防犯コラムColumn
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「侵入盗」のアーカイブ
リフォーム中の危険
前回の【リフォーム前の危険】に続いて、今回はリフォーム中の危険についてです。
リフォーム(集合住宅は大規模修繕工事)の最中はどうしても敷地及び建物の防犯レベルが下がる為、侵入盗に狙われやすくなります。
ではどういったところが防犯レベルが下がるのでしょうか。
■外部に家を把握された状態
リフォームは事前に現地調査が行われます。例えば、業者選定の為の相見積もりでは業者の数だけ現地調査が入ります。
業者を決めたら今度はデザインの打ち合わせや詳細な設計図・確定見積もりの為に、必要に応じて専門分野や施工担当による現地調査が必要な場合も有ります。
これだけでも複数回・複数人が出入りし、あなたの家の敷地内や建物を撮影や計測して把握することになります。
そして彼らは敷地に駐車してある自動車やバイク、室内の雰囲気や調度品等から金銭的な部分を察することもできてしまいます。
集合住宅の場合、各戸の室内までは入りませんが、敷地内と建物の外側・共有部(ベランダ含む)については破損劣化レベルの調査で業者が出入りします。
【リスク】
相見積もりで複数社があなたの家の情報(住所・指名に加えて間取りや写真)を所持します。プレゼン資料や設計の為にデータ化されます。これらは侵入盗に悪用される可能性のある情報です。
悪意のないデータ漏洩の可能性はゼロではなく、社内でどこまで共有されるか等こちらは分かりません。
何気ないつもりの雑談でも侵入盗にとっては使える情報(「この前見積もりした家、ゼファー1100が停まってた!」等)が漏れる場合もあります。
昨年引っ越し業者が見積もり中に腕時計を窃盗した事件がありました。
リフォームは契約した業者と一定期間おつき合いすることになる上、決して安い案件ではない為、出入りする業者が窃盗というリスクを冒す率は限りなく少ないと思えますが、ないとは言いきれず、悪意のない漏洩や情報だけ売る等の悪用も考えられます。
【対策】
①信用できそうな業者を選ぶ。
②リフォーム後にセキュリティを上げる。
③現地調査・見積もり訪問時にブランド品や貴金属・貴重品、腕時計、アンティーク品やコレクターが欲しがる収集品等を見える場所・分かりやすい場所に置かない。身に着けない。現地調査の入る部屋に金庫があるなら別室へ移す。移動不可能ならできるだけ隠す。
窃盗犯のターゲットに挙がってる車種は車庫を閉めきる、カバーをかける等して見せないようにしましょう。
④現地調査・見積もり時に担当者をひとりにしない・目を離さない。
※詳細は【引っ越し中の防犯】参照
「有名なブランドじゃないから」「実は偽物だし」は関係ありません。貴重品や金目の物がある・お金を持っていそうに見える+隙のある人と思われるとターゲットに選ばれやすくなります。
■出入りの制限が困難
リフォーム工事が始まると、敷地内や室内を職人さんや業者が出入りします。例えば今日はシステムキッチンの搬入、電気工事と水道担当が作業、明日からは組み立てと内装担当が作業~というように工程で交代も起こります。
このように資材の搬入や様々な分野の職人さんの出入りの為、門扉や玄関、掃き出し窓等の必要となる出入口が長時間無締り・解放状態になります。
集合住宅の場合、戸別リフォームではエントランスとリフォーム該当玄関扉が、大規模修繕工事の場合はエントランスの解放が必要な作業時間中、出入り制限ができずセキュリティが下がります。
引越し作業中にエントランスからエレベーター、該当階の共有部廊下を養生マットでガードしますが、リフォームで搬入搬出がある場合は同様のガードをする為、傍からも出入り制限が緩い状態だと分かります。
※詳細は【引っ越し中の防犯】参照
【リスク】
職人さんの出入りや搬入の為に無締り・解放された入口から侵入盗が入る危険があります。
同じリフォーム業者の下請けの職人さん達は分野が違えど顔見知りなことも多いですが、自分の仕事に集中しており、工程ごとに交代したり搬入業者も入り混じる中でお互いの行動をいちいちチェックできません。不審な挙動をする誰かや同業者に扮した侵入盗が堂々と入ってきても気づかないことは十分あります。
【対策】
①ブランド品や貴金属・貴重品、腕時計、アンティーク品やコレクターが欲しがる収集品等の貴重品は現地調査・見積もりの時と同様の対策を。
②入室してほしくない部屋に『入室はご遠慮ください』等の貼り紙を貼っておく。
→職人さん達が間違えて入室するのを防ぐ、勝手に入ろうとしたら他の職人さん達にも気づかれやすい。
③出入りする職人さん達の顔はできるだけ覚えておく。
作業中、家主は邪魔にならない室内で待機します。特に室内リフォームだと行動も制限され、玄関を開けっぱなしの状況もあります。
当日作業に入る際、職人さんが挨拶してくれますので、その際に顔を覚えましょう。複数人のチームだと代表者だけということもありますが、できるだけ他の職人さん達も把握するとよいでしょう。
我が家の例ですが、呈茶コーナー(お茶は持参の方が多いですが個包装のお菓子は喜ばれます)とトイレを自由に使ってもらう声かけの際に皆さんと顔合わせしました。ジロジロ様子を伺うより邪魔にならずこちらも不審に思われずに済みます。
■周囲からの監視力低下
戸建てリフォームやマンションの大規模修繕工事の外装補修・塗装工事では、足場を組んだり防塵シートで覆います。
当然ですが作業期間中はずっとこのまま。職人さん達が帰って家主が就寝した後、作業休みの土日は…
【リスク】
足場があるので侵入盗からすればどこからでも入り放題!
しかも防塵シートで通行人からは見えない!
【対策】
①防犯カメラ
必ず毎日職人さんが帰った後、遮蔽物がないか、作業中に当たって角度がズレていないか、きちんと守りたい部分が映っているか確認しましょう。
②窓には補助錠・防犯センサー
侵入盗の約7割が窓から侵入します。脚立持参の侵入盗もいるくらいです。足場があって周囲から見えにくい状態では、窓の防犯は常日頃以上に強化すべきです。
過去記事で窓の防犯の重要性と共に繰り返していますが、既存のクレセント錠は誰でも開けられるので施錠とは言えません。錠付きクレセント錠に交換、二重鍵として補助錠を付けましょう。
※【換気窓は狙われる!】特にルーバー窓(ジャロジー窓)は危険!必ず対策を。
※【窓こそ守ろう!お手軽編】補助錠は安価でも効果的!
※【窓こそ守ろう!ガッツリ編】これで要塞化!
補助錠+防犯センサーの設置は防塵シートで覆われている窓の防犯に向いています。誰かが無断で窓を開けようとしたら大音量の警告音で居住者と周囲に知らせてくれます。
但し職人さんがベランダやサッシ回りで作業する際は、防犯センサーが誤作動して迷惑にならないよう注意しましょう。
③防犯灯の活用
庭や玄関の防犯灯は外から見て『防犯対策しているぞ』と思わせる、侵入の際に明かりで目立つことを嫌う侵入盗避けとして効果があります。防犯用にセンサーやタイマー付きがあります。
室内の防犯灯は長期不在時の防犯用だけでなく、リフォーム中の死角と足場が多くなった状況にも有効です。
死角に位置する窓から明りが漏れる場所、あるいは夜間でも起きていると思わせる為に一部屋だけ、常設照明(防犯灯向けの照度に設定できるタイプもあります)や防犯灯を設置して、ひとけがあるように見せるのがコツです。
※注意点として、家の中の様子が覗き見える場所やカーテンを開けっぱなしで点灯するのは逆効果で、様子を探られてしまいます。
換気窓の開けっ放しはNG、室内を覗けないようにした窓の照明活用はOK
■工事現場窃盗
春に工事現場窃盗の記事【工事現場は狙われる】を載せましたが、最近のニュースを検索しただけでも札幌、栃木、千葉、埼玉、静岡、愛知…あちこちで工事現場窃盗が発生していました。
狙われるのは大規模建設工事や新築工事だけではありません。リフォーム現場も同じく、道具や備品、資材が盗まれることがあります。それによって遅延すれば居住者としては不便が長引きます。
駐車中の工事車両が無締りで狙われることもありますが、昼休憩中に敷地にある道具や資材を狙って居空きが侵入したら、依頼主としては不快と不安な気持ちになります。何より建物内まで侵入されたらい恐ろしいでしょう。
現場から全員いなくなる時は依頼主に声をかけて(門扉や玄関の鍵を締めてもらう為)くれる防犯意識のある業者さんが望ましいでしょう。
リフォーム期間中は非日常、不特定多数の通行人の目からも明らかです。日頃以上に警戒を。
リフォーム前の危険
長年住めば必要になるリフォーム(集合住宅は大型修繕工事)。しかしリフォームを口実にした悪質商法・詐欺・個人情報の収集・侵入盗・押し入り強盗があります。
■通りすがりは断ろう
通りすがりの専門家が愛想よく、あるいは心配そうな顔で、話しかけてくることがあります。
【手口①:親切な警告やアドバイス】
庭掃除等をしていると『奥さん!ここヒビ割れしてます。、ヒビが広がると危険だし費用が倍になるよ』『これ、水漏れサインです』等と親切心で声をかけるリフォーム業者(自称)が来たら、お断りしましょう。
【手口②:雑談したがり?迷子?近所の人?】
雑談や道を尋ねる等してから手口①に入ることもあります。先におしゃべりしてしまうと断りにくくなる心理を利用するものです。
『よくこの道を通るので前から気になってた』『近所の家を担当をしてるから~』『近隣マンションへ一斉無料点検サービスをしてるので』等の近所の人間、または近所で実績がある、集合住宅全体向けサービスと錯覚させ、安心させてから①を話す等もあります。
『これも何かのご縁なので特別にサービスしますよ』と①に入り、相談に乗る態度を示す、あなたに親近感を持っていると伝えて同調させる、優遇されていると思わせる場合も。
年長者特有のおおらかな雰囲気と砕けた口調で話しかけられ、最初何を言っているのか?用件は何か?分からないまま無碍にできず話を聞いてしまい、気づけば①の話に引きずり込まれていたということもあります。
他にも『重そうですね』と庭掃除で出たゴミを持ってくれたりと一見紳士的なそぶりで近づくことも。本題に気づいた時点で断り難い雰囲気になっていてもきっぱり断る気合が必要です。
【手口③:キャンペーン・無料サービス・補助金】
『建物診断だけでもどうですか?』
『〇〇の点検サービスで巡回してます。ついでに気になる部分も点検・相談に乗ります』
『見積もりまでなら無料ですよ、私なら管理職割引できますし』
『バリアフリー仕様のキャンペーンで今月中に契約すると割引です』
『国から補助金(または助成金)が出ますけど早いもの勝ちで急がないと損します』
『ウチに任せてくれれば保険を上手く使って無料で修理できます』等々…
こういった誘い文句に乗るのもやめましょう。
お客さん側も「点検や見積もり『だけ・までなら』ならいいか!」と安易に思いがちですが、相手が一方的に訪ねてきていること、を忘れないでください。
多くの業者が入口として相談・見積もり無料をサービスにしているので、慌てず幾つかの業者を自分の目で確かめてより自分のニーズに合う業者を選定しましょう。
補助金や助成金は年度で決められた予算に達したら締め切られるので早いもの勝ちは事実ですが、だからと言って十数年住み続けるリフォームを急かす業者は本当にお客さんのことを考えているでしょうか?
