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防犯コラムColumn

「侵入盗」のアーカイブ

マンションの危険 ①人

マンションに住んでいると「複数戸ある中でウチが狙われる率は低い」「狙われるのは1~2階でしょ。ウチは上階だから順番的に最後の方」という気がするかもしれませんが、そうとは限りません。

逆に「何で数十戸の中でウチが狙われたの?」とならない為に、マンションの防犯上のデメリットを知っておきましょう。


■防犯意識の差

一軒家やマンション1階だと敷地内で通行人と目が合ったり、外から室内が見えてしまうことも。
不特定多数の行き交う道がすぐ先に広がっている一軒家やマンション1階では、自然と防犯意識が芽生えます。

2階の室内は見え難いものの住人の様子を伺い知ることができますし、窓辺や戸口から通行人と目が合うこともあるでしょう。

しかし3階以上は家の中が伺い知れませんし、ベランダからでもあまり通行人と目は合いません。
上の階になるほど通行人の視線や気配から遠ざかるので、外の世界から隔てられた安心感という隙が生じやすくなります。

上の階だと住人も侵入者も
ひとめが気にならない

「忍者じゃなきゃ上がってこれないでしょ」とベランダの窓を開けたまま、あるいは鍵をかけずに就寝したりしていませんか?
 ※【NEWS:最上階は狙われる】
窓に補助錠を付けた方がいい度合いは1階2階、最上階が上位ですが、3階以上でも周辺環境や侵入盗の得意分野によっては入られる可能性があります。

施錠を忘れがちになっていませんか?
「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」などなど。
侵入されたニュースの手口を調べると多くは無締りです。
 ※【NEWS:マンション無締りは狙われる】
 ※【NEWS:高齢な窃盗犯と被害者】

2階~3階くらいまでは共有部の廊下をウロウロしたりドアの前で怪しい行動を取る姿が通行人に見えるかもしれませんが上階になるほど見えません。落下防止の壁や柵がドアノブより高い位置まであるからです。人の姿が見えたとしても地上からでは何をしているか分かり難いでしょう。

壁の高さはドアノブより上
小柄な人の脇付近

そもそも目を凝らしてずっと上を見ている通行人はいないので、上方の出来事は気づかれ難いのです。もし気づいても何が起こっているのか分からなければ助けてはくれません。

※以前の記事【子供とインロック】で大人がベランダに締め出されてしまう事例を紹介しましたが、マンションのベランダから叫んでもなかなか通行人に気づいてもらえないくらい、高さは視覚聴覚に影響します。



■共有部扉のリスク

共有部扉(エントランスや裏口)のオートロックを施錠にカウントしていませんか?

1階共有部のオートロックで出入りを制限できていると思い込み、マンション住人に隙が生じやすくなります。
しかし共有部のオートロックに防犯能力を求めるには難しい問題があります。


【複数の他人で施錠を運用】
一軒家の施錠は家族でルールを決めて運用できます。合鍵を持つ別世帯となった親族がいても忌憚なくルールの徹底を迅速且つ強く要求できる関係でしょう。

マンションは戸数の分だけ住人が多く、一軒家とは桁が1つも2つも多い人数が出入りすることになります。お互い必ず顔を覚えているわけではないので、挨拶しながら堂々と一緒にエントランスを通ろうとする他人を住人だと思ったら侵入盗だったということがあります。

その為、防犯ルールの定まったマンションでは『各自で鍵で開錠して自分だけが通る。訪問者には各戸ごと必ずエントランスのインターフォンで応答・確認してから開錠し、訪問者を直接玄関へ訪問させない。』等のルールが設けられています。
しかし人数が多いほどルールの徹底や意思の疎通は難しくなります。分譲マンションでも住人の入れ替えは結構発生する為、新しい住人へルールの周知徹底ができていなかったり、新しい人は他の住人の顔を知らない分、遠慮や気遣いから堂々と一緒に入ってくる偽物の住人を通してしまったりするおそれがあります。
さらには相手が悪質だと、子供を言いくるめて一緒に入ってくる等の手段を取ります。親から「鍵を開けたら入るのは自分だけ」と教えられていても、ひとりの時に大人に強請られたり、強引について入ってこられたら、怖くて子供では防ぎきれないでしょう。
他にも多い手口として宅配業者や管理会社(掃除等)、点検員等を装って開錠した人の後について一緒に入る手口もあります。


【ルールを知らない住人以外も出入りする】
一軒屋の敷地内に入って許されるのは住人と住人が許可した訪問者だけなので、直接管理が可能です。
しかしマンションは他の住人が許可した訪問者が自分の知らない内に共有部を出入りします。


【住人以外が侵入盗を通してしまう】
本物の業者さんにまぎれてニセモノの業者その正体は侵入盗!が入ってきてしまう、実はコレがマンションの防ぎきれない危険です。

服装や持ち物がそれっぽいと
不審に思いませんよね

業者っぽい格好であれば疑われません。侵入用の道具持参でも作業用の道具だと思ってしまいます。
本物の業者さんは仕事中ですので防犯意識を高く持って警戒するより、急いで入れ違う相手をあまり気にしないかもしれません。普通の格好であっても堂々と入ってくる人は住人だと思い込み、遠慮してお先にどうぞといった感じで通してしまうおそれがあります。


【とにかく出入りが多い】
マンションは戸数の数だけ建物内への出入りが多くなります。居住者による普段の生活に必要な出入りだけではありません。
マンション全体の設備点検や大掃除、排水管洗浄等であれば事前に通知されますが、建物内の個別の対応は誰も把握しきれません。
宅配便や配食サービス、ヘルパー、点検や修理・取付等の作業員が頻繁に出入りする上、複数人で行うリフォームや引っ越し、家具家電入替えや不用品廃棄・ハウスクリーニング等、マンションの出入りは非常に多くなります。
出入りが多いほど隙は生じやすく、まぎれこみやすくなりますので、同フロアは勿論、他フロアでも何か作業が入っている際は特に用心が必要です。


