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「建物の防犯」のアーカイブ
リフォーム中の危険
前回の【リフォーム前の危険】に続いて、今回はリフォーム中の危険についてです。
リフォーム(集合住宅は大規模修繕工事)の最中はどうしても敷地及び建物の防犯レベルが下がる為、侵入盗に狙われやすくなります。
ではどういったところが防犯レベルが下がるのでしょうか。
■外部に家を把握された状態
リフォームは事前に現地調査が行われます。例えば、業者選定の為の相見積もりでは業者の数だけ現地調査が入ります。
業者を決めたら今度はデザインの打ち合わせや詳細な設計図・確定見積もりの為に、必要に応じて専門分野や施工担当による現地調査が必要な場合も有ります。
これだけでも複数回・複数人が出入りし、あなたの家の敷地内や建物を撮影や計測して把握することになります。
そして彼らは敷地に駐車してある自動車やバイク、室内の雰囲気や調度品等から金銭的な部分を察することもできてしまいます。
集合住宅の場合、各戸の室内までは入りませんが、敷地内と建物の外側・共有部(ベランダ含む)については破損劣化レベルの調査で業者が出入りします。
【リスク】
相見積もりで複数社があなたの家の情報(住所・指名に加えて間取りや写真)を所持します。プレゼン資料や設計の為にデータ化されます。これらは侵入盗に悪用される可能性のある情報です。
悪意のないデータ漏洩の可能性はゼロではなく、社内でどこまで共有されるか等こちらは分かりません。
何気ないつもりの雑談でも侵入盗にとっては使える情報(「この前見積もりした家、ゼファー1100が停まってた!」等)が漏れる場合もあります。
昨年引っ越し業者が見積もり中に腕時計を窃盗した事件がありました。
リフォームは契約した業者と一定期間おつき合いすることになる上、決して安い案件ではない為、出入りする業者が窃盗というリスクを冒す率は限りなく少ないと思えますが、ないとは言いきれず、悪意のない漏洩や情報だけ売る等の悪用も考えられます。
【対策】
①信用できそうな業者を選ぶ。
②リフォーム後にセキュリティを上げる。
③現地調査・見積もり訪問時にブランド品や貴金属・貴重品、腕時計、アンティーク品やコレクターが欲しがる収集品等を見える場所・分かりやすい場所に置かない。身に着けない。現地調査の入る部屋に金庫があるなら別室へ移す。移動不可能ならできるだけ隠す。
窃盗犯のターゲットに挙がってる車種は車庫を閉めきる、カバーをかける等して見せないようにしましょう。
④現地調査・見積もり時に担当者をひとりにしない・目を離さない。
※詳細は【引っ越し中の防犯】参照
「有名なブランドじゃないから」「実は偽物だし」は関係ありません。貴重品や金目の物がある・お金を持っていそうに見える+隙のある人と思われるとターゲットに選ばれやすくなります。
■出入りの制限が困難
リフォーム工事が始まると、敷地内や室内を職人さんや業者が出入りします。例えば今日はシステムキッチンの搬入、電気工事と水道担当が作業、明日からは組み立てと内装担当が作業~というように工程で交代も起こります。
このように資材の搬入や様々な分野の職人さんの出入りの為、門扉や玄関、掃き出し窓等の必要となる出入口が長時間無締り・解放状態になります。
集合住宅の場合、戸別リフォームではエントランスとリフォーム該当玄関扉が、大規模修繕工事の場合はエントランスの解放が必要な作業時間中、出入り制限ができずセキュリティが下がります。
引越し作業中にエントランスからエレベーター、該当階の共有部廊下を養生マットでガードしますが、リフォームで搬入搬出がある場合は同様のガードをする為、傍からも出入り制限が緩い状態だと分かります。
※詳細は【引っ越し中の防犯】参照
【リスク】
職人さんの出入りや搬入の為に無締り・解放された入口から侵入盗が入る危険があります。
同じリフォーム業者の下請けの職人さん達は分野が違えど顔見知りなことも多いですが、自分の仕事に集中しており、工程ごとに交代したり搬入業者も入り混じる中でお互いの行動をいちいちチェックできません。不審な挙動をする誰かや同業者に扮した侵入盗が堂々と入ってきても気づかないことは十分あります。
【対策】
①ブランド品や貴金属・貴重品、腕時計、アンティーク品やコレクターが欲しがる収集品等の貴重品は現地調査・見積もりの時と同様の対策を。
②入室してほしくない部屋に『入室はご遠慮ください』等の貼り紙を貼っておく。
→職人さん達が間違えて入室するのを防ぐ、勝手に入ろうとしたら他の職人さん達にも気づかれやすい。
③出入りする職人さん達の顔はできるだけ覚えておく。
作業中、家主は邪魔にならない室内で待機します。特に室内リフォームだと行動も制限され、玄関を開けっぱなしの状況もあります。
当日作業に入る際、職人さんが挨拶してくれますので、その際に顔を覚えましょう。複数人のチームだと代表者だけということもありますが、できるだけ他の職人さん達も把握するとよいでしょう。
我が家の例ですが、呈茶コーナー(お茶は持参の方が多いですが個包装のお菓子は喜ばれます)とトイレを自由に使ってもらう声かけの際に皆さんと顔合わせしました。ジロジロ様子を伺うより邪魔にならずこちらも不審に思われずに済みます。
■周囲からの監視力低下
戸建てリフォームやマンションの大規模修繕工事の外装補修・塗装工事では、足場を組んだり防塵シートで覆います。
当然ですが作業期間中はずっとこのまま。職人さん達が帰って家主が就寝した後、作業休みの土日は…
【リスク】
足場があるので侵入盗からすればどこからでも入り放題!
しかも防塵シートで通行人からは見えない!
【対策】
①防犯カメラ
必ず毎日職人さんが帰った後、遮蔽物がないか、作業中に当たって角度がズレていないか、きちんと守りたい部分が映っているか確認しましょう。
②窓には補助錠・防犯センサー
侵入盗の約7割が窓から侵入します。脚立持参の侵入盗もいるくらいです。足場があって周囲から見えにくい状態では、窓の防犯は常日頃以上に強化すべきです。
過去記事で窓の防犯の重要性と共に繰り返していますが、既存のクレセント錠は誰でも開けられるので施錠とは言えません。錠付きクレセント錠に交換、二重鍵として補助錠を付けましょう。
※【換気窓は狙われる!】特にルーバー窓(ジャロジー窓)は危険!必ず対策を。
※【窓こそ守ろう!お手軽編】補助錠は安価でも効果的!
※【窓こそ守ろう!ガッツリ編】これで要塞化!