どのリフォーム業者を選ぼうが補助金・助成金は出ます。何よりリフォーム工事のすべてが対象ではありません。焦って契約してお金を騙し取られたり、粗悪な工事や当初の話や見積もりと違うトラブルに遭ったら、契約金の内で対象工事部分の何割かでしかない補助金に目が眩んだ方が損をします。
何より補助金はすぐには下りないので、あまりアテにせずリフォームの予算を立てた方が無難です。
消費者センターや保険会社にくる問い合わせのひとつ「保険で修理が無料とリフォーム業者に言われた」ですが、補償対象の保険に入っているか、経年劣化ではなく災害による損害等の条件に該当した場合等の決まりがあります。
そこをぼやかした言葉のやり取りで「保険で直せる」「任せていい=手続きもしてくれる」と思い込むと大変なことになります。リフォーム業者が代理申請するのは違法で、業者が保険詐欺で摘発された際は本人が騙されたとしても虚偽申請の責任が及びます。
このように「だけ・までなら」と低いハードルを設けてみせる、事実(見積もり無料や補助金等)を織り交ぜる、今だけ・早い者勝ち、と焦らせて下調べや事前調査、熟考する時間を奪う、事実をぼやかして聞き手の解釈に誤解を与える、これらは詐欺の手口です。
【手口④:時節に合わせた点検サービス】
家の外観ではなく内側になりますが、秋・冬には給湯器、春・夏にはエアコンといったネタで点検・メンテナンス・クリーニング、交換等の季節モノ悪徳商法や詐欺にも注意しましょう。
2024年で固定電話終了に伴う対応、電気代やガス代がお得になる、消火器や火災報知器、安全なお水、火災や地震等に備えて等のよくある手口もいまだ健在です。情勢的な流行り、特にニュースで不安を煽られた後だと増加するでしょう。
【手口⑤アンケートだけ】
建物診断、見積もり、点検よりさらにハードルの下がるアンケートを依頼してくるリフォーム業者(自称)もいますが、断りましょう。
アンケートって何となく答えてあげたくなることありませんか?匿名で済む気楽さで、自分の回答や意見が誰かの何かの役に立つかもしれないし、外回りが大変な営業担当さんの実績として手助けになるわけですし。もしくは早く帰ってほしいからアンケートくらい書いてあげよう、とか。
しかし!その情けが仇になりかねません。
■侵入される危険
詐欺かもしれないけど顔を合わせたままは断り難いし、逆恨みされそう…見積もりや点検だけ、アンケート程度ならその場を丸く収めて帰ってもらった方がいいのでは?
基本的な理由に立ち返りましょう。
詐欺に警戒すべき点をたくさん挙げましたが、呼んでもいない相手が家へやって来た場合に最も警戒すべきことは、侵入されることです。
【押し売り】
訪問の手口を取る側の目的はあの手この手を使ってとにかく門・扉を開けさせて接近→敷地内へ入ることです。
きっかけが建物診断・点検・見積もり・アンケート、何でもかまいません。
入り込めれば相手の出方で手法も態度も変えてきます。『今すぐ修理しないと危ないよ!』『この辺一体は殆どウチがやってて詳しいんだから。断るのは勝手だけど後で困っても知らないよ』等と脅して不安にさせたり、専門的な難しい話で押しまくる、昔ながらの手法で契約または仮契約(手付け金)するまで帰らない等。面倒さと怖さで「どうせいつか修理するし」と折れてしまう被害者が結構います。
【押し入り強盗・点検強盗】
最も危険な相手は元から押し入り強盗(点検強盗とも呼ばれています)が狙いだった場合です。
※参考:【空き巣・強盗が特殊詐欺と合体】
2人組で訪問して片方が『点検に立ち合ってください』等と家主と行動と共にさせ、その間に居空き→バレたら強盗化、という手口もあります。
高齢者や女性がひとりでいる家や時間帯を狙ってやってくることが大半です。押し売りも強盗も自分より弱者だと判断した相手を狙います。弱い側からすれば悔しいことですが現実です。
もし玄関から出てきたのが屈強そうな男性や、女性でも霊長類最強の吉田沙保里さん(スト6のCMが最高だったもので笑)だったら?きっと何もせずに帰っていきますよね。
【点検ついでに押し売り】
点検しながら周囲をチェックして『〇〇も交換した方が良さそうですよ』と不要な修理や交換を勧めたり、『修理・交換するなら、浄水器もセットにするとお得ですよ』などと別の物まで押し売りする場合もあります。
新電力が始まった頃、集合住宅に越してきた高齢者の元へ引っ越し後の点検?サポートサービス?と称して某新電力の名刺を持った営業マンがやって来たそうです。仲良くなり、既に中部電力と契約済なのに法律やインフラ体制が変わって新電力とも契約をしなければ電気が使えなくなると勘違いさせる話術で契約させようとしました。
その方は不安になって中部電力まで行き、「自分は今、中部電力と契約できているか?今後もこのまま(新電力に契約しなくても)電気を使えるのか?」質問したそうです。
この手のトラブルは『その方が詳しくなかったせい、勝手に説明を誤解した』と言いきればそれまでです。その方も営業マンに対し「すごく親切にしてもらったし、自分も悪かった」と詐欺にかかった・かかりそうになった人によくある心理に陥っていましたね。
【点検・見積もりついでに窃盗】
引越し見積もり中の窃盗事件が起きたように、点検やリフォーム見積もり時も窃盗に注意が必要で、対策は同じです。※参考【引っ越し中の防犯】
自分で選定した業者の現地調査・見積もりを受ける際でも事前に対策するべきことと当日注意すべきことの2つがあるくらいなので、突然の訪問では何も対策していない無防備な室内に入れるのは不用心です。
【アンケートによる情報入手】
アンケートの狙いとして、敷地内へ入り込む為以外には『詐欺・侵入盗・押し入り強盗の為の情報収集』も考えられます。
アンケート用紙が無記名でも、訪問の時点で家の所在は相手に掴まれています。表札に名前があれば無意味です。
家族構成や職業で在宅状況の予測がつきますし、どの手口で詐欺を行うと効果的か、侵入して制圧できそうか(人数・男手・腕力のある年齢か等)、予算から奪える金額の有無、リフォームしたい場所・困っていることは内容如何で侵入しやすさだったり家人の弱点になったりします。
アンケートの記入中にさりげなく家や周囲を伺っている(侵入盗の下見と同じ)場合も。
こういった情報はアンケートを実施したグループだけでなく、情報として各犯罪グループに出回りますので、他の詐欺師や窃盗犯からも狙われやすくなります。
■被害に遭った人の声
消費者生活センターに寄せられる点検商法等の相談で目立ったものをご紹介します。
「契約するまで帰ってくれず、電話で断ったらキャンセル料の話になった」
「最初は点検だけと言われたのに強引に契約させられた」
「急ぎではない程度の修理を契約させられた」
「後から調べたら不要な修理だった」
「工事の際に追加費用が発生して点検・見積もり時より高額になった」
「見積もりと請求書の額が違った」
「断りたいのに連絡が取れなくなった」
ことを後回しにすればするだけ事態が悪化する傾向にあるのが分かりますね。
訪問という方法は自分達の真の拠点を知られずに済みます。居住を知られているこちらは圧倒的に不利です。
敷地内に入られてから押し問答になった方が怖い、何かしらの約束や書類にサインさせられた後は更にキャンセルがしにくい仕組みだったり・連絡がつかなくなる場合も。
関われば関わるほど断るのが難しいことになります。早めに極力角を立てないよう断る、できるだけ話を聞かない内に断りましょう。
どの詐欺被害でも騙された人の傾向として「自分を責める」「半ば詐欺と分かっていても自分が許容できる範囲までならお金を払って済まそうとする」「相手にも事情があったのだろう」「でも優しくしてくれたし仕方ない」等があります。
しかし詐欺する側に情けはありません。詐欺グループをのさばらせて被害者を増やすだけですし、自身もさらに他の詐欺や侵入盗に狙われる可能性が高まるだけです。
騙された人が親族や知人に相談しにくいのは「言えば責められる・説教をされるのが嫌」「騙されたと分かれば恥ずかしい・プライドが傷つく」等という気持ちがあるそうです。
もし騙されてるかも?と感じたら、守秘義務のある消費者生活センターへ相談してみましょう。
リフォームは一定期間、敷地や家の中を職人さん達が出入りすることになるので、営業担当だけでなく、職人さん達のことも信用できることが重要です。近所にできるだけ迷惑をかけない配慮も必要であり、職業倫理のしっかりした職人さんと全体を管理できるしっかりした会社であることが求められます。
突然やって来た業者に下調べも他社比較もできないまま契約し、何日も何人もの出入りを許すことがそもそも危険です。
ニーズに合ったより良い提案をしてくれて、信頼できる業者さんに出会えたら、次はリフォーム中の危険を把握し防犯しましょう。
【NEWS】工事現場は狙われる
2023/04/13
窃盗犯に狙われるのは住宅や店舗・事務所だけではありません。
【愛知県豊橋市で資材・工具窃盗多発】
3月13日、豊橋市神野新田町地内の工事現場から鉄板が盗まれる被害が発生しました。