【開けっ放し作業がある】
業者が大きな荷物や機材の運搬、保守点検や修理・清掃等の作業中はエントランスや裏口のオートロック扉を開けたままにする必要があります。その間は誰でも出入りできてしまいます。
引っ越しやリフォーム、マンション全体の設備点検や大掃除・排水管洗浄等の大がかりな作業が行われる時は要注意です。

※狙われる可能性があるのは共有部へ入りこめたマンションだけではありません。
玄関側共有部の上の階から向かいのマンションのベランダ側の様子を下見することもできますので、日頃視線を気にしないで済む階の方でも、泥棒心をくすぐらないよう用心に越したことはありません。


【直接玄関へ訪問】
マンション住まいのAさんは「ある時、エントランスのインターフォンではなく、直接玄関のインターフォンが鳴ってびっくりした。」そうです。
確認したら宅配業者さんでしたが、直接訪問されるのは初めてで本物かどうか疑いつつドアを開けました。
確かに本物の業者さんでしたがどうやって直接来たのか尋ねると、2軒分の荷物を持ってエントランスで1軒目へ連絡して開けてもらって中へ入り、最初の家へ届けてからAさん宅を訪ねたとのことでした。

これまでマンション内ルールが比較的守らてきたことから、エントランスがセキュリティのひとつになるという安心感に慣れていたAさんは突然直接訪問されるのは心臓に悪かったし、特に自分ひとりしかいない時間帯だったことから訪問者と自分を隔てるのが扉一枚しかない無い恐怖を味わったそうです。

この宅配業者さんに悪意はありませんし、マンション内のルールを知らないのは当然です。
一戸が招き入れた訪問者が他戸へ迷惑をかけない為のマンション内ルールも、いくら住人全員が頑張ってルールに則りエントランスのセキュリティを守ろうとしても、部外者にまで周知徹底はできない、一旦入った後の行動を誰も管理できないことを思い知る出来事でした。
これがマンションのつらいところです。

※宅配業者さんによっては、複数軒の荷物がある場合はエントランスで該当の戸すべてにインターフォンで順次お届けする旨を伝えてから開けてもらうよう指導されている業者さんも多いそうです。

※過去記事【周辺環境から防犯しませんか・集合住宅編】

※参考になる記事もご紹介
【カギを掛けずに入浴・就寝も わいせつ・窃盗被害が多発】



【NEWS】最上階は狙われる

「マンションだって狙われるよ。上の階だからって油断はダメ、むしろ危険」と注意喚起して参りましたが、物凄く事例になるニュースがありました。

【14階マンション最上階に侵入】
マンションは階数が上がるほど高額になるから上の階の住人ほどお金を持っていそう…というイメージに加え、最上階は侵入しやすい可能性がある為、実は狙われる率が上がります。
記事の動画には高層マンションばかり狙って4回逮捕されている侵入盗の手口が分かりやすく紹介されています。マンション住まいの方、マンション入居を検討している方は是非ご覧ください。

高所作業の経験と体を鍛えていた為、命綱無しの侵入が可能だったそうです。高所に長けた侵入盗は他にもいるでしょうし、命綱や縄梯子・道具等用いる手間暇をかければ、あるいは階層低めのマンションを狙えば、可能な窃盗犯はもっといます。
そもそもマンションは死角と足掛かりが多く、探せばどこかしら侵入経路が見つかってしまいます。

今回の事件のようにエントランスや裏口以外から侵入する場合、侵入盗は死角や足がかりになる物をチェックし、侵入できる経路を探します。
2階の通路や非常階段といった共有部にはセキュリティ対策の柵が大抵ありますが、3階以上は柵がない場合が殆どです。足がかりがあってよじ登れる、または隣りの建物との距離が近くてよじ登りや渡りが可能、商業施設が入っており侵入し易く非常階段から渡れる…侵入盗がそう思ったら危険です。
更には屋上から最上階のベランダへ降りやすいデザイン、足掛かり・命綱等を固定できる物がある等。
侵入を可能とするのは狙われたマンションだけでなく、その周辺環境にもあります

※マンションへの侵入を可能にしかねない物(足がかりや死角)
植木、柵や壁、配管、非常階段、エントランスや駐車場・自転車置き場等の屋根、物置、室外機用小型ベランダ、機械式駐車場、受水槽、消火防災設備、屋上バルコニー、看板、給水槽、太陽光パネル、等々…

マンション屋上にも色々ある

共有部までよじ登る想定の足がかりだけでもたくさんありますから、2階ベランダへの侵入なんて容易なわけです。2階建アパート、一軒家の方も充分お気をつけください。

過去記事【真夜中の脚立男】も参考にどうぞ


大半の侵入盗にとっては、とにかく!!窓!!です。最上階ベランダだろうが1階の狭い換気窓だろうが、2階テラスだろうが、対策されていない窓へ近づくことさえできればほぼ成功。そのワケは…
【窃盗に遭いやすい家 其の弐】 ※クレセント錠1ロックでは無締りとほぼ同じ

だからこそ、窓の防犯を推奨しております。
【窓こそ守ろう!お手軽編】 ※比較的安価且つ工事無しでもOK
【窓こそ守ろう!ガッツリ編】 ※要工事で防衛力強し!

