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防犯コラムcolumn

【NEWS】カギを無くしたという嘘

マンションの危険について連載しましたが「まさに!こういう点が危ない!」というニュースが起きました。
【カギ無くしたと他住人にオートロック開けさせる】
北海道札幌市で深夜1時近く、元交際相手の男性の住む集合住宅へ侵入する為に住人を装って他住人に「カギを無くしたから開けてほしい」とインターフォンで伝え、オートロックを解除してもらった女性の事件です。
おそらく非常に寒い12月の北海道で深夜1時近くの出来事ですから、他住人の方もかわいそうに思って開けてしまったのでしょうかね。

自分以外の住人も開閉できる集合住宅(マンション・アパート等)において、オートロックは我が身を守る役には立たない、オートロックに頼ってはいけないということです。
そして自分を訪ねてくる者以外、如何なる理由であっても自分の鍵で開けられない人を通してはいけないということです。エントランスのオートロックは住人以外を通した結果に責任を持ちきれるのか、誰かに被害が及ばないか、をしっかり考え判断する必要があります。

掲載したばかりの内容と重複しますので細かいことは書かず、リンクのみにさせて頂きます。
【マンションの危険 ①人】 【マンションの危険 ②建物】
※「カギを無くした」という嘘をつく手口を①の記事にも追記しておきます。



マンションの危険 ②建物

エントランスで各戸順番にインターフォンを鳴らしていく人を見かけたことはありませんか?
セールスの方かもしれませんし、セールスを装った侵入盗が不在宅を確認しているのかもしれません。
 ※参考【泥棒の真の姿とは】

応答して断った→何事も起こらなかった。またはカメラで確認してセールスっぽいから居留守を使った。
いずれにせよ、こんなことがあった時は暫く注意を払った方がいいかもしれません。誰かがセールスマンを通してしまい、玄関へ直接訪問されるかもしれませんし、不在宅を把握した侵入盗がマンション内をうろついているかもしれません。
そして居留守を使ったお宅は…玄関だけでなくベランダ側にも気を配った方がよいでしょう。

マンションを狙う侵入盗を侵入手口で分けると、『共有出入口の隙を突く侵入盗』『1~2階狙いの侵入盗』『対策済みの1~2階を避けて3階辺りから狙う侵入盗』『屋上へ上がれる経路を探す侵入盗』になります。
侵入した場所がベランダや窓のある部分なら『窓の無締りまたはこじ破り』で屋内へ侵入。玄関側なら『無締りを物色して回る』あるいは『侵入しやすい家を物色して回る』でしょう。

ということで、今回はマンションの建物としての侵入されやすさについてです。


■死角や足がかりが多い

一軒家よりマンションの方が敷地が広く、必要とする施設や形状によって死角や足がかりになる物が多く、ベランダや共有部への侵入経路となりえます。

※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…

必要な設備が死角にもなり
足がかりにもなる

敷地が広く死角や侵入経路になりそうな場所が多い分だけ防犯対策に費用が嵩みます。
さらには隣接する建物が足掛かりや渡りを可能にする場合もありえます。
 ※隣りの建物が侵入を可能にした例【NEWS:最上階は狙われる】 

そうなると周辺環境を加味した対策を講じねばなりません。しかも一軒屋であれば家族だけで防犯対策の導入を決められますが、マンションでは組合で定められた住人の同意が必要になります。決して一家族の意思では決められません。


■防犯対策の差

一軒家は外から見て防犯対策の度合いをマンションよりも判断しやすいので、狙われやすいのは防犯対策の弱い家かリスクを冒すだけのアテ(金目の物)がある家になります。

マンションの場合、敷地面積が広く共有部と専有部に分かれている為、個人で防犯対策を施すには限界や制限があります。
共有部に既設の防犯対策(監視カメラ)は位置の予測がつきますし、複数戸あるからこそ中には防犯意識の低い家やうっかり無締りな家がある率が高くなる、と侵入盗は睨んで物色に入ります。
 ※前回参照【マンションの危険 ①人】


「でもマンション中を一軒一軒チェックする方が面倒だし目撃されるリスクが高くなるのでは?」
確かに長居するとリスクは上がります。
管理組合から『〇月〇日ドアノブを回す不審者あり。注意してください』といった注意が回覧や掲示されたことがあるかもしれません。
これは無締り宅を探す際、ドアノブを静かに回しますが下手な侵入盗は音を立ててしまう、運悪く家主が玄関付近にいて気づかれてしまう、共有部で他の住人や訪問者に目撃されたからでしょう。

ドアにポストがあれば
覗かれる可能性も

しかし目撃されやすい一軒家周辺で不審者にならないよう下見に時間をかけるより、一旦建物内へ入ることさえできればマンション内の共有部は特に上の階ほど外からひとめにつき難い為、無締りの家や侵入しやすい家を探す作業を慌てる必要がありません。
全てハズレ(施錠されていた)だったとしても、犯罪は犯していないので堂々と帰ればいいのです。

訪問者の姿も見え難く
ドアや窓に何かしても分からない

そして侵入盗の心理として上階部に逃げ道を確保できない限り、「外からの見られ難さ」「不審がられた時の逃げやすさ」からすれば、上階まで一般人を装って一気に昇り、下へ向かって(逃げ道へ近づきながら)物色をしていった方がいざという時に逃げられる確率は高くなります。


■被害が一軒で留まらない可能性

重い荷物を運ぶ宅配業者さんにAさんが親切心でエントランスを開けて一緒に通してあげたら、侵入盗だった!
無締りだったBさん宅だけで済む場合もありますが、簡単にピッキングできる錠前だった為に不在宅が複数件被害に遭った
あるいは年末年始お盆連休、1ルームタイプ(仕事や学校で不在時間が長く分かりやすい)等、不在宅の多いフロアが破錠された等、被害が複数件に及ぶおそれがマンションにはあります。

他にも隣りからから隣りへ移動する手段がマンションにはあります。
災害時、住人の避難手段であるコレです。

無締りにせよピッキングや破錠にせよ、まずはどこか1軒侵入できれば物色後にベランダから不在のお隣りへ移動できます。お隣りとの仕切りは避難用に破りやすくなっているからです。
マンションの防音性は年々高い構造になっていて気づかれ難く、窓ガラスに穴を開ける音以上に何の音か分からない、しかも音のみの情報では、もし近隣が在宅で異音に気づいたとしても誤解だった場合に迷惑をかける為、通報しにくいものです。
こうして他の住人や訪問者と鉢合わせの危険がないベランダ伝いに、お隣りにまで侵入できてしまうのがマンションの怖いところ。


■空室が拠点になる危険

確実に人がいない空室は建物内への侵入拠点や隠れ場所になる可能性があります。空室のベランダまたは玄関から侵入し、お隣りを狙うという方法です。
空室はベランダ側から見て分かりやすく、エントランスや玄関前でもポストが封印されている、またはチラシが溜まっている、賃貸だと入居者募集の看板が敷地内にありますし物件サイトで調べることができます。