豊橋市内では、本年2月から3月にかけて、工事現場等から資材や工具等が盗まれる被害が多発しています。 ※パトネットあいち
昨年も愛知・岐阜・静岡のホームセンターや工事現場で高圧洗浄機や発電機等、19件の事件で160点が盗まれました。
【新築工事で計110点窃盗】
こちらは沖縄県のニュースで、新築現場からインパクトドライバー等の工具類が110点、被害に遭ったそうです。
一般的な感覚では作業中は勿論、作業時間外でも工事現場はシロウトが立ち入るのは危険なイメージがあるので近づかないと思います。子供達にもそう教えますしね。
金属資材が積んであったり硬質な金属をカットできる電動工具や高熱を発する機器があったり、梁や針金が出っ張った状態、穴が開いていて足場が悪かったり…と内部の危険もありますが、過去記事で夜道の危険ポイントとして工事現場を挙げたように、工事現場はフェンスや防塵防音シートに覆われており、一旦中へ入ってし引きずり込まれれば周囲に気づいてもらい難くなります。
※参考【夜道の防犯 ①危険な場所】
窃盗事件でもフェンスや防塵防音シートに遮られていることで窃盗の犯行現場が目撃され難くく、明かりや物音がしても中で何をしているか分からない為、盗みやすい環境となります。
しかも工事現場にある工具や精密機器は専門性の高さから高額で、最近の現場ではモバイルPCやタブレットも多用されることから金目のモノが多いのです。
さらには昨今の情勢による資材不足と価格高騰で、窃盗犯の目には工事現場は宝の山に映るのでしょう。
■狙われやすい物
①工事現場で必ず必要な道具や備品。
②重くて運びにくいから大丈夫、と放置・対策していない物。
③特殊性・精密性・高額・業界で高評価メーカー品・新品の工具や精密機器・備品。
④資材(不足している、高騰している)。
⑤車両や重機。
⑥仮設事務所や簡易資材庫の中身
「こんなの一部の人間(同業者)しか使わないでしょ」「こんな重い物運べないだろう」と思う物が狙われます。
工事現場を狙う窃盗犯はそれなりの準備と下調べをしてきます。場合によっては工事現場を知っている者が関わっている場合があります。
盗品を売りさばくルートを確保しているわけですから、売れ筋の工具や資材にも詳しく、現場でどんな管理をしているか、業界や職人さん達の習慣等にも詳しい場合があります。
夜間等に重い重機や車両で塞いでおけば侵入されないと思われるかもしれませんが、車両や重機が盗まれる可能性もあります。
さらには車両に資材や工具を積んだ状態のまま放置すると、まるごと盗まれてしまうことも。
車両窃盗は大胆かつスピーディな手口で行われます。ハッキングもあればレッカーという力技も。
※参考【自動車窃盗もハッキングの時代】
仮設事務所にはあくまで仮設の為、セキュリティを上げるには難しい面があります。そこへ精密機器やモバイルPC・タブレット等を置いておくのはリスクがあります。
簡易資材庫は資材を現場にそのまま積んでおくよりマシとはいえ、あくまで簡易の為、錠前や南京錠を使っている場合はリスクがあります。
■対策
①出退勤・施錠の確認と管理、鍵の管理を徹底する。
大きい現場ほど施錠や管理しなければならない出入口や工具・資材があり、非常に多くの業者が出入りする為、すべてを管理・把握するのは難しい面がある模様。
むしろ工事を円滑に進める為、複数人や別の業者もに合鍵を渡したり、それを回しあって使うこともあるでしょう。
当店にもたくさんの南京錠をお求め頂いたり、たくさんの合鍵を依頼してくださる業者さんがいらっしゃいます。
工事現場Aが完了したら、次のBでも南京錠や仮設事務所・資材庫を使います。その際にまた必要数を数えて足りなければ追加で合鍵…どんどん複製が増え、様々な人に合鍵が渡され…当然ですがその間に紛失も起こります。合鍵を渡された人が更にそこから合鍵を作ることも有り得ます。
鍵の使用と使用者を管理することはセキュリティ上重要であり、解錠施錠の責任と日々の管理、鍵の管理を使用と保管、使用後の返却回収までしっかり行うことが大切です。紛失があった場合、錠前または南京錠の交換が安全です。
②現場に機器や工具類を置きっぱなしにしない。
窃盗犯はもし誰かに見られても不審がられない格好(作業服等)をしているでしょう。そんな窃盗犯がトラックや電動キャリー持参でやって来て工具や資材を運び出していても、通行人には本物の業者さんとの見分けはつきません。
目撃され難さ、見分けのつかなさも加わり、発電機やコンプレッサー等の重量があって運び出しにくく、運搬に手間や時間、道具を使う物でさえ、有用で高価な物は盗まれてしまう可能性があります。
「精密機器や高額な工具ではないから~」と、現場に工具を置きっぱなしにしておくと、工具自体を盗まれるリスクと、その工具を使ってせっかく施錠してある事務所や保管庫等、破錠されて中身を盗まれる率が上がります。例えドライバー1本であっても放置しないようにしましょう。
③資材や工具の管理・保管をしっかり行う。
整理整頓がされていないとひとめで分かる現場は、管理やルールが杜撰だと判断され、狙われやすくなります。
またちょっとした紛失が起きても気づき難い、気づいてもなあなあで済む現場では作業者の気も緩みやすく、大切な物の紛失や情報漏洩につながったり、罪悪感のハードルが低くなって下心を誘発する可能性も出てきます。
整理整頓して管理・保管する上で、出入口やフェンスの隙間から覗いて分かる場所に物を置かないことも重要です。通りすがりや下見の段階で窃盗犯の心をくすぐることになります。見えなければ中まで入って下見をしなければいけませんし(リスク上昇)、慎重になります。
置いておかねばならない物があれば見えない場所に置く、カバーをかける、そして防犯対策を施しましょう。
④防犯対策を施す。
【防犯カメラ】
設置することで、窃盗犯が下見の段階で「防犯対策をしている現場だからやめよう」と思わせる抑止効果が期待できます。
防犯カメラに気づかず侵入・防犯カメラがあっても侵入する犯人もいますが、証拠として警察へ提出できます。
【防犯センサー】
防犯カメラとセットでセンサーを設置し、タブレットやスマホで遠隔監視を行えば、抑止のみならず侵入者へ対応ができます。
防犯カメラ・センサーで監視していざという時は現場へ急行!となりますが、シロウトで特に少人数では危険です。警察へ即通報しましょう。
自分達でカメラ等の設置をするのも警備会社や保険会社等のサービス(カメラとセンサーの設置、警備員の出動等色々あります)を活用するのもひとつの手です。
【GPSトラッカー等を付ける】
大切な機器や資材に発信機を付け、万が一盗まれた際に追尾できるようにしておく。
小型・薄型の発信機もあるので設置したい物に合わせて、気づかれないように設置します。
【工具や資材に会社名や印を付ける】
工具の場合、会社名等を簡単には消えないように記入、剥がしにくいステッカーを貼る、刻印を入れる。
資材にも落ちにくいペイント等で会社名や印を付ける。
これにより、足のつきやすい物を消す手間、汚れや傷によって価値が下がることを嫌がる窃盗犯の場合には抑止力になります。
簡易資材庫でもリスクがあると上に書きましたが、防犯対策の基本は「盗むの面倒だからやめよう」と思わせることがポイントなので、合わせ技は効果があります。
防犯カメラはあるし施錠された上に南京錠も付いてる(ツーロック)の簡易資材庫場を見れば窃盗犯は警戒します。鍵を壊して資材庫を開けたら資材にはペイントや社名が付いてる…イヤになりますよね、窃盗犯側からすれば。他にもこまごまと窃盗犯が嫌がる手間取る対策をしておく、さらに発信機が付いていたり、誰かが駆けつけてきたら…その会社が担当する現場は避けたがるでしょう。
※南京錠の用途に注意
南京錠は便利ですが、工具で切断されやすいのでそれを踏まえてご利用ください。
『錠前のある扉等に対し、ツーロックにする為の補助錠』等、セキュリティの追加・補強には役立ちますが、南京錠だけでは切断される可能性を考慮の上、用途や箇所(補助錠として、切断されても被害が少ない、立ち入制限したいだけ等)を判断してください。
職人さん同士の「それ、マキ〇の(型式)じゃん!いいなぁ」「これ、何がスゴかと言うと…以下専門分野トーク~」なんてほのぼのしい会話を聞いたことがあります。
改良したハイエースにそんな大事な工具や資材諸々を積んで、あっちこっちの現場で活躍。
なのにその業務用バン、ドアの開けっ放しや無施錠を意外と目にします。
もし手に馴染んだお気に入りの工具を、あるいは買ったばかりの最新型を盗まれたらショックですよね。
汎用性の高いバンも非常に便利で人気が高く、特にハイエースは過去には長いこと高級車を押しのけて盗難被害ナンバー1、近年でもレクサス等に混じって上位に入っています。
是非、日頃からの用心と対策を。
引越し ②引越し中の防犯
前回は引っ越し先・新居の防犯についてまとめました。今回は引っ越し作業に関わる防犯についてです。
【引越し見積もり先で腕時計を窃盗】 【引越し後の荷ほどき中に強盗】
こんなニュースもありますので新居及び引越しの準備~完了後、生活が落ち着くまで、用心が必要でしょう。
■引越し業者さんは信頼できる?