補助錠+防犯センサーの設置は防塵シートで覆われている窓の防犯に向いています。誰かが無断で窓を開けようとしたら大音量の警告音で居住者と周囲に知らせてくれます。
但し職人さんがベランダやサッシ回りで作業する際は、防犯センサーが誤作動して迷惑にならないよう注意しましょう。
③防犯灯の活用
庭や玄関の防犯灯は外から見て『防犯対策しているぞ』と思わせる、侵入の際に明かりで目立つことを嫌う侵入盗避けとして効果があります。防犯用にセンサーやタイマー付きがあります。
室内の防犯灯は長期不在時の防犯用だけでなく、リフォーム中の死角と足場が多くなった状況にも有効です。
死角に位置する窓から明りが漏れる場所、あるいは夜間でも起きていると思わせる為に一部屋だけ、常設照明(防犯灯向けの照度に設定できるタイプもあります)や防犯灯を設置して、ひとけがあるように見せるのがコツです。
※注意点として、家の中の様子が覗き見える場所やカーテンを開けっぱなしで点灯するのは逆効果で、様子を探られてしまいます。
換気窓の開けっ放しはNG、室内を覗けないようにした窓の照明活用はOK
■工事現場窃盗
春に工事現場窃盗の記事【工事現場は狙われる】を載せましたが、最近のニュースを検索しただけでも札幌、栃木、千葉、埼玉、静岡、愛知…あちこちで工事現場窃盗が発生していました。
狙われるのは大規模建設工事や新築工事だけではありません。リフォーム現場も同じく、道具や備品、資材が盗まれることがあります。それによって遅延すれば居住者としては不便が長引きます。
駐車中の工事車両が無締りで狙われることもありますが、昼休憩中に敷地にある道具や資材を狙って居空きが侵入したら、依頼主としては不快と不安な気持ちになります。何より建物内まで侵入されたらい恐ろしいでしょう。
現場から全員いなくなる時は依頼主に声をかけて(門扉や玄関の鍵を締めてもらう為)くれる防犯意識のある業者さんが望ましいでしょう。
リフォーム期間中は非日常、不特定多数の通行人の目からも明らかです。日頃以上に警戒を。
引越し ①新居の防犯
進学・就職・転勤等に伴い、引越しの多くなる時期が近づいていますね。
引越し先・新居の防犯について、お客様から質問・相談された内容も含めてまとめます。
■新居の防犯はどうすべき?
引越し前に新居のセキュリティを確認し、必要に応じて強化しておきましょう。
【物件・環境の確認】
①新築でカスタムオーダー可能なら、できるだけ防犯性能の高い錠前や窓も施錠可能(鍵付きクレセントや補助錠)にしましょう。
小窓や換気窓には防犯格子がオススメです。ルーバー窓(ジャロジー窓)は防犯上オススメしません。
※参照【換気窓は狙われる!】
②既に建築済新築の戸建てやマンション、賃貸や中古の場合、内覧時にできる限りセキュリティがしっかりしているか、玄関と窓の錠前はどうなっているか、確認しましょう。
錠前や鍵から調べることが可能です。
※鍵の刻印が錠前メーカーか合鍵メーカーか判断できないと思うので、不動産屋さんに訊ねるか、鍵の形状と錠前の刻印を自分で確認しましょう。撮影はNGです。
・錠前のメーカー・種類(刻みかディンプルか)が分かれば、各メーカーサイトでおおよそ性能や耐久度を調べることができます。 ※シリンダー錠 ←一部のみですがご参考に
・サムターン対策の有無、シリンダーの数、ドアスコープは埋込みかネジ式(回せば外れる)か、窓にはクレセント錠のみか。
・共有部(エントランス)のオートロックについて、入居者にルール説明があるマンション・アパートは管理がしっかりしています。
②ゴミ置き場を確認する。
ルールを守っていない、管理されていない集合住宅は侵入盗に狙われやすいと言えます。
一軒家の場合でも周辺環境の治安や住民の周囲への関心度の目安になります。
③周辺環境・治安を確認する。
不動産業者へ「治安は良いですか?」と質問すればあまり悪く答えられないと思いますので、治安状況を判断できる具体的な質問にしましょう。
その上で自分で確認します。時間帯や曜日によって見え方は違ってきます。
※参考記事
【我が家の周辺から防犯しませんか?其の壱】 【マンションの危険】
※地域情報を調べるのも効果的です。近所でベランダから侵入する空き巣事件が連続、バールこじ開け侵入盗事件があった等で依頼されたお客様もいらっしゃいます。
④中古や賃貸の物件であれば、不動産業者へ錠前の交換について確認しておくべきです。契約書の内容にも目を通し、錠前の交換及び費用について記載の有無や内容等、気になることがあれば確認を入れます。
※交換のタイミングや、敷金に含まれるか別途請求か等、業者や物件ごとに異なります。
⑤現状確認した上で、セキュリティを高めるか否かを決めましょう。
業者に相談、あるいはセキュリティ診断や見積もりを取るのもよいでしょう。
※賃貸やマンションの場合は管理規約で制限もありますが、賃貸用の製品も増えつつありますし、シリンダーを上位のシリンダーへ交換する場合、退去時の原状回復も受け付けている業者もあるので確認してみましょう。
■セキュリティ強化する場合
【業者は厳選しましょう】
引越し前にセキュリティ診断及び対策を業者に依頼するのもよいでしょう。その場合、業者の選定はしっかりしましょう。
いくら安くても個人情報をしっかり守って信頼できる業者でなければ、引越しの情報や新居のセキュリティ情報が侵入盗に流れてしまうおそれがあります。
例えば「鍵を無くして解錠と合鍵作成を依頼した」だけのつもりでも→鍵の種類や配列を知られ住所を知られた=その鍵屋さんは貴方の家へ入ろうと思えば入れてしまう!のです。もしくは財産と安全な暮らしを守る重要な情報を第三者へ渡すこともできてしまいます。
新居のセキュリティ対策ともなれば、せっかくお金をかけて対策するのに、そのセキュリティ情報を明け渡すのと同じです。何ならこっそり合鍵を作っておけば、鍵屋さんは家族同様に証拠を残さず侵入できてしまうのです。
プロとしての職業倫理とプライド、自社と鍵業界の信頼を守る為、そんなことをする鍵屋さんはいない筈!ですが、それだけ重要なモノをゆだねる相手は慎重に見極めてください。
Webで簡単に情報を得られ、依頼できる時代ですが、実態を確認できているでしょうか?
重要度・機密度によっては便利さより手間暇をかけて確認した方がよい場合があります。
様々な業態の業者がある為、依頼した会社とやってきた業者の名前が違ったり(子会社や下請け会社)、同じ会社だと思っていたら経営が違ったり、名前が似通っているだけの別会社だったりもします。
大手に登録・契約して看板が同じなだけでルールや教育が徹底されていない、サービス品質・技術は現場技術者任せでバラバラ、薄利多売で現場技術者が苦しい中でどうにかしている等、トラブルやミスが発生しやすい内情があったとしても、HPや広告からは判断しにくいでしょう。
安いに越したことはありません。しかし安さには理由がありますし、ニュースになったり消費者庁に苦情が寄せられる悪質な業者があるように、安値をうたって後から高額請求されるトラブルもあります。
私ならできるだけ「責任の所在から逃げることができない・たらい回しやごまかしのできない相手」を選びます。
会社と責任者の所在をこちらが掴んでいる=赴いて確認できる、責任者と直接やり取りできる、現場責任者または担当と名刺交換(氏名・所在・部署・連絡先把握ができる)等で身元・所在把握できる、ならば万が一の際に追及できます。トラブルが起きていざという時、メールのやり取りが途切れる、電話で捕まらない、では困ります。
お客さんの鍵を預かった際の扱い方や情報に関わる書類、メモ書きひとつの扱いでも、きちんと個人情報保護をしているか判断できます。
※過去記事
鍵と情報のリスク 【鍵屋さんの選び方①】
広告や値段の注意点 【鍵屋さんの選び方②】
鍵屋さんの業態やサイトを見るポイント【鍵屋さんの選び方③】
【窓と玄関を守りましょう】
一軒家か、何階建てか、マンションか、何階の部屋か、窓の種類や位置、ガレージや庭の状況等よってすべき対策や範囲の違いはありますが、防犯の基本としてまず窓と玄関を守ります。
鍵で守るのか、鍵+α(防犯カメラ、防犯センサー、防犯フィルム、防犯格子、ガードプレート等)で守るのか、敷地内にリスクになるポイントがあるか否か等、予算や事情・環境で異なります。
【被害に遭いやすい家 其の弐】 【窓こそ守ろう お手軽編】 【窓こそ守ろう ガッツリ編】
【被害に遭いやすい家 其の参】 【出口を守ろう】 【引戸・引違い戸を守ろう】 【ガラス製の扉】
引越し業者さんの搬入作業が済んだら、すぐセキュリティをオンにできるようあらかじめ準備しておきたいところです。
しかし引越し業者さんに防犯対策の情報が漏れては意味がありません。
窓の補助錠の位置や設置する姿はできるだけ見せない方がよいでしょう。補助錠の仕組みや位置が知られると、簡易錠なら誰でも開けられてしまいます。
補助錠がダイヤル式なら設置した後は必ず暗証番号が分からないようにランダムにしておきます。取り外した状態では暗証番号に揃っている為、見られてはいけません。
鍵タイプは撮影されたり、短時間だけ持ち出して合鍵を作られないようにしましょう。
玄関の鍵を防犯性能の高い錠前に交換、あるいは補助錠を追加する場合も鍵は見せない・手放さないようにしましょう。
鍵そのものを撮影されて複製、種類によっては刻印されたキーナンバーで複製可能な為、盗み見られないように注意しましょう。
※参考【キーナンバーから合鍵複製 侵入盗事件】
■入居時に渡された鍵って安心?