無断侵入対策として臨時で補助錠を設置する管理会社もあります。

工事不要の
空室管理用補助錠

※南京錠タイプは自宅用には向かない
工事不要の補助錠ですが南京錠タイプをご自宅用に使うのは危険です。南京錠がぶら下がっている時は不在だと泥棒に教えるようなものだからです。補助錠を付ける際は鍵穴タイプを選んでください。


■施錠しても入られる危険

ドアまたは窓の無締りが最も侵入されやすいのですが、施錠していても侵入される場合があります。

【玄関側にある窓】
玄関側の廊下に面した窓がある場合、大抵は面格子が既設されていますが、面格子のタイプや材質、ネジが防犯用特殊ネジを使用していない場合、簡単に外せてしまうことも。その作業は業者のフリができます。その為、窓からの侵入が外からはほぼ見えない階は要注意です。
面格子さえ外せれば窓に補助錠が付いていない限り、侵入は容易で物音も最小限で済むので、玄関の錠前を壊すより窓から侵入される可能性があります。
 ※面格子の防犯性能については【被害に遭いやすい家 其の弐】をご参照ください。

【ドアスコープ・ポストと錠前】
ポスト付きドアだと不在確認に覗かれることがありますが、侵入する手口としてもポスト付きドアは狙われます。
ドアスコープ(簡単に外せる、または壊せる)やポストから器具を入れて解錠するサムターン回しという手口です。

前述したピッキングしやすい錠前もありますし、ピッキングできない錠前であっても破錠という手段や強引にバール等でこじ開ける手段もあります。

 ※ドアについては【被害に遭いやすい家 其の参】をご参照ください。



■防犯対策強化の難易度

①ルールの徹底は人数が多いほど難しく、うっかり率も高くなる。
②敷地の広さ、形状や周辺設備・環境によって死角や足場の多さによっては対策すべき箇所が多く、経費がかかる。
③ルールを決める際は勿論、防犯対策の追加導入には経費含め、管理組合で話し合って総意を得なければならない。

様々な方が住むマンションでは
話し合う時間が必要

対策の難易度ばかり挙げましたが、マンションだってセキュリティを高めることは可能です。
個人で可能な防犯として最も有効な窓の補助錠は格安で賃貸にも可能な穴空け工事無しの製品から、防犯レベルの高い物まであります。
【窓こそ守ろう!お手軽編】
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】

ドアにポストやドアスコープが付いている場合はポストを塞ぐか、サムターン対策品等で対応しましょう。最近のマンションは既設品がサムターン対策錠前の場合もあります。
【出入口を守ろう】

共有部に関しては話し合いが必要ですが、エントランスと裏口以外の想定される死角や侵入経路に監視カメラやセンサーを設置したり、柵や足場になる出っ張りに忍び返し有刺鉄線を張る等の対策を導入しているマンションもあります。

足がかりになりそうな所に
忍び返し
よじ登ってきそうな所に
忍び返し

一戸建てには一戸建ての、マンションにはマンションのリスク・脆弱性があり、特徴に合わせた対策・日頃の予防が重要です。
ルールの徹底は勿論、挨拶し合う、通達や掲示には目を通す。住人の顔を覚えておく為にも管理組合の総会には出て情報交換を行っておく。敷地内が綺麗に清掃・管理されているか・不具合故障は無いか目を配り、問題点・不審な出来事があれば管理会社・組合へ報告する等。しっかり管理されていることが傍から伝わることは、抑止力になります。

逆に住人同士が無関心で他人任せ、ゴミ出しや分別・エントランスの出入り等の管理が緩い、管理会社の動きが遅い、掃除が行き届いていない、故障個所がある、植木の手入れがされていない、全体的に汚れていたり荒れた印象等のマンションはターゲットに選ばれやすくなります。
マンションの大規模修繕工事で外装まで綺麗にするのは侵入盗予防でもあります。

年末年始も近づいておりますので、一軒家の方もマンションの方も是非ご用心を。
年末年始の長期不在前に防犯対策しておきたい!という方はお早目に。
対策品(電池錠やキーレス等)によっては扱い慣れないまま休暇に入ってからのトラブル発生は危険です。

防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、お気軽にどうぞ。

【お問い合わせ方法・各種】



マンションの危険 ①人

マンションに住んでいると「複数戸ある中でウチが狙われる率は低い」「狙われるのは1~2階でしょ。ウチは上階だから順番的に最後の方」という気がするかもしれませんが、そうとは限りません。

逆に「何で数十戸の中でウチが狙われたの?」とならない為に、マンションの防犯上のデメリットを知っておきましょう。
※前回・前々回UPしたニュースに合わせてマンションと記載していますが、分譲だけでなく賃貸含めた集合住宅全般に共通するリスクです。


■防犯意識の差

一軒家やマンション1階だと敷地内で通行人と目が合ったり、外から室内が見えてしまうことも。
不特定多数の行き交う道がすぐ先に広がっている一軒家やマンション1階では、自然と防犯意識が芽生えます。

2階の室内は見え難いものの住人の様子を伺い知ることができますし、窓辺や戸口から通行人と目が合うこともあるでしょう。

しかし3階以上は家の中が伺い知れませんし、ベランダからでもあまり通行人と目は合いません。
上の階になるほど通行人の視線や気配から遠ざかるので、外の世界から隔てられた安心感という隙が生じやすくなります。

上の階だと住人も侵入者も
ひとめが気にならない

「忍者じゃなきゃ上がってこれないでしょ」とベランダの窓を開けたまま、あるいは鍵をかけずに就寝したりしていませんか?
 ※【NEWS:最上階は狙われる】
窓に補助錠を付けた方がいい度合いは1階2階、最上階が上位ですが、3階以上でも周辺環境や侵入盗の得意分野によっては入られる可能性があります。

施錠を忘れがちになっていませんか?
「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」などなど。
侵入されたニュースの手口を調べると多くは無締りです。
 ※【NEWS:マンション無締りは狙われる】
 ※【NEWS:高齢な窃盗犯と被害者】

2階~3階くらいまでは共有部の廊下をウロウロしたりドアの前で怪しい行動を取る姿が通行人に見えるかもしれませんが上階になるほど見えません。落下防止の壁や柵がドアノブより高い位置まであるからです。人の姿が見えたとしても地上からでは何をしているか分かり難いでしょう。

壁の高さはドアノブより上
小柄な人の脇付近

そもそも目を凝らしてずっと上を見ている通行人はいないので、上方の出来事は気づかれ難いのです。もし気づいても何が起こっているのか分からなければ助けてはくれません。

※以前の記事【子供とインロック】で大人がベランダに締め出されてしまう事例を紹介しましたが、マンションのベランダから叫んでもなかなか通行人に気づいてもらえないくらい、高さは視覚聴覚に影響します。



■共有部扉のリスク

共有部扉(エントランスや裏口)のオートロックを施錠にカウントしていませんか?

