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防犯コラムColumn

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愛車・愛機が盗まれてしまったら

これまで自動車・バイクの防犯対策についてまとめてきましたが、どれだけ防犯対策をしても盗まれることがあります。
盗まれたと気づいた時、ショックで頭が真っ白、怒りで目の前が真っ赤になってしまうのではないでしょうか。
そんな状態でも迅速に対処できるよう日頃から備えておきましょう。

盗まれた自動車やバイクが解体されてしまえば発見はほぼ不可能。時間との勝負になります。





■備えておくべきこと

【自動車・バイクの情報管理】
①車検証のコピー保管
②損害保険証書のコピー保管
③自動車・バイクの写真撮影・画像保存
③車体カラー、タイプ、カスタムパーツ名・型式等(純正品・社外品含)
④走行距離の把握
⑤カーナビ機種・製造番号
⑥ETC車載器番号・ETCカード番号
⑦駐車場の住所 ※契約駐車場等を利用の場合


運転時の車検証携帯は義務です。大抵の方は車内保管していると思います。損害保険証書も同じく車内保管でしょう。
しかしこれらの書類は盗難に遭った際に必要になりますので、手元にコピーを保管しておきます。

車検査証には車体カラーの記載はありません。捜索時に必要な情報である、メーカーのカラー名、カスタムパーツやペイント・ステッカーについてすぐ伝えられるようにしておく。またはパンフレットや画像を保管しておきましょう。

※撮影時はできるだけ自宅・会社等個人情報につながる場所以外で、人間が映らないように(ガラス面やミラー含む)しましょう。

盗難状況として走行距離も必要情報になりますので、定期的に確認しておきましょう。

カスタムパーツ・カーナビ・ETC車載器も売買されますので、機種・型式・製造番号等を把握しておくと役立ちます。
ETCカードは挿しっぱなしにしないことが日頃の予防だと【愛車を守るには・対策編Ⅰ】で紹介しました。ETCカードごと盗まれなければ 被害に遭ってからでもETC車載器の製造番号は照会可能ですが、何事か起きる前にチェックしておくのが安心です。

盗難被害場所が自宅駐車場なら住所は簡単ですが、契約駐車場の場合は住所まで覚えていない方が多いのではないでしょうか。いざという時にすぐ伝えられるようにしておきましょう。


【警察署・交番の把握】
自動車・バイクの盗難は自宅駐車場(近隣契約駐車場含む)が最も多い状況なので、盗難場所を駐車場と想定して管轄の警察署・交番の場所を把握しておきましょう。
※交番によっては不在が多くて用件は署への内線をかけねばならない所がありますので、警察署へ行った方が早い場合もあります。



■盗難にあったらすべきこと

【警察へ盗難被害届を出す】
一分一秒でも早く盗難被害届を出しましょう!!迅速に手続きする為に備えておいた情報管理が役立ちます。

①盗難に遭った管轄の警察署または交番へ届け出
自宅や契約駐車場であれば把握済みでしょうが、出先であれば盗難に遭った現場住所の確認と、管轄の警察署を調べましょう。土地勘が無く調べる手段がなければ110番ですが、緊急性・事故・事件性のあるもの、とされています。自動車盗難は事件性のあるものですが、届け出はどのみち出向かねばなりません。

②届け出に必要な物・情報
身分証明書、印鑑。車検証に記載の自動車登録番号または車体番号(ナンバープレート表記部分)、車台番号、年式、型式等。外装としてカラー、カスタムパーツ・ペイントやステッカー等の特徴(パンフレットや画像があると分かりやすい)、走行距離、被害に遭った住所・日時(時間は推定)。本体(自動車・バイク)と一緒に盗まれた物の情報(カーナビ機種・製造番号、ETC車載器番号・ETCカード番号、オーディオ関係、貴金属、荷物等)。

※届け出の必要性
犯行を目撃して通報ならば警察も緊急出動できますが、事後の捜査は盗難被害届を出さなければ動けません。
「届け出したって手続きに時間かかるだけで、警察はあまり動いてくれない」という意見も見られますが、盗難に遭った自動車やバイクの捜査は時間が経てば経つほど難しいものです。
犯人が夜中に盗んで逃げてから朝になって持ち主が気づくまでの数時間、それだけで犯人は大きなアドバンテージを稼いでいます。

逃げる犯人が人身・物損等の事故を起こした場合、盗難被害届が出ていないと、事故を起こしたのは持ち主の自分ではないという証明が必要ですし、所有者としての責任を負わねばならない可能性があります。また、犯人が最初から犯罪に利用する為に盗む場合もあり得ます。

寝ている間に盗まれた挙げ句、勝手に事故を起こされて乗り捨てられた自動車の所有者が、自分のアリバイや盗まれたことを証明できるでしょうか?身内のアリバイ証言は信憑性を疑われますし、1人暮らしなら尚更です。防犯カメラに自分ではないと明らかに分かる犯人が乗って逃げる姿が映っていない限り難しい。しかし犯人も防犯カメラの存在は承知しているので顔が映る格好では現れません。
被害者なのに更に無用なトラブルに巻き込まれないよう、一分一秒でも早く必ず届け出ましょう。

また、盗難保険や車両保険(盗難被害も補償している場合)の申請、運輸局への届け出には、盗難届の受理番号が必要です。


【クレジットカード会社や保険会社へ連絡】
ETCカード(クレジット機能付きも有り)やクレジットカードも一緒に盗まれた場合、カード会社へ連絡して利用停止手続きを行いましょう。


【保険会社へ連絡】
盗難被害補償付き車両保険、盗難保険(バイクの場合、車両本体及びパーツ単体への加入が可能)に加入している場合、保険会社へ連絡します。その際、盗難被害届の受理番号が必要になります。
保険適用には実態調査に約1~2ヶ月かかる模様。すぐにお金は下りません。また最終的に保険適用となった場合、運輸局へ車両所有者移転・登録抹消届等の手続きが必要になります。保険会社によって多少違うでしょうし、手続きにも手間や時間がかかりますので、早めに連絡して手順や必要なこと、必要な書類等を先に確認・相談しておくといいでしょう。