お客様によく質問されるのが「賃貸や中古マンション・中古戸建に引越した際、錠前は交換した方がいいか?」です。
当然ですが安心なのは、防犯性能の高い錠前に交換する、または防犯対策品の補助錠をつける、です。
※賃貸やマンションは管理規約で制限されている場合がある為、規約に引っかからない対応が必要。
「引越してすぐ2回も空き巣に入られた」というお客様から相談を受けたことがあります。警察に調べてもらいましたが窓や玄関に痕跡は無い為、2回とも玄関から鍵を使って侵入の可能性が高いとのことでした。
ドアから痕跡無しの侵入で考えられる手段は、ドアスコープが取り外せるタイプでサムターン対策をしていないドアならサムターン回し、解錠が容易な錠前であればピッキング、ピッキングの難しい鍵なら合鍵で侵入したと考えられます。
合鍵の場合、可能性として前の住人の合鍵や大家・管理会社保管の鍵から流出、もしくは家主の鍵から合鍵が作られたのかもしれません。
賃貸(マンション・戸建て)や中古(マンション・戸建て)の場合、錠前が交換していないと、もし前の住人が合鍵を作っていたら入ることができます。
前の住人が合鍵を家の前で無くしたり、住所の分かる物と一緒に落としたことがある、住所を知る誰かに盗まれる等していれば、更に第三者が入ることができます。
入居者が変わる際の錠前交換は大家または管理会社により違います。新品に交換する場合もあれば、別の空き部屋のシリンダーと交換し合うという賃貸不動産業界のコスト削減の裏技もある模様。
鍵や鍵穴の見た目(色合いや傷)があきらかに古い、使用感がなければ区別がつきにくいことも。
家主の鍵から合鍵を作って侵入する事件もよくあります。
例えば鍵を盗み見ることができた誰かが鍵全体または刻印されたキーナンバーを撮影して合鍵を作製。
バッグの中から短時間だけ盗んで合鍵を作り、また元に戻しておくことのできる状況や環境(図書館や病院等長居する場所でバッグを置きっぱなし、会社等でロッカーやデスクに長時間置いておく等)がある等。
※不審に思われず鍵(の入ったバッグ等)へ接近できる、住所も把握できることにより侵入可能となる為、犯人が知人である可能性も含まれ、侵入目的が窃盗だけでなく更に危険な場合も考えられます。
いずれにせよ交換した方が安心であり、一度でも侵入されたら安全の為に至急交換すべきでしょう。
シリンダー交換と同じ業者なら退去時にシリンダーの現状回復も受ける所もあるので、交換検討の際に確認しましょう。現状回復希望であれば元のシリンダーと一緒に交換依頼した際の請求書やレシートを保存しておきます。
※補足
窓によっては痕跡を残さず侵入することも可能です。但し高い技術と特別な道具が必要で時間がかかる為、空き巣の手段はこじ破りが多くなります。
どちらにせよ「玄関から侵入された!?」と思っても、窓の防犯対策は重要です。
次回は引っ越し作業における防犯についてです。
【NEWS】カギを無くしたという嘘
マンションの危険について連載しましたが「まさに!こういう点が危ない!」というニュースが起きました。
【カギ無くしたと他住人にオートロック開けさせる】
北海道札幌市で深夜1時近く、元交際相手の男性の住む集合住宅へ侵入する為に住人を装って他住人に「カギを無くしたから開けてほしい」とインターフォンで伝え、オートロックを解除してもらった女性の事件です。
おそらく非常に寒い12月の北海道で深夜1時近くの出来事ですから、他住人の方もかわいそうに思って開けてしまったのでしょうかね。
自分以外の住人も開閉できる集合住宅(マンション・アパート等)において、オートロックは我が身を守る役には立たない、オートロックに頼ってはいけないということです。
そして自分を訪ねてくる者以外、如何なる理由であっても自分の鍵で開けられない人を通してはいけないということです。エントランスのオートロックは住人以外を通した結果に責任を持ちきれるのか、誰かに被害が及ばないか、をしっかり考え判断する必要があります。
掲載したばかりの内容と重複しますので細かいことは書かず、リンクのみにさせて頂きます。
【マンションの危険 ①人】 【マンションの危険 ②建物】
※「カギを無くした」という嘘をつく手口を①の記事にも追記しておきます。
マンションの危険 ②建物
エントランスで各戸順番にインターフォンを鳴らしていく人を見かけたことはありませんか?