1階共有部のオートロックで出入りを制限できていると思い込み、マンション住人に隙が生じやすくなります。
しかし共有部のオートロックに防犯能力を求めるには難しい問題があります。


【複数の他人で施錠を運用】
一軒家の施錠は家族でルールを決めて運用できます。合鍵を持つ別世帯となった親族がいても忌憚なくルールの徹底を迅速且つ強く要求できる関係でしょう。

マンションは戸数の分だけ住人が多く、一軒家とは桁が1つも2つも多い人数が出入りすることになります。お互い必ず顔を覚えているわけではないので、挨拶しながら堂々と一緒にエントランスを通ろうとする他人を住人だと思ったら侵入盗だったということがあります。

その為、防犯ルールの定まったマンションでは『各自で鍵で開錠して自分だけが通る。訪問者には各戸ごと必ずエントランスのインターフォンで応答・確認してから開錠し、訪問者を直接玄関へ訪問させない。』等のルールが設けられています。
しかし人数が多いほどルールの徹底や意思の疎通は難しくなります。分譲マンションでも住人の入れ替えは結構発生する為、新しい住人へルールの周知徹底ができていなかったり、新しい人は他の住人の顔を知らない分、遠慮や気遣いから堂々と一緒に入ってくる偽物の住人を通してしまったりするおそれがあります。
さらには相手が悪質だと、子供を言いくるめて一緒に入ってくる等の手段を取ります。親から「鍵を開けたら入るのは自分だけ」と教えられていても、ひとりの時に大人に強請られたり、強引について入ってこられたら、怖くて子供では防ぎきれないでしょう。
他にも多い手口として宅配業者や管理会社(掃除等)、点検員等を装って開錠した人の後について一緒に入る手口もあります。

※住人を装って「カギを無くしたから開けてほしい」と他の住人にインターフォンで頼むという手口がニュースになりましたので追記します。
【NEWS:カギを無くしたという嘘】


【ルールを知らない住人以外も出入りする】
一軒屋の敷地内に入って許されるのは住人と住人が許可した訪問者だけなので、直接管理が可能です。
しかしマンションは他の住人が許可した訪問者が自分の知らない内に共有部を出入りします。


【住人以外が侵入盗を通してしまう】
本物の業者さんにまぎれてニセモノの業者その正体は侵入盗!が入ってきてしまう、実はコレがマンションの防ぎきれない危険です。

服装や持ち物がそれっぽいと
不審に思いませんよね

業者っぽい格好であれば疑われません。侵入用の道具持参でも作業用の道具だと思ってしまいます。
本物の業者さんは仕事中ですので防犯意識を高く持って警戒するより、急いで入れ違う相手をあまり気にしないかもしれません。普通の格好であっても堂々と入ってくる人は住人だと思い込み、遠慮してお先にどうぞといった感じで通してしまうおそれがあります。


【とにかく出入りが多い】
マンションは戸数の数だけ建物内への出入りが多くなります。居住者による普段の生活に必要な出入りだけではありません。
マンション全体の設備点検や大掃除、排水管洗浄等であれば事前に通知されますが、建物内の個別の対応は誰も把握しきれません。
宅配便や配食サービス、ヘルパー、点検や修理・取付等の作業員が頻繁に出入りする上、複数人で行うリフォームや引っ越し、家具家電入替えや不用品廃棄・ハウスクリーニング等、マンションの出入りは非常に多くなります。
出入りが多いほど隙は生じやすく、まぎれこみやすくなりますので、同フロアは勿論、他フロアでも何か作業が入っている際は特に用心が必要です。


【開けっ放し作業がある】
業者が大きな荷物や機材の運搬、保守点検や修理・清掃等の作業中はエントランスや裏口のオートロック扉を開けたままにする必要があります。その間は誰でも出入りできてしまいます。
引っ越しやリフォーム、マンション全体の設備点検や大掃除・排水管洗浄等の大がかりな作業が行われる時は要注意です。

※狙われる可能性があるのは共有部へ入りこめたマンションだけではありません。
玄関側共有部の上の階から向かいのマンションのベランダ側の様子を下見することもできますので、日頃視線を気にしないで済む階の方でも、泥棒心をくすぐらないよう用心に越したことはありません。


【直接玄関へ訪問】
マンション住まいのAさんは「ある時、エントランスのインターフォンではなく、直接玄関のインターフォンが鳴ってびっくりした。」そうです。
確認したら宅配業者さんでしたが、直接訪問されるのは初めてで本物かどうか疑いつつドアを開けました。
確かに本物の業者さんでしたがどうやって直接来たのか尋ねると、2軒分の荷物を持ってエントランスで1軒目へ連絡して開けてもらって中へ入り、最初の家へ届けてからAさん宅を訪ねたとのことでした。

これまでマンション内ルールが比較的守らてきたことから、エントランスがセキュリティのひとつになるという安心感に慣れていたAさんは突然直接訪問されるのは心臓に悪かったし、特に自分ひとりしかいない時間帯だったことから訪問者と自分を隔てるのが扉一枚しかない無い恐怖を味わったそうです。

この宅配業者さんに悪意はありませんし、マンション内のルールを知らないのは当然です。
一戸が招き入れた訪問者が他戸へ迷惑をかけない為のマンション内ルールも、いくら住人全員が頑張ってルールに則りエントランスのセキュリティを守ろうとしても、部外者にまで周知徹底はできない、一旦入った後の行動を誰も管理できないことを思い知る出来事でした。
これがマンションのつらいところです。

※宅配業者さんによっては、複数軒の荷物がある場合はエントランスで該当の戸すべてにインターフォンで順次お届けする旨を伝えてから開けてもらうよう指導されている業者さんも多いそうです。

※過去記事【周辺環境から防犯しませんか・集合住宅編】

※参考になる記事もご紹介
【カギを掛けずに入浴・就寝も わいせつ・窃盗被害が多発】


エントランスがオートロックの集合住宅でさえ侵入されるリスクがあるということは、オートロックのないタイプの集合住宅はさらに出入り自由、リスク増となります。


【NEWS】最上階は狙われる

「マンションだって狙われるよ。上の階だからって油断はダメ、むしろ危険」と注意喚起して参りましたが、物凄く事例になるニュースがありました。

【14階マンション最上階に侵入】
マンションは階数が上がるほど高額になるから上の階の住人ほどお金を持っていそう…というイメージに加え、最上階は侵入しやすい可能性がある為、実は狙われる率が上がります。
記事の動画には高層マンションばかり狙って4回逮捕されている侵入盗の手口が分かりやすく紹介されています。マンション住まいの方、マンション入居を検討している方は是非ご覧ください。