【運輸局で一時抹消登録を行う】
盗難に遭った車両は一時抹消(廃車)登録という「ある事由によって、長期間車を使わない期間が発生する」手続きを行います。これにより該当車両は公道を走れば違法となり、自動車税の納付義務を止められます。
盗難被害届の受理番号、所有者の印鑑証明、車検証のコピーを持って管轄の運輸局で手続きを行います。
手続きが済むと、登録識別情報等通知書が発行されます。



■捜索

警察の仕事は犯罪捜査です。手がかりとなる盗難車両の捜索は捜査の一環ですから、発見されることもあります。

しかし愛車・愛機を取り戻せるか否かは、1~2日の短い期間の捜索が勝負の分かれ道。待ってばかりはいられない!となれば、自分で捜索するしかありません。
自身で愛車・愛機の捜索をする!ならば、身の安全を第一に心掛けましょう。
身の安全とは、盗難グループと車両を発見した際、自分で取り返そうとするのではなく、警察へ通報することです。
盗難手口の記事でも書きましたが、車両窃盗犯は複数犯且つ荒っぽいことが多く、危険です。
盗難被害届の受理番号がこの時に活きて、警察も迅速に駆けつけてくれるでしょう。

では個人が短期間でどうやって捜索すればいいのでしょう?


【GPS追跡機能が活躍】
盗まれた時の対策編で紹介した万が一の時の車両位置監視追跡システムがここで役立ちます。
【愛車を守るには 対策編Ⅱ】を参照)
車両位置がすぐ分かれば盗難被害届と一緒に警察へ情報提供してるでしょうが、セキュリティ会社に加入していれば、専門の担当者が対応してくれるサービスもあります。(※会社ごとサービス内容は異なりますので要確認)

但しGPSも万能ではありません。電波の届きにくい場所では位置情報を見失ったり誤差が生じます。窃盗グループは一度車両を隠す(足取りを消す為)ので、保管場所や解体するガレージ等が電波の届きにくい場所の可能性もありえます。


【意外と近くにある可能性】
GPSを設置していない場合、自分の足で探すしかありません。
車両を無事発見した際の情報の中に、「意外と近場にあった!」というのがあります。

原付によくある乗り回す為の窃盗でも近所の空き地、集合住宅や公園の管理されていない駐車場に停めてあったところを発見という話はよく聞きます。
売買目的の窃盗においても一旦持ち主の駐車場から移動させ、監視カメラやNシステム除けの為に別の場所に駐車して足取りを隠すことがあります。
監視カメラのない場所を普段から把握している一般人はあまりいないで大変ですが、カメラから一旦隠れて駐車できる場所、簡単な作業くらいならできそうな場所をしらみつぶしに探していくと発見できる場合も。


【SNS等の活用】
近所をしらみつぶしに…と言っても、個人では限界がありますし、時間との戦いです。発見場所が隣市だったという話も聞くので近場の定義も難しく、足(車両)を失ったオーナーが探せる範囲は限られます。
被害場所と窃盗グループの拠点で違いも出てきます。更に予想より遠い場所まで移動していることも充分ありえます。効率よく進めていきたいですよね。
そこで多少の個人情報を公開する覚悟があるならば、SNSを活用するのも手です。

SNSで愛車の情報を公開し、目撃者を募ります。ここで撮影しておいた愛車・愛機の画像が活きます。
※UPする画像は自宅・会社等の個人情報につながる場所以外で、人物を映さず(ガラス面やミラーにも要注意)撮影した写真を利用しましょう。
※そういった写真がない場合、位置情報を削除したり見せたくない所や人物にはモザイクをかけます。

但しSNSは拡散され、より多くの方の目に留まらなければ効果が出にくい点があります。自動車やバイクに詳しくない人は盗難情報自体は知っていても、該当車両を見かけたのに気づけないことも。
なのでより多くの目に触れる工夫は必要です。

複数のSNSで呼びかける。知り合いは勿論、専門アカウントやサイトの協力を得る…等。専門アカウントやサイトの選別は管理元がしっかりしていることを必ず確認する必要があります。
皆の協力がバトンみたいにつながって無事発見!愛車を取り戻した!という成功例は感動します。しかし善意の閲覧者ばかりとは限りませんので活用は自己判断で自己防衛を忘れず、トラブルがあった際は自己責任となる覚悟は必要です。



■保険活用の注意点

バイクは特に・・・と思い、既にバイクの前記事【愛機を守ろう!対策編】の最後でも書きましたが、盗難保険の活用における注意点があります。
特に注意③は防犯上、大切なことです。

※注意点①
盗難被害届の受理番号が必要。

※注意点②『適用条件・対象は必ず確認』
バイクの場合、適用条件に窃盗被害時の防犯対策状況について適用条件が決められていることがあります。
例えばハンドルロックは意味がないと思ってしていなかった場合、日本のメーカー品は法律でハンドルロック機能が付いている為、使用していないと保険適用外でお金が下りないということも。
他にもツーロック等の対策をしていたのに盗まれた、という前提が必要になることがあります。

自動車の場合、車両保険に盗難被害が対象かどうか確認しましょう。

どちらも実態調査の結果をもとに、定められた期間盗難車両が発見されない場合に支払われます。
車両保険によっては戻ってきた場合も故障個所が保険適用されることも。

※注意点③『窃盗犯も心待ちにしている!』
愛車・愛機を盗まれた場合、必要に迫られ、次の自動車・バイクを保険金を充てて購入する方が多いでしょう。
窃盗犯も貴方の新車購入を心待ちにしています!!