実績のあるしっかりした業者さんか、社員教育や管理ができているかは判断すべきですが、信頼できるかの度合いは担当者次第になるのが実情でしょう。
特に搬出搬入は正社員だけでなくアルバイトを含めたチームの仕事になる為、自分でもしっかり立ち合って荷物の確認・管理をしましょう。
【見せない】
ニュースでは引越しの見積もり担当者でしたが、どんな業種の誰だろうと家の中に人を通す際には用心が必要です。
①ブランド品や貴金属・貴重品、腕時計、アンティーク品やクレクターが欲しがる収集品等を見える場所・分かりやすい場所に置かない。
②貴金属・腕時計・ブランド品、金回りが良いと判断できるそれらを身に着けない。
「有名なブランドじゃないから」「実は偽物だし」は関係ありません。価値がある、貴重な物や金目の物が入っていそう、お金を持っていそう、に見えるとターゲットに選ばれやすくなります。
訪問者が実はお金に困っているけれど見なければ、知らなければ誘惑されず、何事もなく済む場合もあります。仕事で訪問した人間は足がつきやすい為リスクを負わず、情報だけ流す(下見係と同じ)という場合も。
さらには「あそこの家、ポルトギーゼがあった!奥さんはデファイつけてたし。ウチの給与じゃなかなか買えないなぁ」等の悪意ない雑談が別の誰かの耳に入り…ということもあります。
③腕時計ケース・ジュエリーボックス、しまえる物は見えない場所へ。
飾り棚のような動かせない物は下手に覆う等する方が興味を惹いてしまいます。
④金庫のしまってある場所は普段は知られないようにする。
「手提げ金庫だからウッカリ出しっぱなし」「帳簿と小銭しか入ってないから」、処分に困って「使っていない金庫だから台にしている」としても、金庫というだけで下心のある相手に中身を期待させてしまいます。
しかし個人では運べない金庫の場合、引越し存在を隠すわけにはいきませんので →⑤
⑤引越しの場合、金庫の中身は見せない。
手提げ金庫なら自分で運べますが、耐火性能や防盗性能の金庫はサイズ以上の重量があり、見積もり業者には運べる重量の金庫かどうか、特別料金の有無等の確認が必要になります。
・事前に調べてみる。サイトで金庫についての記載があるか、あるいはメール等で問い合わせ。
・見積もり担当が金庫を確認することになった場合、金庫がある=厳重にしまう必要のある金目の物を持っている、と思われるのでいっそ中身を空にした状態で見せてしまう。
・金庫は金庫専門の業者に依頼する。例え専門業者だとしても実績の有無や評判の確認、安かろう悪かろうの可能性等も含めた業態の確認等、厳選する必要があります。
※引っ越し業者も運搬業者も金庫の中身(金目の物)、保証のリスクが高い物については運搬をお断りしている筈です。
・銀行の貸金庫利用等に移行して金庫を処分してしまう。
※金庫は適正処理困難物の為、粗大ごみとして処分できない自治体が多く、購入先や金庫引取り可能な不用品回収業者等に依頼します。
【ひとりにしない・目を離さない】
セールスマンや業者を室内へ入れた際は目を離さない、ひとりにしないようにします。
万が一、相手に下心があれば「〇〇(印鑑や書類)はありますか?」等、離席を促す場合もありえます。警官や銀行員を装った特殊詐欺がカードをすり替える際の手口と同様。
見せたくない・開けてほしくない場所、ひとりにしたくない場所に通したなら、想定される必要な物や情報はあらかじめ準備しておく。別の部屋にある場合は離席せず、今は分からない・後で探して連絡する旨を伝えましょう。
かなり古い私の経験では、引越しの見積もりで担当者が家中うろついてチェックというのはありませんでした。大きい・特殊な家具や家電くらいは確認が必要ですが、こちらでサイズや容量をあらかじめ把握して伝え、必要なダンボール数を相談、担当者はほぼテーブルに座って端末操作してすぐ金額を出してくれるイメージです。
【引越し最中はセキュリティオフ状態】
引越し業者さんの信用問題以前に、引越しの最中というのは家がセキュリティオフになると思って臨みましょう。
搬出時・搬入時ともに傷をつけないように養生マットで保護された玄関のドアは開け放たれた状態です。マンションならエントランスのオートロックも解除・養生マットで保護されて開け放たれています。
慌ただしくすべてに目が行き届かない中、あやしまれない格好をしていれば出入り自由です。
※参考【マンションの危険 ①人】
たった1~2分程、手荷物から目を離したら財布が無かった!なんて置き引きに遭う危険があります。
■引越しや持ち物について口外しない
大金を持っている、皆が羨ましがる物を持っていることをSNSや居酒屋で自慢したことで空き巣や強盗に遭った事件があります。
また引越しや旅行等も同じです。不在が分かりやすい、目が行き届かない状況は狙われやすくなります。
※参考【SNSと侵入盗】
新生活の始まりを仲間に知らせたり共有したくなるかもしれませんが、不特定多数に聞かれる場所で話さない、SNS等にも書かないことです。
学生や若い人、1ルームマンション住まいはあまり狙われないだろう、と思われるかもしれませんがそんなことはありません。
引越し時はまとまったお金を持っている確率が高い上、もともと1ルームマンション住まいは不在が分かりやすい、あまり防犯対策をしていない・近所付き合いがなく隣人も助けに来ないだろうというの推測、鉢合わせても1対1なら制圧しやすい等の理由から、狙われやすいと言えます。
名古屋市中区で引越しの荷ほどき中に女性が襲われた事件でも、引越しをすること・現金を持っていることを犯人グループに知られて狙われた可能性もあります。
本人が漏らさなくても職場や知人、不動産業者、引越し業者、引越し中に頼んだデリバリー業者、新居用の購入品を届けた宅配便、インフラ等の業者等、誰から見られてどこからか情報が流れる可能性がある為、自分で可能な限りリスクを減らすこと、自衛として防犯対策をしましょう。
【自分で管理】
荷物の搬出・搬入の際には、貴重品(通帳・キャッシュカード・印鑑、クレジットカード、株券、小切手、貴金属、その他高額な品)、身分証(免許証・パスポート・マイナンバー・保険証・年金手帳等)、自分で搬出搬入、引越し作業中は安全に保管・管理できるようにしておきましょう。
引越し業者は現金やお金に換わる物や貴重品・高級品等の搬出搬入はお断りする会社が多い筈です。
大切な物・貴重品は引越し最中にソレと分からないようにする、あるいは別日に移動する。
業者さんや通行人や他住人等の目に触れない工夫をして運び出し・運び入れをしましょう。誰かがいる場では目を離さない、取り出さないようにしましょう。
段ボールだらけで何がどこにあるか分かり難い、すぐに整理できない状態の家の中では紛失か盗難か判断が難しくなります。そういった隙を狙われないようにしましょう。
個人情報につながる物も自分で運ぶのが安心ですが、業者さんにお願いする際は自分は判別できるように、けれど他者にはそれとは分からない記載、箱が破れたり隙間ができても見えないように工夫して梱包しましょう。
業者さんの搬出搬入作業に必要な情報は、ワレモノかどうか、積載の許容範囲、搬入の部屋です。
中身は自分が荷ほどきの際に分かれば大丈夫です。
【現金の管理】
引越し中は玄関扉を開け放って業者さんが出入りします。引っ越し業者さんは勿論、ガスの業者さん、新居用に購入した家電家具の配送業者さん、デリバリー等+マンションの場合は他住人や他の部屋へ用のある業者さんもいて出入りが激しく、マンション自体(エントランス及び共有部)も開放状態で建物自体が無防備です。それらしい格好や堂々とした態度でさっと入れば怪しまれません。
しかも引っ越し時は何かと入用で、特に現金払が必要になるなこともあるでしょう。
現金を多めに持ち歩いてる時・家に置いている場合は、携わる業者さん含め、たとえ知人であっても知られないように細心の注意が必要です。
その上で、できるだけ引越し前・最中・後は必要な金額以上は持ち歩かなくて済むようにしましょう。
各業者さんへの支払いが現金だとしても、金額は先に分かっている場合が殆どです。必要額だけ封筒に分けて別にしておき、他の支払い分やメインとなる所持金やその在処は見せないようにします。
さりげなさも必要です。警戒心露わで明らかに大金を持ち歩いていると分かる挙動は逆に注意を惹いてしまいます。
バッグ等も置き引きに遭わないよう注意しましょう。現金を持たないようにしても、新居の鍵を盗まれたり合鍵を作られでもしたら意味がありません。
【自分で搬出搬入時の注意】
自分で可能な範囲の荷物とはいえ、搬入搬出のプロではありません。重い物や壊れやすい貴重品等を運ぶのは大変です。
手がふさがっているから、連続して運び出し・運び入れをするから、と施錠しないままにしてはいけません。引越しを狙う犯人は引越しの手間暇苦労、慌ただしさによる隙を狙っています。必ず運び出す毎、運び入れる毎に施錠しましょう。
用心して荷物の搬出搬入を済ませたものの、新居のセキュリティが弱くては意味がありません。慌ただしく慣れない環境下、玄関及び窓の施錠・確認をしっかりして、安心できる新生活を始めてください。
引越し ①新居の防犯
進学・就職・転勤等に伴い、引越しの多くなる時期が近づいていますね。
引越し先・新居の防犯について、お客様から質問・相談された内容も含めてまとめます。
■新居の防犯はどうすべき?
