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「2022年09月」のアーカイブ
認知症と鍵①
高齢化社会の問題で重くのしかかってくるのが『老老介護』や『介護疲れ』かと思います。
行政含めたサービスがすぐに受けられない(ウチも要介護認定が出るまで半年、その間に症状が進行して更新は更に半年!という体験が)、施設は待ち状態等々。
しかし介護は毎日のこと。高齢夫婦間は勿論、自身の仕事と家庭を持つ現役世代の介護する側が疲労と精神的限界で体調を崩したり、生活が成り立たなくなって共倒れになるおそれも。
この分野で鍵屋にできることは限られますが、ひとつでも問題の対策が成されてほんの僅かでも負担や不安が軽くなればと、介護サポートにつながる製品をご紹介します。
今回は外の危険から認知症の方を守る玄関・勝手口編です。住宅のみならず介護施設(デイサービス)でも使える対策品あります。
■徘徊してしまう為、外出できない&眠れない
徘徊は時期によっては熱中症や肺炎にかかるおそれがあり、万が一事故等に遭ったら保護者責任を問われてしまいます。しかし毎日24時間目を離さないなんて不可能。行方不明になった際の心労や捜索の大変さは介護する側を更に追い詰めてしまいます。
本人の為にも介護者ご自身の為にも、ご都合(賃貸・持ち家、扉や窓の形状・錠前の種類、ご予算、使い方等)に合った対策品と出会えることが一番ですので、幾つかご紹介します。
【補助錠+セーフティサムターン設置】
新しく補助錠を追加工事し、セーフティサムターン機能(空回りして解錠させない)で徘徊するリスクを低減させます。
作業事例【玄関の認知症対策】
【リモコン錠NOAKEL(ノアケル)設置】
サムターン無しのリモコン錠ノアケルを設置する。扉上部に設置できるタイプなので、扉の形状が合えば引き戸にも設置可能。
内側からの手動開閉部分をカバーで覆うことで更に徘徊リスクを低減できます。
※賃貸等で工事不可(穴開け等)の場合、賃貸用ブラケットが扉厚に合う扉なら設置が可能です。
【両面シリンダーに交換】
中も外も鍵穴になっており鍵で施錠解錠する錠前。鍵を持っている人しか開けられません。
※現行の錠前によっては交換できない場合があります。
※賃貸等で原状回復が必要な場合、外した現行シリンダーを大事に保管する必要有り。
【電気錠・電池錠に交換】
例えばINAHO社『インターロック』
①オートロック機能
②外出時や就寝時に開錠機能自体をロックすることが可能。
③カードで解錠/スマートフォンで解錠/暗証番号入力で解錠
※暗証番号は何度でも変更可能
※現行の錠前によっては交換できない場合があります。
手動開錠を制限する機能さえあれば他メーカーの電気錠・電池錠も対策になります。
【外側から施錠できる補助錠】
賃貸で工事不可、両面シリンダー交換不可タイプで、サムターンカバーだと開けられる可能性(様子を見ての判断)があり、「せめて外出中だけでも…」と外締り(室内側にサムターンが無い)補助錠を付けたいという相談を受けたこともあります。
またはサムターン対策品の使えないタイプの錠前で賃貸の方。
その場合はコチラ。
子供の対策でも紹介しましたが、賃貸で工事できない場合、こういった簡易型になります。
この製品に関しては外開きドアであること、ドアの厚み36~40mm以内、枠との隙間4mmが必要です。
同じ仕組みの他社製品にもそれぞれ適用条件があるので購入前に確認が必要です。
※このタイプの補助錠は扉に煙返しがあると設置ができません。
煙返しのない部分・扉上部につけることになりますが、介護する側もご高齢の場合、手が届いて苦労なく開閉可能か確認が必要です。踏み台を使うのは踏み外す危険と、緊急避難時の開閉ができないということなのでオススメできません。