セールスの方かもしれませんし、セールスを装った侵入盗が不在宅を確認しているのかもしれません。
※参考【泥棒の真の姿とは】
応答して断った→何事も起こらなかった。またはカメラで確認してセールスっぽいから居留守を使った。
いずれにせよ、こんなことがあった時は暫く注意を払った方がいいかもしれません。誰かがセールスマンを通してしまい、玄関へ直接訪問されるかもしれませんし、不在宅を把握した侵入盗がマンション内をうろついているかもしれません。
そして居留守を使ったお宅は…玄関だけでなくベランダ側にも気を配った方がよいでしょう。
マンションを狙う侵入盗を侵入手口で分けると、『共有出入口の隙を突く侵入盗』『1~2階狙いの侵入盗』『対策済みの1~2階を避けて3階辺りから狙う侵入盗』『屋上へ上がれる経路を探す侵入盗』になります。
侵入した場所がベランダや窓のある部分なら『窓の無締りまたはこじ破り』で屋内へ侵入。玄関側なら『無締りを物色して回る』あるいは『侵入しやすい家を物色して回る』でしょう。
ということで、今回はマンションの建物としての侵入されやすさについてです。
■死角や足がかりが多い
一軒家よりマンションの方が敷地が広く、必要とする施設や形状によって死角や足がかりになる物が多く、ベランダや共有部への侵入経路となりえます。
※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…
敷地が広く死角や侵入経路になりそうな場所が多い分だけ防犯対策に費用が嵩みます。
さらには隣接する建物が足掛かりや渡りを可能にする場合もありえます。
※隣りの建物が侵入を可能にした例【NEWS:最上階は狙われる】
そうなると周辺環境を加味した対策を講じねばなりません。しかも一軒屋であれば家族だけで防犯対策の導入を決められますが、マンションでは組合で定められた住人の同意が必要になります。決して一家族の意思では決められません。
■防犯対策の差
一軒家は外から見て防犯対策の度合いをマンションよりも判断しやすいので、狙われやすいのは防犯対策の弱い家かリスクを冒すだけのアテ(金目の物)がある家になります。
マンションの場合、敷地面積が広く共有部と専有部に分かれている為、個人で防犯対策を施すには限界や制限があります。
共有部に既設の防犯対策(監視カメラ)は位置の予測がつきますし、複数戸あるからこそ中には防犯意識の低い家やうっかり無締りな家がある率が高くなる、と侵入盗は睨んで物色に入ります。
※前回参照【マンションの危険 ①人】
「でもマンション中を一軒一軒チェックする方が面倒だし目撃されるリスクが高くなるのでは?」
確かに長居するとリスクは上がります。
管理組合から『〇月〇日ドアノブを回す不審者あり。注意してください』といった注意が回覧や掲示されたことがあるかもしれません。
これは無締り宅を探す際、ドアノブを静かに回しますが下手な侵入盗は音を立ててしまう、運悪く家主が玄関付近にいて気づかれてしまう、共有部で他の住人や訪問者に目撃されたからでしょう。
しかし目撃されやすい一軒家周辺で不審者にならないよう下見に時間をかけるより、一旦建物内へ入ることさえできればマンション内の共有部は特に上の階ほど外からひとめにつき難い為、無締りの家や侵入しやすい家を探す作業を慌てる必要がありません。
全てハズレ(施錠されていた)だったとしても、犯罪は犯していないので堂々と帰ればいいのです。
そして侵入盗の心理として上階部に逃げ道を確保できない限り、「外からの見られ難さ」「不審がられた時の逃げやすさ」からすれば、上階まで一般人を装って一気に昇り、下へ向かって(逃げ道へ近づきながら)物色をしていった方がいざという時に逃げられる確率は高くなります。
■被害が一軒で留まらない可能性
重い荷物を運ぶ宅配業者さんにAさんが親切心でエントランスを開けて一緒に通してあげたら、侵入盗だった!
無締りだったBさん宅だけで済む場合もありますが、簡単にピッキングできる錠前だった為に不在宅が複数件被害に遭った。
あるいは年末年始・お盆・連休、1ルームタイプ(仕事や学校で不在時間が長く分かりやすい)等、不在宅の多いフロアが破錠された等、被害が複数件に及ぶおそれがマンションにはあります。
他にも隣りからから隣りへ移動する手段がマンションにはあります。
災害時、住人の避難手段であるコレです。
無締りにせよピッキングや破錠にせよ、まずはどこか1軒侵入できれば物色後にベランダから不在のお隣りへ移動できます。お隣りとの仕切りは避難用に破りやすくなっているからです。
マンションの防音性は年々高い構造になっていて気づかれ難く、窓ガラスに穴を開ける音以上に何の音か分からない、しかも音のみの情報では、もし近隣が在宅で異音に気づいたとしても誤解だった場合に迷惑をかける為、通報しにくいものです。
こうして他の住人や訪問者と鉢合わせの危険がないベランダ伝いに、お隣りにまで侵入できてしまうのがマンションの怖いところ。
■空室が拠点になる危険
確実に人がいない空室は建物内への侵入拠点や隠れ場所になる可能性があります。空室のベランダまたは玄関から侵入し、お隣りを狙うという方法です。
空室はベランダ側から見て分かりやすく、エントランスや玄関前でもポストが封印されている、またはチラシが溜まっている、賃貸だと入居者募集の看板が敷地内にありますし物件サイトで調べることができます。
無断侵入対策として臨時で補助錠を設置する管理会社もあります。
※南京錠タイプは自宅用には向かない
工事不要の補助錠ですが南京錠タイプをご自宅用に使うのは危険です。南京錠がぶら下がっている時は不在だと泥棒に教えるようなものだからです。補助錠を付ける際は鍵穴タイプを選んでください。
■施錠しても入られる危険
ドアまたは窓の無締りが最も侵入されやすいのですが、施錠していても侵入される場合があります。
【玄関側にある窓】
玄関側の廊下に面した窓がある場合、大抵は面格子が既設されていますが、面格子のタイプや材質、ネジが防犯用特殊ネジを使用していない場合、簡単に外せてしまうことも。その作業は業者のフリができます。その為、窓からの侵入が外からはほぼ見えない階は要注意です。
面格子さえ外せれば窓に補助錠が付いていない限り、侵入は容易で物音も最小限で済むので、玄関の錠前を壊すより窓から侵入される可能性があります。
※面格子の防犯性能については【被害に遭いやすい家 其の弐】をご参照ください。
【ドアスコープ・ポストと錠前】
ポスト付きドアだと不在確認に覗かれることがありますが、侵入する手口としてもポスト付きドアは狙われます。
ドアスコープ(簡単に外せる、または壊せる)やポストから器具を入れて解錠するサムターン回しという手口です。
前述したピッキングしやすい錠前もありますし、ピッキングできない錠前であっても破錠という手段や強引にバール等でこじ開ける手段もあります。
※ドアについては【被害に遭いやすい家 其の参】をご参照ください。
■防犯対策強化の難易度
①ルールの徹底は人数が多いほど難しく、うっかり率も高くなる。
②敷地の広さ、形状や周辺設備・環境によって死角や足場の多さによっては対策すべき箇所が多く、経費がかかる。
③ルールを決める際は勿論、防犯対策の追加導入には経費含め、管理組合で話し合って総意を得なければならない。
対策の難易度ばかり挙げましたが、マンションだってセキュリティを高めることは可能です。
個人で可能な防犯として最も有効な窓の補助錠は格安で賃貸にも可能な穴空け工事無しの製品から、防犯レベルの高い物まであります。
※【窓こそ守ろう!お手軽編】
※【窓こそ守ろう!ガッツリ編】
ドアにポストやドアスコープが付いている場合はポストを塞ぐか、サムターン対策品等で対応しましょう。最近のマンションは既設品がサムターン対策錠前の場合もあります。
※【出入口を守ろう】
共有部に関しては話し合いが必要ですが、エントランスと裏口以外の想定される死角や侵入経路に監視カメラやセンサーを設置したり、柵や足場になる出っ張りに忍び返しや有刺鉄線を張る等の対策を導入しているマンションもあります。
一戸建てには一戸建ての、マンションにはマンションのリスク・脆弱性があり、特徴に合わせた対策・日頃の予防が重要です。
ルールの徹底は勿論、挨拶し合う、通達や掲示には目を通す。住人の顔を覚えておく為にも管理組合の総会には出て情報交換を行っておく。敷地内が綺麗に清掃・管理されているか・不具合故障は無いか目を配り、問題点・不審な出来事があれば管理会社・組合へ報告する等。しっかり管理されていることが傍から伝わることは、抑止力になります。
逆に住人同士が無関心で他人任せ、ゴミ出しや分別・エントランスの出入り等の管理が緩い、管理会社の動きが遅い、掃除が行き届いていない、故障個所がある、植木の手入れがされていない、全体的に汚れていたり荒れた印象等のマンションはターゲットに選ばれやすくなります。
マンションの大規模修繕工事で外装まで綺麗にするのは侵入盗予防でもあります。
年末年始も近づいておりますので、一軒家の方もマンションの方も是非ご用心を。
年末年始の長期不在前に防犯対策しておきたい!という方はお早目に。
対策品(電池錠やキーレス等)によっては扱い慣れないまま休暇に入ってからのトラブル発生は危険です。
防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、お気軽にどうぞ。
マンションの危険 ①人
マンションに住んでいると「複数戸ある中でウチが狙われる率は低い」「狙われるのは1~2階でしょ。ウチは上階だから順番的に最後の方」という気がするかもしれませんが、そうとは限りません。
逆に「何で数十戸の中でウチが狙われたの?」とならない為に、マンションの防犯上のデメリットを知っておきましょう。
※前回・前々回UPしたニュースに合わせてマンションと記載していますが、分譲だけでなく賃貸含めた集合住宅全般に共通するリスクです。
■防犯意識の差
一軒家やマンション1階だと敷地内で通行人と目が合ったり、外から室内が見えてしまうことも。
不特定多数の行き交う道がすぐ先に広がっている一軒家やマンション1階では、自然と防犯意識が芽生えます。
2階の室内は見え難いものの住人の様子を伺い知ることができますし、窓辺や戸口から通行人と目が合うこともあるでしょう。
しかし3階以上は家の中が伺い知れませんし、ベランダからでもあまり通行人と目は合いません。
上の階になるほど通行人の視線や気配から遠ざかるので、外の世界から隔てられた安心感という隙が生じやすくなります。
「忍者じゃなきゃ上がってこれないでしょ」とベランダの窓を開けたまま、あるいは鍵をかけずに就寝したりしていませんか?