引越し前に新居のセキュリティを確認し、必要に応じて強化しておきましょう。
【物件・環境の確認】
①新築でカスタムオーダー可能なら、できるだけ防犯性能の高い錠前や窓も施錠可能(鍵付きクレセントや補助錠)にしましょう。
小窓や換気窓には防犯格子がオススメです。ルーバー窓(ジャロジー窓)は防犯上オススメしません。
※参照【換気窓は狙われる!】
②既に建築済新築の戸建てやマンション、賃貸や中古の場合、内覧時にできる限りセキュリティがしっかりしているか、玄関と窓の錠前はどうなっているか、確認しましょう。
錠前や鍵から調べることが可能です。
※鍵の刻印が錠前メーカーか合鍵メーカーか判断できないと思うので、不動産屋さんに訊ねるか、鍵の形状と錠前の刻印を自分で確認しましょう。撮影はNGです。
・錠前のメーカー・種類(刻みかディンプルか)が分かれば、各メーカーサイトでおおよそ性能や耐久度を調べることができます。 ※シリンダー錠 ←一部のみですがご参考に
・サムターン対策の有無、シリンダーの数、ドアスコープは埋込みかネジ式(回せば外れる)か、窓にはクレセント錠のみか。
・共有部(エントランス)のオートロックについて、入居者にルール説明があるマンション・アパートは管理がしっかりしています。
②ゴミ置き場を確認する。
ルールを守っていない、管理されていない集合住宅は侵入盗に狙われやすいと言えます。
一軒家の場合でも周辺環境の治安や住民の周囲への関心度の目安になります。
③周辺環境・治安を確認する。
不動産業者へ「治安は良いですか?」と質問すればあまり悪く答えられないと思いますので、治安状況を判断できる具体的な質問にしましょう。
その上で自分で確認します。時間帯や曜日によって見え方は違ってきます。
※参考記事
【我が家の周辺から防犯しませんか?其の壱】 【マンションの危険】
※地域情報を調べるのも効果的です。近所でベランダから侵入する空き巣事件が連続、バールこじ開け侵入盗事件があった等で依頼されたお客様もいらっしゃいます。
④中古や賃貸の物件であれば、不動産業者へ錠前の交換について確認しておくべきです。契約書の内容にも目を通し、錠前の交換及び費用について記載の有無や内容等、気になることがあれば確認を入れます。
※交換のタイミングや、敷金に含まれるか別途請求か等、業者や物件ごとに異なります。
⑤現状確認した上で、セキュリティを高めるか否かを決めましょう。
業者に相談、あるいはセキュリティ診断や見積もりを取るのもよいでしょう。
※賃貸やマンションの場合は管理規約で制限もありますが、賃貸用の製品も増えつつありますし、シリンダーを上位のシリンダーへ交換する場合、退去時の原状回復も受け付けている業者もあるので確認してみましょう。
■セキュリティ強化する場合
【業者は厳選しましょう】
引越し前にセキュリティ診断及び対策を業者に依頼するのもよいでしょう。その場合、業者の選定はしっかりしましょう。
いくら安くても個人情報をしっかり守って信頼できる業者でなければ、引越しの情報や新居のセキュリティ情報が侵入盗に流れてしまうおそれがあります。
例えば「鍵を無くして解錠と合鍵作成を依頼した」だけのつもりでも→鍵の種類や配列を知られ住所を知られた=その鍵屋さんは貴方の家へ入ろうと思えば入れてしまう!のです。もしくは財産と安全な暮らしを守る重要な情報を第三者へ渡すこともできてしまいます。
新居のセキュリティ対策ともなれば、せっかくお金をかけて対策するのに、そのセキュリティ情報を明け渡すのと同じです。何ならこっそり合鍵を作っておけば、鍵屋さんは家族同様に証拠を残さず侵入できてしまうのです。
プロとしての職業倫理とプライド、自社と鍵業界の信頼を守る為、そんなことをする鍵屋さんはいない筈!ですが、それだけ重要なモノをゆだねる相手は慎重に見極めてください。
Webで簡単に情報を得られ、依頼できる時代ですが、実態を確認できているでしょうか?
重要度・機密度によっては便利さより手間暇をかけて確認した方がよい場合があります。
様々な業態の業者がある為、依頼した会社とやってきた業者の名前が違ったり(子会社や下請け会社)、同じ会社だと思っていたら経営が違ったり、名前が似通っているだけの別会社だったりもします。
大手に登録・契約して看板が同じなだけでルールや教育が徹底されていない、サービス品質・技術は現場技術者任せでバラバラ、薄利多売で現場技術者が苦しい中でどうにかしている等、トラブルやミスが発生しやすい内情があったとしても、HPや広告からは判断しにくいでしょう。
安いに越したことはありません。しかし安さには理由がありますし、ニュースになったり消費者庁に苦情が寄せられる悪質な業者があるように、安値をうたって後から高額請求されるトラブルもあります。
私ならできるだけ「責任の所在から逃げることができない・たらい回しやごまかしのできない相手」を選びます。
会社と責任者の所在をこちらが掴んでいる=赴いて確認できる、責任者と直接やり取りできる、現場責任者または担当と名刺交換(氏名・所在・部署・連絡先把握ができる)等で身元・所在把握できる、ならば万が一の際に追及できます。トラブルが起きていざという時、メールのやり取りが途切れる、電話で捕まらない、では困ります。
お客さんの鍵を預かった際の扱い方や情報に関わる書類、メモ書きひとつの扱いでも、きちんと個人情報保護をしているか判断できます。
※過去記事
鍵と情報のリスク 【鍵屋さんの選び方①】
広告や値段の注意点 【鍵屋さんの選び方②】
鍵屋さんの業態やサイトを見るポイント【鍵屋さんの選び方③】
【窓と玄関を守りましょう】
一軒家か、何階建てか、マンションか、何階の部屋か、窓の種類や位置、ガレージや庭の状況等よってすべき対策や範囲の違いはありますが、防犯の基本としてまず窓と玄関を守ります。
鍵で守るのか、鍵+α(防犯カメラ、防犯センサー、防犯フィルム、防犯格子、ガードプレート等)で守るのか、敷地内にリスクになるポイントがあるか否か等、予算や事情・環境で異なります。
【被害に遭いやすい家 其の弐】 【窓こそ守ろう お手軽編】 【窓こそ守ろう ガッツリ編】
【被害に遭いやすい家 其の参】 【出口を守ろう】 【引戸・引違い戸を守ろう】 【ガラス製の扉】
引越し業者さんの搬入作業が済んだら、すぐセキュリティをオンにできるようあらかじめ準備しておきたいところです。
しかし引越し業者さんに防犯対策の情報が漏れては意味がありません。
窓の補助錠の位置や設置する姿はできるだけ見せない方がよいでしょう。補助錠の仕組みや位置が知られると、簡易錠なら誰でも開けられてしまいます。
補助錠がダイヤル式なら設置した後は必ず暗証番号が分からないようにランダムにしておきます。取り外した状態では暗証番号に揃っている為、見られてはいけません。
鍵タイプは撮影されたり、短時間だけ持ち出して合鍵を作られないようにしましょう。
玄関の鍵を防犯性能の高い錠前に交換、あるいは補助錠を追加する場合も鍵は見せない・手放さないようにしましょう。
鍵そのものを撮影されて複製、種類によっては刻印されたキーナンバーで複製可能な為、盗み見られないように注意しましょう。
※参考【キーナンバーから合鍵複製 侵入盗事件】
■入居時に渡された鍵って安心?
お客様によく質問されるのが「賃貸や中古マンション・中古戸建に引越した際、錠前は交換した方がいいか?」です。
当然ですが安心なのは、防犯性能の高い錠前に交換する、または防犯対策品の補助錠をつける、です。
※賃貸やマンションは管理規約で制限されている場合がある為、規約に引っかからない対応が必要。
「引越してすぐ2回も空き巣に入られた」というお客様から相談を受けたことがあります。警察に調べてもらいましたが窓や玄関に痕跡は無い為、2回とも玄関から鍵を使って侵入の可能性が高いとのことでした。
ドアから痕跡無しの侵入で考えられる手段は、ドアスコープが取り外せるタイプでサムターン対策をしていないドアならサムターン回し、解錠が容易な錠前であればピッキング、ピッキングの難しい鍵なら合鍵で侵入したと考えられます。
合鍵の場合、可能性として前の住人の合鍵や大家・管理会社保管の鍵から流出、もしくは家主の鍵から合鍵が作られたのかもしれません。
賃貸(マンション・戸建て)や中古(マンション・戸建て)の場合、錠前が交換していないと、もし前の住人が合鍵を作っていたら入ることができます。
前の住人が合鍵を家の前で無くしたり、住所の分かる物と一緒に落としたことがある、住所を知る誰かに盗まれる等していれば、更に第三者が入ることができます。
入居者が変わる際の錠前交換は大家または管理会社により違います。新品に交換する場合もあれば、別の空き部屋のシリンダーと交換し合うという賃貸不動産業界のコスト削減の裏技もある模様。
鍵や鍵穴の見た目(色合いや傷)があきらかに古い、使用感がなければ区別がつきにくいことも。
家主の鍵から合鍵を作って侵入する事件もよくあります。
例えば鍵を盗み見ることができた誰かが鍵全体または刻印されたキーナンバーを撮影して合鍵を作製。
バッグの中から短時間だけ盗んで合鍵を作り、また元に戻しておくことのできる状況や環境(図書館や病院等長居する場所でバッグを置きっぱなし、会社等でロッカーやデスクに長時間置いておく等)がある等。
※不審に思われず鍵(の入ったバッグ等)へ接近できる、住所も把握できることにより侵入可能となる為、犯人が知人である可能性も含まれ、侵入目的が窃盗だけでなく更に危険な場合も考えられます。
いずれにせよ交換した方が安心であり、一度でも侵入されたら安全の為に至急交換すべきでしょう。
シリンダー交換と同じ業者なら退去時にシリンダーの現状回復も受ける所もあるので、交換検討の際に確認しましょう。現状回復希望であれば元のシリンダーと一緒に交換依頼した際の請求書やレシートを保存しておきます。
※補足
窓によっては痕跡を残さず侵入することも可能です。但し高い技術と特別な道具が必要で時間がかかる為、空き巣の手段はこじ破りが多くなります。
どちらにせよ「玄関から侵入された!?」と思っても、窓の防犯対策は重要です。