※外出中の徘徊は防げますが在宅中は使えませんので、内側にも対策が必要になります。
同製品をひっくり返して内側にも鍵を設置するか、同じ仕組みの内側用の補助錠(下記に紹介)を付けましょう。
【内側から施錠できる補助錠】
内側は鍵穴タイプまたは南京錠(ダイヤルまたは鍵)タイプがあります。
写真例は賃貸の空室管理用ですが、徘徊防止品として同じ仕組みの製品もあります。
ただこちらは写真上のドアジョイナーのみ購入して南京錠は使い勝手の良い物を選ぶも良し、写真下のドアジョイナーとダイヤル式南京錠(ABUS製)セット品を選ぶも良し、です。
※南京錠タイプの補助錠を外鍵に使用するのはやめましょう。
こういった補助錠を付けているお宅は認知症の方がご在宅で、南京錠が付いている時は介護者が外出中だいうことが分かりやすい為、侵入盗に狙われる危険があります。
侵入盗は下調べをして専用工具を持ってやって来る為、南京錠のツル部分を切断するのは一瞬です。
ドアに付いている従来の鍵を合わせて施錠しても、内側から認知症の方が開錠するおそれもあれば、侵入盗が認知症の方を騙して内側から開けさせる可能性もあります。
更には多少音を立てて作業しても認知症の人なら気づかないか通報できないと考え、大胆にピッキング解錠や破錠をするかもしれません。
※外側施錠の補助錠や、サムターン対策品を用いて内側から解錠できない(または鍵の所有者のみ開けられる)状態にした場合、地震や火災等の災害時に逃げ遅れる危険性があります。IH調理器の導入や火の気がある物を置かないなどの細心の注意を払ってください。
※また、サムターン対策品での内側施錠や電池錠・電気錠の時間指定施錠等、室内からの解錠が必要な場合も、災害時に慌てないよう解錠の操作確認をしておいてください。
今回は取付工事の必要な商品を多く紹介させて頂きました。対策のご相談・お見積もり、受け付けておりますのでお気軽にどうぞ。
【お問い合わせ方法・各種】
【NEWS】高齢な窃盗犯と被害者
7月12日名古屋市中川区にある集合住宅の無締りだった一室へ泥棒に入ろうとした72歳の男が逮捕されました。
在住者64歳男性が鉢合わせて通報、逃走した男は交番勤務研修中の警察学校初任科生23歳によって職質され逮捕。
72歳の犯人と64歳の被害者…侵入盗やひったくり等の記事で高齢者がターゲットにされやすいと注意喚起しておりますが、ターゲットになりやすいと思われる側が犯人ということもありえる。
相手の見た目や年齢で警戒心を解いてはいけいないという事例ですね。
他にも岡崎市内の侵入盗2人組は66歳と55歳、千葉県の高齢者住宅で70代介護職員が90代男性の部屋から窃盗の疑い、北海道で71歳が金目の物目当てに無施錠だった脱衣所の窓から71歳女性宅へ侵入して逮捕等々…ひしひしと日本社会全体の高齢化→狙う側も狙われる側も高齢化ということでしょうか。
ニュースでは警察学校の初任科生が発見・職質して逮捕につながったことから、若い力に期待を寄せる内容になっていました。
漫画「ハコヅメ」でもよく20代の警察官がオッサンまみれの生活(同僚も被疑者もオッサンばかり)の悲哀が語られていますが、学校という箱庭しか知らず人生経験という引き出しも少ないのに、自分の父親どころか祖父世代の相手を職質したり、説諭して供述を引き出して更生を促さねばならない警察のお仕事。
実際に今回の事件でこの初任科生が72歳に対して説諭したりはしない(職質・逮捕時にも教育係の警察官2名がいましたし)でしょうけれど、警察学校を卒業して現場に出れば、人生経験倍以上の人ばかりを相手にするわけです。この初任科生の初お手柄に拍手すると共に今後の活躍を期待し、私もいい歳なので個人的には若者が 厭世的な気分にならない年寄りになりたいなと思いました。
ご自身の年齢または親の年齢を意識した際に生活を守る為、防犯面だけでなく、次回は利便性を上げる対策をご紹介したいと思います。