防犯コラムで一番多くLINKを貼っているのがこの窓シリーズの過去記事というくらい、窓の防御は侵入者から我が家と我が身を守る防犯の要なのです。



【NEWS】マンション無締りは狙われる

マンション居住者は意外と無締りが多い…と聞きます。侵入盗に入られたニュースでも無締りだった部屋が狙われている場合が多く、特に1階共有部がオートロックの建物では格段に油断が生じる模様。
無締り理由は様々「ウッカリ」「すぐ出かけるからいいかな」「ゴミ捨ての間だけだし」「子供がそろそろ帰ってくるから」「荷物を運び入れる(出す)のに面倒だから…」
今回のニュースの場合は…

【引越の荷ほどき中に金づちを持った男が侵入】
名古屋市中区で引っ越してきたばかりの女性がマンション2階の部屋で夜間、玄関扉の錠を無締りのまま荷ほどき中に4人の外国籍風の男性が侵入。脅されてバッグの中の現金300万円を奪われたそうです。

※追記【引っ越し荷造り中で無施錠】
11/25のニュースで10月に名古屋市中区マンションで無締り状態で引っ越し荷造り中の女性、現金800万円や貴金属2300万相当が奪われる強盗事件の犯人5名逮捕とのこと。
内容が微妙に違いますので続報か別件か不明ですが無締りの怖さが分かる事件です。

この事件から分かることをまとめます。


■オートロックは無いも同じ

続報がないので想像で、この4人組はエントランスか裏口から侵入したのではないかと思われますが、1階共有部は宅急便や住人と一緒に堂々と通ってしまえばいいですし、表口は自動扉で非接触キー(電気錠)でも、裏口はオートロックのみの普通の錠前であることが多い。裏口は死角に位置することが多いので、ここを狙うことも可能です。

つまり、オートロックは解錠施錠の面倒を省く為だけの、防犯性能は無いに等しい存在だということ。



オートロックに防犯性を求めるならば、住人全員の防犯意識とルールの徹底、出入りする業者の方々の協力が必要になります。
過去記事【我が家の周辺環境から防犯しませんか?集合住宅編】 にまとめております。

事件当時この部屋はオートロック(ほぼ無いに等しい)+玄関錠無締りという完全な無防備状態だったということです。


■監視カメラは役に立つの?

「監視カメラは一定の抑止力(泥棒の性質によってのみ働く)しかない」「事件後の犯人の手がかりでしかない」ことを理解しましょう。

エントランスや裏口を通ったのなら、監視カメラに映ることを忌避しない犯人ということになります。

監視カメラに映りたくない犯人の場合、「カメラの死角を通ってベランダに近づける」「カメラの死角に足掛かりがあって共有部へよじ登ることができるポイントがある」マンションを狙うでしょう。

監視カメラが役立つ時とはカメラに映りたくない慎重派の犯人、例えば平成の大泥棒のように長くコツコツと泥棒稼業を続けたい、リスクを冒さないタイプに対して効果を発揮します。
 ※参照【令和の大泥棒】
しかしマンションは敷地が広く、デザイン的に死角が多かったり隣接建物や木立等によっては侵入できそうな経路が複数できてしまい、そのすべてに監視カメラがついているかというと、そうではない場合もあります。

ちなみに今回の被害者宅は2階、よじ登ることも可能でしょう。ベランダ側への通路に監視カメラはあってもベランダ側を映すカメラはプライバシー保護から設置が難しく、ベランダ内へ侵入できさえすれば、例え窓にクレセント錠をかけていても無締りとほぼ同じ、侵入は容易です。
 ※参照【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】

事件前日にこのマンションでベランダ側からよじ登ろうとする不審者がいて通報騒ぎがあったという情報もあるので、狙いやすい要素のあるマンション、または引っ越しのどさくさをピンポイントで狙われていた可能性も。


■引っ越しという状況

新しい環境・生活が整っていない状況は慌ただしく落ち着かないでしょう。うっかりや無防備さが出やすく、狙う側は容赦なくソコを突いてきます。

引っ越し中は部屋の扉を開け放って業者さんが出入りします。引っ越し業者さんは勿論、ガスや水道の業者さん、新居用に購入した家電家具の配送業者さん、デリバリー等に+マンション住人や他の部屋へ用のある業者さんもいる出入りの激しい状況下はマンション自体(エントランス及び共有部)も無防備です。

そんな状況下に加え、引っ越し時は何かと入用で、特に現金払が必要な場合もあるでしょう。
今回の被害総額はバッグの中の現金300万円ですが、現金を多めに持ち歩いてる時・家に置いている場合は、携わる業者さん、たとえ知人であっても知られないように細心の注意が必要です。
酔っ払って箪笥貯金をお店で自慢、レアなコレクションをSNSにUP、旅行の計画をSNSに書き込む、そういった行為によって就寝中や留守中を狙われた事件があります。

できるだけ引っ越し前・最中・後は現金を持ち歩かなくて済むようにしましょう。
各業者さんへの支払いが現金だとしても、金額は先に分かっている場合が殆どですので必要額だけ封筒に入れる等、別にしておき、他の支払い分やメインとなる所持金や在処は見せないようにします。

バッグも置き引きに遭わないよう注意すると共にさりげなさも必要です。警戒心露わで明らかに大金を持っていると分かる挙動は逆に注意を惹いてしまいます。

貴重品(通帳・キャッシュカード・印鑑、クレジットカード、株券、小切手、貴金属、その他高額な品)を引っ越し業者は運ばない筈です。
合わせて身分証(免許証・パスポート・マイナンバー・保険証・年金手帳等)、自分で所持・管理しましょう。
引っ越し最中にソレと分からないようにする、業者さんや通行人や他住人等の目に触れない工夫をして運び出し運び入れをしましょう。誰かがいる場では目を離さない、取り出さないようにしましょう。
個人情報につながる物も自分で運ぶのが安心ですが、業者さんにお願いする際はそれとは分からない、箱に隙間ができても覗いても見えない状態に工夫して梱包しましょう。


深夜にひとり、凶器を持った4人の男に囲まれて被害者の方はとんでもなく恐ろしかったと思います。こういう被害に遭わないよう、我が身を守る対策をできる限りして頂きたいです。



【NEWS】高齢な窃盗犯と被害者

7月12日名古屋市中川区にある集合住宅の無締りだった一室へ泥棒に入ろうとした72歳の男が逮捕されました。
在住者64歳男性が鉢合わせて通報、逃走した男は交番勤務研修中の警察学校初任科生23歳によって職質され逮捕。

72歳の犯人と64歳の被害者…侵入盗やひったくり等の記事で高齢者がターゲットにされやすいと注意喚起しておりますが、ターゲットになりやすいと思われる側が犯人ということもありえる。
相手の見た目や年齢で警戒心を解いてはいけいないという事例ですね。