下見係が集めた情報は業界のデータベースにインプットされていると思ってください。窃盗事件のあった地区として警察の警戒が緩んだ頃、持ち主が気を抜いた頃に再び狙われる可能性があります。
同じ人が空き巣・自動車・バイク窃盗被害に遭いやすいのは、一度狙われると同じグループは勿論他のグループにも狙われやすくなるからです。福井で4度も侵入盗に遭っている被害者のニュースも有り。
ほとぼりが冷めた頃合いを見計らって、下見係が新しい自動車・バイクをチェックしに来ます。その時、以前のまま防犯対策が工夫されていないとなると、一度成功した手口でまたイケる!格好の獲物として映ることでしょう。
そうして悲劇は繰り返されるのです。



バイク(愛機)を守ろう!対策編

車種・排気量に関わらず防犯対策をした方がよいバイクの対策編です。必要(盗まれやすいバイク・環境下の駐輪)に応じてセキュリティ度を高めるに越したことはありません。



■防犯対策の考え方

市販対策品でどんな対策をどれだけ講じたとしても、実際は盗もうと思えば盗めます。
では無駄なのか、と言えばそれは違います。防犯対策とは日頃から『窃盗犯に狙われる確率を下げること』です。

①窃盗犯の目に無防備な姿で触れることをできるだけ避ける
②日頃から隙なく防犯対策を施す
③窃盗犯の嫌がる防犯対策を施す

前回の記事【バイクを守ろう!】で窃盗犯の手口について触れましたが、窃盗犯はひとめにつくことを嫌い、時間を気にします(できるだけ素早く盗んで解体、証拠を隠滅することで捕まりにくくなる為)。
防犯対策は対策しているぞ!と誇示することで「これは盗むのが面倒だな」と思わせ、下見の段階で候補から除外されることが重要です。

ターゲットに選ばれないことが大事

また下見の兆候(チラシを貼られたり、下見係らしき人がうろついている)を感じたら暫くは要警戒です。
防犯対策を増やす、見回りをする、駐輪時間を変える、別の場所に駐輪する等、こちらが警戒していることをアピールするのも手です。
 ※以前の記事【泥棒の真の姿】の中で泥棒かも!?と疑うべき人や下見係の格好について触れています。

それでは防犯対策について、問題点や注意点を加えてまとめてみます。



■シャッター付き施錠可能なガレージ

下見の段階で目につき難い、解錠・破錠して侵入する手間とリスクがある点から、屋外駐輪よりシャッター付き施錠可能なガレージ内の駐輪が安全です。

とはいえ、一度侵入すれば中で何をしているか見つかり難い為、防犯性の高いガレージであることが大事です。
監視カメラやセンサーライト等の設置は抑止力になりますが、一番はしっかりとセキュリティの高い鍵で施錠できること。

※車庫が足場になる家は以前【被害に遭いやすい家】に書きましたが、侵入盗に狙われやすいので充分ご注意を。自宅のセキュリティ強化をおススメします。

※問題点
しかし、すべての家がシャッター付きガレージを設置できるわけではありません。狭い日本では防犯上理想の駐車場を確保するには土地とお金がかかります。
そこで登場するのがレンタルコンテナでしょう。

バイク専用コンテナを提供している所があります。
自動車の場合、屋内契約駐車場は少なく屋外契約駐車場が最も盗難被害の高いことを考えると、バイクコンテナは選択肢のひとつに入れてもよいと思います。

※注意点①
各会社でセキュリティやサービスが違いますので確認を。入出管理、二重鍵、敷地及びコンテナ内に防犯カメラ、セコムと契約、警備員の定期巡回等。セキュリティサービスの確認も大切ですが、コンテナにセキュリティ度の高いディンプルキーを付けているかも確認しましょう。

逆にセキュリティはコンテナの鍵だけ、誰でも敷地へ侵入可能な所も多く、防犯カメラは抑止力はありますが、通報システムやかけつける係員がいなければほぼ無意味です。


※注意点②
何が入っている不明の通常コンテナより、バイク専用コンテナは何が格納されているか明確な為、狙われるリスクがあります。バイク自体の防犯対策はしっかりしましょう。
家から離れた場所に置くのが心配であれば、自宅駐輪場で可能なセキュリティ強化をすることになります。



■車用ロック

バイクの場合、駐輪場が施錠付き屋内でも屋外でもツーロック(バイク本体の施錠+α)を推奨します。
また日本製に限りますがハンドルロック(各メーカーの取説参照)を習慣づけましょう。

ハンドルロックとバイク本体の施錠、そして+αとなるのが車用ロックです。

※注意点
車用ロックは様々な製品が販売されていますが大切なことは、【セキュリティの高い鍵】【強度のある材質・頑丈な形状】であること。

ロック品を突破しようと目論む窃盗犯はボルトクリッパー(ボルトカッター)や電動工具を準備してやってきます。どんなに強度のある材質の製品でも電動工具を使えば破壊・切断できます。防犯グッズはそれらの行為にどれくらい耐えられるか、にかかってきます
鍵業界でも防犯対策シリンダーの評価は解錠の難易度だけでなく、破壊行為に何分耐えられるかで判定されます。犯人にとって1分でも早くセキュリティ解除することが重要だからです。
だからこそ防犯対策品はより頑丈でより太い・分厚い等の切断・破壊しにくい物、 材質は切断・穴あけ防止の強化合金や特殊加工品を選びましょう。
そして鍵屋としては錠の部分も頑丈な材質でシリンダー性能のできるだけ高い物をオススメします窃盗犯は専門家と同じ知識や経験があり、ロック品本体と鍵を確認して素早く破壊・切断できる方を攻撃します。

ロック品にはダイヤルタイプや鍵タイプがあります。もし鍵タイプだった場合、鍵の種類(一般的な刻み鍵/ディンプルキー/エースキーと呼ばれる管キー等あり)はディンプルキーをおススメします。
鍵屋的には刻みとエースキーのピッキングに時間はかかりません。

ディンプルキーも色々
丸や楕円の穴、溝に穴があるタイプ、ウェーブ状に彫られている物等


【種類と使い方】
車用ロックの種類は U字ロック、チェーンロック、ワイヤーロック、ディスクロック、ブレーキロック等・・・色々ありますが、使い方で2つに分けます

①地球ロック/アースロック(その場所に固定された物とバイクを繋ぐ)に使える物
②単体のロック(バイクの一部をロック)

バイク本体の施錠に+αの防犯対策としては、①の地球ロックが基本と考えます。
チェーンロック等でバイクの車輪だけロックした状態は非常に盗まれやすく、その場所に固定された物(車輪留めアーチ・柱・ガードレール等)とバイクをつなぐことが大切です。

活用してにゃ!

