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鍵が回らない
2022/03/03
相談・対応依頼として非常に多い『鍵が回らない(かからない・開かない)』『鍵が回りにくい(かかりにくい・開けにくい)』のトラブルシューティングです。
■鍵が回らない!!
【状態】→【考えられる原因】
①鍵を挿しても今まで回っていた方に回らない
→錠の内部が壊れた、扉と錠にズレが生じて嚙み合わなくなった
②鍵が奥まで挿さらない
→錠の内部が壊れた、鍵穴から異物を詰め込まれた
③挿し込んだ鍵が折れて詰まった
→経年劣化、錠の不具合による鍵への負荷
【対応】
①無理やり鍵を回さない、鍵以外の物を挿し込まない。
錠の中で部品が壊れて引っかかっていたり何か詰まっていた場合、鍵が抜けなくなったり、状態が悪化して鍵屋さんの専用治具でも開けられず破錠するしかなくなり、破錠費+交換費で費用がかさみます。
【作業事例:鍵穴の中で鍵が折れた・折れ鍵取り出し・復元鍵で解錠】
②鍵屋さんへ連絡し、問い合わせ・見積もりをして信頼できると判断した鍵屋さんに対応を依頼しましょう。今年も鍵業者が業務停止命令を受ける等、ニュースになっています。
※【高額請求鍵屋のトラブル】 参考までにコチラの記事に業界側の目線で鍵屋の選び方①~③をリンクしています。
■錠・鍵が壊れる兆候
【状態】
①施錠・解錠の際、回りにくい・固い
②施錠・解錠の際、回るけれど途中で引っかかる
③鍵が曲がったり、よじれてきた、鍵が摩耗してきた
④鍵の溝に汚れが付着、ディンプルキーの穴に汚れが溜まっている
⑤錠・鍵を使用して10年近く経つ
⑥扉を押し上げながらでないと回らない
「最近、鍵を回す時に回りにくい・固い・回す途中で引っかかる…等」手応えが以前と違ってくるのが一番最初に感じる前兆です。しかし何となく、じわじわとした変化だと不便になるまで気づかない場合も。
すぐには気づかない変化の繰り返しや、状態が悪くなった錠に対して力で鍵を回し続けると、鍵が曲がったりよじれてきます。場合によっては折れてしまうことも。
長く多く使用すれば、鍵も鍵穴の中も摩耗します。また埃や塵が溜まります(特に野外の鍵穴)ので、摩耗や汚れで動作が悪くなっていきます。
鍵穴を覗いて分かるものではありませんが、刻み鍵の溝が汚れていたり、ディンプルキーの穴に汚れが溜まるのは、錠の中に汚れが蓄積されている合図です。
鍵を回す時に固くて(重くて)回りにくい、扉を押し上げたりする動作を加えながらでないと鍵が回らないといった状態は、鍵だけではなく扉自体にも不具合が発生している可能性があります。
※注意
錠・鍵の調子が悪くなってきた時、絶対にしてはいけないことがあります。
『食用油や一般的な潤滑油を絶対に使用しないこと!!!!』
鍵穴に使う油と一般的な金属部品の動作を滑らかにする為の油は違います。
一般的な潤滑油や身近にある食用油等を使うと、一時的に滑らかになったような気がしても不具合を悪化させ、余計に錠前の寿命を短くします。
理由=食用油や普通の潤滑油はヌルヌルした油膜によって部品を潤滑させます。しかしこれを鍵穴に注すと錠の中に溜まっている埃等の汚れを含んでベトつきます。時間経過と共に酸化した油は粘度が増すので、精密な設定がされているピンに詰まってしまいます。※上のGIF動画参照
年末の大掃除で一番しんどい換気扇やコンロの油汚れを想像してみてください。鍵穴の中があんなふうになってしまいます。
【対応】
①錠・鍵の不調に気づいたら、できるだけ鍵が曲がったりよじれる前に鍵穴専用の潤滑剤を注しましょう。