他にも岡崎市内の侵入盗2人組は66歳と55歳、千葉県の高齢者住宅で70代介護職員が90代男性の部屋から窃盗の疑い、北海道で71歳が金目の物目当てに無施錠だった脱衣所の窓から71歳女性宅へ侵入して逮捕等々…ひしひしと日本社会全体の高齢化→狙う側も狙われる側も高齢化ということでしょうか。

長寿を祝い労うのが
高齢者に対する一般人の感覚
しかし…

ニュースでは警察学校の初任科生が発見・職質して逮捕につながったことから、若い力に期待を寄せる内容になっていました。
漫画「ハコヅメ」でもよく20代の警察官がオッサンまみれの生活(同僚も被疑者もオッサンばかり)の悲哀が語られていますが、学校という箱庭しか知らず人生経験という引き出しも少ないのに、自分の父親どころか祖父世代の相手を職質したり、説諭して供述を引き出して更生を促さねばならない警察のお仕事。
実際に今回の事件でこの初任科生が72歳に対して説諭したりはしない(職質・逮捕時にも教育係の警察官2名がいましたし)でしょうけれど、警察学校を卒業して現場に出れば、人生経験倍以上の人ばかりを相手にするわけです。この初任科生の初お手柄に拍手すると共に今後の活躍を期待し、私もいい歳なので個人的には若者が 厭世的な気分にならない年寄りになりたいなと思いました。

ご自身の年齢または親の年齢を意識した際に生活を守る為、防犯面だけでなく、次回は利便性を上げる対策をご紹介したいと思います。


令和の大泥棒から学ぶ

空き巣・居空き・忍び込みといった侵入盗が活発になる時期になりました。
『令和の大泥棒に判決』被害総額5000万円以上、8年間逮捕されなかった令和の大泥棒。長い間、空き巣という犯行を成功させてきた令和の大泥棒の4つの掟とその手口から、被害者宅はなぜ狙われたのか?狙われるリスクをどうやって減らせるか、読み取ってみます。
ご自身のお宅に置き換えて気をつけるべきこと、防犯対策すべき点の参考にして頂ければと思います。


■4つの掟

①防犯カメラのない家を狙う
②留守の家を狙う
③靴を脱いで室内を荒らさない
④庭がきれいな家を狙う

①②③は姿を見られない・映像を残さない、痕跡を極力残さない、スピーディに窃盗を済ませる、ということでしょう。
家主の留守中に痕跡を極力残さなければ、盗まれたことに気づかれるまで時間を稼ぐこともできます。

④の庭がきれいな家を狙うは「家主の几帳面さの表れであり、家の中も整理されていて金目の物を発見しやすいから」とのことでした。


以前侵入盗の記事に載せましたが、これまでよく言われてきたこととして「室内や敷地内の整理整頓がされていない」というのがあります。【窃盗に遭いやすい家 其の壱】
まったく逆じゃん!となりますよね。
しかしこの理由は、「室内が整理されていないと侵入の痕跡・家探しされた痕跡に気づかれにくい」「泥棒は現地(被害者宅)で侵入に必要な道具を用いることが多く、玄関付近や庭にある掃除道具やガーデニング用品等が利用されやすい」からです。
【真夜中の脚立男】

他にも防犯上、家の周囲や庭をきれいにしておいた方が良い点があります。
「自分の家の前を掃除しておく」=周辺環境に無頓着なエリアは狙われやすい
【我が家の周辺環境から防犯しませんか? 其の壱】
「植木を定期的に剪定して整える」=鬱蒼とし死角になる場所、または侵入さえすれば道から庭の様子が見えない家は狙われやすい


この真逆の理由は泥棒する側の着眼点の違いではありますが、文章で伝える難しさも感じました。
分析された内容を箇条書き+説明分で載せていますが、周辺環境や家の立地、庭のデザインや植木の種類等々で各家それぞれの風景も状況も違います。そして下見に現われた侵入盗の着眼点によって「この家ならイケる」と判断されるか侵入を回避されるかの分かれます。
守る側からすると混乱しそうです。
しかし!人目を避け、誰も傷つけず、速やかに盗みを実行する令和の大泥棒は大きなヒントも示していますよね。

顔を極力隠しても、やはり見られたくない!映りたくない!わけです。

例えば、自宅の防犯カメラ前では顔を覆っても、覆ったまま街中を歩くのは即不審者として通報されかねません。顔を出して一般人にまぎれながら道を歩けば、どこかの監視カメラに映っている可能性があり、背格好から絞られる可能性があるわけです。
監視カメラ映像は決まった日数で消去されてしまうので、家主が気づくのが遅いほど捜査も遅れて映像も消えるので②③④の掟が活きてくるのでしょう。

合わせて、手口からも対策すべき点が分かります。


■手口

①犯行時刻は日没から午後9時
②タンス貯金をする高齢者を狙う
③無施錠の家を狙う

【窃盗に遭いやすい家 其の壱】で一番に挙げている無施錠・無締りの家がやはり最も狙われやすいということです。
ところで、取材に応じた被害者の方は「防犯カメラ無し、旅行中、整理された庭」と掟通りで、から入られています。
冒頭で侵入盗が活発になる時期と書いたのも、暖かくなると換気等の頻繁な開け閉めで窓が無防備になりやすいからです。
「うっかり閉め忘れ」もあれば「面倒だから開けたまま」「1階の窓じゃなければ大丈夫だろう」「小さな窓なら大丈夫だろう」「暑さで開けたまま就寝」…こんなことが増えますが、これこそが侵入盗の狙う無締りであり、非常に危険です。

泥棒の侵入経路ナンバー1は『窓』です。【窃盗被害に遭いやすい家 其の弐】 しかし鍵の無い窓が殆どです。
ここで言う窓の鍵とは、クレセント錠を除きます。誰でも開けられるモノは泥棒にとって施錠されているとは言い難い状態だからです。なぜか?→ ※作業事例【クレセント バイパス解錠】
お分かり頂けたでしょうか?カップメンが作れる程度の時間で壊したり傷を残すことなく…もしくは2~3cmガラスをこじ割って指一本入れられれば開けられる(泥棒の多くはこの手段)のがクレセント錠なのです。