高所作業の経験と体を鍛えていた為、命綱無しの侵入が可能だったそうです。高所に長けた侵入盗は他にもいるでしょうし、命綱や縄梯子・道具等用いる手間暇をかければ、あるいは階層低めのマンションを狙えば、可能な窃盗犯はもっといます。
そもそもマンションは死角と足掛かりが多く、探せばどこかしら侵入経路が見つかってしまいます。

今回の事件のようにエントランスや裏口以外から侵入する場合、侵入盗は死角や足がかりになる物をチェックし、侵入できる経路を探します。
2階の通路や非常階段といった共有部にはセキュリティ対策の柵が大抵ありますが、3階以上は柵がない場合が殆どです。足がかりがあってよじ登れる、または隣りの建物との距離が近くてよじ登りや渡りが可能、商業施設が入っており侵入し易く非常階段から渡れる…侵入盗がそう思ったら危険です。
更には屋上から最上階のベランダへ降りやすいデザイン、足掛かり・命綱等を固定できる物がある等。
侵入を可能とするのは狙われたマンションだけでなく、その周辺環境にもあります

※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…

マンション屋上にも色々ある

共有部までよじ登る想定の足がかりだけでもたくさんありますから、2階ベランダへの侵入なんて容易なわけです。2階建アパート、一軒家の方も充分お気をつけください。

過去記事【真夜中の脚立男】も参考にどうぞ


大半の侵入盗にとっては、とにかく!!窓!!です。最上階ベランダだろうが1階の狭い換気窓だろうが、2階テラスだろうが、対策されていない窓へ近づくことさえできればほぼ成功。そのワケは…
【窃盗に遭いやすい家 其の弐】 ※クレセント錠1ロックでは無締りとほぼ同じ

だからこそ、窓の防犯を推奨しております。
【窓こそ守ろう!お手軽編】 ※比較的安価且つ工事無しでもOK
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】 ※要工事で防衛力強し!

防犯コラムで一番多くLINKを貼っているのがこの窓シリーズの過去記事というくらい、窓の防御は侵入者から我が家と我が身を守る防犯の要なのです。



【NEWS】マンション無締りは狙われる

マンション居住者は意外と無締りが多い…と聞きます。侵入盗に入られたニュースでも無締りだった部屋が狙われている場合が多く、特に1階共有部がオートロックの建物では格段に油断が生じる模様。
無締り理由は様々「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」
今回のニュースの場合は…

【引越の荷ほどき中に金づちを持った男が侵入】
名古屋市中区で引っ越してきたばかりの女性がマンション2階の部屋で夜間、玄関扉の錠を無締りのまま荷ほどき中に4人の外国籍風の男性が侵入。脅されてバッグの中の現金300万円を奪われたそうです。

※追記【引っ越し荷造り中で無施錠】
11/25のニュースで10月に名古屋市中区マンションで無締り状態で引っ越し荷造り中の女性、現金800万円や貴金属2300万相当が奪われる強盗事件の犯人5名逮捕とのこと。
内容が微妙に違いますので続報か別件か不明ですが無締りの怖さが分かる事件です。

この事件から分かることをまとめます。


■オートロックは無いも同じ

続報がないので想像で、この4人組はエントランスか裏口から侵入したのではないかと思われますが、1階共有部は宅急便や住人と一緒に堂々と通ってしまえばいいですし、表口は自動扉で非接触キー(電気錠)でも、裏口はオートロックのみの普通の錠前であることが多い。裏口は死角に位置することが多いので、ここを狙うことも可能です。

つまり、オートロックは解錠施錠の面倒を省く為だけの、防犯性能は無いに等しい存在だということ。



オートロックに防犯性を求めるならば、住人全員の防犯意識とルールの徹底、出入りする業者の方々の協力が必要になります。
過去記事【我が家の周辺環境から防犯しませんか?集合住宅編】 にまとめております。

事件当時この部屋はオートロック(ほぼ無いに等しい)+玄関錠無締りという完全な無防備状態だったということです。


■監視カメラは役に立つの?

「監視カメラは一定の抑止力(泥棒の性質によってのみ働く)しかない」「事件後の犯人の手がかりでしかない」ことを理解しましょう。

エントランスや裏口を通ったのなら、監視カメラに映ることを忌避しない犯人ということになります。

監視カメラに映りたくない犯人の場合、「カメラの死角を通ってベランダに近づける」「カメラの死角に足掛かりがあって共有部へよじ登ることができるポイントがある」マンションを狙うでしょう。

監視カメラが役立つ時とはカメラに映りたくない慎重派の犯人、例えば平成の大泥棒のように長くコツコツと泥棒稼業を続けたい、リスクを冒さないタイプに対して効果を発揮します。
 ※参照【令和の大泥棒】
しかしマンションは敷地が広く、デザイン的に死角が多かったり隣接建物や木立等によっては侵入できそうな経路が複数できてしまい、そのすべてに監視カメラがついているかというと、そうではない場合もあります。

ちなみに今回の被害者宅は2階、よじ登ることも可能でしょう。ベランダ側への通路に監視カメラはあってもベランダ側を映すカメラはプライバシー保護から設置が難しく、ベランダ内へ侵入できさえすれば、例え窓にクレセント錠をかけていても無締りとほぼ同じ、侵入は容易です。
 ※参照【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】

事件前日にこのマンションでベランダ側からよじ登ろうとする不審者がいて通報騒ぎがあったという情報もあるので、狙いやすい要素のあるマンション、または引っ越しのどさくさをピンポイントで狙われていた可能性も。


■引っ越しという状況

新しい環境・生活が整っていない状況は慌ただしく落ち着かないでしょう。うっかりや無防備さが出やすく、狙う側は容赦なくソコを突いてきます。

引っ越し中は部屋の扉を開け放って業者さんが出入りします。引っ越し業者さんは勿論、ガスや水道の業者さん、新居用に購入した家電家具の配送業者さん、デリバリー等に+マンション住人や他の部屋へ用のある業者さんもいる出入りの激しい状況下はマンション自体(エントランス及び共有部)も無防備です。

そんな状況下に加え、引っ越し時は何かと入用で、特に現金払が必要な場合もあるでしょう。
今回の被害総額はバッグの中の現金300万円ですが、現金を多めに持ち歩いてる時・家に置いている場合は、携わる業者さん、たとえ知人であっても知られないように細心の注意が必要です。
酔っ払って箪笥貯金をお店で自慢、レアなコレクションをSNSにUP、旅行の計画をSNSに書き込む、そういった行為によって就寝中や留守中を狙われた事件があります。