その上で②を付け加えれば防犯レベルを上げられます。
窃盗犯の気持ちになれば、パターンの違う複数のセキュリティの方が「盗むのが面倒」です。

また、車用ロックは出先(休日のツーリング等のみか、通勤でも利用なのかでセキュリティへの考えは違ってきます)での駐輪環境や駐輪時間も考慮して選ぶ必要があります。


※問題点①
地球ロックはロック品を突破しなくても移送が容易なバイクのデメリットを補いますが、バイクは解体しやすい為、パーツだけ盗む、あるいはつながれているタイヤを外して本体を持ち去る窃盗犯もいます。


※問題点②
駐輪場にバイクとつなぐ柱や車輪留めアーチがない!
 →埋め込み型のアンカーロックやアンカープレートもあります。ただしコンクリート等への埋め込み作業が必要。
 →アンカーを埋め込めない駐輪場の方は、プレートに前輪を乗せて繋ぐだけでも重量で運びにくくなる物、重石と繋ぐ商品等もある模様。


※問題点③
地球ロックと単体ロックの2種類を施すことで防犯レベルを上げられますが、窃盗犯が面倒だからと回避するということは、日常使いをする持ち主はもっと面倒です。
色々購入したものの、急いでいて忘れる、途中で使用しなくなる、では意味がありません。継続できるかどうかが重要です。お客様から、たった一度何もしないで駐輪して帰ってきたらバイクが消えていた!という体験談を聞いたこともあります。
バイクの場合、愛する物を守る為の防犯対策はとっても面倒臭いことこそが大切なのです。



■後付け盗難防止装置

最近はイモビライザー(始動停止機能)付きバイクもありますが、自動車に比べれば普及していません。
その為、後付けで盗難防止装置を付ける場合、メーカー純正ではありません。

信用のおけるきちんとしたメーカーの実績のある製品を選び、信用のおける専門店に取り付けてもらうことが大切です。
メーカーごと、Verごと、機能は様々です。


※注意点
IDが一致しない場合エンジンの始動を停止する機能と、+して警報装置付きもあります。きちんと設置できないと、『イモビライザーがしっかり機能せずバイクを守れない』『警報装置の誤作動が多くて近所から苦情』などが起こりえます。


※問題点
イモビライザーも万能ではありません。イモビカッターという装置もありますし、バイクはエンジンが動かなくても移送が容易です。また警報に物怖じしない窃盗犯が増えています。



■盗難保険

愛着のあるバイクそのものを守ることにはなりませんが、少しでも財産を守るという意味で盗難保険に入るという手段があります。
保険内容や条件も様々ですが、カスタムが人気のバイクならではでパーツだけ加入可能な保険もあります。

※注意点①
『適用条件を必ず確認して守る』
適用条件に窃盗被害時の防犯対策状況について適用条件が決められていることがあります。
例えばハンドルロックは意味がないと思ってしていなかった場合、日本のメーカー品は法律でハンドルロック機能が付いている為、使用していないと保険適用外でお金が下りないということも。
他にもツーロック等の対策をしていたのに盗まれた、という前提が必要になることがあります。


※注意点②
『窃盗犯も心待ちにしている!』
盗まれた愛機との再会を諦めた後、必要に迫られ、あるいはまた大好きなバイクを買って喪失感を埋めるしかない、と購入を検討します。
保険に入っている方はそれを元手にまた周囲から羨望の目を向けられるバイクを買っちゃいますよね。窃盗犯もソレを心待ちにしています!!
下見係が集めた情報は業界のデータベースにインプットされていると思ってください。窃盗事件のあった地区として警察の警戒が緩んだ頃、持ち主が気を抜いた頃に再び狙われる可能性があります。
同じ人が空き巣・自動車・バイク窃盗被害に遭いやすいのは、一度狙われると同じグループは勿論他のグループにも狙われやすくなるからです。
ほとぼりが冷めた頃合いを見計らって、下見係が新しいバイクをチェックしに来ます。その時、以前のまま防犯対策が工夫されていないとなると、一度成功した手口でまたイケる!垂涎の品として映ることでしょう。



次回は、バイク・自動車の盗難対策をしていたけれどそれでも盗まれてしまった時に何をすべきか、についてまとめます。



バイク(愛機)を守ろう!

自動車の盗難について連載しましたが、実はバイクの盗難件数は自動車より一桁多いんです!!

バイク乗りの方って愛着やこだわりを持って乗っていらっしゃる方が多いイメージ。原付なら通勤通学・仕事にと日常使いの比率が自動車以上に多いのではないでしょうか。
そんな愛機が盗まれたら、とんでもなくショック!即日大ピンチ!そんな大切な足が盗まれるリスクが自動車以上ですから、是非とも対策をオススメします。



■バイク盗難状況

コロナで在宅が増えた関係か、自動車もバイクも盗難件数が激減しています。しかしコロナ禍以前から長い年月、バイクの盗難件数は自動車より一桁多いのが現状です。


【件数から見る変化】
これまで原付・小型バイクの盗難が多かったのが、ここ最近は中型・大型バイクの盗難が増えつつあります。
『東京卍リベンジャーズ』を見ると、「やっぱバイク格好イイ!ゼファーいいよね!!」とかなりますよね。もしやその影響があったり??…するかどうかは不明ですが。