次回は引っ越し作業における防犯についてです。
【NEWS】強盗が鍵を開けさせる方法
しっかり施錠してある家の鍵や扉を壊す…という手段を取らずに、中へ入って金目の物を奪う手段があります。
【朝にピンポン!ドアを開けたら強盗3人組】
朝7時半頃にインターホンが鳴り、75歳女性が玄関のドアを開けると3人組から刃物のような物を突きつけられた上に縛られ、現金3000万円の入った金庫2つを奪われるという強盗事件が起こりました。
朝早くにやってくるなんて警察か親しい人間、しかも切迫した用事?と思ってしまいそう。私だったら寝ぼけて頭が回らず、けれど明るくなった時間帯なので隙だらけでしょう。大抵はどのお宅も朝は出かける準備や家事諸々で忙しく、早く対応を済ませようとするかもしれません。
そんなふうに寝ぼけて&急いで容易に扉を開けてしまいがちな時間帯を狙われたのか。
もしくは入念な下見を重ね、被害者の日課に合わせたのかもしれません。例えば決まった曜日・時間帯に友人やデイサービスのお迎え、ヘルパーさんが訪ねてくる等、被害者がいつもの訪問者だと思い込んで無防備に開けることを見越したのか。
しかし「寝ぼけて相手を疑わなかった」「うっかり知人と思い込んで確認せず開けてしまった」犯罪者がこちらのコンディションや都合を配慮するわけがなく、むしろソコを狙ってくるのですから、どんな理由にせよ命取りです。押し入り強盗は本当に危険です。
今回の被害総額は金庫の3000万円。犯人側はたまたま狙い易い家だと思ってやって来たのか、現金の存在を知っていたから来たのか、で防犯の見直し部分が出てくるでしょう。
今回は持って逃げられる金庫でしたが、押し入り強盗は持ち運べない金庫なら凶器や暴力で脅して開けさせたでしょう。
今回のニュースのように、家主の不在時にこっそり侵入するのではなく敢えて家主のいる時間帯を狙ってやって来ます。
侵入の手口としては、
①相手の心理を利用してうっかり無防備に開けさせる。
※油断したり冷静さを欠く訪問理由・時間帯・何者かを装う等。
※トイレ貸してと言って相手の良心に付け込み、強盗に及んだ事件もあり。
②インターフォン越しだけの対応では済まさない何かしらの口実で扉を開けての直接対応を求め、家主自らにセキュリティを無効化させる。この場合、何者かを装って訪問する。
※過去記事【空き巣・強盗と特殊詐欺が合体
③無締りの時間帯を調べて侵入する。
無施錠にしてしまう時間帯の例…ゴミ出し、ポストから新聞・郵便物を受け取る、ヘルパーさんの訪問、通勤通学。
※足腰が弱っている為ヘルパーさんの訪問前に少しの時間だから、と『無締りのまま出勤して親を任せる』『玄関前を通る際に解錠してヘルパーさん来訪を待つご本人』が意外といらっしゃいます。
その家がいつ無締りかヘルパーさんしか知らないと思っているでしょうが、意外と知られています。ヘルパーさんが雑談で誰かに言う、あるいはお迎えが交代すればスタッフ間で情報共有されて知る人が増えればリスクも増えます。
※通学・通勤で各々が家を出る時間が数分~数十分差だから…と鍵をかけずに出かける。
朝はルーティンで動く人間が多い時間帯です。毎朝通る近所の人間は私のように「鍵を開けたままにしている」「鍵を締めずに出かけた」家主の行為を目撃して気づく場合があります。通行人が気づくということは、侵入盗は必ず下見をするのでバレます。
④訪問を装わず、音やトラブルで家主を外へおびき出す。
敷地内・家のすぐ外で異音を立てたり、ガスや水道の元栓を締めて確認に出てきたところを襲う手口もあります。
※過去記事【装った手口の次は装わない】
空き巣・居空き・忍込みと呼ばれる侵入盗と押し入り強盗の違いは、被害金額が同じだとしても強盗の方が何倍も危険でありトラウマも強く残ることです。
空き巣・居空き・忍込みと遭遇した際には危険ですが、犯人の心理的にはできるだけバレずに盗んで逃走したい犯人の手口です。その為、逃げる為に暴力を行使します。
押し入り強盗は最初から凶器等で脅し、声も聞かれ風体もさらすリスクを冒して犯行に及ぶ手口です。自身の安全と逃走時間を稼ぐ為に被害者を縛り、金庫や口座の暗証番号を聞き出すのに脅迫や暴力を加えてくるおそれがあります。
殴られなくても縛られて口を塞がれた状態で放置され、外部に助けを求められず脱水症状、季節によっては熱中症や肺炎、持病のある方は薬が飲めずに危険な状態に陥ることもありえます。
また、強盗にまで及ばないものの2人組でやって来てひとりが家主と対応している間にもうひとりが庭や裏口から侵入して盗む、気づかれたら挟み撃ちにして強盗に豹変!という手口もあります。
インターフォン越しで対応で対応し、身元や訪問理由の確認が取れるまで敷地に入れない・ドアを開けないようにしましょう。
実際に警察官や役所の役員、銀行員、クレジットカード会社社員、インフラ系の点検員等に変装・偽バッジや手帳、名刺等を作成して出没しています。相手の差出した情報ではなく自分で調べた連絡先に確認が必要です。
※参考【特殊詐欺対策③変装は見破れる?】 【特殊詐欺対策③続・変装は見破れる?】
【NEWS】換気窓は狙われる!
換気窓は小型だったり開く幅が狭いから大丈夫!と思っていませんか?侵入盗にとって換気窓は狙いやすい窓です。
【換気窓30cmの隙間から侵入】
事件のあった店舗の換気窓用は外開き窓(滑り出し窓)で幅30cm。防犯カメラが設置されており、侵入盗の生々しい手口を知れ渡らせることができる映像有りのニュースです。
しかも!!今回は30cmですが『18cmの隙間があれば侵入されると思え』が、私が鍵屋になる際に学んだ防犯知識です。割り箸の長さがだいたい19~20mですので、どんな小型の換気窓でも侵入される想定で対策が必要ということ。
今回の事件、店舗側が締め忘れた?のか普段から開けたままなのか、どちらにせよこのご時世、特にコロナ対策を求められる店舗や事務所は換気の為に年中どこかしら窓を開けていることでしょう。侵入盗にとっては格好の獲物です。
換気窓といえばルーバー窓(ジャロジー窓)が水回りや空気のこもりやすい場所に用いられることがあります。
換気に便利で外観を損なわずに外からの視線を遮ることのできる窓ですが、防犯性能が非常に低い上に防犯対策し難い窓の為、要注意です。
仕事で夜遅くに帰宅してお風呂に入った後、換気の為に開けたまま就寝してしまう…あると思います。が!侵入盗に狙われる危険があります。
そもそも窓全般、誰でも開けられる簡易錠しかついていない場合が多く、防犯性能は無きに等しいのです。
映像で車から出てきた犯人は黒い棒状の物を手にしており、もし窓を閉めていたとしても容易に短時間で開けられてしまったでしょう。詳しくはコチラ…
【窃盗に遭いやすい家 其の弐】 ※簡易錠1ロックだけでは無締りとほぼ同じ
暗証番号を知っているか鍵を持っている人だけが開けられる錠でなければ、防犯性能はありません。なのに窓には誰でも手を伸ばせば開けられる簡易錠しか付いていない家が殆ど。
しかもはめ込まれているのは割ることが可能なガラスのみ!
窓は建物の中で最も守りの脆弱な部分です。
「ガラスを割ったら音で周囲に気づかれそうだし、侵入盗は割るのを避けたがるのでは?」と思うかもしれませんが、こじ破りという方法ならその辺の道具であまり音を立てず指や手が通る数cm分だけの穴を開けることができてしまいます。
写真のようにクレセント錠のレバー付近に指が通る2cm程度の穴で窓は開けられてしまいます。
クレセント錠の色が違う部分は簡易ロックで、上にスライドさせておけばレバーをロックできますが、これも後数cm穴を広げれば開けられてしまいます。
手慣れた侵入盗ならこじ破りは2~5秒で事足りますし、ベランダならしゃがめば外から見えませんので焦って侵入する必要もありません。
さらには前述したルーバー窓(ジャロジー窓)の場合、こじ破る必要さえありません。
ルーバー窓のメリットとしてガラスやアクリルの複数枚でできており、好きな角度に変えられ、交換も可能。
しかし外からでも角度を変えられるので覗いたり指等も入れやすく、ガラスやアクリルの板は取り外しが容易で侵入を許してしまいます。
この仕様の為、お手軽に対策できる補助錠や、窓強化になる防犯ガラスや防犯フィルムによる対策は不可能です。
大半の侵入盗にとって、とにかく!!窓!!な理由をお分かり頂けたでしょうか?過去のNEWS記事の通り、最上階ベランダ窓だろうが、1階の幅狭な換気窓だろうが、対策されていない窓へ近づくことさえできれば侵入はほぼ成功!だからこそ、窓の防犯を推奨しております。
【窓こそ守ろう!お手軽編】 ※比較的安価且つ工事無し!外開き窓用も有り
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】 ※要工事で防衛力強し!
※王道の対策はできないルーバー窓ですが、「まもルーバー」や「インナーフェンス」といった防犯内格子なら外観を損なうことなく対策できるのでオススメです。
ちなみにガラスが貫通に耐えられる時間は、普通のガラスで2秒、写真のような網入りガラスは5秒(防災時の飛散を防ぐ為の網なので侵入盗からすればガラス飛散による音がしにくく破片が飛び散りにくいので好物です)、強化ガラスは30秒、防犯フィルムや防犯ガラスはグレードによりますが3分以上と言われています。
侵入盗は時間がかかるほど諦める率が上がるので、「窓に対策してある!」と気づかせること、途中で諦めさせることが重要になります。
冬に忍び込むのはサンタさんだけではありません。年末年始は泥棒にとって書き入れ時。長期不在前に防犯対策しておきたい!という方は是非窓回りもご確認ください。
内開き窓、外開き窓、ルーバー窓、賃貸(ビス穴を開けられない窓)、防犯センサー、窓そのものの防御力強化等々、対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、受け付けております。
【お問い合わせ方法・各種】
マンションの危険 ②建物
エントランスで各戸順番にインターフォンを鳴らしていく人を見かけたことはありませんか?