※【NEWS:最上階は狙われる】
窓に補助錠を付けた方がいい度合いは1階2階、最上階が上位ですが、3階以上でも周辺環境や侵入盗の得意分野によっては入られる可能性があります。
施錠を忘れがちになっていませんか?
「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」などなど。
侵入されたニュースの手口を調べると多くは無締りです。
※【NEWS:マンション無締りは狙われる】
※【NEWS:高齢な窃盗犯と被害者】
2階~3階くらいまでは共有部の廊下をウロウロしたりドアの前で怪しい行動を取る姿が通行人に見えるかもしれませんが上階になるほど見えません。落下防止の壁や柵がドアノブより高い位置まであるからです。人の姿が見えたとしても地上からでは何をしているか分かり難いでしょう。
そもそも目を凝らしてずっと上を見ている通行人はいないので、上方の出来事は気づかれ難いのです。もし気づいても何が起こっているのか分からなければ助けてはくれません。
※以前の記事【子供とインロック】で大人がベランダに締め出されてしまう事例を紹介しましたが、マンションのベランダから叫んでもなかなか通行人に気づいてもらえないくらい、高さは視覚聴覚に影響します。
■共有部扉のリスク
共有部扉(エントランスや裏口)のオートロックを施錠にカウントしていませんか?
1階共有部のオートロックで出入りを制限できていると思い込み、マンション住人に隙が生じやすくなります。
しかし共有部のオートロックに防犯能力を求めるには難しい問題があります。
【複数の他人で施錠を運用】
一軒家の施錠は家族でルールを決めて運用できます。合鍵を持つ別世帯となった親族がいても忌憚なくルールの徹底を迅速且つ強く要求できる関係でしょう。
マンションは戸数の分だけ住人が多く、一軒家とは桁が1つも2つも多い人数が出入りすることになります。お互い必ず顔を覚えているわけではないので、挨拶しながら堂々と一緒にエントランスを通ろうとする他人を住人だと思ったら侵入盗だったということがあります。
その為、防犯ルールの定まったマンションでは『各自で鍵で開錠して自分だけが通る。訪問者には各戸ごと必ずエントランスのインターフォンで応答・確認してから開錠し、訪問者を直接玄関へ訪問させない。』等のルールが設けられています。
しかし人数が多いほどルールの徹底や意思の疎通は難しくなります。分譲マンションでも住人の入れ替えは結構発生する為、新しい住人へルールの周知徹底ができていなかったり、新しい人は他の住人の顔を知らない分、遠慮や気遣いから堂々と一緒に入ってくる偽物の住人を通してしまったりするおそれがあります。
さらには相手が悪質だと、子供を言いくるめて一緒に入ってくる等の手段を取ります。親から「鍵を開けたら入るのは自分だけ」と教えられていても、ひとりの時に大人に強請られたり、強引について入ってこられたら、怖くて子供では防ぎきれないでしょう。
他にも多い手口として宅配業者や管理会社(掃除等)、点検員等を装って開錠した人の後について一緒に入る手口もあります。
※住人を装って「カギを無くしたから開けてほしい」と他の住人にインターフォンで頼むという手口がニュースになりましたので追記します。
【NEWS:カギを無くしたという嘘】
【ルールを知らない住人以外も出入りする】
一軒屋の敷地内に入って許されるのは住人と住人が許可した訪問者だけなので、直接管理が可能です。
しかしマンションは他の住人が許可した訪問者が自分の知らない内に共有部を出入りします。
【住人以外が侵入盗を通してしまう】
本物の業者さんにまぎれてニセモノの業者その正体は侵入盗!が入ってきてしまう、実はコレがマンションの防ぎきれない危険です。
業者っぽい格好であれば疑われません。侵入用の道具持参でも作業用の道具だと思ってしまいます。
本物の業者さんは仕事中ですので防犯意識を高く持って警戒するより、急いで入れ違う相手をあまり気にしないかもしれません。普通の格好であっても堂々と入ってくる人は住人だと思い込み、遠慮してお先にどうぞといった感じで通してしまうおそれがあります。
【とにかく出入りが多い】
マンションは戸数の数だけ建物内への出入りが多くなります。居住者による普段の生活に必要な出入りだけではありません。
マンション全体の設備点検や大掃除、排水管洗浄等であれば事前に通知されますが、建物内の個別の対応は誰も把握しきれません。
宅配便や配食サービス、ヘルパー、点検や修理・取付等の作業員が頻繁に出入りする上、複数人で行うリフォームや引っ越し、家具家電入替えや不用品廃棄・ハウスクリーニング等、マンションの出入りは非常に多くなります。
出入りが多いほど隙は生じやすく、まぎれこみやすくなりますので、同フロアは勿論、他フロアでも何か作業が入っている際は特に用心が必要です。
【開けっ放し作業がある】
業者が大きな荷物や機材の運搬、保守点検や修理・清掃等の作業中はエントランスや裏口のオートロック扉を開けたままにする必要があります。その間は誰でも出入りできてしまいます。
引っ越しやリフォーム、マンション全体の設備点検や大掃除・排水管洗浄等の大がかりな作業が行われる時は要注意です。
※狙われる可能性があるのは共有部へ入りこめたマンションだけではありません。
玄関側共有部の上の階から向かいのマンションのベランダ側の様子を下見することもできますので、日頃視線を気にしないで済む階の方でも、泥棒心をくすぐらないよう用心に越したことはありません。
【直接玄関へ訪問】
マンション住まいのAさんは「ある時、エントランスのインターフォンではなく、直接玄関のインターフォンが鳴ってびっくりした。」そうです。
確認したら宅配業者さんでしたが、直接訪問されるのは初めてで本物かどうか疑いつつドアを開けました。
確かに本物の業者さんでしたがどうやって直接来たのか尋ねると、2軒分の荷物を持ってエントランスで1軒目へ連絡して開けてもらって中へ入り、最初の家へ届けてからAさん宅を訪ねたとのことでした。