これまでのバイク盗難は盗んだバイクで走り出しちゃう尾崎系(若い人には分からない?)と、自動車と同じく売買の為です。
この売買の状況が変わってきたことが原因にあるのでしょう。各バイクメーカーがOEMや現地向けに法人として盗難バイクの取引先だった各国へ進出しています。盗難バイクの中心だった原付・小型バイクがお手頃価格になって供給が満たされやすくなると、盗難品は市場価値が下がります。そうなってくると次は中型・大型バイクが目をつけられます。
また、ネットで誰でも国内外問わず売買が手軽にできるようになったからだとも考えられます。

【盗まれやすいバイク】
①狙われやすい車種
ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ・・・日本の各メーカー、外国メーカーならハーレー等、各社それぞれが誇る人気バイクが数多盗まれています。
各メーカーごとに盗まれやすいランキングをまとめたサイトがありますので検索してみてください。

現行の人気車種は勿論、古いバイクでもリスクがあります。むしろ高くなる場合も。カワサキではゼファーもランクイン(2021/12にもゼファー盗難がニュースになってました)しているように製造中止になった車種、各メーカーの人気上位車種・型式は垂涎の品なのです。

しかしランクインしていないから大丈夫、なわけではありません。バイクは外に置いてあって運びやすい=盗みやすい財産です。

②無締り・無対策
カギを抜き忘れた・・・は盗んでくださいと言っているようなもの。人気車種ではなかったとしても無施錠というだけで途端にターゲットナンバー1へ躍り出てしまいます。

被害データによると家や自動車同様、バイクもこのウッカリが意外と多いのが実情です。バイクの特徴として、停めてからヘルメットやグローブを脱ぐ等することが多い為、抜き忘れが生じるのかもしれません。

更にバイクの場合はイグニッションキーのロックだけで防犯対策をまったくしていないと、車種に関係なくリスクは高まります。


③パーツ
実はパーツだけ取り外して盗む手口も多いとのこと。カスタマイズしている場合は特に要注意。


④盗まれやすい駐輪環境
自野外野外駐車場が最も盗まれる場所です。
門扉やアコーディオンフェンスで仕切ることができても、窃盗犯にとっては対した障害になりません。
「敷地内だから大丈夫だろう」と何もしないで玄関先や庭へ停めておけば、窃盗犯の目に美味しい獲物として映ってしまいます。

写真は自動車と自転車ですが
特に自転車エリアは危険。
侵入さえすれば壁に隠れながら作業できます。

駐輪時間帯が決まっている長時間・長期間の駐輪であるほどリスクは増加します。
犯行の大半は夜間に行われますが、持ち主及び近隣で不在宅の多い時間帯や期間も要注意です。

路上駐輪や外部の駐輪場においても、放置時間が長いほどリスクは増します。

監視カメラがなかったりひとめにつきにくい、管理されていない駐車場や土地勘があって停めやすい駐輪場以外の場所は、幅を取らないバイクゆえに停めやすく「ちょっとの間だから・・・」と思われるかもしれませんが、盗む側もそれを承知して狙ってきます

※盗まれやすい状況については、自動車記事と重複する部分もあるのでご参照ください。

盗まれやすい環境とは、窃盗犯が『ひとめにつくことを避ける』『短時間で盗める』ことができるかどうかに関わっています。



■バイク盗難の手口

【下見】
窃盗犯の殆どが下見をします。候補のバイクに目をつけると、周囲の環境・防犯対策状況・持ち主の行動パターン等を調べます。
窃盗犯にとって、『ひとめを避ける』『持ち主が気づくまでに時間がかかる』ことが重要だからです。
できるだけ容易に盗める物が選ばれますが、バイクの場合はこれぞ!という車種なら手間を惜しまない場合もあるでしょう。

買取業者等のチラシが貼られていたら、すぐ剥がしましょう。窃盗団の下見担当がチラシを貼って持ち主がバイクに近づく頻度を確認している可能性が高いです。
チラシを貼られたら暫くは要警戒です。防犯対策を増やす、見回りをする、駐輪時間を変える、別の場所に駐輪する等、こちらが警戒していることをアピールするのも手です。


【破錠・セキュリティ解除】
下見の結果、ターゲットを決めると窃盗犯は下見の情報をもとに決行日時を決め、車用ロック(ワイヤーロック・チェーンロック・U字ロック・ディスクロック・ブレーキロック・ハンドルロック等)やイモビライザー・警報装置等に対処する準備をしてやってきます。

車用ロック等を破錠、チェーンやワイヤー等を切断する工具持参でやって来る相手です。門扉やアコーディオンフェンスは無いよりマシ程度だと思った方が良いです。

※門扉やアコーディオンフェンスの錠は簡単に解錠や破錠できる物が多いです。


同様にイモビカッター等を持参の可能性もあり、イモビライザーが無効化されることも。

警報装置で窃盗犯が逃げてくれればいいのですが、わざわざ下見をしてひとめ・人通りが少ない時間帯を選んで決行する場合、簡単に逃げることは少ないと思われます。
深夜、眠っている時に外の音で目覚める人もいれば、まったく目覚めない人もいます。目覚めてもわざわざ外に出てくる人は少ないでしょう。

持ち主が気づいた場合も、大抵は複数犯ですので武器になる工具を持った相手と遭遇することは非常に危険
です。



【パーツを取り外す】
バイクのパーツは外しやすく、特にカスタムパーツは高価で人気がある為、パーツだけがターゲットになることも。
また、パーツが外しやすいということは、ワイヤーやチェーンで柱やガードレール等につないでおいても、つないだタイヤを外して本体を盗んでいくことがあります。


【積載】
バイクは移送が容易で軽トラでも可能な為、破錠やセキュリティ解除をせずにそのまま載せて運んでしまうことも。
自動車窃盗のレッカーという手口同様、業者っぽい格好をしていれば目撃者がいたとしても故障車両か何かだと思って気に留めない可能性もあります。



