態によっては取付けできない場合があります。
※基本の設置は室内側に取り付け、室内側の窓は開かなくなります。
但し当店独自の設置方法ができる場合に限り、リモコン錠が開いている状態であれば室内側・室外側どちらの窓も開け閉めできるようにすることも可能。
認知症対策とバリアフリーにつながる鍵対策を3回連載しましたが、介護リフォームや対策品の活用で少しでも体を大切に、安全で暮らしやすいご自宅になることを願っています。
認知症と鍵②+α
前回は玄関・勝手口編でした。今回は窓と生活に関わる対策品です。
■落下して大怪我する前に
玄関や勝手口を対策してひとりでの外出を制限すると、今度は出られる場所を探して窓にたどり着く場合も。腰高窓の高さでもご高齢者には危険、それがベランダ等の高い位置から落下しては一大事です。
【窓の補助錠や人感センサー】
以前、窓は既設の鍵(クレセント錠)では無締りと同じだと、窓の防犯記事を上げましたが、そこで紹介した対策品が活用できますので下記リンクからご参照ください。
泥棒が侵入するナンバー1の窓を対策することで、徘徊防止と防犯性向上が同時にできます。
※対策品紹介:【窓こそ守ろう!お手軽編】
※窓の防犯記事:【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】
錠前付きクレセント錠への交換や窓用補助錠は比較的安価で工事(穴開け)無しで設置できる製品が幾つもあります。どちらも鍵穴タイプまたはダイヤル式がオススメです。更には外開き窓用、窓枠のすれ違い部分が狭い窓用もあります。
LINK先の対策品紹介にある『どろぼうセンサーⅡ』は窓を開ける振動を感知して90デジベルの大音量を発して侵入者を撃退するタイプです。
防犯を兼ねて同製品でも良いですし、認知症対策としては室内に一緒にいる時用なので自分が目を覚ませる音量、または別室にいてもすぐ気づく音量で大丈夫ということなら、音量切替えできる製品も出ています。
私の少ない体験ではありますが、認知症の方は反応が希薄であっても、予想以上にアクティブな場合があります。
深夜に我が家の掃出し窓の前に小柄で腰の曲がったお婆さんが立っていたのですが、門扉は施錠されているのでお隣りと隣接する裏手しかルートは無い筈。お隣りとの仕切りになる柵はお婆さんの腰よりやや高さがあるのにどうやってか乗り越えてきたらしいのです。
このレベルの柵を越えようとするなら、ベランダの柵でもよじ登ろうとするだろうし、身を乗り出したら…と想像して怖いですね。是非対策を。
ちなみに隣近所の方ではなく、同じ町内でしたが移動距離もそれなりでした。
■本人を探したい!!
徘徊を防げれば一番ですが、防ぎきれなかった場合は捜索が必要になります。
市を跨いで発見された話もあるくらい長距離を移動する可能性もあり、そんな広範囲を個人(家族)が探すのは難しい。そのまま行方不明の場合も…。
危険な目に遭う前に素早く見つけ出したいというのが家族の願いです。スマホを持って出てくれればGPS機能で発見しやすくなりますが、何も持たない方が多いのではないでしょうか。
【見守りタグ】
GPSタグ、Me-MAMORIO等のBLEタグ+探索システムがあります。
本人が常に持ち歩く習慣のある物や身に着ける物にタグを付けるのが基本ですが、新しくキーホルダー型やブレスレット型をつけさせると自分で外してしまう、財布やバッグに忍ばせておいたけど持っていかなかった…ということがあります。
その為、靴に埋め込んだり服に付けたり…様々な工夫をされている方が多く、取り付けやすいタイプが出ています。
こういった製品(タグ)を購入+スマホで位置情報確認、または専用アプリを入れて居場所を特定することになります。
更にはメーカーや警備会社のサポートサービスもあります。
■すぐ物を無くして大騒ぎ
認知症の方は怒りっぽくなる傾向にあるそうです。思い通りいかないことが増え、ストレスが溜まって爆発!介護者にとってもストレスになります。
ということで、少しでもストレスを減らす為に…