セールスの方かもしれませんし、セールスを装った侵入盗が不在宅を確認しているのかもしれません。
※参考【泥棒の真の姿とは】
応答して断った→何事も起こらなかった。またはカメラで確認してセールスっぽいから居留守を使った。
いずれにせよ、こんなことがあった時は暫く注意を払った方がいいかもしれません。誰かがセールスマンを通してしまい、玄関へ直接訪問されるかもしれませんし、不在宅を把握した侵入盗がマンション内をうろついているかもしれません。
そして居留守を使ったお宅は…玄関だけでなくベランダ側にも気を配った方がよいでしょう。
マンションを狙う侵入盗を侵入手口で分けると、『共有出入口の隙を突く侵入盗』『1~2階狙いの侵入盗』『対策済みの1~2階を避けて3階辺りから狙う侵入盗』『屋上へ上がれる経路を探す侵入盗』になります。
侵入した場所がベランダや窓のある部分なら『窓の無締りまたはこじ破り』で屋内へ侵入。玄関側なら『無締りを物色して回る』あるいは『侵入しやすい家を物色して回る』でしょう。
ということで、今回はマンションの建物としての侵入されやすさについてです。
■死角や足がかりが多い
一軒家よりマンションの方が敷地が広く、必要とする施設や形状によって死角や足がかりになる物が多く、ベランダや共有部への侵入経路となりえます。
※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…
敷地が広く死角や侵入経路になりそうな場所が多い分だけ防犯対策に費用が嵩みます。
さらには隣接する建物が足掛かりや渡りを可能にする場合もありえます。
※隣りの建物が侵入を可能にした例【NEWS:最上階は狙われる】
そうなると周辺環境を加味した対策を講じねばなりません。しかも一軒屋であれば家族だけで防犯対策の導入を決められますが、マンションでは組合で定められた住人の同意が必要になります。決して一家族の意思では決められません。
■防犯対策の差
一軒家は外から見て防犯対策の度合いをマンションよりも判断しやすいので、狙われやすいのは防犯対策の弱い家かリスクを冒すだけのアテ(金目の物)がある家になります。
マンションの場合、敷地面積が広く共有部と専有部に分かれている為、個人で防犯対策を施すには限界や制限があります。
共有部に既設の防犯対策(監視カメラ)は位置の予測がつきますし、複数戸あるからこそ中には防犯意識の低い家やうっかり無締りな家がある率が高くなる、と侵入盗は睨んで物色に入ります。
※前回参照【マンションの危険 ①人】
「でもマンション中を一軒一軒チェックする方が面倒だし目撃されるリスクが高くなるのでは?」
確かに長居するとリスクは上がります。
管理組合から『〇月〇日ドアノブを回す不審者あり。注意してください』といった注意が回覧や掲示されたことがあるかもしれません。
これは無締り宅を探す際、ドアノブを静かに回しますが下手な侵入盗は音を立ててしまう、運悪く家主が玄関付近にいて気づかれてしまう、共有部で他の住人や訪問者に目撃されたからでしょう。
しかし目撃されやすい一軒家周辺で不審者にならないよう下見に時間をかけるより、一旦建物内へ入ることさえできればマンション内の共有部は特に上の階ほど外からひとめにつき難い為、無締りの家や侵入しやすい家を探す作業を慌てる必要がありません。
全てハズレ(施錠されていた)だったとしても、犯罪は犯していないので堂々と帰ればいいのです。
そして侵入盗の心理として上階部に逃げ道を確保できない限り、「外からの見られ難さ」「不審がられた時の逃げやすさ」からすれば、上階まで一般人を装って一気に昇り、下へ向かって(逃げ道へ近づきながら)物色をしていった方がいざという時に逃げられる確率は高くなります。
■被害が一軒で留まらない可能性
重い荷物を運ぶ宅配業者さんにAさんが親切心でエントランスを開けて一緒に通してあげたら、侵入盗だった!
無締りだったBさん宅だけで済む場合もありますが、簡単にピッキングできる錠前だった為に不在宅が複数件被害に遭った。
あるいは年末年始・お盆・連休、1ルームタイプ(仕事や学校で不在時間が長く分かりやすい)等、不在宅の多いフロアが破錠された等、被害が複数件に及ぶおそれがマンションにはあります。
他にも隣りからから隣りへ移動する手段がマンションにはあります。
災害時、住人の避難手段であるコレです。
無締りにせよピッキングや破錠にせよ、まずはどこか1軒侵入できれば物色後にベランダから不在のお隣りへ移動できます。お隣りとの仕切りは避難用に破りやすくなっているからです。
マンションの防音性は年々高い構造になっていて気づかれ難く、窓ガラスに穴を開ける音以上に何の音か分からない、しかも音のみの情報では、もし近隣が在宅で異音に気づいたとしても誤解だった場合に迷惑をかける為、通報しにくいものです。
こうして他の住人や訪問者と鉢合わせの危険がないベランダ伝いに、お隣りにまで侵入できてしまうのがマンションの怖いところ。
■空室が拠点になる危険
確実に人がいない空室は建物内への侵入拠点や隠れ場所になる可能性があります。空室のベランダまたは玄関から侵入し、お隣りを狙うという方法です。
空室はベランダ側から見て分かりやすく、エントランスや玄関前でもポストが封印されている、またはチラシが溜まっている、賃貸だと入居者募集の看板が敷地内にありますし物件サイトで調べることができます。
無断侵入対策として臨時で補助錠を設置する管理会社もあります。
※南京錠タイプは自宅用には向かない
工事不要の補助錠ですが南京錠タイプをご自宅用に使うのは危険です。南京錠がぶら下がっている時は不在だと泥棒に教えるようなものだからです。補助錠を付ける際は鍵穴タイプを選んでください。
■施錠しても入られる危険
ドアまたは窓の無締りが最も侵入されやすいのですが、施錠していても侵入される場合があります。
【玄関側にある窓】
玄関側の廊下に面した窓がある場合、大抵は面格子が既設されていますが、面格子のタイプや材質、ネジが防犯用特殊ネジを使用していない場合、簡単に外せてしまうことも。その作業は業者のフリができます。その為、窓からの侵入が外からはほぼ見えない階は要注意です。
面格子さえ外せれば窓に補助錠が付いていない限り、侵入は容易で物音も最小限で済むので、玄関の錠前を壊すより窓から侵入される可能性があります。
※面格子の防犯性能については【被害に遭いやすい家 其の弐】をご参照ください。
【ドアスコープ・ポストと錠前】
ポスト付きドアだと不在確認に覗かれることがありますが、侵入する手口としてもポスト付きドアは狙われます。
ドアスコープ(簡単に外せる、または壊せる)やポストから器具を入れて解錠するサムターン回しという手口です。
前述したピッキングしやすい錠前もありますし、ピッキングできない錠前であっても破錠という手段や強引にバール等でこじ開ける手段もあります。
※ドアについては【被害に遭いやすい家 其の参】をご参照ください。
■防犯対策強化の難易度
①ルールの徹底は人数が多いほど難しく、うっかり率も高くなる。
②敷地の広さ、形状や周辺設備・環境によって死角や足場の多さによっては対策すべき箇所が多く、経費がかかる。
③ルールを決める際は勿論、防犯対策の追加導入には経費含め、管理組合で話し合って総意を得なければならない。
対策の難易度ばかり挙げましたが、マンションだってセキュリティを高めることは可能です。
個人で可能な防犯として最も有効な窓の補助錠は格安で賃貸にも可能な穴空け工事無しの製品から、防犯レベルの高い物まであります。
※【窓こそ守ろう!お手軽編】
※【窓こそ守ろう!ガッツリ編】
ドアにポストやドアスコープが付いている場合はポストを塞ぐか、サムターン対策品等で対応しましょう。最近のマンションは既設品がサムターン対策錠前の場合もあります。
※【出入口を守ろう】
共有部に関しては話し合いが必要ですが、エントランスと裏口以外の想定される死角や侵入経路に監視カメラやセンサーを設置したり、柵や足場になる出っ張りに忍び返しや有刺鉄線を張る等の対策を導入しているマンションもあります。
一戸建てには一戸建ての、マンションにはマンションのリスク・脆弱性があり、特徴に合わせた対策・日頃の予防が重要です。
ルールの徹底は勿論、挨拶し合う、通達や掲示には目を通す。住人の顔を覚えておく為にも管理組合の総会には出て情報交換を行っておく。敷地内が綺麗に清掃・管理されているか・不具合故障は無いか目を配り、問題点・不審な出来事があれば管理会社・組合へ報告する等。しっかり管理されていることが傍から伝わることは、抑止力になります。
逆に住人同士が無関心で他人任せ、ゴミ出しや分別・エントランスの出入り等の管理が緩い、管理会社の動きが遅い、掃除が行き届いていない、故障個所がある、植木の手入れがされていない、全体的に汚れていたり荒れた印象等のマンションはターゲットに選ばれやすくなります。
マンションの大規模修繕工事で外装まで綺麗にするのは侵入盗予防でもあります。
年末年始も近づいておりますので、一軒家の方もマンションの方も是非ご用心を。
年末年始の長期不在前に防犯対策しておきたい!という方はお早目に。
対策品(電池錠やキーレス等)によっては扱い慣れないまま休暇に入ってからのトラブル発生は危険です。
防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、お気軽にどうぞ。
マンションの危険 ①人
マンションに住んでいると「複数戸ある中でウチが狙われる率は低い」「狙われるのは1~2階でしょ。ウチは上階だから順番的に最後の方」という気がするかもしれませんが、そうとは限りません。
逆に「何で数十戸の中でウチが狙われたの?」とならない為に、マンションの防犯上のデメリットを知っておきましょう。
※前回・前々回UPしたニュースに合わせてマンションと記載していますが、分譲だけでなく賃貸含めた集合住宅全般に共通するリスクです。
■防犯意識の差
一軒家やマンション1階だと敷地内で通行人と目が合ったり、外から室内が見えてしまうことも。
不特定多数の行き交う道がすぐ先に広がっている一軒家やマンション1階では、自然と防犯意識が芽生えます。
2階の室内は見え難いものの住人の様子を伺い知ることができますし、窓辺や戸口から通行人と目が合うこともあるでしょう。
しかし3階以上は家の中が伺い知れませんし、ベランダからでもあまり通行人と目は合いません。
上の階になるほど通行人の視線や気配から遠ざかるので、外の世界から隔てられた安心感という隙が生じやすくなります。
「忍者じゃなきゃ上がってこれないでしょ」とベランダの窓を開けたまま、あるいは鍵をかけずに就寝したりしていませんか?