■盗難されたバイクのその後

盗難された自動車が戻ってくる確率は2割強と低い確率です。バイクはそれより更に低いと言われます。
売買目的の場合、盗まれたバイクは自動車同様に解体されて部品として売られることが多いそうです。

自動車より運搬や解体をスピーディに行える点が、戻ってくる率を下げているのでしょう。
部品と化した愛機を、または他のバイクに組み込まれた愛機の一部を「これは自分のだ!」と発見して取り戻すことは至難の業です。
その為、窃盗犯にとって持ち主が盗難に気づくのが遅いほど安全になります。


しかし!身内でもお客様でもいらっしゃいましたが、運よく発見されることもあります。
体験談では近所で発見されている傾向にあります。
空地や公園等の管理されていない駐車場などで解体しているところを発見し、即通報!』
また、『(前記と同じような場所で)隠すように停めてあった』『集合住宅の駐輪場で自転車にまぎれて見知らぬバイクが停められており、気になった人が管理会社へ連絡したが住人の物ではなく盗難車だと発覚』これらは後で解体するつもりか、乗り回すつもりの窃盗だったのでしょう。

哀しい姿で帰ってくることもあれば、
比較的きれいな状態の場合も。

愛機を雨ざらしで放置されたり、無残にもバラバラにされたり・・・想像するだに悲しく悔しいですよね。
次回は対策編です。



愛車を守るには 対策編Ⅱ

対策紹介の続きです。鍵屋には畑違いの製品もありますので、詳細は実績があって信用のできる専門店の詳しい担当者へ質問相談お願いします。

■スマートキー保護

【電波遮断ポーチ】
スマートキーが常に発している電波を遮断する素材のポーチ。外出先・自宅でも有効。
クレジットカード等の貴重品を全部まとめて管理する場合は、スキミングも対策されている製品を選びましょう。


【金属製ケース】
ブリキ製の缶等に収納して蓋を閉めれば電波を遮断できます。外出先には不向きなので自宅用になります。

おっと…先客が
収納缶を乗っ取られても、車は乗っ取られてはいけません


【節電モード】
車種・年式によってはスマートキーに節電モード機能があります。節電モード時は電波を発しません。
乗車時は節電モードを解除します。
機能の有無と操作方法はメーカーごとご確認を。


※注意点①
現行主流のキャンインベーダーは勿論、他の手口からは守ることができません。

※注意点②
ポーチや蓋を完全に閉じなければ遮断できません。隙間に注意。

※注意点③
電波を受信する車体側は守られていませんので、対策していると分かる視覚的抑止効果が無く、下見の段階で選ばれるリスクがあります。


■後付け盗難防止装置

※注意点①
後付け盗難防止装置は自動車メーカーの純正ではありません。
信用のおけるきちんとしたメーカーの実績のある製品を選び、信用のおける専門店に取り付けてもらうことが重要です。
メーカーによって呼び方(製品名)が違いますので、ざっくり機能でまとめます。


【盗難防止装置(始動停止タイプ)】
IDが一致しない場合、シフトチェンジやエンジンを停止する機能。+αでリレーアタックやコードグラバー対策、キャンインベーダー対策機能付き等が販売されています。

専用のデジタル認証機能や、持ち主の本体キー以外との通信を車両側でシャットアウトする機能等によって対策を行っている模様。

現行手口に対応したVerを選べば、当面(これを解除する手口や新しい手口が出てくるまで)は効果を見込めるでしょう。



【警報装置】
警報装置のセンサーにも種類があります。

①チルトセンサー
車体の各部位を監視し、振動、傾斜(ジャッキアップ)等の異常を感知すると大音量の警報音を鳴らし、ひとめにつきたくない犯人を威嚇する。

②フィールドセンサー
レーダーで自動車周囲を監視し、誰か近づくと警報音を鳴らして威嚇。
契約駐車場など他人の出入りがある駐車場には不向き。

③音感センサー
振動として検知できない自動車から発せられる音で解錠行為を感知し、警報音を鳴らして威嚇。

※注意点①
感知範囲や感知機能が正確で誤作動の少ない製品を選ばないと、自身の心臓にも悪く近所迷惑になります。
※注意点②
電池タイプは電池切れに要注意。
※注意③
これらの商品は周囲へ犯行を知らせて犯人に諦めさせる為の物です。犯人が音に驚いて逃げる、あるいは周囲の視線を集めることができれば逃げるでしょう。しかし盗難発生時間帯は深夜が圧倒的に多く、ひとめを集めるのは難しいでしょう。
持ち主が駆けつけて犯人が逃げればよいですが、空き巣や忍び込みの記事にも書きましたが犯人との遭遇は襲われる危険があります。先に通報しても警察が駆けつけるまで時間がかかりますし、特に自動車窃盗は複数犯であることが多いので危険度は高まります。



■車両位置監視・追跡システム

盗まれない為の対策ではありませんが、盗まれてしまった後に取り戻せる確率を上げる対策として、GPSで車両位置を監視・追跡するシステムがあります。

メーカーと種類によりますが、スマートフォンやパソコンから車両位置の確認や追跡ができて、車両異常をメールで通知してくれる機能がある場合も。

またセキュリティ会社から同サービスも提供されており、緊急出動隊員が駆けつける等の対処も行ってくれる模様。


※注意点①
GPS取付け位置が重要。
抑止効果を狙って目立たせる他の対策品と違い、気づかれないように設置する必要がある為、実績と信頼のある専門店で取付けた方がよいでしょう。

※注意点②
GPS電波が届きにくい場所だと位置情報が得られなかったり、誤差が生じる。

※注意点③
車両位置が分かっても個人で取り返すのは難しく危険も伴う為、警察へ車両位置の情報を提供して捜査してもらう、またはセキュリティ会社に任せることになります。