認知症の方は物を無くしやすくなります。どこに置いたか忘れてしまうからです。誰かのせいにしたり疑ったり。探し回って部屋を荒らし、片づけられない…物忘れの度にそれでは人間関係も生活環境も悪化します。
【紛失防止タグ】
お財布、携帯、鍵、その他貴重品、リモコン、認知症の方にとって大切な物等、無くすと騒ぎになる傾向の高い物にキーファインダーやMAMORIO等のタグを取り付けておけば、無くした際にアラームやスマホへの通知で場所を知らせてくれます。
取り付ける物によって、キーホルダー・タグ・カード・シールといった形状が選べます。
探す機能としてはアラームやライトで場所を知らせる、スマホへ位置情報の通知、または受信機と送信機が決まった距離を離れると警告音等、機能は様々ありますのでご確認を。
専用アプリが必要な場合もあります。合わせて受信がスマホの場合は設定や操作、バッテリーやパケ代等の消費についても確認しましょう。
種類が豊富なのでご自身にとって使い勝手の良い物、操作と捜索がしやすい物を選びましょう。
またタグの稼働には充電式、電池式(交換可能)、使い捨てタイプがあり、いざ探す時に電池切れや製品寿命が切れていては意味がありません。こまめに電池残量は大丈夫か操作確認、または製品寿命前に交換しましょう。
■冷蔵庫を漁ってしまう
認知症になると満腹中枢が機能しなくなったり食事をしたことを忘れて暴食する、冷蔵庫を開けっぱなしにして腐らせる、中身をぐちゃぐちゃにしてしまう等が起こりえます。
そうすると食べ過ぎや傷んだ物を食べたことでお腹を壊してしまったり、食料を全滅させてしまって予定外の買い物へ行かなければならなくなります。それを繰り返されたら大変…。
【冷蔵庫ロック】
丈夫なワイヤーと南京錠(ダイヤル式や鍵タイプ)のセット。
※子供のイタズラ用で材質が弱い物は壊される可能性があります。
ご高齢でも大人の力で、且つ加減せずに開けようとします。
炊飯器ロックという商品もある模様。触ると危ない物や困る物は施錠できる場所に収納、収納できない物はロックをかけると安心です。
昨日今日のことは忘れても、長年培ってきたことや習慣だったことを繰り返したがることがあるそうです。私だったら認知症になった自分がおもむろに合鍵マシンを操作し出す姿を想像したら怖すぎます!安全点検と集中力が必要な、金属をカットしたり穴を開けたりできるマシンをそんな状態で操作するなんて、指が無くなりそう…。
しかし認知症の方も不鮮明不明確になる自分自身の中で懸命に戦い、生きようとなさっているんですよね。ここまで守る為に制限する対策品を紹介してきましたが、「したいこと」=外へ出たい・何かをしたいを制限しすぎると、ストレスがたまって更に危険な行為や暴れる等になる場合もあるそうです。
介護者に不都合がなくサポート可能な時間帯にしたいことをしてもらう、あるいは他者の力やサービスを活用することも大切になっていくと思います。
■様子を確認したい
【カメラ・スピーカー】
鍵屋の我々が設置するのは侵入盗対策の防犯カメラですが、外出中に介護者の様子確認は、お子さんやペット用の見守りカメラなら簡単に設置できます。
スマホから様子を確認、会話も可能なタイプもありますので、お薬の時間等を忘れないよう伝えることもできます。
また動作検知した時のみ録画する機能のあるタイプなら、動画を見るのは確認が必要な時のみ、何もなければ検知ログだけ確認して極力プライバシーを侵害しないという配慮も可能です。
こういった製品を用い、メーカーや警備会社の介護用サービスもあります。
認知症①②に渡って専門工事不要のお手軽な対策品も多く紹介しましたが、同種製品が幾つかのメーカーから発売されていたり、それぞれ違う部分もあります。これから益々進歩する分野だと思いますが介護する方のニーズにまだまだ追いついていない、強度や機能不足等物もあるかもしれません。
できるだけ製品内容を調べて比較し、使用者の声等も参考に、ご自身のニーズに合う製品に出会われますように。