※【NEWS:最上階は狙われる】
窓に補助錠を付けた方がいい度合いは1階2階、最上階が上位ですが、3階以上でも周辺環境や侵入盗の得意分野によっては入られる可能性があります。
施錠を忘れがちになっていませんか?
「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」などなど。
侵入されたニュースの手口を調べると多くは無締りです。
※【NEWS:マンション無締りは狙われる】
※【NEWS:高齢な窃盗犯と被害者】
2階~3階くらいまでは共有部の廊下をウロウロしたりドアの前で怪しい行動を取る姿が通行人に見えるかもしれませんが上階になるほど見えません。落下防止の壁や柵がドアノブより高い位置まであるからです。人の姿が見えたとしても地上からでは何をしているか分かり難いでしょう。
そもそも目を凝らしてずっと上を見ている通行人はいないので、上方の出来事は気づかれ難いのです。もし気づいても何が起こっているのか分からなければ助けてはくれません。
※以前の記事【子供とインロック】で大人がベランダに締め出されてしまう事例を紹介しましたが、マンションのベランダから叫んでもなかなか通行人に気づいてもらえないくらい、高さは視覚聴覚に影響します。
■共有部扉のリスク
共有部扉(エントランスや裏口)のオートロックを施錠にカウントしていませんか?
1階共有部のオートロックで出入りを制限できていると思い込み、マンション住人に隙が生じやすくなります。
しかし共有部のオートロックに防犯能力を求めるには難しい問題があります。
【複数の他人で施錠を運用】
一軒家の施錠は家族でルールを決めて運用できます。合鍵を持つ別世帯となった親族がいても忌憚なくルールの徹底を迅速且つ強く要求できる関係でしょう。
マンションは戸数の分だけ住人が多く、一軒家とは桁が1つも2つも多い人数が出入りすることになります。お互い必ず顔を覚えているわけではないので、挨拶しながら堂々と一緒にエントランスを通ろうとする他人を住人だと思ったら侵入盗だったということがあります。
その為、防犯ルールの定まったマンションでは『各自で鍵で開錠して自分だけが通る。訪問者には各戸ごと必ずエントランスのインターフォンで応答・確認してから開錠し、訪問者を直接玄関へ訪問させない。』等のルールが設けられています。
しかし人数が多いほどルールの徹底や意思の疎通は難しくなります。分譲マンションでも住人の入れ替えは結構発生する為、新しい住人へルールの周知徹底ができていなかったり、新しい人は他の住人の顔を知らない分、遠慮や気遣いから堂々と一緒に入ってくる偽物の住人を通してしまったりするおそれがあります。
さらには相手が悪質だと、子供を言いくるめて一緒に入ってくる等の手段を取ります。親から「鍵を開けたら入るのは自分だけ」と教えられていても、ひとりの時に大人に強請られたり、強引について入ってこられたら、怖くて子供では防ぎきれないでしょう。
他にも多い手口として宅配業者や管理会社(掃除等)、点検員等を装って開錠した人の後について一緒に入る手口もあります。
※住人を装って「カギを無くしたから開けてほしい」と他の住人にインターフォンで頼むという手口がニュースになりましたので追記します。
【NEWS:カギを無くしたという嘘】
【ルールを知らない住人以外も出入りする】
一軒屋の敷地内に入って許されるのは住人と住人が許可した訪問者だけなので、直接管理が可能です。
しかしマンションは他の住人が許可した訪問者が自分の知らない内に共有部を出入りします。
【住人以外が侵入盗を通してしまう】
本物の業者さんにまぎれてニセモノの業者その正体は侵入盗!が入ってきてしまう、実はコレがマンションの防ぎきれない危険です。
業者っぽい格好であれば疑われません。侵入用の道具持参でも作業用の道具だと思ってしまいます。
本物の業者さんは仕事中ですので防犯意識を高く持って警戒するより、急いで入れ違う相手をあまり気にしないかもしれません。普通の格好であっても堂々と入ってくる人は住人だと思い込み、遠慮してお先にどうぞといった感じで通してしまうおそれがあります。
【とにかく出入りが多い】
マンションは戸数の数だけ建物内への出入りが多くなります。居住者による普段の生活に必要な出入りだけではありません。
マンション全体の設備点検や大掃除、排水管洗浄等であれば事前に通知されますが、建物内の個別の対応は誰も把握しきれません。
宅配便や配食サービス、ヘルパー、点検や修理・取付等の作業員が頻繁に出入りする上、複数人で行うリフォームや引っ越し、家具家電入替えや不用品廃棄・ハウスクリーニング等、マンションの出入りは非常に多くなります。
出入りが多いほど隙は生じやすく、まぎれこみやすくなりますので、同フロアは勿論、他フロアでも何か作業が入っている際は特に用心が必要です。
【開けっ放し作業がある】
業者が大きな荷物や機材の運搬、保守点検や修理・清掃等の作業中はエントランスや裏口のオートロック扉を開けたままにする必要があります。その間は誰でも出入りできてしまいます。
引っ越しやリフォーム、マンション全体の設備点検や大掃除・排水管洗浄等の大がかりな作業が行われる時は要注意です。
※狙われる可能性があるのは共有部へ入りこめたマンションだけではありません。
玄関側共有部の上の階から向かいのマンションのベランダ側の様子を下見することもできますので、日頃視線を気にしないで済む階の方でも、泥棒心をくすぐらないよう用心に越したことはありません。
【直接玄関へ訪問】
マンション住まいのAさんは「ある時、エントランスのインターフォンではなく、直接玄関のインターフォンが鳴ってびっくりした。」そうです。
確認したら宅配業者さんでしたが、直接訪問されるのは初めてで本物かどうか疑いつつドアを開けました。
確かに本物の業者さんでしたがどうやって直接来たのか尋ねると、2軒分の荷物を持ってエントランスで1軒目へ連絡して開けてもらって中へ入り、最初の家へ届けてからAさん宅を訪ねたとのことでした。
これまでマンション内ルールが比較的守らてきたことから、エントランスがセキュリティのひとつになるという安心感に慣れていたAさんは突然直接訪問されるのは心臓に悪かったし、特に自分ひとりしかいない時間帯だったことから訪問者と自分を隔てるのが扉一枚しかない無い恐怖を味わったそうです。
この宅配業者さんに悪意はありませんし、マンション内のルールを知らないのは当然です。
一戸が招き入れた訪問者が他戸へ迷惑をかけない為のマンション内ルールも、いくら住人全員が頑張ってルールに則りエントランスのセキュリティを守ろうとしても、部外者にまで周知徹底はできない、一旦入った後の行動を誰も管理できないことを思い知る出来事でした。
これがマンションのつらいところです。
※宅配業者さんによっては、複数軒の荷物がある場合はエントランスで該当の戸すべてにインターフォンで順次お届けする旨を伝えてから開けてもらうよう指導されている業者さんも多いそうです。
※過去記事【周辺環境から防犯しませんか・集合住宅編】
※参考になる記事もご紹介
【カギを掛けずに入浴・就寝も わいせつ・窃盗被害が多発】
エントランスがオートロックの集合住宅でさえ侵入されるリスクがあるということは、オートロックのないタイプの集合住宅はさらに出入り自由、リスク増となります。
【NEWS】最上階は狙われる
「マンションだって狙われるよ。上の階だからって油断はダメ、むしろ危険」と注意喚起して参りましたが、物凄く事例になるニュースがありました。
【14階マンション最上階に侵入】
マンションは階数が上がるほど高額になるから上の階の住人ほどお金を持っていそう…というイメージに加え、最上階は侵入しやすい可能性がある為、実は狙われる率が上がります。
記事の動画には高層マンションばかり狙って4回逮捕されている侵入盗の手口が分かりやすく紹介されています。マンション住まいの方、マンション入居を検討している方は是非ご覧ください。
高所作業の経験と体を鍛えていた為、命綱無しの侵入が可能だったそうです。高所に長けた侵入盗は他にもいるでしょうし、命綱や縄梯子・道具等用いる手間暇をかければ、あるいは階層低めのマンションを狙えば、可能な窃盗犯はもっといます。
そもそもマンションは死角と足掛かりが多く、探せばどこかしら侵入経路が見つかってしまいます。
今回の事件のようにエントランスや裏口以外から侵入する場合、侵入盗は死角や足がかりになる物をチェックし、侵入できる経路を探します。
2階の通路や非常階段といった共有部にはセキュリティ対策の柵が大抵ありますが、3階以上は柵がない場合が殆どです。足がかりがあってよじ登れる、または隣りの建物との距離が近くてよじ登りや渡りが可能、商業施設が入っており侵入し易く非常階段から渡れる…侵入盗がそう思ったら危険です。
更には屋上から最上階のベランダへ降りやすいデザイン、足掛かり・命綱等を固定できる物がある等。
侵入を可能とするのは狙われたマンションだけでなく、その周辺環境にもあります。
※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…
共有部までよじ登る想定の足がかりだけでもたくさんありますから、2階ベランダへの侵入なんて容易なわけです。2階建アパート、一軒家の方も充分お気をつけください。
過去記事【真夜中の脚立男】も参考にどうぞ
大半の侵入盗にとっては、とにかく!!窓!!です。最上階ベランダだろうが1階の狭い換気窓だろうが、2階テラスだろうが、対策されていない窓へ近づくことさえできればほぼ成功。そのワケは…
【窃盗に遭いやすい家 其の弐】 ※クレセント錠1ロックでは無締りとほぼ同じ
だからこそ、窓の防犯を推奨しております。
【窓こそ守ろう!お手軽編】 ※比較的安価且つ工事無しでもOK
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】 ※要工事で防衛力強し!
防犯コラムで一番多くLINKを貼っているのがこの窓シリーズの過去記事というくらい、窓の防御は侵入者から我が家と我が身を守る防犯の要なのです。