自動車は外に置いておくしかない財産になります。また車内の荷物、お金やETCカード、カーナビ、ETC車載器、オーディオ、アルミホイール、エアロパーツ等も車上荒らし(車上狙い)に盗まれる危険があります。
実際に私の知り合いは営業車にPCを置き忘れて駐車した小一時間の間に車上荒らしに遭いました。

車上荒らしはガラスを割る荒っぽい手口が多い

狙われないよう日頃の予防(前記事参照)を心がけ、狙われやすい環境・車種等不安要素があるならば必要と判断した対策で守りましょう。




愛車を守るには 対策編Ⅰ

前回の記事でまとめた通り、車種に関係なく盗みやすい状態にした自動車は盗まれますので、全車種で必要な予防から、車種や利用状況・駐車環境によって必要と思われた際の対策をご紹介+注意点をまとめます。

■日頃の予防

①一瞬でも無締りにしない、絶対に施錠する
②窓もすべてしっかり閉める
③鍵をひとめにつく場所に置いたり所持せず、しっかり管理する
④できるだけ長時間・長期間放置しない
⑤張り紙やチラシがあったらすぐに剥がす
⑥荷物や鞄類を載せっぱなしにしない
⑦ETCカードを挿しっぱなしにしない
⑧管理された駐車場以外に駐車しない

日頃の予防で「盗みやすい自動車」と思わせない、興味を持たせないことが肝心です。
次からは物理的な防犯対策です。盗まれやすい車種・利用状況・駐車環境、周囲で多発していて不安等、状況やご都合に合わせて、対策しましょう。


■シャッター施錠付きガレージ

すべての盗難手口に有効。
前記事の盗難発生場所データでも自宅敷地内・屋外駐車では37%、

施錠できる屋内駐車場では5%と圧倒的に少なく、窃盗犯はできる限り屋内へ侵入するリスクと手間を避けています。

とはいえ、一度侵入すれば中で何をしているか見つかり難い為、防犯性の高いガレージであることが大事です。
監視カメラやセンサーライト等の設置は抑止力になりますが、一番はしっかりと施錠できること。

但し車庫が足場になる家は以前「被害に遭いやすい家」に書きましたが、侵入盗に狙われやすいので充分ご注意を。自宅のセキュリティ強化をおススメします。


※問題点①
自動車を守れるのはあくまで自宅駐車場のみ。
「外出先でも対策したい」「通勤先駐車場で長時間停める」等の場合は、別の対策も追加しましょう。

※問題点②
すべての家がシャッター付きガレージを設置できるわけではない。費用もかかる。
狭い日本では防犯上理想の駐車場を確保するには土地とお金がかかります。特に複数台所有していると、近くの契約駐車場を借りる場合もあります。ちなみに契約駐車場(屋外)が最も多い盗難発生場所です。契約駐車場(屋内)は少ない為、近場にないことも。
シャッター付きガレージへ施錠して駐車できない場合、別の対策を講じることで防犯性を高め、狙われる率をできるだけ下げましょう。


■車用ロック

【ハンドルロック/ステアリングロック】
ハンドル操作できないように固定するアイテム。
写真のような4点留めタイプで正しい設置の仕方をすれば一定の効果が見込めます。覗けば外からでも見える為、「防犯対策をしている自動車」としての抑止力も期待できます。

※注意点
ハンドルの細い部分に設置すると、ハンドルを簡単に切断して取り外せてしまいます。同じくハンドルロック自体も細い物・頑丈な材質ではない物は容易に切断できます。


【タイヤロック/ホイールロック】+【ロックナット】
タイヤに取り付けて自走を防ぐアイテム。外からひとめで対策しています!と見せつけることで抑止力にもなります。
大切なのはロック自体の頑丈さ。さらにはナットも合わせて守ること。タイヤ交換に手慣れている人なら簡単に外してしまえるからです。

頑丈なタイヤロックと合わせて、ロックナットという専用工具でしか外せないセキュリティ部品に交換することで対策できます。
タイヤと一緒にナットもガードしてくれるタイヤロックもあるようですが、材質や強度は要確認。

※注意点①
前々回の記事でレッカーという大技の窃盗手口を紹介しましたが、前輪駆動か後輪駆動かでロックすべきタイヤが変わると思います。四駆は・・・前後どっちもした方が安全でしょうか。
道路に牽引跡を残す為のでっぱりがあるタイヤロックも有り。但し 落ち着いて破壊できる近場まで移動しただけならその先は分かりません。

※注意点②
他のロック製品と同じく細い物や材質が頑丈でない物は容易に切断されてしまう。


【ペダルロック】
ブレーキペダルまたはアクセルペダルを固定して踏めなくするアイテム。
外から見え難いと、まず自動車自体を解錠されてしまう危険があり、単体より他の抑止効果のある対策との併用がよいと思います。

※注意点
他のロック製品と同じく細い物や材質が頑丈でない物は容易に切断されてしまう。



※車用ロックの問題点①
ハンドルロック又はタイヤロックをしていたのに盗まれた!という事件が愛知県内でも発生しております。
突破されてしまった主な理由としては、

①材質や施錠部分、形状が破壊・外しやすい対策品だった。
②正しい(効果的な)設置方法ではなかった。
③車高のある自動車や馬力のある自動車だとタイヤロックによってはつけたまま走行できてしまう模様。その音や痕跡をいとわない犯人(落ち着いて破壊できる近場までの移動、または車載トラックに乗せるまで)だったのでしょう。また、馬力のある自動車でタイヤロックをつけたまま走行してタイヤロックの方が外れてしまう事象も。

何度も書きますが、切断・穴あけ防止の強化合金等を使用した頑丈な材質の物を選ばないと、いくら厚みや太さがあっても切断・突破されやすいということ。

前提としてどんな材質の製品でも電動工具を使えば破壊・切断できます。鍵業界でも防犯対策シリンダーの評価は解錠の難易度だけでなく、破壊行為に何分耐えられるかで判定されます。犯人にとって1分でも早くセキュリティ解除することが重要だからです。
だからこそ防犯対策品はより頑丈でより太い・分厚い等の切断・破壊しにくい物を選びましょう。そして鍵屋としては錠の部分も頑丈な材質でシリンダー性能のできるだけ高い物をオススメします
ロック品を突破しようとする犯人が電動工具を持っていないわけがないので、幅広のロック部分を切断するより小さな錠部分を壊す方が早いと判断する錠では意味がないということです。