これまでマンション内ルールが比較的守らてきたことから、エントランスがセキュリティのひとつになるという安心感に慣れていたAさんは突然直接訪問されるのは心臓に悪かったし、特に自分ひとりしかいない時間帯だったことから訪問者と自分を隔てるのが扉一枚しかない無い恐怖を味わったそうです。
この宅配業者さんに悪意はありませんし、マンション内のルールを知らないのは当然です。
一戸が招き入れた訪問者が他戸へ迷惑をかけない為のマンション内ルールも、いくら住人全員が頑張ってルールに則りエントランスのセキュリティを守ろうとしても、部外者にまで周知徹底はできない、一旦入った後の行動を誰も管理できないことを思い知る出来事でした。
これがマンションのつらいところです。
※宅配業者さんによっては、複数軒の荷物がある場合はエントランスで該当の戸すべてにインターフォンで順次お届けする旨を伝えてから開けてもらうよう指導されている業者さんも多いそうです。
※過去記事【周辺環境から防犯しませんか・集合住宅編】
※参考になる記事もご紹介
【カギを掛けずに入浴・就寝も わいせつ・窃盗被害が多発】
エントランスがオートロックの集合住宅でさえ侵入されるリスクがあるということは、オートロックのないタイプの集合住宅はさらに出入り自由、リスク増となります。
【NEWS】最上階は狙われる
「マンションだって狙われるよ。上の階だからって油断はダメ、むしろ危険」と注意喚起して参りましたが、物凄く事例になるニュースがありました。
【14階マンション最上階に侵入】
マンションは階数が上がるほど高額になるから上の階の住人ほどお金を持っていそう…というイメージに加え、最上階は侵入しやすい可能性がある為、実は狙われる率が上がります。
記事の動画には高層マンションばかり狙って4回逮捕されている侵入盗の手口が分かりやすく紹介されています。マンション住まいの方、マンション入居を検討している方は是非ご覧ください。
高所作業の経験と体を鍛えていた為、命綱無しの侵入が可能だったそうです。高所に長けた侵入盗は他にもいるでしょうし、命綱や縄梯子・道具等用いる手間暇をかければ、あるいは階層低めのマンションを狙えば、可能な窃盗犯はもっといます。
そもそもマンションは死角と足掛かりが多く、探せばどこかしら侵入経路が見つかってしまいます。
今回の事件のようにエントランスや裏口以外から侵入する場合、侵入盗は死角や足がかりになる物をチェックし、侵入できる経路を探します。
2階の通路や非常階段といった共有部にはセキュリティ対策の柵が大抵ありますが、3階以上は柵がない場合が殆どです。足がかりがあってよじ登れる、または隣りの建物との距離が近くてよじ登りや渡りが可能、商業施設が入っており侵入し易く非常階段から渡れる…侵入盗がそう思ったら危険です。
更には屋上から最上階のベランダへ降りやすいデザイン、足掛かり・命綱等を固定できる物がある等。
侵入を可能とするのは狙われたマンションだけでなく、その周辺環境にもあります。
※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…
共有部までよじ登る想定の足がかりだけでもたくさんありますから、2階ベランダへの侵入なんて容易なわけです。2階建アパート、一軒家の方も充分お気をつけください。
過去記事【真夜中の脚立男】も参考にどうぞ
大半の侵入盗にとっては、とにかく!!窓!!です。最上階ベランダだろうが1階の狭い換気窓だろうが、2階テラスだろうが、対策されていない窓へ近づくことさえできればほぼ成功。そのワケは…
【窃盗に遭いやすい家 其の弐】 ※クレセント錠1ロックでは無締りとほぼ同じ
だからこそ、窓の防犯を推奨しております。
【窓こそ守ろう!お手軽編】 ※比較的安価且つ工事無しでもOK
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】 ※要工事で防衛力強し!
防犯コラムで一番多くLINKを貼っているのがこの窓シリーズの過去記事というくらい、窓の防御は侵入者から我が家と我が身を守る防犯の要なのです。
【NEWS】マンション無締りは狙われる
マンション居住者は意外と無締りが多い…と聞きます。侵入盗に入られたニュースでも無締りだった部屋が狙われている場合が多く、特に1階共有部がオートロックの建物では格段に油断が生じる模様。
無締り理由は様々「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」
今回のニュースの場合は…
【引越の荷ほどき中に金づちを持った男が侵入】
名古屋市中区で引っ越してきたばかりの女性がマンション2階の部屋で夜間、玄関扉の錠を無締りのまま荷ほどき中に4人の外国籍風の男性が侵入。脅されてバッグの中の現金300万円を奪われたそうです。
※追記【引っ越し荷造り中で無施錠】
11/25のニュースで10月に名古屋市中区マンションで無締り状態で引っ越し荷造り中の女性、現金800万円や貴金属2300万相当が奪われる強盗事件の犯人5名逮捕とのこと。
内容が微妙に違いますので続報か別件か不明ですが無締りの怖さが分かる事件です。
この事件から分かることをまとめます。
■オートロックは無いも同じ
続報がないので想像で、この4人組はエントランスか裏口から侵入したのではないかと思われますが、1階共有部は宅急便や住人と一緒に堂々と通ってしまえばいいですし、表口は自動扉で非接触キー(電気錠)でも、裏口はオートロックのみの普通の錠前であることが多い。裏口は死角に位置することが多いので、ここを狙うことも可能です。
つまり、オートロックは解錠施錠の面倒を省く為だけの、防犯性能は無いに等しい存在だということ。
オートロックに防犯性を求めるならば、住人全員の防犯意識とルールの徹底、出入りする業者の方々の協力が必要になります。
過去記事【我が家の周辺環境から防犯しませんか?集合住宅編】 にまとめております。
事件当時この部屋はオートロック(ほぼ無いに等しい)+玄関錠無締りという完全な無防備状態だったということです。
■監視カメラは役に立つの?