できるだけ引っ越し前・最中・後は現金を持ち歩かなくて済むようにしましょう。
各業者さんへの支払いが現金だとしても、金額は先に分かっている場合が殆どですので必要額だけ封筒に入れる等、別にしておき、他の支払い分やメインとなる所持金や在処は見せないようにします。

バッグも置き引きに遭わないよう注意すると共にさりげなさも必要です。警戒心露わで明らかに大金を持っていると分かる挙動は逆に注意を惹いてしまいます。

貴重品(通帳・キャッシュカード・印鑑、クレジットカード、株券、小切手、貴金属、その他高額な品)を引っ越し業者は運ばない筈です。
合わせて身分証(免許証・パスポート・マイナンバー・保険証・年金手帳等)、自分で所持・管理しましょう。
引っ越し最中にソレと分からないようにする、業者さんや通行人や他住人等の目に触れない工夫をして運び出し運び入れをしましょう。誰かがいる場では目を離さない、取り出さないようにしましょう。
個人情報につながる物も自分で運ぶのが安心ですが、業者さんにお願いする際はそれとは分からない、箱に隙間ができても覗いても見えない状態に工夫して梱包しましょう。


深夜にひとり、凶器を持った4人の男に囲まれて被害者の方はとんでもなく恐ろしかったと思います。こういう被害に遭わないよう、我が身を守る対策をできる限りして頂きたいです。



バリアフリーにする鍵

日本で建築物におけるバリアフリー法が施行されたのは2006年。現・高齢世代が家を建てた頃にはまだあまり考えられていなかったでしょう。
既にバリアフリー対策済みのお宅やリフォームする予定のお宅もあれば、逆にリフォームのタイミングが合わなかった、リフォーム時にバリアフリーが難しくて断念等…状況は様々かと思います。

しかし外へ出るのが億劫で家の中で過ごしてばかり、外の人間との関係が希薄になった、自分でできることが減ってしまった、では精神衛生上も体にもよくありません。
できるだけ快適な暮らしの為、鍵屋にできることは現状のお宅で不便さの軽減や外出のしやすさをUPすること、になります。


■来客時の立ち上がる苦労を軽減

「ヘルパーさんが来てくれた時、立ち上がって玄関まで歩くのがツライ」
「ベッドから寝たまま鍵を開けたい」
ヘルパーさんのサポートを受けたいのに受ける為に痛む腰や足に無理を強いていませんか?

そんな時はリモコン錠!玄関ドアの鍵をピッとリモコン操作ひとつで開けて、ヘルパーさんには自ら入室してもらえば体に負担をかけずに済みます。

【注意】必ず相手を確認して開けてください
別室のベッドや椅子にいながらリモコンで簡単に玄関を開錠できるのは便利ですが、必ず訪問者の確認が取れてから開けてください
ヘルパーさんや家族、友人で来る日時が分かっていても、事前に相手と取り決めをして必ず到着時に扉の前でスマホへ連絡する等の本人確認を取ってから開けましょう。
「インターフォンが鳴ったからヘルパーさんだと思って開けた」「そろそろ到着時間だから開けておく」は絶対にしてはいけません

たまたま訪問予定者と近い時間帯に訪ねてきたセールスマンで、居座られたり言葉巧みに押し売りしてくるかもしれません。

もっと怖いのは、侵入盗や押し入り強盗です。
侵入盗・押し入り強盗はその家を下見しています。習慣や行動パターン(誰がいつやってくる、いつ不在になる、ひとりの時間帯はいつか、何時就寝か、在宅時は門扉の鍵を閉めない等)を確認してから巧く侵入する手段を取ります。
ヘルパーさんだと思って待っていたら押し入り強盗だった!は大変危険!!です。

もうひとつ、侵入盗の下見以外でも実は「あ、この家この時間無締りだ」とバレていますよ!
実際に私は午前中のある時間にカチリ!と鳴って鍵を開けておく家を知っています。このように一瞬の動作であっても様々な業者や通行人、近隣住民、集合住宅なら外注の掃除係等、気づかれることは充分あり得ることで、習慣にするほど知る人はどんどん増え、その習慣を悪用されないとも限りません。

本当に信用できる相手・必要に応じて限定した相手以外をリモコンキーで開錠して迎え入れない、そもそもリモコンキーで開錠できることを知られない方が安心です。
犯罪をする相手はオレオレ詐欺と同じでこちらの信頼や隙を突くあの手この手を使いますから。

という注意事項のもと、各リモコンキーをご紹介 ↓


【住宅用キーレスエントリー easy lock イージーロック】
今のシリンダーをそのまま使いたい、新しく穴を開ける工事はしたくない、カードやスマホ等で設定や操作を面倒にしたくない、そんなニーズにHonda Lock社のリモコン錠イージーロックはピッタリ!オートロック機能も付いて締め忘れ無し、元の鍵でも開けられます。
 ※作業事例【リモコンで開け閉めしたい easy lock イージーロック】

 ※現行の錠前やドアの種類によっては設置できない場合があります。
 ※電池錠ですので電池交換が必要です。

「イージーロックが付けられない場合はどうすれば?」となりますよね。その場合は他のリモコン錠をご提案。

【インターロック】
認知症対策でも紹介したINAHO社のキーレスキー電池錠インターロックには、リモコン対応版もあります。
こちらも現行錠前をそのまま使えます。スマホやカードの非接触キーにオートロック等機能満載。
 ※作業事例【楽々キーからインターロックへ交換】

 ※現行の錠前やドアの種類によっては設置できない場合があります。
 ※電池錠ですので電池交換が必要です。



【NOAKEL(ノアケル)】
サムターン無しのリモコン錠ノアケル、オートロック機能も付いています。扉上部に設置できるタイプなので、扉の形状が合えば引き戸にも設置可能。
車椅子等の場合も考えて引き戸を選ぶ方もいると聞きますので、バリアフリー設計の玄関にリモコン操作可能な錠前でバリアフリーな出入口の完成です。

引違戸に手すりとスロープ付きは
安心のバリアフリー設計

※賃貸等で工事不可(穴開け等)の場合、賃貸用ブラケットが扉厚に合う扉なら設置が可能です。
※上部に設置するので高い位置での電池交換作業が必要。


【電動サムターンロック Kaba drive】
セキュリティの高性能なKABA社の非接触電気錠・リモコン対応版。現行シリンダーをそのまま使うこともできますが、オートロック機能による締め出しや緊急時に備え、KABAシリンダーに交換すれば鍵での開錠ができます。
 ※作業事例【電池錠 Kaba drive(カバドライブ) 設置 取付け】
  事例は事務所ですが電池錠が分かりやすい事例です。

※シリンダー交換付きで設置する場合、専用エスカッションを使えば穴開け無しで賃貸も可能です。
※現行の錠前やドアの種類によっては設置できない場合があります。
※電池錠ですので電池交換が必要です。