窓が侵入経路ナンバー1な理由は、窓の閉め忘れだけでなく、標準で窓に付いているクレセント錠しかかけていないことが理由です。
【窓こそ守ろう! お手軽編】 【窓こそ守ろう! ガッツリ編】


令和の大泥棒は人を傷つけないことが掟でしたが、運悪く遭遇した家主を逃げる為に襲った侵入盗も少なくありません。ある侵入盗はまず台所で包丁を入手(身を守る物を現地調達)してから金品を探す手口でした。

生活用品である包丁の在処は分かりやすく
持つ者によって恐ろしい凶器と化します

昼寝や帰宅時、就寝中に侵入盗と遭遇する危険については【無締りの怖さと危険性】ご参考ください。

ちなみに令和の大泥棒の犯行時刻は、あくまで暗くなって人の顔が見え難い時間帯を狙いたい空き巣の一例です。日中を狙う空き巣や居空きもいますし、忍込みはそれこそ午後9時以降~深夜を狙います。


■防犯対策のポイント

①玄関・勝手口・門扉・窓を無締りにしない
やはりこれが一番外せない対策だと思います。バール等でこじ開ける手荒な窃盗犯もいますが、日頃から施錠をしっかりすることが防犯の要になります。

②我が家の弱点を分析・把握して対策
令和の大泥棒は庭がきれいな家を狙っていましたが、庭が放置され片づけが下手な家を狙う泥棒もいる上、掃除道具やガーデニング用品等は侵入の道具としてだけでなく武器にもなり得るので、やはりきちんと施錠できる場所(家の中や物置)へ片づけておいた方が安心です。

効果的な位置に防犯カメラを設置すればかなりの抑止になりますが、気にしない泥棒もいます。そこには気にしない理由や手口があり、防犯対策はひとつで成り立つものではなく、それぞれの家にそれぞれの状況や事情がある上で、効果的な対策+日頃の用心・防犯習慣を欠かさない必要があります。

③防犯意識と日頃の用心
うっかり無締りに気をつける、安易に現金があることや旅行等の不在を明かさない(※参照【SNSと侵入盗】)。

他にも日頃の防犯意識としての習慣に関してはたくさんありますし、物理的な対策もあります。カテゴリの「地域の防犯」「建物の防犯」「特殊詐欺+侵入盗」に過去記事がありますので宜しければ参考にしてください。


■時代と共に危険な方へ変化

令和の大泥棒は「人目を避け、誰も傷つけず、速やかに盗みを実行する」が掟でした。
しかしコロナによって生活様式が変わってしまった際、外出外泊が減って在宅ワークや学校の早帰り・クラス閉鎖等でこれまでは不在時間の長かった家に誰かがいる状態が増え、しかも不規則。侵入盗には厳しい状況になりました。
そうなると最初から武器持参、手荒な手段を用いるタイプの空き巣が状況によっては強盗に変身!という危険が高まります。実際、子供達が空き巣に遭遇したという事件もありました。子供だからと侮って何もしないで逃げてくれればいいですが、捕まらない為に危害を加える可能性もあり、大変危険です。

在宅が増えて不在を狙えなくなった空き巣・居空きが特殊詐欺の手口で在宅時に侵入または強盗と化す事例もあります。【空き巣・強盗が特殊詐欺と合体!】


やっと平常が戻りつつありますが、今後も何が起きるか分かりません。一定数常態化した在宅ワークにより空き巣と遭遇率が上がる可能性もあれば、長い間皆で我慢した分、旅行やのんびり帰省が増えることで侵入盗は活発化するかもしれません。
改めて防犯の見直し・強化をおススメします。



「効果的な防犯カメラの付け方って?」「ウチの立地や家・庭の状況だとどこが弱点か知りたい」という方、防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、受け付けておりますのでお気軽にどうぞ。
【お問い合わせ方法・各種】


SNSと侵入盗

日本人初のプロボクシング3団体王座統一を果たしたバンタム級の王者・井上尚弥選手、おめでとうございます!!
しかしそんな快挙の裏で、井上尚弥選手の家に空き巣が入ったそうです。
【井上尚弥選手・空き巣被害】
世界戦で不在であることが公に知られているがゆえに、狙われたわけです。


では「自分は有名人じゃないから大丈夫!」…なのでしょうか?いまや誰でも…それこそ犯罪者の方が巧くSNSを活用する時代です。「有名」の度合い・範囲、意味合いも様々、そしてリアルとネットの2つの世界から、あなたは既に有名人(ターゲット)かもしれません。
井上選手のように試合日が公式に発表される用事ではスケジュールを隠すことは無理ですが、リアルでもネットでも誰が聞いて(見て)いるか分かりません。SNS等や飲み会で旅行やイベント等の話題で盛り上がっても、不在の日時・行動が特定される発言は危険です。

SNSで閲覧制限をかけていても、身元と気心の知れたリア友だけの会だとしても、どこからどう漏れるか分かりません。居酒屋で現金を持っている話をして侵入盗に入られた事件等もあります。犯人が困ってるフリなどして友人を騙し、その友人は好意から情報を漏らしてしまう場合もありえます。


クワガタを撮っただけなのに・新型空き巣の手口】
これはSNSで狙いを定めたアカウントの個人情(住所・氏名等)を特定する手口です。
SNSの発言や写真履歴等からおおよその住所を割り出す→クワガタやカエル・変わった生物や物(正体不明の種が届いて話題になったことも)を自宅前等のどこかに置いておき、相手が珍しい・可愛い・面白い等の興味を持って撮影し、SNSにUPすると…住所確定!→侵入盗やストーカー行為を実行。

更には、誰かがつきまといや盗みをしたくなる顔・姿・物の映った写真をUPすることも危険です。特に人物(本人含め知人)と一緒、あるいは自宅や職場周辺で撮影した物は獲物+住所特定する情報の詰まった写真となってしまいます。

