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防犯コラムcolumn

バイク(愛機)を守ろう!対策編

車種・排気量に関わらず防犯対策をした方がよいバイクの対策編です。必要(盗まれやすいバイク・環境下の駐輪)に応じてセキュリティ度を高めるに越したことはありません。



■防犯対策の考え方

市販対策品でどんな対策をどれだけ講じたとしても、実際は盗もうと思えば盗めます。
では無駄なのか、と言えばそれは違います。防犯対策とは日頃から『窃盗犯に狙われる確率を下げること』です。

①窃盗犯の目に無防備な姿で触れることをできるだけ避ける
②日頃から隙なく防犯対策を施す
③窃盗犯の嫌がる防犯対策を施す

前回の記事【バイクを守ろう!】で窃盗犯の手口について触れましたが、窃盗犯はひとめにつくことを嫌い、時間を気にします(できるだけ素早く盗んで解体、証拠を隠滅することで捕まりにくくなる為)。
防犯対策は対策しているぞ!と誇示することで「これは盗むのが面倒だな」と思わせ、下見の段階で候補から除外されることが重要です。

ターゲットに選ばれないことが大事

また下見の兆候(チラシを貼られたり、下見係らしき人がうろついている)を感じたら暫くは要警戒です。
防犯対策を増やす、見回りをする、駐輪時間を変える、別の場所に駐輪する等、こちらが警戒していることをアピールするのも手です。
 ※以前の記事【泥棒の真の姿】の中で泥棒かも!?と疑うべき人や下見係の格好について触れています。

それでは防犯対策について、問題点や注意点を加えてまとめてみます。



■シャッター付き施錠可能なガレージ

下見の段階で目につき難い、解錠・破錠して侵入する手間とリスクがある点から、屋外駐輪よりシャッター付き施錠可能なガレージ内の駐輪が安全です。

とはいえ、一度侵入すれば中で何をしているか見つかり難い為、防犯性の高いガレージであることが大事です。
監視カメラやセンサーライト等の設置は抑止力になりますが、一番はしっかりとセキュリティの高い鍵で施錠できること。

※車庫が足場になる家は以前【被害に遭いやすい家】に書きましたが、侵入盗に狙われやすいので充分ご注意を。自宅のセキュリティ強化をおススメします。

※問題点
しかし、すべての家がシャッター付きガレージを設置できるわけではありません。狭い日本では防犯上理想の駐車場を確保するには土地とお金がかかります。
そこで登場するのがレンタルコンテナでしょう。

バイク専用コンテナを提供している所があります。
自動車の場合、屋内契約駐車場は少なく屋外契約駐車場が最も盗難被害の高いことを考えると、バイクコンテナは選択肢のひとつに入れてもよいと思います。

※注意点①
各会社でセキュリティやサービスが違いますので確認を。入出管理、二重鍵、敷地及びコンテナ内に防犯カメラ、セコムと契約、警備員の定期巡回等。セキュリティサービスの確認も大切ですが、コンテナにセキュリティ度の高いディンプルキーを付けているかも確認しましょう。

逆にセキュリティはコンテナの鍵だけ、誰でも敷地へ侵入可能な所も多く、防犯カメラは抑止力はありますが、通報システムやかけつける係員がいなければほぼ無意味です。


※注意点②
何が入っている不明の通常コンテナより、バイク専用コンテナは何が格納されているか明確な為、狙われるリスクがあります。バイク自体の防犯対策はしっかりしましょう。
家から離れた場所に置くのが心配であれば、自宅駐輪場で可能なセキュリティ強化をすることになります。



■車用ロック

バイクの場合、駐輪場が施錠付き屋内でも屋外でもツーロック(バイク本体の施錠+α)を推奨します。
また日本製に限りますがハンドルロック(各メーカーの取説参照)を習慣づけましょう。

ハンドルロックとバイク本体の施錠、そして+αとなるのが車用ロックです。

※注意点
車用ロックは様々な製品が販売されていますが大切なことは、【セキュリティの高い鍵】【強度のある材質・頑丈な形状】であること。

ロック品を突破しようと目論む窃盗犯はボルトクリッパー(ボルトカッター)や電動工具を準備してやってきます。どんなに強度のある材質の製品でも電動工具を使えば破壊・切断できます。防犯グッズはそれらの行為にどれくらい耐えられるか、にかかってきます
鍵業界でも防犯対策シリンダーの評価は解錠の難易度だけでなく、破壊行為に何分耐えられるかで判定されます。犯人にとって1分でも早くセキュリティ解除することが重要だからです。
だからこそ防犯対策品はより頑丈でより太い・分厚い等の切断・破壊しにくい物、 材質は切断・穴あけ防止の強化合金や特殊加工品を選びましょう。
そして鍵屋としては錠の部分も頑丈な材質でシリンダー性能のできるだけ高い物をオススメします窃盗犯は専門家と同じ知識や経験があり、ロック品本体と鍵を確認して素早く破壊・切断できる方を攻撃します。

ロック品にはダイヤルタイプや鍵タイプがあります。もし鍵タイプだった場合、鍵の種類(一般的な刻み鍵/ディンプルキー/エースキーと呼ばれる管キー等あり)はディンプルキーをおススメします。
鍵屋的には刻みとエースキーのピッキングに時間はかかりません。