■掃き出し窓から出入りしたい

「車椅子で出入りしやすい掃き出し窓を、ひとりの時も座ったまま簡単に施錠開錠できるようにリモコンがいい」

掃き出し窓にスロープを設置して車椅子での出入りを可能にすると便利だったりしますよね。しかし通常の掃き出し窓用錠前だと、外からのみの施錠になります。
そこでリモコン錠を設置すれば内からも外からも施錠開錠可能になります。しかもオートロック機能付き。これで完全バリアフリーの出入口が完成ですね。

※サッシの形状やサッシ回りの状態によっては取付けできない場合があります。
※基本の設置は室内側に取り付け、室内側の窓は開かなくなります。
 但し当店独自の設置方法ができる場合に限り、リモコン錠が開いている状態であれば室内側・室外側どちらの窓も開け閉めできるようにすることも可能。


認知症対策とバリアフリーにつながる鍵対策を3回連載しましたが、介護リフォームや対策品の活用で少しでも体を大切に、安全で暮らしやすいご自宅になることを願っています。



認知症と鍵②+α

2022/10/13

前回は玄関・勝手口編でした。今回は窓と生活に関わる対策品です。


■落下して大怪我する前に

玄関や勝手口を対策してひとりでの外出を制限すると、今度は出られる場所を探してにたどり着く場合も。腰高窓の高さでもご高齢者には危険、それがベランダ等の高い位置から落下しては一大事です。

【窓の補助錠や人感センサー】
以前、窓は既設の鍵(クレセント錠)では無締りと同じだと、窓の防犯記事を上げましたが、そこで紹介した対策品が活用できますので下記リンクからご参照ください。
泥棒が侵入するナンバー1の窓を対策することで、徘徊防止と防犯性向上が同時にできます。
 ※対策品紹介:【窓こそ守ろう!お手軽編】
 ※窓の防犯記事:【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】

錠前付きクレセント錠への交換や窓用補助錠は比較的安価で工事(穴開け)無しで設置できる製品が幾つもあります。どちらも穴タイプまたはダイヤル式がオススメです。更には外開き窓用、窓枠のすれ違い部分が狭い窓用もあります。

LINK先の対策品紹介にある『どろぼうセンサーⅡ』は窓を開ける振動を感知して90デジベルの大音量を発して侵入者を撃退するタイプです。
防犯を兼ねて同製品でも良いですし、認知症対策としては室内に一緒にいる時用なので自分が目を覚ませる音量、または別室にいてもすぐ気づく音量で大丈夫ということなら、音量切替えできる製品も出ています。


私の少ない体験ではありますが、認知症の方は反応が希薄であっても、予想以上にアクティブな場合があります。
深夜に我が家の掃出し窓の前に小柄で腰の曲がったお婆さんが立っていたのですが、門扉は施錠されているのでお隣りと隣接する裏手しかルートは無い筈。お隣りとの仕切りになる柵はお婆さんの腰よりやや高さがあるのにどうやってか乗り越えてきたらしいのです。

柵をの乗り越えてやってきたのは…
お婆さんでした

このレベルの柵を越えようとするなら、ベランダの柵でもよじ登ろうとするだろうし、身を乗り出したら…と想像して怖いですね。是非対策を。
ちなみに隣近所の方ではなく、同じ町内でしたが移動距離もそれなりでした。



■本人を探したい!!

徘徊を防げれば一番ですが、防ぎきれなかった場合は捜索が必要になります。
市を跨いで発見された話もあるくらい長距離を移動する可能性もあり、そんな広範囲を個人(家族)が探すのは難しい。そのまま行方不明の場合も…。
危険な目に遭う前に素早く見つけ出したいというのが家族の願いです。スマホを持って出てくれればGPS機能で発見しやすくなりますが、何も持たない方が多いのではないでしょうか。

【見守りタグ】
GPSタグ、Me-MAMORIO等のBLEタグ+探索システムがあります。

本人が常に持ち歩く習慣のある物や身に着ける物にタグを付けるのが基本ですが、新しくキーホルダー型やブレスレット型をつけさせると自分で外してしまう、財布やバッグに忍ばせておいたけど持っていかなかった…ということがあります。
その為、靴に埋め込んだり服に付けたり…様々な工夫をされている方が多く、取り付けやすいタイプが出ています。

こういった製品(タグ)を購入+スマホで位置情報確認、または専用アプリを入れて居場所を特定することになります。

更にはメーカーや警備会社のサポートサービスもあります。


■すぐ物を無くして大騒ぎ

認知症の方は怒りっぽくなる傾向にあるそうです。思い通りいかないことが増え、ストレスが溜まって爆発!介護者にとってもストレスになります。
ということで、少しでもストレスを減らす為に…

認知症の方は物を無くしやすくなります。どこに置いたか忘れてしまうからです。誰かのせいにしたり疑ったり。探し回って部屋を荒らし、片づけられない…物忘れの度にそれでは人間関係も生活環境も悪化します。


【紛失防止タグ】
お財布、携帯、鍵、その他貴重品、リモコン、認知症の方にとって大切な物等、無くすと騒ぎになる傾向の高い物にキーファインダーやMAMORIO等のタグを取り付けておけば、無くした際にアラームやスマホへの通知で場所を知らせてくれます。

取り付ける物によって、キーホルダー・タグ・カード・シールといった形状が選べます。
探す機能としてはアラームやライトで場所を知らせる、スマホへ位置情報の通知、または受信機と送信機が決まった距離を離れると警告音等、機能は様々ありますのでご確認を。
専用アプリが必要な場合もあります。合わせて受信がスマホの場合は設定や操作、バッテリーやパケ代等の消費についても確認しましょう。


種類が豊富なのでご自身にとって使い勝手の良い物、操作と捜索がしやすい物を選びましょう。
またタグの稼働には充電式、電池式(交換可能)、使い捨てタイプがあり、いざ探す時に電池切れや製品寿命が切れていては意味がありません。こまめに電池残量は大丈夫か操作確認、または製品寿命前に交換しましょう。


■冷蔵庫を漁ってしまう

認知症になると満腹中枢が機能しなくなったり食事をしたことを忘れて暴食する、冷蔵庫を開けっぱなしにして腐らせる、中身をぐちゃぐちゃにしてしまう等が起こりえます。
そうすると食べ過ぎや傷んだ物を食べたことでお腹を壊してしまったり、食料を全滅させてしまって予定外の買い物へ行かなければならなくなります。それを繰り返されたら大変…。

