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防犯コラムcolumn

【NEWS】工事現場は狙われる


窃盗犯に狙われるのは住宅や店舗・事務所だけではありません。

【愛知県豊橋市で資材・工具窃盗多発】
3月13日、豊橋市神野新田町地内の工事現場から鉄板が盗まれる被害が発生しました。
豊橋市内では、本年2月から3月にかけて、工事現場等から資材工具等が盗まれる被害が多発しています。 ※パトネットあいち

昨年も愛知・岐阜・静岡のホームセンターや工事現場で高圧洗浄機発電機等、19件の事件で160点が盗まれました。

【新築工事で計110点窃盗】
こちらは沖縄県のニュースで、新築現場からインパクトドライバー等の工具類が110点、被害に遭ったそうです。


一般的な感覚では作業中は勿論、作業時間外でも工事現場はシロウトが立ち入るのは危険なイメージがあるので近づかないと思います。子供達にもそう教えますしね。
金属資材が積んであったり硬質な金属をカットできる電動工具や高熱を発する機器があったり、梁や針金が出っ張った状態、穴が開いていて足場が悪かったり…と内部の危険もありますが、過去記事で夜道の危険ポイントとして工事現場を挙げたように、工事現場はフェンス防塵防音シートに覆われており、一旦中へ入ってし引きずり込まれれば周囲に気づいてもらい難くなります
 ※参考【夜道の防犯 ①危険な場所】

窃盗事件でもフェンスや防塵防音シートに遮られていることで窃盗の犯行現場が目撃され難くく明かりや物音がしても中で何をしているか分からない為、盗みやすい環境となります。
しかも工事現場にある工具や精密機器は専門性の高さから高額で、最近の現場ではモバイルPCやタブレットも多用されることから金目のモノが多いのです。
さらには昨今の情勢による資材不足と価格高騰で、窃盗犯の目には工事現場は宝の山に映るのでしょう。



■狙われやすい物

①工事現場で必ず必要な道具や備品。
②重くて運びにくいから大丈夫、と放置・対策していない物。
③特殊性・精密性・高額・業界で高評価メーカー品・新品の工具や精密機器・備品。
④資材(不足している、高騰している)。
⑤車両や重機。
⑥仮設事務所や簡易資材庫の中身

「こんなの一部の人間(同業者)しか使わないでしょ」「こんな重い物運べないだろう」と思う物が狙われます。
工事現場を狙う窃盗犯はそれなりの準備と下調べをしてきます。場合によっては工事現場を知っている者が関わっている場合があります。
盗品を売りさばくルートを確保しているわけですから、売れ筋の工具や資材にも詳しく、現場でどんな管理をしているか、業界や職人さん達の習慣等にも詳しい場合があります。

夜間等に重い重機や車両で塞いでおけば侵入されないと思われるかもしれませんが、車両や重機が盗まれる可能性もあります。
さらには車両に資材や工具を積んだ状態のまま放置すると、まるごと盗まれてしまうことも。

現場へ機器を運んできた状態で
明日も使うからと放置するのは危険

車両窃盗は大胆かつスピーディな手口で行われます。ハッキングもあればレッカーという力技も。
 ※参考【自動車窃盗もハッキングの時代】


仮設事務所にはあくまで仮設の為、セキュリティを上げるには難しい面があります。そこへ精密機器やモバイルPC・タブレット等を置いておくのはリスクがあります。
簡易資材庫は資材を現場にそのまま積んでおくよりマシとはいえ、あくまで簡易の為、錠前や南京錠を使っている場合はリスクがあります。



■対策

①出退勤・施錠の確認と管理、鍵の管理を徹底する。
大きい現場ほど施錠や管理しなければならない出入口や工具・資材があり、非常に多くの業者が出入りする為、すべてを管理・把握するのは難しい面がある模様。
むしろ工事を円滑に進める為、複数人や別の業者もに合鍵を渡したり、それを回しあって使うこともあるでしょう。
当店にもたくさんの南京錠をお求め頂いたり、たくさんの合鍵を依頼してくださる業者さんがいらっしゃいます。
工事現場Aが完了したら、次のBでも南京錠や仮設事務所・資材庫を使います。その際にまた必要数を数えて足りなければ追加で合鍵…どんどん複製が増え、様々な人に合鍵が渡され…当然ですがその間に紛失も起こります。合鍵を渡された人が更にそこから合鍵を作ることも有り得ます。
鍵の使用と使用者を管理することはセキュリティ上重要であり、解錠施錠の責任と日々の管理、鍵の管理を使用と保管、使用後の返却回収までしっかり行うことが大切です。紛失があった場合、錠前または南京錠の交換が安全です。