鍵穴専用の潤滑剤は食用油や普通の潤滑油と違い、サラサラでベトつきません。サラサラなので鍵穴に注すと、中に溜まった埃等の汚れと共に流れ出てくるので拭き取りましょう。鍵穴の掃除にもなります。
②錠の調子が悪くなった際、合鍵(複製)があるなら純正キーが折れたり曲がったりする前にできるだけ良い状態を保って保管し、合鍵を使った方が安全です。
※注意
合鍵はあくまで複製で、純正キーと同等ではありません。純正キーを無くしたり折った場合、賃貸住宅では退去時の問題が起こりえますし、車両等は交換が必要になった場合かなり高額な場合があります。
あまりにも曲がったり摩耗状態が悪い鍵や折れた鍵は合鍵作成マシンにセットできず、普通の合鍵より高額になります。
万が一鍵穴に挿した状態で折れて詰まった場合、状態や鍵の種類によっては錠前をまるごと交換になってしまいます。
③潤滑剤で効果がなかった場合、明らかに潤滑切れ以外の不具合(動きや軋み)を感じた場合、使用年数が長い場合は、トラブルが起きる前に鍵屋さんへ連絡し、問い合わせ・見積もりをして信頼できると判断した鍵屋さんに対応を依頼しましょう。
※注意
錠・鍵をギリギリまで我慢して使って壊れるタイミングが悪いと、締め出されたり閉じ込められる可能性があります。
直るまで不便なだけならまだしも、鍵が使えないと侵入盗による被害や危険なめに遭うことも考えられるので、早めをおススメします。
■不具合が起きる原因
【錠や鍵の経年劣化】
錠や鍵、扉の各部品は経年劣化します。頻度や使い方等で違いはありますが、玄関等の外扉の錠は耐久年数10年が目安です。室内扉や間仕切り戸等は外扉より短くなります。
施錠と解錠を繰り返す度に錠の中のピンと鍵が擦れ合って少しずつ摩耗し、コンマ数㎜の精度を要求される鍵がかみ合わなくなったり、錠の中の部品が緩んだりします。微細な塵や埃が溜まって動きにくくなることも。
長持ちさせるコツとしては、『鍵を真っすぐに挿し込み、奥までしっかり入ったことを確認して回す』、『乱暴な抜き挿しをしない』、『抜き挿しや施錠解錠に違和感を感じたら、早めにメンテナンス(鍵専用の潤滑剤)』です。
【扉部分の経年劣化】
『鍵の状態が悪いまま無理に扉を開け閉めすることで扉の部品にも不具合が起こる』または『扉の状態が悪いまま無理に施錠解錠することで錠にも不具合が起こる』場合があります。
玄関や部屋の扉の場合、ドアノブやレバーが回りにくい、サムラッチが固い、扉を押し上げないときちんと閉まらない等があれば扉のどこか(蝶番や戸車、ドアクローザー部分等)の不具合が考えられなす。
「古い日本家屋(引き戸や引き違い戸)で部品が無さそう(ホームセンターでも無かった)だから」「輸入住宅で部品が以下同文」「室内扉まで鍵屋さんではやってくれないだろう」等々、ご心配の方が不具合を我慢して使ってみえることがありますが、不具合による負荷で連鎖して修理・交換の必要箇所が増えて費用がかさんでしまう前に一度お問い合わせください。
あるいは今まで我慢して鍵と扉ともに不具合が出ている場合、鍵と扉両方の状況をお伝えください。
【作業事例:装飾錠(サムラッチ錠)開け閉めしにくい 鍵が固い】
■買ったばかりなのに
錠の耐久年数目安は10年と書きましたが、買ったばかりなのに、あるいは買った時から調子が悪いという事例が最近散見されます。
作業事例【ハンドルロック・ステアリングロック・鍵があるのに開かない】
錠・鍵は精密に製造されなければいけませんが、一部に当たり外れがあります。
購入検討時に生産元も確認した方が安心ですが選択肢がない場合、購入したら使用前に何度か施錠解錠の動作確認をして、回りにくい、引っかかる等があれば返品交換した方がよいでしょう。