「監視カメラは一定の抑止力(泥棒の性質によってのみ働く)しかない」「事件後の犯人の手がかりでしかない」ことを理解しましょう。
エントランスや裏口を通ったのなら、監視カメラに映ることを忌避しない犯人ということになります。
監視カメラに映りたくない犯人の場合、「カメラの死角を通ってベランダに近づける」「カメラの死角に足掛かりがあって共有部へよじ登ることができるポイントがある」マンションを狙うでしょう。
監視カメラが役立つ時とはカメラに映りたくない慎重派の犯人、例えば平成の大泥棒のように長くコツコツと泥棒稼業を続けたい、リスクを冒さないタイプに対して効果を発揮します。
※参照【令和の大泥棒】
しかしマンションは敷地が広く、デザイン的に死角が多かったり隣接建物や木立等によっては侵入できそうな経路が複数できてしまい、そのすべてに監視カメラがついているかというと、そうではない場合もあります。
ちなみに今回の被害者宅は2階、よじ登ることも可能でしょう。ベランダ側への通路に監視カメラはあってもベランダ側を映すカメラはプライバシー保護から設置が難しく、ベランダ内へ侵入できさえすれば、例え窓にクレセント錠をかけていても無締りとほぼ同じ、侵入は容易です。
※参照【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】
事件前日にこのマンションでベランダ側からよじ登ろうとする不審者がいて通報騒ぎがあったという情報もあるので、狙いやすい要素のあるマンション、または引っ越しのどさくさをピンポイントで狙われていた可能性も。
■引っ越しという状況
新しい環境・生活が整っていない状況は慌ただしく落ち着かないでしょう。うっかりや無防備さが出やすく、狙う側は容赦なくソコを突いてきます。
引っ越し中は部屋の扉を開け放って業者さんが出入りします。引っ越し業者さんは勿論、ガスや水道の業者さん、新居用に購入した家電家具の配送業者さん、デリバリー等に+マンション住人や他の部屋へ用のある業者さんもいる出入りの激しい状況下はマンション自体(エントランス及び共有部)も無防備です。
そんな状況下に加え、引っ越し時は何かと入用で、特に現金払が必要な場合もあるでしょう。
今回の被害総額はバッグの中の現金300万円ですが、現金を多めに持ち歩いてる時・家に置いている場合は、携わる業者さん、たとえ知人であっても知られないように細心の注意が必要です。
酔っ払って箪笥貯金をお店で自慢、レアなコレクションをSNSにUP、旅行の計画をSNSに書き込む、そういった行為によって就寝中や留守中を狙われた事件があります。
できるだけ引っ越し前・最中・後は現金を持ち歩かなくて済むようにしましょう。
各業者さんへの支払いが現金だとしても、金額は先に分かっている場合が殆どですので必要額だけ封筒に入れる等、別にしておき、他の支払い分やメインとなる所持金や在処は見せないようにします。
バッグも置き引きに遭わないよう注意すると共にさりげなさも必要です。警戒心露わで明らかに大金を持っていると分かる挙動は逆に注意を惹いてしまいます。
貴重品(通帳・キャッシュカード・印鑑、クレジットカード、株券、小切手、貴金属、その他高額な品)を引っ越し業者は運ばない筈です。
合わせて身分証(免許証・パスポート・マイナンバー・保険証・年金手帳等)、自分で所持・管理しましょう。
引っ越し最中にソレと分からないようにする、業者さんや通行人や他住人等の目に触れない工夫をして運び出し運び入れをしましょう。誰かがいる場では目を離さない、取り出さないようにしましょう。
個人情報につながる物も自分で運ぶのが安心ですが、業者さんにお願いする際はそれとは分からない、箱に隙間ができても覗いても見えない状態に工夫して梱包しましょう。
深夜にひとり、凶器を持った4人の男に囲まれて被害者の方はとんでもなく恐ろしかったと思います。こういう被害に遭わないよう、我が身を守る対策をできる限りして頂きたいです。
令和の大泥棒から学ぶ
空き巣・居空き・忍び込みといった侵入盗が活発になる時期になりました。
『令和の大泥棒に判決』被害総額5000万円以上、8年間逮捕されなかった令和の大泥棒。長い間、空き巣という犯行を成功させてきた令和の大泥棒の4つの掟とその手口から、被害者宅はなぜ狙われたのか?狙われるリスクをどうやって減らせるか、読み取ってみます。
ご自身のお宅に置き換えて気をつけるべきこと、防犯対策すべき点の参考にして頂ければと思います。
■4つの掟
①防犯カメラのない家を狙う
②留守の家を狙う
③靴を脱いで室内を荒らさない
④庭がきれいな家を狙う
①②③は姿を見られない・映像を残さない、痕跡を極力残さない、スピーディに窃盗を済ませる、ということでしょう。
家主の留守中に痕跡を極力残さなければ、盗まれたことに気づかれるまで時間を稼ぐこともできます。
④の庭がきれいな家を狙うは「家主の几帳面さの表れであり、家の中も整理されていて金目の物を発見しやすいから」とのことでした。
以前侵入盗の記事に載せましたが、これまでよく言われてきたこととして「室内や敷地内の整理整頓がされていない」というのがあります。【窃盗に遭いやすい家 其の壱】
まったく逆じゃん!となりますよね。
しかしこの理由は、「室内が整理されていないと侵入の痕跡・家探しされた痕跡に気づかれにくい」「泥棒は現地(被害者宅)で侵入に必要な道具を用いることが多く、玄関付近や庭にある掃除道具やガーデニング用品等が利用されやすい」からです。
【真夜中の脚立男】
他にも防犯上、家の周囲や庭をきれいにしておいた方が良い点があります。
「自分の家の前を掃除しておく」=周辺環境に無頓着なエリアは狙われやすい
【我が家の周辺環境から防犯しませんか? 其の壱】
「植木を定期的に剪定して整える」=鬱蒼とし死角になる場所、または侵入さえすれば道から庭の様子が見えない家は狙われやすい
この真逆の理由は泥棒する側の着眼点の違いではありますが、文章で伝える難しさも感じました。
分析された内容を箇条書き+説明分で載せていますが、周辺環境や家の立地、庭のデザインや植木の種類等々で各家それぞれの風景も状況も違います。そして下見に現われた侵入盗の着眼点によって「この家ならイケる」と判断されるか侵入を回避されるかの分かれます。
守る側からすると混乱しそうです。
しかし!人目を避け、誰も傷つけず、速やかに盗みを実行する令和の大泥棒は大きなヒントも示していますよね。
顔を極力隠しても、やはり見られたくない!映りたくない!わけです。
例えば、自宅の防犯カメラ前では顔を覆っても、覆ったまま街中を歩くのは即不審者として通報されかねません。顔を出して一般人にまぎれながら道を歩けば、どこかの監視カメラに映っている可能性があり、背格好から絞られる可能性があるわけです。
監視カメラ映像は決まった日数で消去されてしまうので、家主が気づくのが遅いほど捜査も遅れて映像も消えるので②③④の掟が活きてくるのでしょう。
合わせて、手口からも対策すべき点が分かります。
■手口
①犯行時刻は日没から午後9時
②タンス貯金をする高齢者を狙う
③無施錠の家を狙う
【窃盗に遭いやすい家 其の壱】で一番に挙げている無施錠・無締りの家がやはり最も狙われやすいということです。
ところで、取材に応じた被害者の方は「防犯カメラ無し、旅行中、整理された庭」と掟通りで、窓から入られています。
冒頭で侵入盗が活発になる時期と書いたのも、暖かくなると換気等の頻繁な開け閉めで窓が無防備になりやすいからです。
「うっかり閉め忘れ」もあれば「面倒だから開けたまま」、「1階の窓じゃなければ大丈夫だろう」、「小さな窓なら大丈夫だろう」、「暑さで開けたまま就寝」…こんなことが増えますが、これこそが侵入盗の狙う無締りであり、非常に危険です。
泥棒の侵入経路ナンバー1は『窓』です。【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】 しかし鍵の無い窓が殆どです。
ここで言う窓の鍵とは、クレセント錠を除きます。誰でも開けられるモノは泥棒にとって施錠されているとは言い難い状態だからです。なぜか?→ ※作業事例【クレセント バイパス解錠】
お分かり頂けたでしょうか?カップメンが作れる程度の時間で壊したり傷を残すことなく…もしくは2~3cmガラスをこじ割って指一本入れられれば開けられる(泥棒の多くはこの手段)のがクレセント錠なのです。
窓が侵入経路ナンバー1な理由は、窓の閉め忘れだけでなく、標準で窓に付いているクレセント錠しかかけていないことが理由です。
【窓こそ守ろう! お手軽編】 【窓こそ守ろう! ガッツリ編】