【愛車・愛機が盗まれてしまったら】の記事でも書きましたが、自動車やバイク盗難に遭った際、SNSに写真をUPして捜索協力を依頼する場合も、出かけた先で撮った写真が望ましいです。せっかく戻ってきても他の窃盗犯に狙われかねません。

以前【キーナンバーから合鍵作成侵入盗事件】というニュースを紹介した際にも書きましたが、SNS等で不特定多数に見える状態は勿論、仲間だけの空間であっても鍵の写真や、住所を特定される可能性(位置情報オフで撮影しても、間取りや窓・窓の景色から特定されやすい)のある写真のUPは危険です。



暖かくなると、侵入盗被害が増えます。窓を開ける機会・時間が増えるからです。侵入盗の多くが窓から侵入します。
「1階じゃないから窓を開けっぱなしでも大丈夫」「こんな小さい窓から入れないだろう」「窓をよく開けたり閉めたりするから鍵を忘れた」「窓にクレセント錠しかついていない」等々の住人の隙を突ける窓は最も簡単に侵入できる為、侵入盗の多くが窓から侵入します。
くれぐれもご用心ください。未対策の方は是非、窓の防犯対策を。
詳しくは【窓こそ守ろう お手軽編】 【窓こそ守ろう ガッツリ編】 【窃盗被害に遭いやすい家・其の弐】

内開き窓、外開き窓、賃貸用(ビス穴を開けられない窓)、防犯センサー等、窓対策グッズ色々あります。
防犯診断・対策のご相談・防犯商品のご紹介・お見積もり、受け付けております。
【お問い合わせ方法・各種】




装った手口の次は装わない

様々な職種に変装してやってくる特殊詐欺や侵入盗について連載してきました。しかし、点検強盗やアポ電強盗が流行り始め、警察や自治体が警鐘を鳴らして皆が警戒すると、次の手口が流行るかもしれません。


■装わずして強盗・暴行

まず、家人が使用するタイミング、あるいは使用中にガスや水道の元栓を停めます。身を潜め、家人が水やガスが使えない、突然止まったことに気づくのを待ちます。そうして家人が元栓を確認しに外へ出てきたところを、襲います。

主に一人暮らしやひとりでいる時間帯に、お風呂場やキッチン、洗面所やトイレ等を使用している様子が外から確認しやすい家が狙われます。

これは装ったり演技をすることすらなく、家人に鍵を開けて出てこさせる状況を作り、強盗や暴行をはたらく手口です。

ただの悪戯?(家人が気づくのが遅く、犯人が諦めて帰った可能性も)で済む場合もありますが、手口が荒っぽくなる傾向と、女性の家を狙う場合は性犯罪目的の可能性も考えらえるので、十分注意が必要です。被害報告があった、あるいは情報が回ってきたガス会社・水道局によっては注意を促している所もあるようです。
強盗や暴行目的・悪戯の場合、隣り近所でも同じことが発生している傾向にあります。
嫌がらせやストーカーの場合はターゲットが決められています。


但し、 水道やガスが上記のような犯罪目的や悪戯行為以外で止まることもありますので、焦らず(シャンプー中に水が止まったら焦るな言われても焦ると思いますけど)まずは家の中でできる確認をしましょう



■屋内での確認事項

①水道代・ガス代を滞納していない
②地区や建物内における断水等の有無
③ガス機器の故障表示等が出ていないか
④ガス機器の長時間・連続使用による安全装置作動
⑤直前に大きな地震は無かったか


※ガス会社や水道会社へ連絡すれば自分で分からないことも確認できます。
※集合住宅の場合、管理会社へも確認しましょう。

※集合住宅の場合、地域の断水だけでなく、給水塔等の施設によるトラブルもあり得ます。


上記すべてに問題がないとなると、元栓の確認になりますが、人為的原因の可能性が高まりますので、夜間ひとりで元栓の確認は危険です。その場ですぐ外へ出ない方が安全です。



■我が身を守ることを第一に

まず家の中から周囲に人影が無いかを確認しましょう。怪しい人影や気配があれば、警察に通報してもよいでしょう。ストーカーや嫌がらせ等の心当たりがある場合は、通報した方がよいでしょう。
通報しない場合、朝まで外には出ないべきです。
決してお勧めしませんが、必要に迫られて確認に出ると決めた場合、必ず電話とライトを持ち、2人以上で、元栓より先に周囲をきちんと確認しましょう。
どうしても1人の場合は通話状態にしたままがよいでしょう。ガス会社や水道局へ問い合わせると、係員から「元栓を確認してください」と指示を受けますので、確認完了まで通話をお願いしましょう。
しかしこれらの用心をしても、決して安全ではありません。相手が武器を持っていたり、複数人の場合、より危険な相手であり、諦めない可能性があります。通話先がすぐ通報してくれたとしても、警察が駆けつけるまで時間がかかります。

実際に元栓が締められていた場合、ガス会社・水道局への報告は勿論、警察へ相談しましょう。また、集合住宅の場合は管理会社へも連絡しておくべきです。



この手口は悪戯・嫌がらせ・ストーカー・性犯罪等を主な目的として古くからありますが、在宅時間が増えて空き巣ができないことから、侵入盗がこの手口を使い始めているのでしょう。
更に今後、点検強盗や居空きの手口を皆が対策して引っかかりにくくなると、『被害者自ら外へ出てくる状況』を作る強盗手口として、横行しかねません。
家の外に設置してある物に何かが起こり、確認しに出ようとする場合、それが新たな手口として誘い出されている可能性を考え、警戒が必要です。


【NEWS】ニセ警官出没中!+偽マイナポータル

愛知県内各所でニセ警官が出没しており、事件の遭った各市で注意喚起されています。8月初旬にニュースになった事件では下記の通り。

【被害】80代男性、被害額300万/80代男性、被害額180円
【手口】
第①段階:警察官を名乗る男から電話『あなたは出金詐欺に遭っていますので、キャッシュカードを準備してください』
第②段階:自宅へ偽警官訪問、キャッシュカードと暗証番号を書いたメモを提出させる。


警察や金融機関を騙ってキャッシュカードを提出させたり、すり替える(トランプと替えられた事件も有り!)、封筒に入れさせて自宅ポスト等へ投函させる、等々。これらの詐欺は、今年の東海三県であった手口の一例ですが、全国でも多発中とのこと。

2020年から愛知の特殊詐欺被害総額は跳ね上がっています。全国被害総額277億8千万円の内、愛知は13億4657万円。
貯金大好き!全国2位(1位は東京)の愛知県民、気をつけましょう!!

