事例 キーワード検索
事例カテゴリー一覧
タグ
作業場所 愛知県名古屋市西区花の木
本日は「錠の調子が悪いので変えて欲しい」というご依頼で出動!!
拝見させていただくと、築40年ほどの鉄筋コンクリートビルに見たことのない錠前がついていました。
錠前は、ほとんどの場合シリンダーの正面か、デッドボルトやラッチボルトがあるフロントと呼ばれる部分、もしくは錠前本体にメーカー名と品番が刻印されています。
しかし、この錠前一切どこにも何も書いていません(汗)
この日は伊吹おろしが吹き荒れ雪もちらつくような天気だったんですが、よりによって現場が北西から南東に風が吹き抜ける車寄せ・・・
あまりの寒さにガタガタ震えてしまう最悪のコンディションのなか、正体不明の錠前・・・調べようにもメーカー名すらわからないし、このあと遠方で業務提携先の案件もある状態・・・
しかもお客様は、今日中になんとかして欲しいと仰っています。
まぁ、こうなったら悩んでもしょうがないので、手持ちの錠前にサッサと切り替えましょう寒いし(笑)
既設錠シリンダー側
既設錠サムターン側
交換する錠前は、本締り錠です。
簡単に言うと、ラッチボルトがないデッドボルトだけの錠前ですね。
ラッチがついていませんので、本締り錠の上に空錠がついていますが、こちらも珍しいデザインです。
このビルの他の扉も全て同じ錠前がついているという事でしたので、このビルの設計をした方か施主さん?は、随分こだわってこの錠前を選ばれたんでしょうね。
ちなみに、以前も書いたような気がしますが、こだわりのある建築家や設計さんに建築を依頼すると、とてもセンスがよく素敵な建物ができますが、採用する建具や設備などが壊れ始める10年から20年経過すると、交換する部品が手に入らなかったり、修理代が一般によく出回っている部品の2倍から3倍したりとかなりメンテナンスコストが掛かります。
こういったあたり、国産車と外車の関係に似ているかもしれませんね。
という事で、まずは錠前を取り外しにかかります。
見たところ、ヨーロッパで主流のユーロプロファイルシリンダーに似ているので、取り外し方法も同じだろうとフロント側のイモネジを外しましたが、サムターンを持って力任せに引っ張っても、シリンダー側からドライバーの持ち手部分でガンガン叩いても全く動きません寒いのにから早く終わらせたいのに(汗)
しまいにはサムターンが全く回らなくなるし・・・
それでも10分ほど頑張っていたらなんとか取り外すことができました!
丸い跡は化粧座です。ビス2本で留まっていました。
シリンダーとサムターンが一体化しています。鍵やサムターンを回すと中央部のカムが回転してロックケースを動かします。
どうやら、錠ケース本体に固着していたのと、シリンダーとサムターンの真ん中にあるカムが少し引っかかっていたようでした。
つづいて、在庫している中からできるだけ少ない加工で取り付けられる本締り錠を選びます。
だいたいこういった場合は美和ロックに切り替える場合が多いんですが、今回はシリンダーとサムターンの位置とデッドボルトの位置の関係で、GOALの本締り錠HDをつけさせていただくことになりました。
シリンダーは2015年2月に新しく開発・販売を 開始したGPシリンダーです。
とてもコスパの高いシリンダーでお薦めですが、今のところGOALの錠前にしか対応していないので、他社の錠がついている場合は使用できません。
錠前が収まるように追加加工。
元々の切り欠きではHDが収まりませんので、ベルトサンダーやホールソーを使用して加工していきます。
しかしこれが、薄い住宅用のアルミサッシではなく、分厚いビル・店舗用フロントサッシだったためなかなか苦労しました。
錠前が収まったら、既設受け金具の位置に合わせ錠前の位置決めをして段付け金具を使用して固定します。
あとは、既設錠の穴が隠れるように座板をつけて、シリンダーとサムターンを設置して取り付けは完了です。
続いて受け側の加工です。
既設錠のデッドボルトは幅9ミリしかありませんでしたが、HDは12ミリあるのでそのままではストライクに当ってしまい収まりません。
これを加工して収まるようにするんですが、ストライクがステンレスなので、これまたちょっとだけ大変なんです。
デッドボルトは幅3ミリの差しかなくても、ストライク側は更に遊びを作って仕上げないと、ドアが歪んだりした時に施解錠できなくなってしまいますからね。
全ての作業が終わって、お客様に確認をしていただいて作業完了!
次の現場にもなんとか間に合いました♪
GPシリンダーはディンプルキー3本付です。
珍しいデザインのドアノブです。
後日、カギの救急車の大先輩で、技術も知識も豊富なおっちゃんにこの錠前の事を聞いてみると「うーん、ユニオンかモドリックじゃない?」とのお返事。
ユニオンは知ってるけどモドリックなんて聞いたことがないな~と思いながらググってみると、同じ本締り錠は見当たりませんが、このデザインのドアノブが載っているじゃありませんか!
さすがIさん素敵!かっこいい!このくらいでいいかな
手前味噌になりますが、こういった知識や技術の共有ができるのが、全国に100店舗以上ある「カギの110番・カギの救急車」グループの強みです。
鍵と錠でお困りの際はぜひ等グループにご相談ください。
宣伝はこのくらいにして(笑)
モドリックは、イギリスの建築装飾金物メーカーだそうです。
モドリックブランドで、初めての製品を発表したのが1965年ということなので約50年の歴史があるメーカーなんですね。
現在日本で販売されるモドリック製品は、日本向けの特別仕様で、美和ロック社がモドリック専用錠を生産しているようです。
ですので、美和ロックに対応しているシリンダーなら交換できるという事ですね。
長文を最後まで読んでいただいた方ありがとうございました!
書くの疲れました(笑)
モドリック(modric)、ツァイス・イコン(ZEISS IKON)、アッサ アブロイ (ASSA ABLOY)、エール(Yale)、SCHLAGE(シュラーゲ)、TITAN(タイタン)、Kwikset(クイックセット)、輸入住宅・外国製ドア、海外メーカー錠の交換、取り付け、修理はカギの救急車 黒川店 上飯田店 までお気軽にご相談ください。