令和の大泥棒は人を傷つけないことが掟でしたが、運悪く遭遇した家主を逃げる為に襲った侵入盗も少なくありません。ある侵入盗はまず台所で包丁を入手(身を守る物を現地調達)してから金品を探す手口でした。
昼寝や帰宅時、就寝中に侵入盗と遭遇する危険については【無締りの怖さと危険性】ご参考ください。
ちなみに令和の大泥棒の犯行時刻は、あくまで暗くなって人の顔が見え難い時間帯を狙いたい空き巣の一例です。日中を狙う空き巣や居空きもいますし、忍込みはそれこそ午後9時以降~深夜を狙います。
■防犯対策のポイント
①玄関・勝手口・門扉・窓を無締りにしない
やはりこれが一番外せない対策だと思います。バール等でこじ開ける手荒な窃盗犯もいますが、日頃から施錠をしっかりすることが防犯の要になります。
②我が家の弱点を分析・把握して対策
令和の大泥棒は庭がきれいな家を狙っていましたが、庭が放置され片づけが下手な家を狙う泥棒もいる上、掃除道具やガーデニング用品等は侵入の道具としてだけでなく武器にもなり得るので、やはりきちんと施錠できる場所(家の中や物置)へ片づけておいた方が安心です。
効果的な位置に防犯カメラを設置すればかなりの抑止になりますが、気にしない泥棒もいます。そこには気にしない理由や手口があり、防犯対策はひとつで成り立つものではなく、それぞれの家にそれぞれの状況や事情がある上で、効果的な対策+日頃の用心・防犯習慣を欠かさない必要があります。
③防犯意識と日頃の用心
うっかり無締りに気をつける、安易に現金があることや旅行等の不在を明かさない(※参照【SNSと侵入盗】)。
他にも日頃の防犯意識としての習慣に関してはたくさんありますし、物理的な対策もあります。カテゴリの「地域の防犯」「建物の防犯」「特殊詐欺+侵入盗」に過去記事がありますので宜しければ参考にしてください。
■時代と共に危険な方へ変化
令和の大泥棒は「人目を避け、誰も傷つけず、速やかに盗みを実行する」が掟でした。
しかしコロナによって生活様式が変わってしまった際、外出外泊が減って在宅ワークや学校の早帰り・クラス閉鎖等でこれまでは不在時間の長かった家に誰かがいる状態が増え、しかも不規則。侵入盗には厳しい状況になりました。
そうなると最初から武器持参、手荒な手段を用いるタイプの空き巣が状況によっては強盗に変身!という危険が高まります。実際、子供達が空き巣に遭遇したという事件もありました。子供だからと侮って何もしないで逃げてくれればいいですが、捕まらない為に危害を加える可能性もあり、大変危険です。
在宅が増えて不在を狙えなくなった空き巣・居空きが特殊詐欺の手口で在宅時に侵入または強盗と化す事例もあります。【空き巣・強盗が特殊詐欺と合体!】
やっと平常が戻りつつありますが、今後も何が起きるか分かりません。一定数常態化した在宅ワークにより空き巣と遭遇率が上がる可能性もあれば、長い間皆で我慢した分、旅行やのんびり帰省が増えることで侵入盗は活発化するかもしれません。
改めて防犯の見直し・強化をおススメします。
「効果的な防犯カメラの付け方って?」「ウチの立地や家・庭の状況だとどこが弱点か知りたい」という方、防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、受け付けておりますのでお気軽にどうぞ。
【お問い合わせ方法・各種】
ガラス製の扉
この仕事に就いて、実際に被害に遭われたお客様から侵入者の手口を聞くこともありますし、業務外でウォーキング等の際に「この家はあそこが危険だな(=侵入ポイントになるな)」という目でついつい観察してしまいます。あくまで仕事上の勉強と訓練としてですよ💦
そして、「あ、ここ入られたんだな」という痛々しい傷跡の残る所も発見してしまいます。
大通りから少し入った、閑静な住宅エリアにある和ティストなお店。店内の明かりが分かるようにガラス製の引き戸です。きっと常連さんをほっこりさせているのでしょう。
でもある日通りかかったら、引き違いの錠部分が割られ、テープで塞いでありました。
窃盗犯の侵入経路ナンバー1が『窓』である理由と同様に、ガラスを用いた扉も先端の尖ったどこにでもある道具で簡単にこじ破ることができてしまいます。
そして意外とガラス製の扉、一部ガラスを用いた扉は多いです。
ガラス扉は住宅にも用いられていますが、店舗や事務所が多く見られます。
住宅より店舗や事務所の方が不在日時が明確なので仕事もしやすく、現金の在処も分かりやすいでしょう。
しかし窓の対策・防犯格子『防衛くん事例・事務所』にもあったように、一度成功すると味を占めて同じ場所に何度も侵入する、あるいは情報が出回って別の窃盗犯に狙われるようになります。
防犯対策をすると、機械的だったり物々しくてカントリー風やレトロなデザインの外観を損なうと思われるかもしれません。けれどもし泥棒に目をつけられた場合、壊された部分の修繕を含めた被害、そのまま何も対策しなければ再び狙われる危険性を考慮すると、デザインをあまり損ねない方法で、最低限の対策をオススメします。
ちなみに入られた跡を発見した和ティストのお店ですが、私も気になって再び前を通って確認しましたが、窃盗犯も壊された部分をどう修繕したか、何か防犯対策を講じたかどうか、見ているかもしれません。加入や設置をしていないのに警備会社や防犯カメラのステッカーを貼っても見破られることが多いけれど、少しでも「おや?」と警戒させることは大切です。
対策については過去記事もご参照ください。
【出口を守ろう!】
【引戸・引戸違を守ろう】
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】
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【リモコン錠】 【キーレス錠】
「お店のコンセプトデザインを壊さない対策を提案してほしい」「ウチも二度入られているので防犯診断&対策を提案してほしい」…等々、お気軽にご連絡ください。
防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、受け付けております。
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引戸・引違戸を守ろう
前回の「出入口を守ろう」の内容は、押し開き扉のことでした。まるで出入口といえば押し開き扉と言わんばかりだな、と思われた引き戸・引き違い扉の方、すみません。誤解です。
押し開き扉の方が色々大変💦という思いから、押し開き扉を先に掲載しました。
引戸・引違戸はバリアフリーの観点から近年増えているように感じますが、防犯対策の面ではどうでしょうか。
①バール等によるこじ開け
外開きの押し開き扉と同じく、力で無理やりこじ開けられますが、手間からすると狙われることは少なく、この場合なら窓が狙われます。
②サムターン回し
彩光の為にガラスを用いた扉が多く見られますので、こじ破りには注意。
ドアスコープはありませんが、ポストが扉についている、または小窓が隣接していタイプがあります。
また、引違戸の特徴として扉と扉が重なっている為、隙間ができやすく、工具を入れられる危険があります。
③ピッキング
ピッキングされやすい錠前の場合は押し開き扉同様、対策することが望ましいです。
危険度は①の他はあまり違わないのでは?と思われるかもしれませんが、実はいざ対策するとなった場合、引戸・引違戸にはアドバンテージがあるのです!
引戸・引違戸の場合、防犯対策品の補助錠を新たにつけるのではなく、現行の錠前から防犯対策品の錠前にまるっと交換することが可能!余計な穴を開ける工事が必要がありません。
外開き扉のお客様がよく悩まれる穴開け工事が不要というだけで、選択肢としての強みがあります。
一般的な鍵の耐用年数は10年。いずれ交換は必要。調子が悪くなったタイミングでどうせなら防犯用品にさくっと交換をオススメします。
KABA社の防犯対策品『引違戸錠 8800』と『引戸用・戸先鎌錠 8700』
こちらは対ピッキング性能、対カギ穴壊し性能も高く、セーフティサムターン機能は勿論、隙間から工具を入れる解錠防止機能もついているので、安心感が違います。
※引戸・引違戸は規格がほぼ同じなので殆ど適合しますが、もし現行の錠前が小さい場合、埋込み部分を少し広げる作業が発生します。
【作業事例】
「早速対策したい!」「最近鍵の回りが悪いから調子見てもらって検討しようかな」…等々、お気軽にご連絡ください。
防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、受け付けております。