②現場に機器や工具類を置きっぱなしにしない。
窃盗犯はもし誰かに見られても不審がられない格好(作業服等)をしているでしょう。そんな窃盗犯がトラックや電動キャリー持参でやって来て工具や資材を運び出していても、通行人には本物の業者さんとの見分けはつきません。
目撃され難さ、見分けのつかなさも加わり、発電機やコンプレッサー等の重量があって運び出しにくく、運搬に手間や時間、道具を使う物でさえ、有用で高価な物は盗まれてしまう可能性があります。

「精密機器や高額な工具ではないから~」と、現場に工具を置きっぱなしにしておくと、工具自体を盗まれるリスクと、その工具を使ってせっかく施錠してある事務所や保管庫等、破錠されて中身を盗まれる率が上がります。例えドライバー1本であっても放置しないようにしましょう。

③資材や工具の管理・保管をしっかり行う。
整理整頓がされていないとひとめで分かる現場は、管理やルールが杜撰だと判断され、狙われやすくなります。
またちょっとした紛失が起きても気づき難い、気づいてもなあなあで済む現場では作業者の気も緩みやすく、大切な物の紛失や情報漏洩につながったり、罪悪感のハードルが低くなって下心を誘発する可能性も出てきます。

整理整頓して管理・保管する上で、出入口やフェンスの隙間から覗いて分かる場所に物を置かないことも重要です。通りすがりや下見の段階で窃盗犯の心をくすぐることになります。見えなければ中まで入って下見をしなければいけませんし(リスク上昇)、慎重になります。
置いておかねばならない物があれば見えない場所に置く、カバーをかける、そして防犯対策を施しましょう。


④防犯対策を施す。
【防犯カメラ】
設置することで、窃盗犯が下見の段階で「防犯対策をしている現場だからやめよう」と思わせる抑止効果が期待できます。
防犯カメラに気づかず侵入・防犯カメラがあっても侵入する犯人もいますが、証拠として警察へ提出できます。

【防犯センサー】
防犯カメラとセットでセンサーを設置し、タブレットやスマホで遠隔監視を行えば、抑止のみならず侵入者へ対応ができます。

防犯カメラ・センサーで監視していざという時は現場へ急行!となりますが、シロウトで特に少人数では危険です。警察へ即通報しましょう。
自分達でカメラ等の設置をするのも警備会社や保険会社等のサービス(カメラとセンサーの設置、警備員の出動等色々あります)を活用するのもひとつの手です。

【GPSトラッカー等を付ける】
大切な機器や資材に発信機を付け、万が一盗まれた際に追尾できるようにしておく。
小型・薄型の発信機もあるので設置したい物に合わせて、気づかれないように設置します。

【工具や資材に会社名や印を付ける】
工具の場合、会社名等を簡単には消えないように記入、剥がしにくいステッカーを貼る、刻印を入れる。
資材にも落ちにくいペイント等で会社名や印を付ける。
これにより、足のつきやすい物を消す手間、汚れや傷によって価値が下がることを嫌がる窃盗犯の場合には抑止力になります。

簡易資材庫でもリスクがあると上に書きましたが、防犯対策の基本は「盗むの面倒だからやめよう」と思わせることがポイントなので、合わせ技は効果があります。
防犯カメラはあるし施錠された上に南京錠も付いてる(ツーロック)の簡易資材庫場を見れば窃盗犯は警戒します。鍵を壊して資材庫を開けたら資材にはペイントや社名が付いてる…イヤになりますよね、窃盗犯側からすれば。他にもこまごまと窃盗犯が嫌がる手間取る対策をしておく、さらに発信機が付いていたり、誰かが駆けつけてきたら…その会社が担当する現場は避けたがるでしょう。


※南京錠の用途に注意
南京錠は便利ですが、工具で切断されやすいのでそれを踏まえてご利用ください。
『錠前のある扉等に対し、ツーロックにする為の補助錠』等、セキュリティの追加・補強には役立ちますが、南京錠だけでは切断される可能性を考慮の上、用途や箇所(補助錠として、切断されても被害が少ない、立ち入制限したいだけ等)を判断してください。


職人さん同士の「それ、マキ〇の(型式)じゃん!いいなぁ」「これ、何がスゴかと言うと…以下専門分野トーク~」なんてほのぼのしい会話を聞いたことがあります。
改良したハイエースにそんな大事な工具や資材諸々を積んで、あっちこっちの現場で活躍。
なのにその業務用バン、ドアの開けっ放しや無施錠を意外と目にします。

もし手に馴染んだお気に入りの工具を、あるいは買ったばかりの最新型を盗まれたらショックですよね。
汎用性の高いバンも非常に便利で人気が高く、特にハイエースは過去には長いこと高級車を押しのけて盗難被害ナンバー1、近年でもレクサス等に混じって上位に入っています。
是非、日頃からの用心と対策を。