これらの商品についている錠はダイヤルタイプか鍵タイプです。もし鍵タイプだった場合、鍵の種類(一般的な刻み鍵/ディンプルキー/エースキーと呼ばれる管キー等あり)はディンプルキーをおススメします。
鍵屋的には刻みとエースキーのピッキングに時間はかかりません。

防犯商品は全般的に、急いでいる窃盗犯に「手間がかかって面倒だ」と自分の自動車を選ばせない抑止力です。

下見は昼間。この中から選ばれないことが大事。


※車用ロックの問題点②
窃盗犯に「手間がかかって面倒」と思わせるくらいですから、日頃乗る持ち主にとっても面倒です、とっても。
購入したものの、急いでいて忘れる、途中で設置しなくなる、では意味がありません。時間に余裕がない方には不向き、とも言えます。
「鍵を持たない犯人にはこれ以上の面倒臭さを味わわせてやれるんだ」くらいに思って継続し、愛車を守りましょう。

製品の材質やシリンダー性能には現行のハイクラス品以上の物は存在しませんし、犯人がどの手口・どんな装備を持って来るか分からない以上、更にセキュリティを高めたい場合はひとつの対策だけでなく複数にするとよいと思います。※継続できるか自身と相談の上



愛車を守るには 盗まれやすい状況編

盗まれやすい状況・盗まれやすい自動車についてまとめます。


■盗難状況データ ※2020年度

【盗難発生時間帯】
日中(9時~17時) 12.7%
夜間(17時~22時)10.8%
深夜~(22時~ ) 66.5%

深夜は狩りの時刻

持ち主や周辺住民が寝静まり、暗くてひと目を避けられる時間帯の発生は圧倒的に多い。
暗くても帰宅等で人と自動車の動きが多い夜間は、逆に日中より少なめ。

【盗難発生場所】
自宅(屋内)5.1%
自宅(屋外)37.3%
契約駐車場(屋内)8.9%
契約駐車場(屋外)40.5%
通勤先駐車場 3.2%
他、コンビニ・スーパー駐車場、路上等 5%

自宅駐車場でも37%発生

屋外駐車場は下見もしやすく盗み出しやすい為、家から離れた契約駐車場は勿論、自宅駐車場でも多く発生。

日中は明るくてひと目につきやすい反面、終業時間帯まで戻って来ない、長時間駐車が分かる通勤先駐車場が狙われている可能性がある。
しかしコンビニ・スーパー等の駐車場や路上でも発生し、これらは毎年変動していることから、計画的というよりその場で持ち主の隙を突ける・盗みやすいと判断された自動車が盗難に遭っていると思われます。

【車名別盗難件数ランキング】

1位:ランドクルーザー
2位:レクサスLX
2位:レクサスRX
2位:プリウス
5位:クラウン
6位:アルファード
6位:レクサスIS
6位:レクサスRX
9位ハリアー
9位:スカイライン

他…ヴェルファイア、ハイエース、もランクイン。
しかしニュースや被害情報を見るとGT-R窃盗団がいるという噂があったり、スープラやインプレッサ、ワゴンR等の国産車、外国車も被害に遭っていました。
高級車やこだわりの名車が狙われやすいのは勿論のこと、ファミリー層向けまで幅広く盗まれている点から、盗みやすい状況下に自動車を置けば、どんな車種でも盗まれてしまうということです。



■盗まれやすい自動車

①無締まり
ほんの2~3分だからと無施錠で自動車から離れたり、鍵をすぐ分かる場所・見える場所に置く等すれば、車種に関係なく盗みやすい自動車になります。
日本人は自動車を綺麗に使用する(乗り換え時に下取り価格が高くなりますしね)傾向にあるので、大抵の自動車はお金になるでしょう。

また自動車窃盗は売買目的だけでなく、犯罪に利用する目的だったり事故を起こす可能性もあり、所有者に嫌疑がかけられる、責任を追求される場合もあり得ます。

「私の車はランク外だから盗まれないだろう」ではなく、自動車は物にぶつかれば壊すパワーがあり、誰かを轢けば怪我を負わせ、最悪死に至らしめてしまう所有物だという認識でしっかり施錠・鍵の管理をしましょう。
 ※盗まれてしまった際にすべきことはまた別途。

盗難件数の多い車種というのは、一般市場(海外含む)で人気があり、且つ盗難車を取り扱う市場で価値が高い車種ということ。
つまり一般的なセキュリティを施していてさえ、盗まれてしまう可能性のある車種なわけで、1分だって無施錠放置は窃盗犯へご馳走を奢るようなものでしょう。

ご馳走



②長時間・長期間駐車
自宅駐車場や契約駐車場から盗む場合、窃盗グループは下見をして持ち主の駐車する時間帯、あるいは乗車しない曜日を確認します。
最近の手口ではわずか5~10分で簡単に自動車を盗み出せますが、持ち主が盗難に気づかない時間が長いほど犯人は安全が確保できます。自動車盗難は一晩の出来事であることが多く、取り戻せるのは約2割強。長時間駐車になればなるほど、盗難に遭うリスクは増えます。

また規則性のある長時間駐車を繰り返す、週末以外は駐車したまま、等の長期間自動車に近づかず放置する駐車もリスクが高くなります。

管理された駐車場でさえ盗まれるのに、管理下にある駐車場以外の場所に長時間駐車する行為はリスクを高めます。


以上のことから、自動車の盗難対策はどのレベルまでするか、日頃の予防で済ませるのか、自動車の車種・普段の利用状況・駐車環境等から、判断するとよいかと思います。

ということで、次回は対策編です。