【冷蔵庫ロック】
丈夫なワイヤーと南京錠(ダイヤル式や鍵タイプ)のセット。

※子供のイタズラ用で材質が弱い物は壊される可能性があります。
 ご高齢でも大人の力で、且つ加減せずに開けようとします。

炊飯器ロックという商品もある模様。触ると危ない物や困る物は施錠できる場所に収納、収納できない物はロックをかけると安心です。
昨日今日のことは忘れても、長年培ってきたことや習慣だったことを繰り返したがることがあるそうです。私だったら認知症になった自分がおもむろに合鍵マシンを操作し出す姿を想像したら怖すぎます!安全点検と集中力が必要な、金属をカットしたり穴を開けたりできるマシンをそんな状態で操作するなんて、指が無くなりそう…。

しかし認知症の方も不鮮明不明確になる自分自身の中で懸命に戦い、生きようとなさっているんですよね。ここまで守る為に制限する対策品を紹介してきましたが、「したいこと」=外へ出たい・何かをしたいを制限しすぎると、ストレスがたまって更に危険な行為や暴れる等になる場合もあるそうです。
介護者に不都合がなくサポート可能な時間帯にしたいことをしてもらう、あるいは他者の力やサービスを活用することも大切になっていくと思います。


■様子を確認したい

【カメラ・スピーカー】
鍵屋の我々が設置するのは侵入盗対策の防犯カメラですが、外出中に介護者の様子確認は、お子さんやペット用の見守りカメラなら簡単に設置できます。

スマホから様子を確認、会話も可能なタイプもありますので、お薬の時間等を忘れないよう伝えることもできます。

また動作検知した時のみ録画する機能のあるタイプなら、動画を見るのは確認が必要な時のみ、何もなければ検知ログだけ確認して極力プライバシーを侵害しないという配慮も可能です。

こういった製品を用い、メーカーや警備会社の介護用サービスもあります。



認知症①②に渡って専門工事不要のお手軽な対策品も多く紹介しましたが、同種製品が幾つかのメーカーから発売されていたり、それぞれ違う部分もあります。これから益々進歩する分野だと思いますが介護する方のニーズにまだまだ追いついていない、強度や機能不足等物もあるかもしれません。
できるだけ製品内容を調べて比較し、使用者の声等も参考に、ご自身のニーズに合う製品に出会われますように。


認知症と鍵①

高齢化社会の問題で重くのしかかってくるのが『老老介護』や『介護疲れ』かと思います。
行政含めたサービスがすぐに受けられない(ウチも要介護認定が出るまで半年、その間に症状が進行して更新は更に半年!という体験が)、施設は待ち状態等々。
しかし介護は毎日のこと。高齢夫婦間は勿論、自身の仕事と家庭を持つ現役世代の介護する側が疲労と精神的限界で体調を崩したり、生活が成り立たなくなって共倒れになるおそれも。

この分野で鍵屋にできることは限られますが、ひとつでも問題の対策が成されてほんの僅かでも負担や不安が軽くなればと、介護サポートにつながる製品をご紹介します。

今回は外の危険から認知症の方を守る玄関・勝手口編です。住宅のみならず介護施設(デイサービス)でも使える対策品あります。

■徘徊してしまう為、外出できない&眠れない

徘徊は時期によっては熱中症や肺炎にかかるおそれがあり、万が一事故等に遭ったら保護者責任を問われてしまいます。しかし毎日24時間目を離さないなんて不可能。行方不明になった際の心労や捜索の大変さは介護する側を更に追い詰めてしまいます。
本人の為にも介護者ご自身の為にも、ご都合(賃貸・持ち家、扉や窓の形状・錠前の種類、ご予算、使い方等)に合った対策品と出会えることが一番ですので、幾つかご紹介します。

【補助錠+セーフティサムターン設置】
新しく補助錠を追加工事し、セーフティサムターン機能(空回りして解錠させない)で徘徊するリスクを低減させます。
作業事例【玄関の認知症対策】


【リモコン錠NOAKEL(ノアケル)設置】
サムターン無しのリモコン錠ノアケルを設置する。扉上部に設置できるタイプなので、扉の形状が合えば引き戸にも設置可能。
内側からの手動開閉部分をカバーで覆うことで更に徘徊リスクを低減できます。

※賃貸等で工事不可(穴開け等)の場合、賃貸用ブラケットが扉厚に合う扉なら設置が可能です。


【両面シリンダーに交換】
中も外も鍵穴になっており鍵で施錠解錠する錠前。鍵を持っている人しか開けられません。

※現行の錠前によっては交換できない場合があります。
※賃貸等で原状回復が必要な場合、外した現行シリンダーを大事に保管する必要有り。


【電気錠・電池錠に交換】
例えばINAHO社『インターロック』
①オートロック機能
②外出時や就寝時に開錠機能自体をロックすることが可能。
③カードで解錠/スマートフォンで解錠/暗証番号入力で解錠
 ※暗証番号は何度でも変更可能

※現行の錠前によっては交換できない場合があります。

手動開錠を制限する機能さえあれば他メーカーの電気錠・電池錠も対策になります。


【外側から施錠できる補助錠】
賃貸で工事不可、両面シリンダー交換不可タイプで、サムターンカバーだと開けられる可能性(様子を見ての判断)があり、「せめて外出中だけでも…」と外締り(室内側にサムターンが無い)補助錠を付けたいという相談を受けたこともあります。
またはサムターン対策品の使えないタイプの錠前で賃貸の方。
その場合はコチラ。

日本ロックサービスの
らくらくロック

子供の対策でも紹介しましたが、賃貸で工事できない場合、こういった簡易型になります。
この製品に関しては外開きドアであること、ドアの厚み36~40mm以内、枠との隙間4mmが必要です。
同じ仕組みの他社製品にもそれぞれ適用条件があるので購入前に確認が必要です。

※このタイプの補助錠は扉に煙返しがあると設置ができません
煙返しのない部分・扉上部につけることになりますが、介護する側もご高齢の場合、手が届いて苦労なく開閉可能か確認が必要です。踏み台を使うのは踏み外す危険と、緊急避難時の開閉ができないということなのでオススメできません。

※外出中の徘徊は防げますが在宅中は使えませんので、内側にも対策が必要になります。
同製品をひっくり返して内側にも鍵を設置するか、同じ仕組みの内側用の補助錠(下記に紹介)を付けましょう。


【内側から施錠できる補助錠】
内側は鍵穴タイプまたは南京錠(ダイヤルまたは鍵)タイプがあります。

日本ロックサービスの
ドアジョイナー

写真例は賃貸の空室管理用ですが、徘徊防止品として同じ仕組みの製品もあります。
ただこちらは写真上のドアジョイナーのみ購入して南京錠は使い勝手の良い物を選ぶも良し、写真下のドアジョイナーとダイヤル式南京錠(ABUS製)セット品を選ぶも良し、です。