ディンプルキーも色々
丸や楕円の穴、溝に穴があるタイプ、ウェーブ状に彫られている物等


【種類と使い方】
車用ロックの種類は U字ロック、チェーンロック、ワイヤーロック、ディスクロック、ブレーキロック等・・・色々ありますが、使い方で2つに分けます

①地球ロック/アースロック(その場所に固定された物とバイクを繋ぐ)に使える物
②単体のロック(バイクの一部をロック)

バイク本体の施錠に+αの防犯対策としては、①の地球ロックが基本と考えます。
チェーンロック等でバイクの車輪だけロックした状態は非常に盗まれやすく、その場所に固定された物(車輪留めアーチ・柱・ガードレール等)とバイクをつなぐことが大切です。

活用してにゃ!

その上で②を付け加えれば防犯レベルを上げられます。
窃盗犯の気持ちになれば、パターンの違う複数のセキュリティの方が「盗むのが面倒」です。

また、車用ロックは出先(休日のツーリング等のみか、通勤でも利用なのかでセキュリティへの考えは違ってきます)での駐輪環境や駐輪時間も考慮して選ぶ必要があります。


※問題点①
地球ロックはロック品を突破しなくても移送が容易なバイクのデメリットを補いますが、バイクは解体しやすい為、パーツだけ盗む、あるいはつながれているタイヤを外して本体を持ち去る窃盗犯もいます。


※問題点②
駐輪場にバイクとつなぐ柱や車輪留めアーチがない!
 →埋め込み型のアンカーロックやアンカープレートもあります。ただしコンクリート等への埋め込み作業が必要。
 →アンカーを埋め込めない駐輪場の方は、プレートに前輪を乗せて繋ぐだけでも重量で運びにくくなる物、重石と繋ぐ商品等もある模様。


※問題点③
地球ロックと単体ロックの2種類を施すことで防犯レベルを上げられますが、窃盗犯が面倒だからと回避するということは、日常使いをする持ち主はもっと面倒です。
色々購入したものの、急いでいて忘れる、途中で使用しなくなる、では意味がありません。継続できるかどうかが重要です。お客様から、たった一度何もしないで駐輪して帰ってきたらバイクが消えていた!という体験談を聞いたこともあります。
バイクの場合、愛する物を守る為の防犯対策はとっても面倒臭いことこそが大切なのです。



■後付け盗難防止装置

最近はイモビライザー(始動停止機能)付きバイクもありますが、自動車に比べれば普及していません。
その為、後付けで盗難防止装置を付ける場合、メーカー純正ではありません。

信用のおけるきちんとしたメーカーの実績のある製品を選び、信用のおける専門店に取り付けてもらうことが大切です。
メーカーごと、Verごと、機能は様々です。


※注意点
IDが一致しない場合エンジンの始動を停止する機能と、+して警報装置付きもあります。きちんと設置できないと、『イモビライザーがしっかり機能せずバイクを守れない』『警報装置の誤作動が多くて近所から苦情』などが起こりえます。


※問題点
イモビライザーも万能ではありません。イモビカッターという装置もありますし、バイクはエンジンが動かなくても移送が容易です。また警報に物怖じしない窃盗犯が増えています。



■盗難保険

愛着のあるバイクそのものを守ることにはなりませんが、少しでも財産を守るという意味で盗難保険に入るという手段があります。
保険内容や条件も様々ですが、カスタムが人気のバイクならではでパーツだけ加入可能な保険もあります。

※注意点①
『適用条件を必ず確認して守る』
適用条件に窃盗被害時の防犯対策状況について適用条件が決められていることがあります。
例えばハンドルロックは意味がないと思ってしていなかった場合、日本のメーカー品は法律でハンドルロック機能が付いている為、使用していないと保険適用外でお金が下りないということも。
他にもツーロック等の対策をしていたのに盗まれた、という前提が必要になることがあります。


※注意点②
『窃盗犯も心待ちにしている!』
盗まれた愛機との再会を諦めた後、必要に迫られ、あるいはまた大好きなバイクを買って喪失感を埋めるしかない、と購入を検討します。
保険に入っている方はそれを元手にまた周囲から羨望の目を向けられるバイクを買っちゃいますよね。窃盗犯もソレを心待ちにしています!!
下見係が集めた情報は業界のデータベースにインプットされていると思ってください。窃盗事件のあった地区として警察の警戒が緩んだ頃、持ち主が気を抜いた頃に再び狙われる可能性があります。
同じ人が空き巣・自動車・バイク窃盗被害に遭いやすいのは、一度狙われると同じグループは勿論他のグループにも狙われやすくなるからです。
ほとぼりが冷めた頃合いを見計らって、下見係が新しいバイクをチェックしに来ます。その時、以前のまま防犯対策が工夫されていないとなると、一度成功した手口でまたイケる!垂涎の品として映ることでしょう。



次回は、バイク・自動車の盗難対策をしていたけれどそれでも盗まれてしまった時に何をすべきか、についてまとめます。