コスプレ用・警察官の衣装が通販で5,000円くらいで売っているので、スーツ・Yシャツ・ネクタイを揃えるより安いことに驚き!
それっぽい手帳や名刺を作っても、1件成功すればモトが取れますし。国家権力を騙れば疑われ難いし見破り難い。

というわけで、次回はニセモノを見破るポイントです。



【追加情報】
お盆休み頂いている間に追記した方がよさそうな情報が。

本当にキリがないのが特殊詐欺ですが、『二回目特別定額給付金特設サイトのお知らせ』という詐欺メールがマイナポータルを騙ってオンライン申請サイトへ誘導し、マイナンバー情報・金融関係情報含む個人情報を全部入力させようとしてきます。
この偽サイトが非常によくできている!イメージキャラクターのシロウサギ、マイナちゃんまで!!
そして go.jp という政府機関専用ドメインの偽サイト もあるそうなので、見分けは困難。メールのURLから閲覧するのではなく、自分で検索して公式サイトへアクセスしましょう。

※見分けは困難とはいえ、必ずURLは確認しましょう。検索した際も。

以前もニュースで給付金が決まったり、給付金の可能性が取り沙汰されると増える手口でしたが、もしマイナンバーと口座を紐づけることになったら、その申請用偽サイトもできそうですね。



空き巣・強盗が特殊詐欺と合体!

ある時はガス会社、ある時はクレジットカード会社、またある時は役人、更には警察官に!しかしてその実態は…姿を変え、手口を進化させながら皆さんの財産へ迫ろうとする特殊詐欺!!
SNSやニュースでそんな情報を知ったら、特殊詐欺に警戒するのと合わせて、窃盗犯の姿としても用心してください。

窃盗犯の変装が「怪しまれず目立たない為」だけとは限りません。

■特殊詐欺から空き巣・強盗へ変身!

①警官等の姿で訪問、特殊詐欺の予定だったけれど、無施錠だったから空き巣に変身!

②2名で訪問し、警察官、ガス会社や電力会社、水道局等を名乗って家主に質問している隙に、もう1人がメーターを確認しに行くフリをして勝手口や掃き出し窓から居空きする。逆に家主をメーターの方へ誘導し、その隙にもう1人が玄関から堂々と侵入。これらの手口で現金や通帳・キャッシュカード、クレジットカードを盗む。

③ ②の手口で場合によっては押し入り強盗へと豹変!!
これは『点検強盗』と呼ばれる手口です。メーターの点検や、最近ではコロナに関係した調査等を装うことも。

他にも銀行関係者や警察に扮して、「あなたのカードが悪用されている」と言って訪問し、確認作業を装ってキャッシュカードをすり替える、封筒に入れさせて提出させる、など様々な手口があるそうです。
警察も金融関係会社も、キャッシュカード等の提出を求めることはないそうです。


■アポ電空き巣・アポ電強盗

③特殊詐欺(オレオレ詐欺含む)と同じ方法でまず電話口で騙し、家主を待ち合わせ場所へ向かわせる。その隙に空き巣に入る。

④特殊詐欺と同じ手口で資産確認をした後日、空き巣や強盗に入る。

③④は『アポ電空き巣/アポ電強盗』と呼ばれ、在宅が増えたことにより、最近増えているそうです。
家主が出かけないから留守にする機会を作る→空き巣という手口は帰宅して遭遇しない限り危害は加えられませんが、強盗の手口が増えるというのは身の危険に関わるので、注意が必要です。

もし特殊詐欺の電話で住所がバレていると分かった場合・詐欺らしき人物の訪問があった場合は、すぐ警察へ通報・相談しましょう。110番通報制度もあります。

※110番通報制度
最寄りの警察署で電話番号を登録。万が一の際に110番へかけると、会話できない状況でも警察が駆けつけてくれます。携帯電話の場合はGPS機能で現在地も確認。

⑤アポ+点検の合わせ技
ガス会社の点検や交換は紙面で事前に日時が通達されることを悪用し酷似した通知書を送る。当日ドアを開けさせ、アンケートを装って個人情報を取る、強盗や居空きを行う。偽装検針票や給湯器等の故障を指摘し、点検費や修理代・交換代を請求する。
ガスは基本、点検もメーター交換も立ち会い不要、交換時はインターフォンで作業開始と終了の報告で済みます。メーターの設置場所によって敷地内へ通しても、担当が室内へ入ることはなく、代金請求もありません
作業は委託業者が行いますが、身分証を携帯しています。しかし身分証も偽装しており、見分けが難しい手口です。相手の言動によく注意しましょう。


■特殊詐欺とは?