南京錠タイプの補助錠を外鍵に使用するのはやめましょう
こういった補助錠を付けているお宅は認知症の方がご在宅で、南京錠が付いている時は介護者が外出中だいうことが分かりやすい為、侵入盗に狙われる危険があります。
侵入盗は下調べをして専用工具を持ってやって来る為、南京錠のツル部分を切断するのは一瞬です。
ドアに付いている従来の鍵を合わせて施錠しても、内側から認知症の方が開錠するおそれもあれば、侵入盗が認知症の方を騙して内側から開けさせる可能性もあります。
更には多少音を立てて作業しても認知症の人なら気づかないか通報できないと考え、大胆にピッキング解錠や破錠をするかもしれません。

※外側施錠の補助錠や、サムターン対策品を用いて内側から解錠できない(または鍵の所有者のみ開けられる)状態にした場合、地震や火災等の災害時に逃げ遅れる危険性があります。IH調理器の導入や火の気がある物を置かないなどの細心の注意を払ってください。

※また、サムターン対策品での内側施錠や電池錠・電気錠の時間指定施錠等、室内からの解錠が必要な場合も、災害時に慌てないよう解錠の操作確認をしておいてください。


今回は取付工事の必要な商品を多く紹介させて頂きました。対策のご相談・お見積もり、受け付けておりますのでお気軽にどうぞ。
【お問い合わせ方法・各種】



【NEWS】高齢な窃盗犯と被害者

7月12日名古屋市中川区にある集合住宅の無締りだった一室へ泥棒に入ろうとした72歳の男が逮捕されました。
在住者64歳男性が鉢合わせて通報、逃走した男は交番勤務研修中の警察学校初任科生23歳によって職質され逮捕。

72歳の犯人と64歳の被害者…侵入盗やひったくり等の記事で高齢者がターゲットにされやすいと注意喚起しておりますが、ターゲットになりやすいと思われる側が犯人ということもありえる。
相手の見た目や年齢で警戒心を解いてはいけいないという事例ですね。

他にも岡崎市内の侵入盗2人組は66歳と55歳、千葉県の高齢者住宅で70代介護職員が90代男性の部屋から窃盗の疑い、北海道で71歳が金目の物目当てに無施錠だった脱衣所の窓から71歳女性宅へ侵入して逮捕等々…ひしひしと日本社会全体の高齢化→狙う側も狙われる側も高齢化ということでしょうか。

長寿を祝い労うのが
高齢者に対する一般人の感覚
しかし…

ニュースでは警察学校の初任科生が発見・職質して逮捕につながったことから、若い力に期待を寄せる内容になっていました。
漫画「ハコヅメ」でもよく20代の警察官がオッサンまみれの生活(同僚も被疑者もオッサンばかり)の悲哀が語られていますが、学校という箱庭しか知らず人生経験という引き出しも少ないのに、自分の父親どころか祖父世代の相手を職質したり、説諭して供述を引き出して更生を促さねばならない警察のお仕事。
実際に今回の事件でこの初任科生が72歳に対して説諭したりはしない(職質・逮捕時にも教育係の警察官2名がいましたし)でしょうけれど、警察学校を卒業して現場に出れば、人生経験倍以上の人ばかりを相手にするわけです。この初任科生の初お手柄に拍手すると共に今後の活躍を期待し、私もいい歳なので個人的には若者が 厭世的な気分にならない年寄りになりたいなと思いました。

ご自身の年齢または親の年齢を意識した際に生活を守る為、防犯面だけでなく、次回は利便性を上げる対策をご紹介したいと思います。


【NEWS】千葉の連れ去り事件

「助けて。車を運転されている」男がオープンカー強奪・逃走中に横転事故で死亡 助手席の女性が110番通報し事件発覚 千葉・君津市

天気の良い日はオープンカーで走るの最高ですよね。しかし、今回のニュースは恐ろしい事件です。
千葉県君津市のコンビニエンスストアの駐車場でエンジンをかけたままのオープンカー、助手席には女性が乗っており、運転手は店内でお買い物。そこへ見知らぬ男が乗り込んできて、助手席の女性を乗せたまま車で逃走。
助手席の女性が車内から110番通報し、車は警察から逃走する際に少なくとも6台の車や路肩、塀にぶつかり、途中で女性を下ろし700m程走ったところで横転して大破、男死亡。

2km以上もぶつかりまるくる暴走車に乗せられた女性はとんでもない恐怖だったでしょう。しかも途中で下ろされなかったら女性もろとも…だったわけです。
以前UPした【車に乗ったら施錠してますか?】の最初の事例も、友人A(運転手)がコンビニの駐車場で見ず知らずの人に助手席へ乗り込まれた恐怖体験でしたが、加えて今回の事件が教えてくれた大切なことを下記にまとめます。

今回の事件はオープンカーなので施錠してもドアを跨いで乗り込めてしまいますが、同乗者が車内に残っていると安心してしまう心理があるのではないでしょうか。改めて乗り降り前には周囲を確認し、必ず即!施錠する同乗者が車内に残る場合でも施錠が重要と考えます。
相手は今回のような無施錠の車、または車も持ち主も無防備な状態になる乗り降りという行為その数秒間を狙って乗り込んできます。

次に運転手不在時は、誰か乗っていても決してエンジンをかけられる状態にはしないことが重要にです。
暑い時期・寒い時期は車内で待つ同乗者に気をつかい、エアコンを効かせておく為にエンジンをかけたまま離れることがあるかもしれませんが、今回のように乗り込まれたら車ごと逃げられます。

エンジンは切ったが車内に残る人にスマートキーをあずけたり、元からスマートキーを所持している家族が残っている、この状態もスマートキーを車内に残せばエンジンはかかるので、乗り込まれたら車ごと逃げられます。

車内は身動きが制限される為、運転席に乗り込まれたらシートに座った状態ではろくな抵抗ができません。「車内に誰か残っていれば大丈夫」と思われるかもしれませんが、それは車上荒らしに対してのみ。それも手荒な手口の車上荒らしや暴行目的であれば車内にいる方が危険な場合も。
エンジンさえかからなければオープンカーで跨いで乗り込まれても車は動かせませんし、動かない車からなら同乗者が逃げ出す隙もあるかもしれません。
スマートキーを車内に残る人にあずけるのはやめましょう元から所持している家族が車内に残る場合は残る側が内側から即鍵をかけましょう

近づいてくる人がいないか確認
素早い乗り降り&即施錠

コンビニは確かに夜でも明るくて誰かしら(店員さん含め)の目があり、防犯カメラもあります。その為、狙われる側は安心感から少しの間なら大丈夫、と隙が生じやすい場所なのかもしれません。
その隙を狙われる危険が高い為、充分にお気をつけください。

今回は助手席にいた人を乗せたまま逃走したので、連れ去られた本人が通報しましたが、誰も乗っていなかった場合、乗っていたけれど運転手が気づいた場合も必ずすぐに通報しましょう。
【愛車・愛機が盗まれてしまったら】
※ご参考までに、盗まれた際にすべきことをまとめた記事です。