ウチは鍵屋なので窃盗に関わる情報はありますが、詐欺については用語集にもないので、改めて特殊詐欺について調べてみました。

【電話】や【メール(ショートメール含む)】、【ハガキ・封書】等で親族や警察・役所、役所の委託業者、ガス会社・電力会社・銀行等の金融会社、宅配業者等を騙ります。もっともらしい協会等、法人名のことも。
内容は様々、「困ったことになったから助けて」「お宅の水漏れで苦情が…」「メーターの数値に異常が出ています」「システムエラーで滞納しています」「クレジットカード情報が漏れています」「法令に従って~記入・回答してください」「~が未申請です」「給付金or還付金に関わることですが…」などなど、様々な「驚かせる」「不安にさせる」「慌てさせる」「得する」情報です。

内容が何であれ、目的は資産確認です。
【現金】【銀行口座】【クレジットカード】【個人情報】を会話や書類への記入等で求めます。

受け渡しは振り込み、待ち合わせや訪問、返送等。
オレオレ詐欺、振り込め詐欺は特殊詐欺のひとつで、呼び方や手口が何であれ、まずお金に関わること全般を相手から求められた場合、例え親族、お役所であっても、すぐに答えてはいけない、応じてはいけないということ。
よく警察や銀行を騙り、偽造や不正使用を理由にキャッシュカード等を証拠品、あるいは確認の為と言ってそれっぽく見える封筒へ本人の手で入れさせ(了承を取ったという態)、封をして持ち去ることもあるそうです。

詐欺かどうか以前に、何事も急かされる事態ほど、ひと呼吸置くクセをつけて、確認や相談をしてから判断・行動すべきです。

公共機関や法人が相手に手続きを促す際、真偽を確認する時間さえ与えないわけがない。大ピンチだとしても電話を折り返すことくらい、親族だからそれこそ遠慮なくすべきです。
「携帯無くした」「この番号にかけて」「携帯番号変わったから」と言われても、必ず自分が知っている番号に念のためかけてみる時間くらいある筈です。もし本人が応答して「さっきの番号にかけろって言ったろ」と文句言われたら、「うっかりしてた」で済みますよね。

どれだけ「詐欺に注意しましょう!」と警察や役所がキャンペーンを行い、ニュースで呼びかけ、離れて暮らす親に注意を促し、気づいた銀行や郵便局の方々が水際で阻止しても、特殊詐欺被害者はなくなりません。
人は咄嗟の時に人を疑えないのでしょう。それがその人の優しさや良心だと思うと、余計に悔しい騙され方です。

ということで、諦めずに次回は対策編です。





泥棒の真の姿とは

トラディショナル泥棒ファッション

■泥棒へのイメージ、合ってますか?

黒っぽい服装でパーカーのフードや帽子にマスク姿。監視カメラの映像等で見ると、夜間に活動する忍込みや店舗・事務所への侵入盗は、だいたいイメージ通りだと思います。
しかし昼間の空き巣居空き、窃盗前の下見をする時はどうでしょう?

コロナのせいで季節関係なくマスク姿は怪しまれませんが、真っ昼間にこんな黒っぽいテンプレな姿では、目立ちすぎて警戒しますよね。

ということは、警戒されない姿を装い、景色に馴染んでいるということです。
実際の忍者が農民や商人の格好をして、目立たない顔立ちの人が適任だったのと同じように。

では昼間、泥棒が住宅街や商店街にいても警戒されない、目立たない格好って何でしょう?

■泥棒かも!?と、疑うべき人

①スーツ姿の会社員
②各種配達員
③メーター検針員
④何かしらの施工や修理業者
⑤集合住宅・ビルの管理人や清掃員
⑥ランニングやウォーキングの格好
⑦犬の散歩


会社員風のスーツ姿というだけで、人物の中身や業種に関わらず、組織に属する者としての社会的立場があり、責任の所在が掴みやすい。
…というイメージで、人は安心します。
また、うろうろしていても「セールスで回っているのかな」と推測できます。
実はこの「視覚情報から脳が勝手に推測できる」ことが危険なのです。

①~⑦すべて、視界に映った際、推測できてしまう格好であるがゆえに、景色に溶け込む存在です。家の前、あるいは敷地内でさえ、堂々としていれば怪しまれないかもしれません。
勝手に門扉を開けてサラリーマンが出てきても、見送り不要の押し売りかと近所の人は思うでしょうし、特に制服は効果抜群!②③④はそれっぽい服装で仕事のフリをすればよいのです。それらしく見せる為に工具等を持参すれば、こじ破り等にも活用できて一石二鳥でしょう。
⑤も掃除道具等を手にしていれば怪しまれません。

⑥のランニングやウォーキングをしている人は朝昼夜かなり見かけます。
⑦は犬を連れているので、侵入よりは下見の格好に多いのでしょう。犬の散歩はまさに日常風景すぎて、微笑ましく思うか気にも留めない。しかし普段見かけないオーナーや見かけない犬には要注意です。
と言われて、現オーナーや犬好きさんならいざ知らず、犬に詳しくない方には難しい!なのでやはり人間を観察しましょう。ランニングやウォーキングも同様です。

住宅街で愛犬の為にお散歩しているオーナーさんは犬が匂いチェックすれば止まりますが、それ以外は移動します。景色も堪能するけれど、それ以上に愛犬へ注意を払っている筈です。
泥棒が散歩を装う場合、さりげなく家の周囲や車庫、庭を見ている筈です。犬を待たせ、あるいは犬がオーナーの遅すぎる足取りに合わせて、同じ家の前で時間をかけている場合は要注意です。
また、門扉やフェンスのない敷地部分、契約駐車場等は犬が入ってしまった態や通り抜けを装って侵入しやすく、車両の下見等に使われる可能性があります。



■特殊詐欺と共通する部分も

「厚生労働省委託の〇〇と名乗って電話が…」「ガス会社の社員が近所からガス臭いと通報があったから点検します」「警察官が訪問してきたけど…」等、特殊詐欺が話題になりますが、同県で似た手口が頻発したり、他圏へ拡がっていくこともあります。
そうやって人の心理を巧みに突く特殊詐欺の手口が次から次へと流行ります。インフラや金融絡みのトラブル、法律や制度が云々と言われたり、役所関係や法人を名乗られるとつい質問に答えたり、敷居を跨がせてしまいますよね。
すべては相手の心の隙へつけ入ってお金を出させることが目的です。窃盗も防犯上の隙を見つけたり、屋内へ怪しまれず侵入する為の偽装等、共通する部分があります。
つまり特殊詐欺の流行りに乗って窃盗犯も①~⑦以外の格好や手口で現れる可能性を想定した方がよいということ。
つまり⑧です。

次回はそんな特殊詐欺と空き巣・強盗の合わせ技な犯罪についてです。

→空き巣・強盗が特殊詐欺と合体!